第4章 広州アイデンティティイメージ形成のための
4.3 まとめと考察
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の話題になった16。より多くの市民に現場で開幕式を体験させるため、
本番開催日の前に5回広州市民に向けて上演した。このように、広州の 壮大の歴史文化を演じた物語により市民のプライドを高揚させた17。
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5.広州大会後の評論及び新聞報道
上記の広州大会宣伝のための「ビジュアルベーシック」、大会向けの
「都市景観イメージ」、「開幕式」の事例といった「開催都市のアイデン ティティ形成のためのものづくり」において開催都市の新たなアイデン ティティが形成されたかという点で、市民が都市に対して持つ誇り要素 を解明するために、大会後の評論及び新聞報道から考察する。調査した 結果と次の「6.2016 年広州大会の認識調査」との比較調査分析で、市 民が都市に対して持つ誇り要素を導くことを目的とする。
(1)国際オリンピック委員会会長の評価
広州大会の開会式の翌日(2010 年 11 月 13 日)、広州大会の開催施設 を視察し、開会式に参加した国際オリンピック委員会(IOC)のロゲ会 長は記者会で「2001 年広州の初旅があるが、9 年後の現在の広州は、変 化が大きいね、街に高層ビルが増え、当時には広州塔がなかった」、「広 州大会の開会式は、感情に満ちた、ユニークな開会式」と賞賛し20、「IOC に入って 7 年になるが、広州アジア大会開会式は実にすばらしかった」、
「大会を成功させれば、広州市にとっては、五輪開催申請の機が熟した ことになる」などと述べた21。
(2)日本オリンピック委員会評価と、新聞報道
毎日新聞(2010 年 11 月 11 日、28 日)は、「選手村からバスで1時間 以上かかる会場がほとんどであり、選手よりも市民の跡地利用を優先し た配置になっていた」ことなどが報じられた22。
日本 JOC関係者は、「各施設はオリンピック施設に匹敵するほどのレ ベルであった」、「ボランティアを含む要員は十分配属されてスムーズな 対応であった…質の高いホスピタリティを感じた」と称賛した。「一番 遠いセーリングの会場へは、市内から 4時間以上かかるなど、各会場へ のアクセスは、利便性が良いとは言えず、大会後の跡地利用を優先さ せ、郊外に分散させた会場配置は、都市型の国際大会開催モデルとし
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て課題を残した」23と報告した(2011 年)。
(3)中国の新聞報道
南方日報(2010 年 11 月 9 日)
「広州の味と大会の記憶」をテーマに、「五羊伝説」を生かしたマス コットとエンブレム;方言の童謡と開会式の曲;「海上シルクロード」
を名にしたメダルのデザイン;「北から南の山・城・水」の居住スタイ ルと競技場の建築などが、広州の味と広州大会のための各領域に浸透し たと賞賛した24。
広州日報(2010 年 11 年 29 日)
「広州大会が広州人のプライドを向上した」をテーマとして、市民に インタビューし、市民が大会で感じた「広州人のプライド」についての 記事をあげた。内容は以下である。
市民 A:「都市で生活には幸せはなんでしょう?青空に照らして、家の 前の公園で散歩でき、グリーンウェイで自転車を乗ることと思う」との 記事がある。さらに、
市民 B:「他市の親戚が広州に来ると、「広州には歴史的な建築物があ り、現代風の高層ビルやショッピングセンターがあり、特に美食があっ て、いいね」と親戚が広州を褒める言葉を聞いて、広州人としてのプラ イド感が生まれました。」との記事もある。また、
市民 C:広州大会のおかげて近所の川が整備してくれて、地下鉄の線 路が増え、市民生活の「実質的な恵」が与えてくれた。との記事もある
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(4)まとめと考察
ロゲ氏や日本の報道は広州大会の盛大な開会式や施設やボランティ アを高く評価した一方で、「都市型の国際大会開催モデルとして課題を 残した」に関する問題を指摘した。
また中国国内の報道では、広州の特色を生かした広州大会と賞賛され た。市民は大会を契機に改善更新した都市の公園、グリーンウェイ、川、
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地下鉄線路に気付き、幸せを感じられる生活環境であると認め、これら を「実質的な恵」と評価した。また、他市の親戚の褒め言葉から市民の 中に広州人としてのプライドが生まれるということからは、他人に褒め られることで自分が住む都市の良さを認識することで都市に対する誇 りが生まれるということがわかった。
6.2016 年広州大会の認識調査
シビックプライドの概念は、「誇り要素をシンボル化する、市民意識 や行動を喚起する」ことであるため、複数の誇り要素と複数の意識や行 動に関係すると考えられる。広州大会のアイデンティティイメージ形成 のための「ものづくり」には地域イメージを元にしたエンブレムなどの 地域イメージデザイン、市民のために改善した公共広場などの環境デザ インや都市の新陳代謝が象徴する広州塔などのシンボルデザインがあ る。それらの「ものづくり」の役割と効果を把握・考察するため、「市 民の都市に対する誇り」が、どの都市の要素に関係しているかを明確に することを目的として、大会の 6 年後に「広州大会の認識調査」を行っ た。