Type II エンドリーク症例の検討
鈍的外傷の既往をもつ下腿動静脈瘻の 1 手術例
自治医科大学附属 さいたま医療センター 心臓血管外科
○今村 有佑,松本 春信,藤井 温子,中野 光規 竹内 紘子,板垣 翔,佐藤 哲也,西 智史 岡村 誉,木村 直行,由利 康一,山口 敦司 安達 秀雄
症例は13歳男子.高所より左上肢を伸展させ上肢が背部 に入る形で背側から転落した.来院時左上腕骨幹端は皮膚 から突出していた.手関節部の背屈変形もあった.橈骨動 脈,尺骨動脈は触知せず手には冷感とチアノーゼを認め た.レントゲン検査の結果,左上腕骨顆上骨折,左橈骨遠 位端骨折と診断され緊急手術を行った.全身麻酔下に生理 食塩水10Lで洗浄後,汚染組織をデブリドマンし,上腕 骨および橈骨骨折をKワイヤー固定した(橈骨は経皮的ピ ンニング術).創内に断裂した上腕動脈断端を認めた.断 端間は3cmあり直接吻合は困難と判断し,右大腿から大 伏在静脈を採取し間置した.術中造影で血流再開を確認し 閉創した.術後1年現在リハビリにより左上肢機能は日常 生活に問題ない程度に回復しており,定期的なエコー検査 でグラフト開存が確認されている.本症例においては,上 腕動脈完全断裂で橈骨動脈の拍動を触知せず手のチアノー ゼおよび冷感を認めたため直ちに血行再建術を施行した が,小児の上腕骨顆上骨折に伴う上肢虚血の評価および治 療については様々な議論がある.若干の文献的考察を含め て報告する.
P38-7
小児の上腕骨顆上開放性骨折に伴う上腕動脈断裂の
1例
横須賀市立うわまち病院 心臓血管外科1
自治医科大学附属さいたま医療センター 心臓血管外科2
○中田 弘子1,佐藤 哲也2,吉崎 隆道1,草処 翔1 田村 敦1
【目的】shaggy aorta/artery (SA)
syndrome/microatheroemboli-zation(MAE)の治療指針は確立されていない.そこでこれ
までの治療経験をもとに我々の治療方針を検証した.【治 療方針】典型的臨床経過・所見から診断し,腎機能が許容 されればenhance CTによりSA の部位を特定する.強力ス タチン投与と神経ブロックを行い,疼痛消失,乾性壊死化 を待ち,壊疽デブリドマン/非定型切断(D/A)により生組 織を極力救済する.ASO合併や広範壊疽では血行再建
and/or組織補填を行う.MAE再発による切迫大切断例で,
腹部大動脈〜腸骨動脈にSA病巣がある場合は大動脈−大 腿動脈バイパス・SA空置術(AFB)を行う.下行胸部〜腎 動脈上腹部大動脈SAではスタチン治療のみとなるが,足 趾壊疽の治療方針は同一である.【方法】過去15年間,2 施設のSAによる足趾壊疽は22例,男19例,平均年齢 71.7才(53−91), DM 17例,高血圧13例,虚血性心疾患 14例 ,脳血管疾患(>Rankin 2) 4例,維持透析6例であ った.SAへの血管内治療による医原性MAEが12例(CAG/
AOG1例,PCI 3例,EVT8例)含まれた.病巣が胸腹部大 動脈にわたる広範SA7例,腹部大動脈限局7例で,後者 のMAE再発例に対しては9例に大動脈─大腿動脈バイパ ス腹部大動脈置換術を施行した.腎血行閉鎖の医原性 MAEでは緊急AFBと腎動脈再建を要した.ASO合併は9 例で,8例に末梢動脈バイパスを行い,1例には遊離筋皮 弁を要した. 22例中,スタチン単独1例,急性期神経ブ ロ ッ ク( 持 続 坐 骨 神 経 ブ ロ ッ クor Smithwick手 術 )4例,
D/Aは14例に施行され,6例はD/Aのみが行われた.【結 果】SA/MAEの治療は4〜111ヶ月の経過で,21例が救肢(大 切断回避)され自力歩行可能で日常生活に復帰した.1例 はMAE治療後にASO悪化による重症虚血肢で大切断が 行われた.AFBではMAEの再発・死亡なく良好であった.
