第5章 市民意識行動形成のためのしくみづくり
4. 広州大会のエンターテイメント
5.2 市民意識行動形成のしくみ・構築について
第5章 市民意識行動形成のためのしくみづくり 145
で、2007 年大会のテーマ曲の応募から、2008 年に始められた市民の自 らの応援・行動へ変化したことが明らかになった。「活動内容」は、2004
〜10 年の時間において市民意識行動形成の「認知・応援・体験段階」の プロセスがあり、活動の相互推進より多くの市民が都市の出来ごとに注 意・関心を持つことからはじめ、都市を認識、都市を応援するといった 意識行動を醸成する経緯がわかった。その形成経緯は「認知・応援・体 験段階」の活動を推進しながら、伝える内容によって対象者を明確化し、
適切な運営組織とメディアの構築が必要である。
第5章 市民意識行動形成のためのしくみづくり 146 図 5-17 市民意識行動形成を構築するしくみ
(2)運営中心の組織能力を活用
1)「公益力がある組織」(中国では教育機構)
2)「実行力がある組織」(中国では団委という行政組織)
3)「マスコミ力がある組織」(中国ではテレビ局・体育・観光・文化局)
(3)適切な運営組織構造とメディアの選択 1)行政、団体、コミュニティとの協働
2)「ブログ・共有する」ネットワークの力を生かす 3)エンターテイメントの社会広報の媒体性を生かす
第5章 市民意識行動形成のためのしくみづくり 147
(4)市民と都市とのコミュニケーション・ツールを構築する
対象者により、人と都市とのコミュニケーション・ツールを構築する。
青少年・大学生・市民など異なる対象者に、都市に関心・正しい市民
(ホスト)・都市を楽しくするというキャンペーン内容と適切な意識行 動のためのしくみで、市民と都市とコミュニケーションをとる「ツール」
を構築する。
・青少年と都市:都市の出来ごとを教える
・大学生と都市:責任と義務を伝える
・成人・大衆市民と都市:エンターテイメントの楽しさを共有する (5)新しいコミュニティを構築する
運営とメディアにより、主催者と関係する共催者と連携することでよ り多くの人々を集め、人と人の新しいコミュニティを構築する。
以上のように、国際スポーツイベントにおける、市民意識行動を喚起 するしくみは、異なる対象者に適切な内容、運営団体とメディアのしく みによって、人と都市とのコミュニティ・ツールを構築すると導いた。
以上のように、広州大会のような「官」が主催する国際イベントは限 られた時間に開催され中国・広州を代表する都市の持続発展するを目指 す大会で、「公益力・実行力・マスコミ力がある組織」は中心部門の主 役を果たし、協働体と連携することで 1 千6百万の人々を集め、人と人 の新しいコミュニティを構築できた。青少年に都市の出来ごとを教え、
市民にホストとしての責任と義務を伝え、エンターテイメントの楽しさ を共有することで、市民と都市とのコミュニケーションを円滑化できた こととなった。
第5章 市民意識行動形成のためのしくみづくり 148
第5章 市民意識行動形成のためのしくみづくり 149
注・参考文献
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4 広州アジア競技大会志編集委員会編集,広州アジア競技大会志,
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同注5
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14 広州大洋ウエブサイト
http://hg.dayoo.com/
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第5章 市民意識行動形成のためのしくみづくり 150
18 広州市統計局公式サイト
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19 http://www.china.com.cn/economic/txt/2008-03/17/content_12855250.htm
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24 http://www.china.com.cn/v/zhuanti/16yyh/2010-11/03/content_21265830.htm
25 http://www.ce.cn/xwzx/gnsz/gdxw/201011/01/t20101101_21934601.shtml
26 中川和亮,ライブ・エンターテイメントの事例研究〜広告媒体とし ての考察〜,
97
,関西学院大学大学院社会学研究科博士課程後期課程平 成23
