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学術研究目的や社内利用目的、不可避なデータの読み込み行為などの行為については、一般的にはデータベース保有 者にとって営業上の利益の侵害が認められない場合が多いと考えられる。

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48 学術研究目的や社内利用目的、不可避なデータの読み込み行為などの行為については、一般的にはデータベース保有 者にとって営業上の利益の侵害が認められない場合が多いと考えられる。

-44-

7.検討用条文案をめぐる議論

(1)検討用条文案

本研究会では、具体的な議論を行うべく「検討用条文案」に基づいて議論を行ったが、

前掲の各論点についての議論と併せて、今後の検討に向けて参考になる考え方として、そ の案文と主な意見についても付記する。

<検討用条文案;情報集合物譲渡等行為>

(定義)

第二条 この法律において「不正競争」とは、次に掲げるものをいう。

(第一号から第三号まで 略)

三の二 他人が特定の者に対価を受けて提供している他人の情報集合物(容易に集積で きるものを除く。 )を相当の割合で複製し、これが記録された記録媒体を譲渡し、引き 渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくはこれを電気通 信回線を通じて提供する行為

(第四号以下 略)

2~3 (略)

3の2 この法律において「情報集合物」とは、他人が特定の者に提供するために集積し た論文、数値、図形その他の情報の集合物であって、それらの情報を電子計算機を用い て検索することができるように構成したものをいう。

<検討用条文案解説>

○情報集合物譲渡等行為

他人が営業上使用している「情報集合物」を不正に複製した記録媒体を譲渡などをする 行為や、当該情報集合物を電気通信回線を通じて提供する行為を不正競争行為とする。

具体的には、 「情報集合物」について、「他人が特定の者に提供するために集積した論文 などの情報の集合物であって、電子計算機を用いて検索できるように構成したもの」とし た上で、①対価性と②特定の者に提供していることを保護の要件とした。

「容易に集積できるものを除く」は、解釈指針として挿入した。

「相当な割合で複製し」の部分は抽象的であるが、この条文により判例の蓄積を待ちた いと考える。

(2)本研究会での議論

前述の検討用条文案に対しては、以下の意見が示された。

-45-

・ 「特定の者」や「対価性」で保護対象を絞ることに関して、インターネットなどでの無 償の情報提供型などは対象にならないと解釈できるので良いと思う。

・ 「相当の割合」に関して、事例の積み重ねが必要との意見や、裁判所に解釈を委ねるの は無理で、もっと適切に解釈の指針を示すべきとの意見があった一方で、この用語で も条文の趣旨は表されていると思うので問題はなく、裁判所としては解釈に困ること もあると思うが、自ら常識的なところに落ち着き、判例が形成されると思うとの意見 もあった。

・ 「容易に」に関して、裁判所に解釈を委ねるのは無理で、もっともっと適切に解釈の指 針を示すべきとの意見や、「容易に集積できるものを除く」に関して、文言通り条文を 残すかは別として、慎重に議論をする見地から意味があると思うとの意見があった。

・従来の判例では「競争関係」にあることが前提であったと思われるが、この検討用条 文案では「競争関係」を問題としておらず、概念をそこまで広げて良いのかどうか十 分に検討するべきである。

<参考>

地図検索DB 飲食店情報DB アルバイト情報DB 住宅情報DB 旅行情報DB

顧客名簿DB 開発実験結果DB

公官庁のDB 個人がHPで一般 公開するDB 判例DB

新聞記事DB 車両情報DB タイプフェイス(?)

特定の者に提供

DBの種類

非営利目的 自己使用

公開

営利目的使用

※掲載収入や広告収入等による利益

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Ⅳ-2.情報集合物(タイプフェイス)の保護の可能性と課題 1.問題の所在

デジタル時代になり、タイプフェイスの無断コピーや改変が多くなった。さらに、ネッ トワーク化の技術革新・普及と共に、電子文書にタイプフェイスを内包したデジタルフォ ントを埋め込み、当該文書をインターネットなどで送受信する技術が実用化されたことが 加わり、タイプフェイスの無断複製や改変が容易になり、タイプフェイスを不正に流用す る事例が多数発生している

49

この点に関して、既に写植機用文字盤や印刷用の書体の模倣が問題となった事案に関し て不法行為の適用する余地がある旨相当であると判示した事案があること

50,51,52,53

や、各種 メディアにおける書体デザインの重要性が高まっていることなどを踏まえて、政府の「知 的財産推進計画2006」の中でも「タイプフェイスの保護を強化する」との項目のもとで、

保護のあり方を検討すべき旨が規定されている

54

そこで、本研究会においては、書体デザインにかかる情報の集合物であるタイプフェイ スの不正競争防止法による保護のあり方について検討を行った。

2.保護の客体

保護の客体となるべきタイプフェイスについて、国際的な保護の枠組みを提供している ウィーン協定

55

においては、「第2条 タイプフェイスとは、次の一組のデザイン(set of designs)をいう。」と定義されており、特定あるいは個々の文字ではなく、一組の文字群 を保護の対象としている。日本においても、タイプフェイスとは、「言語表記を主目的に、

記録や表示など組み使用を前提として、統一コンセプトに基づいて制作されたひと揃いの

49

『タイポグラフィックス ティー』平成 17 年 10 月 NPO 法人日本タイポグラフィ協会。

50

東京地判昭和 55・3・10 無体集 12 巻 1 号 47 頁、東京高判昭和 57・4・28 判時 1057 号 43 頁、最高裁和解昭和 60・10・

16 判例集未登載(牛木理一『意匠法の研究四訂』(発明協会,1994 年)449 頁を参照)。

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