経過中死亡は4例(急性心筋梗塞1例,心不全1例,突然 死1例,肺癌1例)で,1例は維持透析であった.【結論】
SA/AMEによる足壊疽の救肢治療は疼痛抑制と壊疽治療の
P38-10
Shaggy aorta syndrome
による足壊疽に対する治療方針
江戸川病院血管病センター1 旭川医科大学2
○大久保直子1,小久保 拓1,笹嶋 唯博1,笹嶋 唯博2
【症例】34歳男性.ガラスによって右前腕を受傷,前医で 止血,創処置をされた.出血はoozingのみで創の縫合と 圧迫止血のみが行われた.受傷6日後に急激に右前腕が腫 脹し疼痛が増したため前医を受診したところエコーで前腕 内に拍動性腫瘤を認め当科紹介となった.【術前所見】右前 腕から肘部にかけての腫脹と縫合された創内からの出血を 認めた.手指の運動障害はなかったが第1〜4指の感覚障 害を認めた.造影CTでは橈骨動脈壁の一部の破綻による 瘤状の出血と遺残するガラス片を認めた.血管エコーでは 橈骨動脈の血流は順行性で,エコーと指尖脈波センサーで 橈骨動脈の順行性血流が失われた場合でも手掌の血流が維 持されることを確認した.橈骨動脈損傷による動脈性出血 と診断し緊急手術となった.患者は若年であり,手指の巧 緻性と筋力を必要とする手工業を営んでいたため可能な限 り損傷した橈骨動脈を温存する方針とした.【術中所見】手 術は上腕神経叢ブロックと静脈麻酔下に行った.外傷部位 をT字に延長し皮膚切開した.皮下に古い血腫とその内 部に比較的新しい血腫を認めた.ガラス片は古い血腫内に 遺残していた.新しい血腫内に動脈性の出血を認め橈骨動 脈は後壁側を一部残した状態で破綻していた.橈骨動脈の 損傷部位とガラス片の遺残していた部位は離れており橈骨 動脈の損傷は初回外傷時に生じたものと考えられた.破綻 した橈骨動脈壁の性状は特に末梢側で不良であったため,
残留する後壁側を温存して可能な限り不良な壁をトリミン グした.皮膚切開時に同定した肘部正中皮静脈を使用して 動脈損傷部をバイパスした.【術後経過】術後CTではバイ パス末梢側吻合部に狭窄を認めたが,術後の運動障害はな く術前からの第1〜4指の感覚障害は徐々に改善し3か月 後には第1指に残存するのみとなった.筋力低下,易疲労 感は術直後に認めたがこちらも1か月後には徐々に改善し た.術1か月後に仕事に復帰した.【まとめ】本症例では受 傷時の橈骨動脈の損傷による出血が血腫と皮膚縫合によっ て圧迫止血され仮性瘤状となり,その後経過とともに徐々
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鋭的外傷後遅発性に動脈出血を来した
1例
橋本市民病院 心臓血管外科1 和歌山県立医科大学 第一外科2
○仲井 健朗1,圓本 剛司1,岡村 吉隆2
【背景と目的】当院における下肢静脈瘤の治療はストリッ ピング手術が主流だったが,2014年に高周波アブレーシ ョン術が保険収載となり,手術適応となる患者に対して高 周波アブレーション術を開始したのでその使用経験,治療 成績について報告する.【対象と方法】期間は2014年8月 から9月で,対象は,伏在大腿静脈の合流部に有意な逆流 を認め,治療希望のあった12症例(15肢)であった.方法 は全例,麻酔科医立ち会いのもとプレセデックスによる静 脈麻酔と局所麻酔,TLA麻酔により ClosureFASTを用い て120℃,20秒 で7cm毎 に 焼 灼 し, 全 例 で 下 腿 はstab
avalsion法による瘤切除を施行した.【結果】男女比は男性
7人,女性4人,年齢は平均69.8±5.2歳,大伏在静脈の 弁不全が10肢,小伏在静脈が5肢であった.自覚症状は だるさ,重さ,足のつりなどで,CEAP分類では,C2〜