年度助成研究報告書第6章 国際スポーツイベントのための「もの」・「ば」・「こと」づくりの 役割と効果による「ひと」づくりの提案
1.本章の目的 ... 152 2.「ものづくり」と市民意識行動との関係に関する考察 ... 153 2.1 「ものつくり」による市民が都市に対する誇りについて ... 154 2.2 「民」が「官」を応援する行動意識形成しくみについて ... 158 3.「もの」・「ば」・「こと」の役割と効果による「ひと」づくりの提案 ... 162 4.シビックプライド醸成のポイント ... 167 注・参考文献 ... 173
第6章「もの」「ば」「こと」づくり」の役割と効果による「ひと」づくりの提案 152
第6章 シビックプライド醸成のための「もの」・「ば」・「こと」づくりの 役割と効果による「ひと」づくりの提案
1.本章の目的
第2章のバルセロナ、ロンドンオリンピックの事例検討から国際スポ ーツイベントには、開催都市の文化を象徴するデザイン、市民が認める デザインが必要であり、そのためのデザイン方法として、「都市のアイ デンティティ形成のためのものづくり」と「市民の意識行動を喚起する しくみづくり」の二方向から検討するための仮設を立てた。そして、中 国の都市現状、社会現状におけるシビックプライド醸成のための国際ス ポーツイベントのデザイン方法については都市側「官」が主催者、市民
「民」が応援者とする「官・民」共創型の都市プロモーションとの考え 方で検討を進めた。
2010 年広州大会の例を考察した結果では、行政が発表した「都市宣言」
がデザイン方針として「ものづくり」には、都市を誇る要素は「地域要 素」、「環境要素」による「多様性」であること導き、それらの要素を「活 かす」「作り直す」「新しくする」のデザイン方法で見せる「もの」、体 験する「ば」にし伝播するといったシビックプライド醸成のための市民 共感を構築するデザイン方法のプロセスを導いた。一方、市民意識行動 形成には、社会広報の様々な活動「こと」の例を考察結果では、行政と 市民の間に「コミュニケーション・ツール」を構築することによって、
新しいコミュニティが構築することができたことがわかった。
そして、「もの」「ば」「こと」のそれぞれの役割があり、シビックプ ライド醸成には、人と「もの」、人と「ば」、人と「こと」のコミュニケ ーションの関係を解明する必要がある。そのため上記の研究成果の上で、
中国で行う国際スポーツイベントにおけるシビックプライド醸成のた めの「もの」・「ば」・「こと」による「ひと」づくりの役割と効果を考察 し、本研究の結果をまとめることより提案に導く。
第6章「もの」「ば」「こと」づくり」の役割と効果による「ひと」づくりの提案 153
2.「ものづくり」と市民意識行動との関係に関する考察
シビックプライドは、中国語での直訳の概念表現はないが、三千年朝 廷変更の流れで、社会の安定をさせ、国を支えるという「忠・孝」が「臣・
民」の社会意識で、民が自治より、「仁義忠孝」等の思想で「民を教化 する」という家国一体の教義で統一してきた歴史の中では、国家のため の「忠・孝」が中国人の誇りであるといえる。今日に至ると中国が世界 の第二番の経済国と共に、多くの千万人の都市が都市再生、社会再生の 課題になり、市民のために安心安全な都市で活力がある都市づくりが、
市民や行政が望んでいる課題である。そのため、本研究は「官」と「民」
の視点から、「シビックプライド」の概念が「都市に対する市民の誇り」
と都市と市民の関係について検討を行った。
国際スポーツイベントにおけるシビックプライド醸成のために、中国 2010 年広州アジア競技大会(広州大会)の例をあげ、広州大会開催5年 前の準備段階の新たな都市のアイデンティティイメージのための「もの づくり」と「市民意識行動形成」の事例とデザイン方法を考察した。開 催都市の歴史文化、都市構造、市民資質を向上すべきの都市現状と社会 現状を基づき、行政が大会を契機に発表した「都市宣言」は市当局が「文 化的・歴史的な名城、活力がある都市」、「市民により良い生活環境を提 供し、社会を安定的に、市民の教養と都市の国際化」を実現する決意を 示した。政府のこの決意を実現するには、大会のホストとした市民の応 援が必要である。また、市民が都市で生活するには、基本の住む環境と 生活の質を向上する環境と心の豊かさを支えるものも必要である。
そこで、「官」が市民の共感意識を構築する「ものづくり」と「民」
が「官」を応援する行動意識形成の「しくみづくり」の思考で検討する。
「官」が民をもって考える「ものづくり」を推進しがなら、「民」が「官」
を応援する中国におけるシビックプライド醸成の国際スポーツイベン トのデザイン方法を考察する。