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連接関係で全体的に捉え,特定の意見に至る流れをよく把握することに 貢献できる」と指摘している通り,数学の学習場面におけるコミュニケ ーションにおいては藤田のボタンは効果的である。しかし,教科にはそ の教科の目標があり,収束的な側面が強いが, 「総合的な学習の時間」

においては,子どもの自由な学びが重要視される。そうなると,試行錯 誤が子どもの学びには不可欠である。

 そこで, 「総合的な学習の時間」は,子どもの「知」が学習のプロセ スのなかで,・そこに関わる人との関係において再構成されるような時間 でありたい。つまり,振り返りの機会を増やすコミュニケーション活動 を意識的に学習の中に工夫し設けることで深い振り返りによる効果が

期待される。

 以上のことから,コミュニケーションボタンは,生徒に他者との相互 作用によって自分の学習を振り返らせるきっかけを作るような機能を

持たせ・図3・1−1の團のような6つのコミユニケーシ・ンの言

葉を考えた。

〈ポートフォリオを提出〉

@   電子ポート

@    フオリオシ援G    ステム

 電子ポートフォリオを提出する際は,相手に意見を求める言葉「こう 考えたのだけど,どうですか」と,自分が作成した電子ポートフォリオ の内容について分からないので相手に聞く言葉「どうずればいいのか な」の2つを用意した。

 この2つの言葉は,電子ポートフォリオが提出された際,相手の反応 を起こさせるための言葉である。

 提出された電子ポートフォリオに対して意見などを提出する場合は,

質問する言葉「教えて」,こんな考えもあるのではと提案する言葉「思 うのだけど」,提出された電子ポートフォリオに同意し支持する言葉「同 じ考えです」,そして,疑問を投げかける言葉「そうかな」の4つを用

意した。

 ヴィゴツキー(1934)は,子ども一人でも達成できる発達の水準と,

誰かの援助や何かの媒介によって達成できる発達の水準との間の領域 を「発達の最近接領域」とし,一人一人の発達の可能性が,この概念に おいて,人や道具を媒介として社会的に構成されているとしている。

 つまり,「教えて」「思うのだけど」「同じ考えです」「そうかな」の4 つの言葉は,ネットワーク上でのコミュニケーションが生徒自身の判断 においてスムーズにできるようになるために,会話を引き起こすための スキャフォールディング(scaffolding)として用意した。

 また,この4つの言葉により,コミュニケーションをスキャフォール ドすることは,ポートフォリオや意見について深く考えさせるためのき っかけを作り,さらに,アイデンティティ(identity)を形成するため,

振り返りを支援することにつながる。

 では,この4つの言葉を用いることにより,どのような効果が期待で

 質問する言葉である「教えて」は,提出された電子ポートフォリオや 意見を生徒がもう一度見直す効果が期待できる。質問された生徒は,ポ

ートフォリオや自分の意見の内容について「どう説明すればいいのか」

「なぜこう考えたのか」「質問されたけど分からない。調べてみよう」

等,調べ学習の経過や自分がこの考えに至った経過,さらには今までの 生き方について振り返ることで質問に答えようとする。

 提案する言葉である「思うのだけど」は,自分とは違う考え方に触れ,

ずれに気づき,もう一度自分の電子ポートフォリオや意見を見直す効果 が期待される。そのことで,自分の電子ポートフォリオを新しい見方で 見直したり,提出した生徒の意見を参考にしたりする。

 同意・支持する言葉である「同じ考えです」は,提出された電子ポー トフォリオに同意することで,どこが同じ考えなのかを確認し,自分の 考えをいっそう確かなものにしていく効果が期待される。

 疑問を投げかける言葉である「そうかな」は,提出された電子ポート フォリオや意見に対して疑問を投げかけ,議論を起こすことで,より深 い学習につながる効果が期待される。

 6つの言葉をインターネット上で活用することにより,コミュニケー ションを促進させ,深い学習へと導くことを授業ではねらう。

(3)検索・抽出機能

 学習が進むと,生徒にとって重要な情報が生まれる。その情報にラベ ルを付け,学習を振り返る際,簡単に検索・抽出することができる機能 が必要である。

 紙ポートフォリオでは色づきの付箋やメモ用紙を貼り付ける実践例 があるが,付箋を付けた紙以外の情報をも検索・抽出することは情報量

一44一

が多くなれば容易ではない。その点電子ポートフォリオは,キーワード 検索により瞬時に時系列で検索・抽出できるという利点がある。

(4)深い振り返りを保存する機能

 ポートフォリオを作る過程で振り返りが起こるが,「深い振り返り」

については個人ポートフォリオとして保存し,振り返る際,簡単に検索 でき,取り出すことができる機能が必要である。

 この4つの機能を,深い振り返りの生起を支援する電子ポートフォリ オシステムに備わるべき機能として,図3.1−2にまとめた。

    機能(1)