C4に分類された.入院期間は全例2泊3日,平均手術時 間は61.0±22.5分,術後,皮下出血を認めた例は2例,疼 痛は軽度のものが2例,閉塞率は100%であり,自覚症状 はほぼ改善を認めた.その他の合併症は,尿閉,弾性スト ッキングによる湿疹,残存瘤を1例ずつ認めた.当院で行 っていた従来のストリッピング手術は,全身麻酔下で,手 術時間は2時間前後かかっていた.今回の高周波アブレー ション術の導入により,手術時間の短縮,麻酔による負担 の軽減,術後の疼痛の軽減,早急に仕事復帰できるメリッ トなどがある反面,大学病院特有の難点があり,今後も改 善すべき検討が必要と考えられた.【まとめ】高周波アブレ ーション術は,レーザー治療と違い,20秒で7cm毎に焼 灼するという方法で,簡便であり施行者による差は少ない と考えられた.高周波アブレーション術は合併症も少な く,安全で良好な結果を認めたが,今後も長期的に経過追 跡が必要と考えられる.今回は症例数も少なく,比較的軽 症例に多く使用し,依然として,当院では重症例にはスト リピング手術を施行しているのが現状であるが,今後は適 応も幅も広げていきたいと考えている.
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当院における下肢静脈瘤に対する高周波アブレーショ ン術の使用経験
聖マリアンナ医科大学病院 心臓血管外科1 けいあいクリニック2
○桜井 祐加1,阿部 裕之2,鈴木 寛俊1,嵯峨根正展1 盧 大潤1,永田徳一郎1,千葉 清1,小野 裕國1 大野 真1,古川 浩1,北中 陽介1,近田 正英1 西巻 博1,宮入 剛1
2000年6月より2014年11月末までに,当院でおこなっ た下肢静脈瘤に対する日帰り治療は3815肢であるが,そ の治療方法は近年のレーザー(EVLA)および高周波焼灼術
(RFA)の登場によって劇的に変化している.2010年以前 は抜去切除術あるいは高位結紮併用硬化療法が外科的治療 のほぼすべてであったが,レーザー焼灼術が保険適応とな った2011年には,416肢中190肢(45.7%)に,2012年に は380肢中102肢(26.8%)に,2013年には405肢中161肢
(39.8%)にEVLAをおこなっている.さらに2014年に限 ってみると高周波焼灼術RFAが保険適応となる前の1月 か ら5月 ま で( 前 期 )は186肢 中109肢(58.6%,EVLA:
RFA=87 : 22)に,保険適応後の6月から11月の後期では 255肢中208肢(81.6% ,EVLA:RFA=8 : 200))に血管内 焼灼術をおこなっており,最近の治療法は明らかに血管内 焼灼術,特にRFAへとシフトしている.その理由はRFA の高い閉塞率に加え,術後疼痛や皮下出血が少なく,術後 圧迫療法の期間も短く,抗血小板剤や抗凝固剤内服例にも 実施できる点,社会復帰が迅速であることなどがあげられ る.しかし,saphenous compartmentより浅い部分の大伏在 静脈や下腿の分枝や不全穿通枝をどのように治療するかに ついては未だ検討の余地がある.当院では前者に対しては PIN strippingをおこなっており,後者については患者の希 望を加味して同時に切除するか1ヶ月後に硬化療法する か,放置するかを決定している.ちなみに後期ではRFA 単独:RFA+同時追加処置=143:75であった.一方で,
下肢静脈瘤治療にたいする一般の認知度が高まり,肺塞栓 症や脳塞栓症を過度に心配して来院される方やweb type のみ,生理的静脈拡張のみであったり,伏在静脈に弁不全 があっても瘤化がなく径が4mm未満である症例が増えて きた.血管内焼灼術が広まってきた現在,軽症例への対応 の仕方にも節度が求められると考える.学会では当院の下 肢静脈瘤治療に対する治療姿勢を公表し,議論を進めた い.
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当院における一次性下肢静脈瘤の治療法の変遷と適応 について
白石血管外科クリニック
○白石 恭史