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不正競争防止法第2条第1項第 14 号 競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し、又は流布す る行為

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2~3 (略)

個別具体の事案で妥当な結論を導くための拡張解釈 75 は、個別類型として規定された行 為の外延を不明確なものとし、文言の無理な解釈によって個別に不正競争行為を列挙して

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する個人など「競争関係」にない者や「虚偽の事実」を立証できない事実の告知や流布は、

たとえ、会社の信用を害する事実の告知又は流布であっても不法行為による損害賠償請求 はともかく、差止請求はできないとされている。

しかし、このような現状において、過去に第三者から会社の信用を害する事実の告知や 流布が行われたことがある企業は約13%であり、約80%の企業がそのような経験はないと 回答している(図4-3)。これら信用毀損の具体的不正競争行為として、インターネット の掲示板などへの「倒産」などの虚偽の情報を流布するケースが約60%で最も多く、次い で根拠のない製品性能の比較や誹謗中傷などの製品情報流布、顧客に対して他社の特許権 侵害や意匠権侵害の流布、不正競争防止法違反であると流布するなどのケースがある。

(1)ない 79.9%

(2)ある 12.7%

無回答 7.4%

(1)必要 70.6%

(2)不要 15.6%

無回答 13.8%

図4-3 第三者から会社の信用を害する 図4-4 会社の信用を害する事実の告知・

事実の告知・流布された経験の有無 流布を差し止めることの要否

これら会社の信用を害する事実の告知又は流布について、差止請求をとることができる ようにすることの必要性は、約70%の企業が「必要である」と回答している(図4-4) 。 必要とする理由は、「競争関係」の規定など現行法のままでは不十分であるため (28.1%)、

健全な企業活動を保護するため(25.5%) 、迅速な信用回復により被害を最小限に食い止め るため(23.1%)、虚偽情報の流布は許せないため(22.8%)などの意見があった。不必要 であるとする理由は、現行の保護法制度で十分であるとの意見が35.5%と最も多いが、そ の他に事実なら「報道、言論、表現の自由」を侵害する恐れがある(32.9%) 、差止の対象 が不明瞭であるため効果が期待できない(15.3%)、権利濫用の可能性がある(10.6%)な どの意見があった。

さらに、第三者から会社の信用を害する事実の告知・流布されることの経験の有無に関 らず、そのような行為を差し止めることの要否が意見としてあげられていることが分かる

(図4-4-1)。

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85.8

85.5

87.3

14.2

14.5

12.7

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

全体

(1)必要

(2)不要

(%)

(1)ない (2)ある

図4-4-1 会社の信用を害する事実の告知・流布の差止請求の要否に対する 会社の信用を害する事実の告知・流布をされた経験の有無の内訳

(ⅳ)その他不正競争防止法全般について

最後に現在の不正競争防止法について改正すべき点、または新たに不正競争行為として 追加すべき点について尋ねた。以下意見の多かった順に列挙する。

・ガイドラインなどにより不正競争防止法を分かり易くするなどの啓蒙活動が必要 ・不正競争行為の一般条項、補充条項の検討

・過剰な規制は産業の発達に弊害を生じる可能性がある ・時代の変化に即した限定列挙の追加などの法改正 ・データ集合物の保護と活用

・メディアにおけるコンテンツ複製の禁止措置の拡大と罰則規定の強化 ・模倣品の適用除外期間の延長

・行き過ぎた行政サービスの規制

・営業秘密にあたらない情報にも保護が必要 ・海外法制度との調和

・裁判中の告知・流布行為の差止請求が必要 ・製造事業者名、原産地の表示

・取締り方法など行き届かない面が多い

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・日本企業の外国法人も対象とすべき ・ネット管理者にも責任がある

・ネット上の悪意ある情報の規制

・不競法第2条第1項第10号、第11号に罰則規定を科してもらいたい ・不競法の相談窓口の増設

・不正競争行為の類型を増やすのは好ましくない ・立法の趣旨に基づき規制内容の見直しをするべき

・第2条第1項第1~3号に「不正/詐欺目的」という語彙を追加、あるいは第2条第1 項第1、第2号の「広く認識」の解釈を広くする

4.アンケート結果のまとめ

(1)需要者吸引表示の不正利用行為について

現時点において、需要者吸引表示を利用・管理している企業は少なく、また、回答企業 全体では国内外を含めトラブルになった例も少ないようである。そのためか、需要者吸引 表示に関する具体的な社内マニュアルを作成している企業は少ない。

