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第3章 審理手続

2 審理関係人に係る手続

<法令>◆ 総代の資格は、書面で証明しなければならない。 令3条1項

[解釈]□ 審理員から総代の互選を命じられた共同審査請求人は、総代を互選した上 で、総代の資格を証明する書面を添付して、審理員に通知することが必要と なる。

□ 総代の選任については、総代の性質から、原則として共同審査請求人全

員の同意(総代の解任の場合は、当該総代以外の全員の同意)を要すると 解される。したがって、総代の資格を証明する書面には、全員の同意が得 られていることが記載されている必要がある。

(運用)○ 共同審査請求人による総代を互選した旨の通知は、総代の資格の証明 と併せて、書面で行うよう求めることが適当であると考えられる。

様式例20

○ 審理員は、総代の互選の通知があったときは、その旨を他の審理関係 人に通知する。

様式例21

エ 解任の届出

○ 共同審査請求人が総代を解任した場合には、審理員は、共同審査請求人に対し、

その旨の届出を求め、資格の喪失の有無を確認する。

<法令>◆ 共同審査請求人は、必要があると認める場合には、総代を解任すること ができる。

法11条6項

◆ 総代がその資格を失ったときは、書面でその旨を審査庁(審理員による 審理手続が行われている間は、審理員)に届け出なければならない。

令3条2項 書面の例→様 式例3

(運用)○ 審理員は、総代の解任の通知があったときは、その旨を他の審理関係 人に通知する。

様式例21

(2)審査請求への参加の許可等

【概要】

審理員は、利害関係人から審査請求への参加の申請があった場合には、参加の適否を判断し、

参加を許可した場合には、他の審理関係人に通知する。

また、審理員は、必要があると認める場合には、利害関係人に対し、当該審査請求に参加する ことを求めることができる。

(※)これらの手続により審査請求に参加する者を「参加人」という(法13条4項)。

ア 利害関係人からの参加の許可申請

○ 利害関係人から審査請求への参加の求めがあった場合には、参加の許可申請を求 め、参加の適否を判断し、申請者に対し、許可申請の諾否を通知する。

<法令>◆ 利害関係人は、審理員の許可を得て、当該審査請求に参加することができる。 法13条1項

[解釈]□ 「利害関係人」とは、審査請求に係る処分又は不作為に係る処分の根拠と なる法令に照らし当該処分につき利害関係を有するものと認められる者で あり、一般的には、表8のような者が該当すると考えられる。

□ 審査請求への参加の許可申請があった場合には、審理員は、公正な手続の

下での国民の権利利益の救済を図るという法の趣旨を踏まえ、利害関係人に 該当すると認められるときは、一般に、参加を許可することが適当である。

□ 利害関係人から参加の許可申請があった場合であっても、以下のような 場合は、参加を許可しないことも許容される。

・ 総代の互選を命じた後、一部の共同審査請求人が審査請求を取り下げ た上で利害関係人として審査請求への参加を求めるなど総代制度の潜脱 となるような場合

・ 参加の許可申請が多人数に上るため全ての者に参加を認めるといたず らに審理の遅延を来すおそれがあるなど、簡易迅速かつ公正に審理を行 う観点から支障が生ずると認められる場合

(運用)○ 参加の許可申請については、審査請求に係る処分等の根拠となる法令 様式例22 図1〔3-2〕

に照らし当該処分につき利害関係を有することについて説明を記載した 申請書を提出するよう求めることが適当であると考えられる。

(なお、この場合に、利害関係人から口頭で参加申請があったときは、

前述の申請書を審理員に提出するよう求める。)

○ 申請者に対する許可申請の諾否は、文書により通知することが適当で あると考えられる。

様式例23

○ 審理員は、利害関係人が参加人となったときには、当該参加人に対し て、審査請求書の写しを送付するとともに、既に弁明書や反論書が提出 されている場合には、当該書面の写しを送付することが適当である。

表8 利害関係人の具体例

審査請求人と 利害が共通す る者

○ 原処分によって不利益を被る者

(例)審査請求人とともに審査請求に係る処分の相手方となった者

○ 不作為に係る申請が認容されることにより、利益を受ける者

(例)審査請求人と共同で不作為に係る申請をした者 審査請求人と

利害が相反す る者

○ 原処分の取消し又は変更によって不利益を被る者

(例)処分の相手方以外の者が審査請求人である場合の当該処分の相手方

○ 不作為に係る申請が認容されることにより、不利益を被る者

イ 審理員からの参加の求め

○ 審理員は、審査請求への参加が必要と認める利害関係人に対し、参加を求めるこ とができる。

<法令>◆ 審理員は、必要があると認める場合には、利害関係人に対し、当該審査請求 に参加することを求めることができる。

法13条2項

[解釈]□ 審理員が審査請求への参加を求めた場合には、その承諾を要することなく、

参加人として取り扱われることとなると解される。

(運用)○ 審理員が具体的にどの範囲の利害関係人に参加を求めるかについては、

簡易迅速かつ公正に審理を行う観点から、審理員において適切に判断す る必要があるが、審査請求が処分の相手方以外の第三者からされたもの である場合には、当該処分の相手方の参加を求める。

○ 利害関係人への参加の求めは、文書により行うことが適当であると考 えられる。

様式例24

○ 参加人が審理手続に参加したときに、審査請求書の写し等を送付する ことについては、アと同様である。

ウ 参加人の代理人

○ 代理人によって審査請求に参加する場合には、審理員は、代理人の資格を証する 書面の提出を求め、その資格の有無を確認する。

様式例5

<法令>◆ 審査請求への参加は、代理人によってすることができる。 法13条3項

◆ 参加人の代理人の資格は、書面で証明しなければならない。 令3条1・3項

◆ 代理人がその資格を失ったときは、書面でその旨を審査庁(審理員が指名 されている場合において、審理手続が終結するまでの間は、審理員)に届け 出なければならない。

令3条2・3項

エ 参加の取下げ等

① 参加の取下げ

参加人又は代理人から今後は参加しない旨の申出を受けたときは、参加を取り下 げる旨の書面を提出することを求める。なお、書面が代理人によって提出された場 合は、当該代理人の資格を証明する書面を添付させる等により、特別の委任の有無 を確認する。

様式例25

<法令>◆ 代理人は、審査請求への参加の取下げは、特別の委任を受けた場合に限り、

することができる。

法13条4項

◆ 代理人の参加取下げに係る特別の委任は、書面で証明しなければならない。令3条1・3項

(運用)○ 参加の取下げの方式については、後でその真正性について争いが生じ ないよう、審査請求の取下げと同様に、参加人(参加人が法人等である ときは代表者又は管理人、代理人によって取下げをする場合には代理人)

からの書面に加え、押印や署名を求めるなどの対応をとることが望まれ る。

② 参加の許可の取消し

審理員は、参加を許可し又は参加を求めた後において、当該参加人が引き続き審 査請求に参加することが適当でないと認める場合には、当該参加を取り消し、書面 によりその旨を参加人に通知する。

様式例23

(運用)○ 審理員が参加人の審査請求への参加を取り消すことが必要となる具体 的な状況とは、当該参加人が利害関係人でなくなった場合や、当該参加 人が審理手続の進行の妨害を図る等著しく審理に支障があると認める場 合などが考えられる。

オ 他の審理関係人への通知

○ 審理員は、利害関係人が参加人となったとき、又は参加の取下げ若しくは取消し があったときは、その旨を他の審理関係人に通知する。

様式例26・27