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平嶋竜太「新たな模倣類型に対する不正競争防止法の可能性について」(不正競争防止法を活用した知的財産の保護強 化に関する調査研究報告書(財団法人知的財産研究所、2005 年))244 頁以下

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74 平嶋竜太「新たな模倣類型に対する不正競争防止法の可能性について」(不正競争防止法を活用した知的財産の保護強 化に関する調査研究報告書(財団法人知的財産研究所、2005 年))244 頁以下

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6.検討用条文案

他人の成果の冒用について広範に規定するスイス不正競争防止法第3条、第5条のよう に、不正競争行為にかかる抽象的な行為類型として、対象となる具体的な行為類型をそれ ほど詳細には特定せず、具体的行為類型の隙間を埋める補充的な条項を設けることを考え た場合の検討用条文案を提示する。

この検討用条文案では、補充条項による差止請求は、回復しがたい著しい損害が発生し た場合に限定し、一般条項に対する萎縮効果を減殺するために、適用除外についても一般 条項を設けている。

<検討用条文案:新第16号>

前各号までに掲げる不正競争のほか、不正の目的で、人の業務に係る表示若しくは事業 活動に有用な技術上の情報若しくは営業上の情報を使用し、又はこれを使用した商品を譲 渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通 信回線を通じて提供する行為

及び

<検討用条文案:新第3条の2>

前条第一項第十六号に掲げる不正競争によって営業上の利益を侵害され回復しがたい著 しい損害が発生する、又は侵害され回復しがたい著しい損害が発生するおそれがある者は、

その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は 予防を請求することができる。

<検討用条文案:適用除外>

第二条第一項第一六号に掲げる不正競争 他人の表示又は事業活動に有用な技術上又は営 業用の情報を、事業者間の公正な競争を阻害することなく使用し、又は使用した商品を 譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電 機通信回線を通じて提供する行為事業者間の公正な競争を阻害することなく使用行為 これらの検討用条文案に対しては「回復しがたい著しい損害が発生する」は、独禁法の 不公正な取引方法に基づく差止請求にも似たような文言があり、実務上は使い勝手が悪く、

厳しすぎるとの批判もあり、十分な検討が必要であるとの意見が示された。

また、仮処分で差止めを求める場合、「債権者に生じる著しい損害又は急迫の危険を避け るためにこれを必要とするとき」とあり、権利の損害が本案訴訟でまだ確定されていない ときの要件が設けられている。一方、補充条項の差止請求の要件は、 「回復しがたい著しい

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損害が発生するおそれ」とあり、不正競争行為に当たることが本案訴訟で審理された上で 差止めを認めるべきか否かを決める要件になっている。補充条項を立法化する上で必要な 要件であるならば、十分な検討が必要であるとの指摘がなされた。

7.検討すべき問題点

不正競争防止法に一般条項を導入することについて、平成5年の法改正の際に、産業構 造審議会において検討されたが、「今後、さらに、その必要性及び導入した場合の問題点な どについて検討を行っていくべき課題である」とされた。

そこで本研究会では、産業構造審議会で示された論点をもとに、さらなる検討を行う。

検討すべき点としては以下が考えられる。

-不正競争防止法の規制のあり方

-他の法律との関係

-補充条項の導入に伴う懸念と対処

(1)不正競争防止法の規制のあり方

(ⅰ)問題意識

「不正競争」行為を個別に列挙することには、規制の対象となる行為を明確に規定する ことにより予見可能性を確保しつつ、時代の変化に応じて柔軟に必要十分な対応が可能で あるとのメリットがあることは否定できない。しかし、個別・限定列挙については、以下 のような限界があることが指摘されている。

①対応が後手になり、新たなビジネスに対応できない

現行の不正競争防止法は、実務において具体的な不正競争行為が発生し、裁判になるな どして、問題が顕在化した後に、立法化される。したがって、問題が顕在化してから立法 がされるまでの間は、仮に将来立法により不正競争行為と評価される行為であっても、法 的には差止められることはない。

問題が顕在化するためにはある程度の時間が必要であり、新しいビジネスに対する不正 競争行為があった場合に、この不正競争行為に対して直ちに対応することはどのように迅 速な立法を行ったとしても不可能である。更には、新たな問題が発生するたびに個別類型 で対応するという不正競争防止法の性格により、不正競争防止法を改正するためには、こ れを支える具体的な不正競争行為の発生が必要である。

このため、現在我が国では発生していない(又は大きな問題として顕在化していない)

が、外国で既に発生し、今後我が国においても発生する可能性が否定できない不正競争行 為について、事前にこれに対応した法改正を行うことは事実上不可能に近い。

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このように、何が工業上、商業上の不正な競争行為であるのかは時代とともに変遷し、

あらかじめその全てを類型化することは困難であり、現在発展途上のビジネスに関する不 正競争行為など経済社会の変化に応じて発生する新しい不正競争行為に対して現行法は無 力であり、また将来発生するビジネスについても、個別類型の追加を待っていたのでは不 十分で、現行法での事前の対応は期待できない。

②判例法理の適切な形成・発展への影響

新たな立法が容易ではないことから、裁判においては、①現行法の解釈を拡張して適用 することにより新たな不正競争行為に対応する方法、②民法第709条により損害賠償請求の み認める方法のいずれかにより、当該事案の解決としてはできるかぎり妥当な救済が図ら れている。

しかし、このような暫定的な救済によって当面の保護を図り、判例の蓄積を待って必要 に応じて個別類型を創設するという現行法のスタイルは、以下のような問題点がある。

(a)現行法の解釈

個別具体の事案で妥当な結論を導くための拡張解釈

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は、個別類型として規定された行

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