情報の一元化とスムーズな編集

機能(3)

検索と抽出

   機能(2)

  意図の表示と

コミュニケーションの促進

  機能(4)

深い振り返りの保存  深い振り返り

図3.1−2 深い振り返りを支援するための電子ポートフォリオの機能

 以上の機能を備えた電子ポートフォリオを開発するために,どのよう なソフトを用いれば良いかを次に述べる。

 様々なデータを保存するデータベースの機能を備え,Webサーバーと 連動させることでインターネット上で操作できるソフトであること。さ

らに,安価でカスタマイズが容易で,汎用性の可能性があること。

 これらのことから,可能性としては次のソフトなどが考えられる。

アMicrosoft AccessなどのデータベースソフトとWebサーバーの連携 イSupercardとFlamethrowerの連i携

ウCGIとWebサーバーの連i携

 3つのいずれも,前述の電子ポートフォリオの機能を十分開発できる

可能性を持ち合わせている。なかでも,ウのCGI(Common Gateway

Interface)は,インターネット上で安価に入手できるというメリット

がある。

 そこで,本研究では,CGIとWebサーバーの連携における電子ポート フォリオシステムを開発する。

一46一

 3.1.2 システムの全体構造

 ここでは前項の,3.1.1の機能面からみたシステム開発の視点を 具体化し,システムの全体構造とその環境について述べる。

(1)システム環境

 このシステムは,図3.!−3のようなインターネット上のサーバー

/クライアントシステムである。サーバーマシンには,Webサーバーとデ ータ管理用CGIを置く。WebサーバーはWindowsNT 4.0のIIS 3.0を 使用している。CGIには,フレンドリーラボ社のWebNoteclip4を使用し

ている。

   一

WindowsNT4.0  サーバー

Eドライブ

〔ゴ〔土]eコ

グループのフォルダ

検索画面 表示画面

入力画面

Webページ

CGI

Web

サーバ

Fドライブ 己]eコ〔コ

個人のフォルダ パス

ワード

Webブラウザ

インターネット

A申学校 Webブラウザ

Webブラウザ

Wehプラウ

   oo 専門家

    図3.1−3  システムの全体図

 CGIによって作成されるデータ(ファイル)は, HTML形式などでリン クも自動生成されるので,2つの中学校や専門家・地域の人・保護者が インターネット上でWebブラウザを利用し,入力・検索・閲覧ができる。

 サーバー内には,ハードディスクとしてC,D,E,F,Gを設定し, EとF ドライブをそれぞれ個人用の電子ポートフォリオを保存するドライブ,

グループ用の電子ポートフォリオを保存するドライブとする。個人用の 電子ポートフォリオを保存するEドライブ内の各個人フォルダには,プ ライバシー保護のためパスワードによるセキュリティをかける。ドライ ブGは予備とする。

(2)システムの全体構造

 本システムはフレンドリーラボ社の「WebNoteclip4」というCGIでデー タを管理しているが,これは,伝言板,掲示板等様々なタイプの書き込 み型ホームページを生成,管理するためのCGIである。テキストデータ はもちろん,画像・動画・音声・表計算データ・ワープロデータ・プレ ゼンデータなどのMIMEタイプ(図3.1−7に後述)を設定ファイルに 書き込むことで,様々なマルチメディアファイルをWebサーバーの管理 下に保存できる。

 さらに,各々の学校で調べたデータをWEB上で統合・編集ができるよ うな画面設計機能がある。調べた結果のマルチメディアデータを,一件 ずつひとつのWebページとして,一枚のカードのイメージにまとめて表 示する。CGIは,テンプレートファイルと設定ファイルから,新しいペ ージを次々と作成する。

 このCGIは, UNIXのサーバーはもちろん、 Windows95/98,Windows NT 4,MacOSのPer1のCGIが動くサーバー上で動作する。

一48一

      設定ファイル       2

      コピー  スタート   起動

      生成

四丁〔〒=>CGI[=F>入力画面

      蒜h       3

      コピー        入力用       テンプレート

   図3.1−4  新規登録1(入力フォームの作成過程)

 図3.1−4のように、新規登録を始めると,設定ファイルと入力用 テンプレートがCGIに働き入力画面が表示される。

設定ファイル

    篤取得

  データ記騰極

入力画面 ,[⇒

       1登録

保存  4

フオルダ

2

CGI

3

5 生成

HTMLファイル

表示

 表示用 テンプレート

図3.1−5

新規登録2(表示用HTMLファイルの作成過程)

 図3.1−5のように入力画面で登録すると、記入された内容やデー タは表示用テンプレートに埋め込まれ、HTMLファイルの形で表示される。