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法 )

7.5 実験結果

波数依存性[式(7.3)]を仮定したモデルで解釈されており,局在準位の影響に関しては これまでにほとんど考察されていない.それに対して式(7.4)–(7.7)を用いて実験結果 を解析したり,第6章で説明した局在準位分布評価法や式(5.43)を実験結果に適用し たり,等価回路によるフィッティングを行う等すれば,局在準位に関する知見を得るこ とができるため,有機EL素子の動作解析や劣化機構の解明に役立つと考えられる.

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0

10

3

10

6

Frequency (Hz)

10

-10

10

-9

10

-8

10

-7

10

-6

10

C o n d u ct a n ce

simulated results T0

500 K 600 K 700 K fitted results by

a equivalent circuit

10

0

10

3

10

6

Frequency (Hz)

10

0

10

1

10

2

10

3

10

4

C a p a ci ta n ce ( n F )

simulated results T0

500 K 600 K 700 K

fitted results by a equivalent circuit

(b)

R

b

C

b

. . .

Rp1 C

p1

Rp2 C

p2

(c)

n

n

7.3 式(7.4)-(7.7)より計算した指数関数型に連続分布した局在準位を有

する有機EL素子の(a)コンダクタンス,(b)キャパシタンス.計算 に使用した物理量は表7.1に示す.図中の実線は(c)に示す等価回 路によるフィッティング結果.Rb :有機半導体バルク層の抵抗,Cb : 幾何容量,Rpi, Cpi(i= 1,2...) :離散準位に対応する抵抗と容量.

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-2

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-1

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0

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3

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5

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6

Frequency (Hz)

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-4

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-1

C o n d u ct a n ce ( S )

Green K HOD fitted result by a equivalent circuit

(a)

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-2

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-1

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0

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Frequency (Hz)

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0

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5

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6

C a p a ci ta n ce ( n F )

Green K HOD fitted result by a equivalent circuit

(b)

R

S

R

b

C

b

. . .

Rp1 C

p1

Rp2 Cp2

(c)

n

n

7.4 Green K HOD (ITO/PEDOT:PSS/Green K/Au)のIS測定結果.

(a)コンダクタンス,(b)キャパシタンス.印加電圧は7 V.(a), (b) 中の実線は(c)に示す等価回路によるフィッティング結果.

スの式に,様々な局在準位を入力し数値計算することによって,局在準位が存在する 有機EL素子が等価回路としてどのように表されるかを明らかにした.以下に得られた 知見をまとめる.

1. 有機EL素子中に単一の離散準位が存在する場合には,その等価回路は,離散準 位に対応するR-C直列回路を,電荷輸送に対応する抵抗と幾何容量を表す静電 容量の並列回路に並列接続することで表される.

2. 有機EL素子中に複数の離散準位が存在する場合には,その等価回路は,離散準 位の数と同じ数のR-C直列回路を,電荷輸送に対応する抵抗と幾何容量を表す 静電容量の並列回路に並列接続することで表される.

3. 連続準位が存在する場合には,複数のR-C直列回路を有機半導体層を表す等価 回路に並列に加えることで表される.

4. 理論的に得られた連続分布した局在準位を有する有機EL素子の等価回路を用 いて,Green K (SumationTM製)正孔オンリー素子 (ITO/PEDOT:PSS/Green

K/Au)の実験結果を再現することができた.

参考文献

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Lett.

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[18] H. Azuma, T. Okachi, N. Watanabe, T. Kobayashi, and H. Naito, Proc. 13th Int.

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[21] 犬石嘉雄,中島達二,川辺和夫,家田正之,誘電体現象論(電気学会,1992).

[22] R. Kassing, Phys. Status Solidi (a) 28, 107 (1975).

[23] T. Okachi, H. Azuma, T. Nagase, T. Kobayashi, and H. Naito, Proc. 13th Int.

Display Workshops, 2006, p. 1323.

