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第3章 審理手続

4 反論書・意見書

【概要】

審理員は、審理関係人に弁明書を送付する際、反論書・意見書(ア<法令>参照)を提出できる旨 を、提出期限を付した上で、通知する。

ア 反論書・意見書の提出期限の通知

○ 審理員は、必要に応じて、審査請求人には反論書を提出することができる旨を、

参加人には意見書を提出することができる旨を、それぞれ、提出すべき相当の期 間を定めて通知する。

<法令>◆ 審査請求人は、弁明書に記載された事項に対する反論を記載した書面(以 下「反論書」という。)を提出することができる。審理員が、反論書を提出 すべき相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければなら ない。

法30条1項

◆ 参加人は、審査請求に係る事件に関する意見を記載した書面(以下「意見 書」という。)を提出することができる。審理員が、意見書を提出すべき相 当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。

法30条2項

[解釈]□ 反論書及び意見書に係る規定は、簡易迅速かつ公正な審理のためには、

審理関係人の主張内容が審理の冒頭に明らかになっていることが望まし いことから、その主張の内容を記載した書面の提出手続を整備するととも に、審理の遅滞を防ぐ観点から、審理員に、その提出期限の設定権限を与 えたものである。

□ 反論書又は意見書の提出期限となる「相当の期間」(法30条1・2項)

とは、社会通念上当該書面を作成するのに必要とされる期間である。

図1〔3-4〕

(運用)○ 反論書・意見書の提出や、その提出期限の設定は必須ではないが、一 般には、迅速かつ公正に審理を行う観点から、提出期限を定めてこれら の書面の提出を審理関係人に促すことが望ましいと考えられる。

なお、提出期限を設定する場合は、審理の迅速化の要請も考慮しつつ、

審査請求に係る処分の性質や、審査請求人又は参加人の状況も踏まえ、

適切な期間を設定する。

○ 反論書及び意見書の提出期間は、具体的には、個々の事案に応じて判 断されることとなるが、例えば、2~3週間程度の期間を設定すること が考えられる。

○ 反論書・意見書の提出期限等の通知は、審査請求人及び参加人に弁明 書を送付する際に、併せて書面で行うことが効率的であると考えられる。

様式例30

○ 審理の迅速性を確保する観点からは、反論書・意見書の提出期限の通 知に当たっては、証拠書類又は証拠物を提出すべき相当の期間を定め、

併せて通知するという方法が考えられる。

法32条1・3項

→71頁参照

イ 反論書・意見書の提出通数等の確認等

① 反論書等が提出された場合

反論書又は意見書が提出されたときは、提出通数等に問題がないか確認し、必 要に応じ、不足分を追加提出するよう求めるなどの対応をとる。

<法令>◆ 反論書は、正本と参加人及び処分庁等の人数に相当する通数の副本を、意 見書は、正本と審査請求人及び処分庁等の人数に相当する通数の副本を、そ れぞれ提出しなければならない。

令7条1項

◆ オンラインによって反論又は意見が述べられた場合は、当該反論又は意見 に係る電磁的記録が、反論書又は意見書の正本又は副本とみなされる。

令7条2・4項

② 反論書等が提出されない場合

「相当の期間」内に反論書又は意見書が提出されない場合において、審理に当 たって審査請求人や参加人の主張を把握する必要があると認めるときは、更に期 間を定めて、改めて反論書又は意見書の提出を促す。

<法令>◆ 審理員は、提出期限までに反論書又は意見書が提出されない場合におい て、更に一定の期間を示してその提出を求めたにもかかわらず、その期間内 に反論書又は意見書が提出されなかったときは、審理手続を終結することが できる。

法41条2項1号

→98頁参照

(運用)○ 反論書又は意見書の提出を再度促す際には、必要に応じて、当該期 間内にこれらが提出されない場合は審理手続を終結することがある旨 を記載した書面により行うことも考えられる。

様式例29

ウ 反論書・意見書の送付

○ 提出された反論書及び意見書については、速やかに、その副本を、反論書は参 加人及び処分庁等に、意見書は審査請求人及び処分庁等に、それぞれ送付する。

<法令>◆ 審理員は、審査請求人から反論書の提出があったときはこれを参加人及び 処分庁等に、参加人から意見書の提出があったときはこれを審査請求人及び 処分庁等に、それぞれ送付しなければならない。

法30条3項

◆ 法30条3項の規定による反論書又は意見書の送付は、反論書又は意見書の 副本によってする。

令7条3項

(運用)○ 審理員は、提出された反論書や意見書の内容を精査し、審査請求の結 論に影響を与え得る新たな主張や事実が提示された場合は、他の審理関 係人の反論を求める。

反論の求め→

80頁参照

○ 複数いる審査請求人又は参加人のうちの1人から反論書又は意見書 が提出された場合には、審理の公正性の確保の観点から、提出者以外の 審査請求人又は参加人についても、必要に応じ反論書又は意見書の写し を送付するなど、適切に対応する。