このような状況において、回答企業全体では需要者吸引表示の法的保護の必要・不必要 の意見はほぼ同数であった。

(2)データベースの不正利用行為について

データベースの利用形態としては、 「制作することが多い」 、 「制作、利用を行っている」 、

「利用することが多い」がほぼ同数であり、制作されているデータベースについては殆ど の企業がID、パスワードといったアクセスコントロールなどの技術的な制限手段を施し ている。

著作権以外の法的保護の必要性については不要との意見がやや多いが、著作権法以外の 法的保護がされた場合の影響については、多くの企業が影響はないと回答している。

(3)その他の不正競争行為について

(ⅰ)営業成果の不正利用行為について

「営業の成果」については法的保護が必要であるとする企業が約7割であった。営業の 成果は投資など企業努力の成果であり、財産的価値を有すると判断する企業が多く、それ らを保護する法制度が希薄であると認識している企業が多い。過度の保護に対する権利濫 用などの危険性も懸念されるが、保護要件を明確にするなどの工夫により、今後何らかの 保護の在り方を検討する必要があると思われる。

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(ⅱ)不正競争防止法第2条第1項第13号について

本号の表示列挙の見直しの必要性については、賛否の意見がほぼ同数であった。しかし、

提案された問題となる表示の中には、現行法に限定列挙された表示では解釈しにくいもの も多数見られる。時代の推移を考慮しながら、現行法の見直しを検討する必要性はあると 思われる。

(ⅲ)不正競争防止法第2条第1項第14号について

会社の信用を害する事実を告知・流布された経験のある企業は全体の1割強であるが、

それらの不正行為に対する差止請求権の必要性を感じている企業は約7割に達する。これ は、インターネットなどの情報手段の発展に伴い、本号に規定する不正競争行為に遭遇す る危険性が高まっており、その早急な対応策として必要であると感じている企業が多いた めである。現在、本号は「競争関係」、 「虚偽の事実」などの限定事項があり、現行法では 不正競争行為にならない場合が生じ始めている。そこで、これらの限定を削除し、現行法 を拡大する可能性について検討する必要があると思われる。

(ⅳ)その他不正競争防止法について

現在の不正競争防止法については非常に多くの意見が集まった。その中で特に多かった 意見は、不正競争行為に該当するか否かの判断が難しい、というものである。これに対し てはガイドラインを示したり、啓発活動をしたりするなどの対策が望まれている。

また、不正競争行為に対しては、一般条項、補充条項などを定めて規制するべきである という意見、 罰則規定を強化して欲しいなどの意見も多く見られたが、前述の問題も含め、

保護要件、保護範囲などの条件を見極めつつ、今後その可能性について検討する必要があ ると思われた。

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Ⅷ.不正競争行為の規制に関する主要先進国の状況

不正競争行為の規制に関する主要先進国(イギリス、ドイツ、フランス、スイス、アメ リカ)の状況について、海外の弁護士事務所に調査票を送付し、それに回答してもらう形 式で調査を実施した。調査票を送付した弁護士事務所は、以下のとおりである。

イギリス、ドイツ、フランス:Clifford Chance LLP スイス:Lenz & Staehelin

アメリカ:Garrett & Dunner, LLP

調査は、今回の研究会のテーマに従い、需要者吸引表示、データベース、成果物の保護 など不正競争行為からの保護について質問を行った。以下に各国の回答書の要旨を示す。

なお、回答書の原文は参考資料Ⅰに添付する。

1.他人の需要者吸引表示の保護について

質問A-1

調査対象国において、他人の「需要者吸引表示」を無断で使用して自分の商品として販 売する行為や、自分の商品や役務の広告として使用する行為を規制する法律(制定法・判 例法を問わない。)はあるか。

法律により規制されている場合は、法律ごとに以下の点について調査・報告されたい。

また、判例法により保護されている場合は、代表的事件の概要と判決理由について、以下 の点が明らかになるように紹介・報告されたい。

①規制している法律名と該当条文

②規制が設けられた経緯

③保護される需要者吸引表示の定義

④規制される行為についての要件

⑤保護期間

⑥侵害行為に対する救済の請求主体

⑦侵害行為に対する民事的な救済手段の内容(差止請求、損害賠償請求、名誉回復措置 など)

⑧侵害行為に対する刑事罰、行政措置の有無とその内容

⑨侵害者が差止を認める判決に従わない場合の強制執行の方法

⑩その他

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