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大庭茂樹

ドキュメント内 日本透析医会雑誌Vol. 27,No. 1 (ページ 78-81)

ニプロ株式会社国内事業部

key words:東日本,大震災,物流対応,配送

The logistics measures against the East Japan Great Earthquake Domestic Division, Nipro Corporation

Shigeki Oba

東日本大震災における物流対応について 75

ため,その業務を関西受注センター(大阪)にて代行 して対応に当たった.

被災地区では,得意先の要望に素早く応える事を主 眼に,各地区営業担当者を窓口とした対応に変更した.

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日(月)からの配送業務にさいし,路線便 に代わる配送手段として,チャータートラックを手配 すべく努めた.その結果,燃料供給体制の不安により 快く受けてもらえる配送業者が非常に少ない事がわか ったが,粘り強い交渉の結果,4 tトラックを

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台確 保(契約)する事ができた.これにより

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日から

25

日迄に,延べ

94

台の車両を利用し,東北

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県および 新潟県に向け出荷した.すべての車両を利用しない事 もあったが,結果的には良い選択であったと思ってい る.通常時は,製品によっては,ケース単位でなく内 箱の

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箱からでも出荷対応しているが,さすがにその 余裕はなく,取引先各社にケース単位での発注の協力 をもらい,またすべての得意先に納品する時間もなく,

数カ所の拠点に商品を下ろし,営業車にて別の得意先 に届ける事もしばしばだった.また,特別対応として 弊社社員のみならず,取引各社の「引き取り」を受入 れる事を決定し,協力をしてもらった.その来社車両 は,10 tトラックから営業車,さらに県警のパトロー ルカー迄様々だったが,商品の緊急性を肌で感じた場 面でもあった.元来,青森県・秋田県・山形県・新潟 県および首都圏方面の得意先については通常配送を希 望かとは思ったが,一部,遅配,混乱が生じた.この 件については協力をしてもらえた事に感謝したい.

「大館物流センター」向けの商品の供給については,

各拠点より関越道経由の日本海側トラック輸送にて通 常時と変化なく補給する事ができ,28日からは,佐 川急便・ヤマト運輸を始めとする運送業者の正常復旧 に伴い,通常体制(電子受注再開)に戻ることができ た.

4 対応 2:緊急対策本部

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日(土)朝,国内事業部長を本部長とする

「緊急対策本部」を大阪の本社内に設置し情報集約と 指示,対応に当たった.弊社の現地責任者(仙台)が 阪神・淡路大震災被災経験者である事を踏まえ,「現 地要望」に全力で対応する事を確認し,社員の安否の 確認,施設の状況確認,要望等々情報の収集に全力で 取り組んだ.通信状況も最悪な状態が継続したが,幸

いにも社員全員,同一の携帯が支給されているため,

SMS(ショートメッセージサービス)が活用できた

事も幸いした.対外的な情報発信に関しては,正確な 情報をタイムリーに発信したいという思いから,ホー ムページを活用し,物流情報を都度発信した.後日,

数多くの得意先より「安心できた」との評価をもらう 事ができた.

他社の補液製剤出荷制限情報は,ショックな出来事 の一つでもあった.阪神・淡路大震災の経験から,挫 滅症候群の多発を懸念し,災害時の人道的配慮から急 性血液浄化用途に優先出荷する旨を社内通達,万一に 備え,主要消耗品も海外調達等の準備がなされた.

5 対応 3:その他の拠点からの支援

① 舞洲物流(大阪)

震災直後からの情報収集の中,現地担当者および病 院施設からの要請により,3月

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日(土)

,緊急車両

の指定を取得した(京都府)

.同日,燃料の不安,道

路状況が把握できない中,仙台市内施設や弊社拠点に 対し,透析器材を中心に,製品や支援物資を満載した 第

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便を大阪より出発させた.刻々と受信されるメー ル「燃料確保できた.この周辺から道路が波打ってい る」

,無事の到着を祈る思いで見守った事を思い出す.

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日(月)到着.その後も連日,宮城県,福島県,

山形県を中心に,専用車による透析器械・器材・消耗 品・救援物資の緊急配送を実施した.ドライバーの宿 泊施設,食料品確保が困難な場面もあったが,何とか 遂行できた.

② 所沢物流(埼玉)・館林物流(群馬)

関東地区における「計画停電」「燃料不足」の厳し い中,3月

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日(日)より,首都圏の安定供給に全 力を注ぐとともに,茨城県,福島県,宮城県を中心に,

専用車による緊急配送を実施した.特に燃料は,各車 両が協力し,その確保に全力で取り組んだ.さらに

NPO

法人からの緊急要請による医療消耗品の供給,

日本臨床工学技士会からの被災地域施設への支援物資 配送も担当することとなった.

6 今後の課題

震災直後,各得意先より,製品確保の希望や,他社 製品供給の不安等と思われる発注が全国規模で拡大し,

通常年の年末需要を上回る受注量となった.その対応

のため増産を進めたが,プラスチックフィルム,アル ミ包材,段ボール類等調達企業被災により,「製品が 完成しないかもしれない」状況もあった.製品の性格 上,原材料のグレード等を簡単に変更できない場合も あり,その対応にも苦労を要したが,一部別ルートで の緊急調達をする事ができ,一部製品については無地 包装対応を余儀なくされたものの,計画通りの生産量 を確保する事ができた.日頃より複数社での原材料の 調達をさらに推進する必要性を痛感し,引き続き検討 を進めていく予定である.

前述の通り,国内工場で生産された製品は,速やか に全国の物流拠点に供給し,在庫を保有する体制を築 いているが,主要商品群の必要十分な在庫の確保を推 進する必要がある.配送手段については,トラック便 による陸送を基本に進めていくが,より安定的な配送 を目指して専用車両の充実を図り,全国配送網をさら

に進化させるべく検討に入る予定である.万一の状況 に備え,航空輸送,海上輸送等も視野に,対応可能な 準備は完了している.さらに,生産工場の複数化(国 内外工場建設)適正配置についても,検討を重ね実現 を図る予定である.

7 最後に

緊急対応として,「精一杯活動できたのではない か?」「もっとできる事があったのではないか?」「ご 要望にお応えできたのか?」等現在でも自問自答を繰 り返している所である.

あらためて,このたびの東日本大震災により被災さ れた皆様には,心よりお見舞い申し上げますとともに,

被災地の一日も早い復興のため,各施設の要望に対し,

全力で協力させていただく事をお約束申し上げ,報告 を終わる.

ドキュメント内 日本透析医会雑誌Vol. 27,No. 1 (ページ 78-81)