[24] T. Okachi, T. Nagase, T. Kobayashi, and H. Naito, Thin Solid Films, 517, 1327 (2008).

8

インピーダンス分光によるキャリアバラ ンス評価

8.1 はじめに

本章では第3章および第4章でも述べた有機EL素子発光時に観測される誘導成分

(本章では負のキャパシタンスと呼ぶ)について述べる.第3章および第4章では発光

閾値電圧以上で現れる負のキャパシタンスを複注入モデルで説明した.複注入モデル では電流連続の式に含まれる再結合の項は解析解を得るために線形化している(付録B 参照).本章では,負のキャパシタンスに関する理解を深めるため,再結合の項は有機 半導体に一般的な二分子再結合とし,数値的に電荷輸送方程式を解くことによって議 論を行う.

これまでの測定結果から,負のキャパシタンスと発光効率に関連があることを見出 した[1]ので,発光効率を支配する因子であるキャリアバランスおよび再結合確率と負 のキャパシタンスとの関連を調べた.キャリアバランスを最適化することは高効率有 機EL素子を実現するために重要であるのにもかかわらず,これまでに明確にキャリア バランスを評価する手法は提案されていない.本章では,負のキャパシタンスがキャ リアバランス評価の指針となることを示す.

流連続の式とポアソンの式を自己無撞着に解くことにより行った.電流は式(8.4)–(8.6) に示すようにドリフト‐拡散モデルで記述され,定常状態ではドリフト電流と拡散電 流の和で表される.インピーダンスのシミュレーションを行う場合はドリフト電流と 拡散電流に変位電流を加えて計算を行った.

1.電流連続の式

∂n

∂t = 1 q

∂Jn

∂x −γ

(

np−n2T

)

(8.1)

∂p

∂t =1 q

∂Jp

∂x −γ(np−n2T) (8.2)

2.ポアソンの式

ε q

dF

dx =p−n (8.3)

3.電流の式

Jn=qnµnF +qDndn

dx (8.4)

Jp =qpµpF −qDpdp

dx (8.5)

J =Jn+Jp

(

∂F

∂t

)

(8.6) ここで,Jn :電子による電流密度,Jp :正孔による電流密度,J :全電流密度,q :電 気素量,n :自由電子密度,p :自由正孔密度,nT :熱平衡状態におけるキャリア密度,

Dn(= kTq µn) :電子の拡散係数,Dp

(

= kTq µp) :正孔の拡散係数,k :ボルツマン定数,

T :測定温度,µn :電子移動度,µp :正孔移動度,F :電界強度,ε :有機半導体の誘電 率,γ :再結合定数である.

有機EL素子の発光層に用いられる多くの有機半導体の移動度は1 cm2/Vsよりも小 さく,自由キャリアの平均自由行程は電子と正孔の再結合が起こる捕獲半径よりも小

さい.そのため有機半導体中の再結合は二分子再結合となる [2]ので,式(8.1),(8.2) に示すように電流連続の式には電子と正孔の密度の積に比例する形で再結合の項を記 述してある.その再結合定数は一般には式(8.7)で与えられるランジュバン定数となる と言われている[2].

γL= q

εn+µp) (8.7)

しかし,輸送エネルギーの揺らぎ等で電子と正孔が空間的に分離されており,再結合 定数はランジュバン定数よりも小さくなるという報告もあり,その正確な値に関して は未だ明らかにされておらず,また有機半導体の不規則性によっても異なると思われ る.そこで式(8.7)で与えられるランジュバン定数γL と同様に,再結合定数γは電子 と正孔の移動度の和に比例するとし,その比例定数を変化させることにより,再結合 定数を変化させてシミュレーションを行った.

まず,負のキャパシタンスの原因を明らかにするため,注入障壁,局在準位とも存 在しないとした.つまり,キャリアバランスは電子と正孔の移動度を変化させること により変化させた.数値計算に用いた物理量を表8.1に示す.