ニプロ株式会社国内事業部
key words:東日本,大震災,物流対応,配送
The logistics measures against the East Japan Great Earthquake Domestic Division, Nipro Corporation
Shigeki Oba
東日本大震災における物流対応について 75
ため,その業務を関西受注センター(大阪)にて代行 して対応に当たった.
被災地区では,得意先の要望に素早く応える事を主 眼に,各地区営業担当者を窓口とした対応に変更した.
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月14
日(月)からの配送業務にさいし,路線便 に代わる配送手段として,チャータートラックを手配 すべく努めた.その結果,燃料供給体制の不安により 快く受けてもらえる配送業者が非常に少ない事がわか ったが,粘り強い交渉の結果,4 tトラックを10
台確 保(契約)する事ができた.これにより14
日から25
日迄に,延べ94
台の車両を利用し,東北6
県および 新潟県に向け出荷した.すべての車両を利用しない事 もあったが,結果的には良い選択であったと思ってい る.通常時は,製品によっては,ケース単位でなく内 箱の1
箱からでも出荷対応しているが,さすがにその 余裕はなく,取引先各社にケース単位での発注の協力 をもらい,またすべての得意先に納品する時間もなく,数カ所の拠点に商品を下ろし,営業車にて別の得意先 に届ける事もしばしばだった.また,特別対応として 弊社社員のみならず,取引各社の「引き取り」を受入 れる事を決定し,協力をしてもらった.その来社車両 は,10 tトラックから営業車,さらに県警のパトロー ルカー迄様々だったが,商品の緊急性を肌で感じた場 面でもあった.元来,青森県・秋田県・山形県・新潟 県および首都圏方面の得意先については通常配送を希 望かとは思ったが,一部,遅配,混乱が生じた.この 件については協力をしてもらえた事に感謝したい.
「大館物流センター」向けの商品の供給については,
各拠点より関越道経由の日本海側トラック輸送にて通 常時と変化なく補給する事ができ,28日からは,佐 川急便・ヤマト運輸を始めとする運送業者の正常復旧 に伴い,通常体制(電子受注再開)に戻ることができ た.
4 対応 2:緊急対策本部
3
月12
日(土)朝,国内事業部長を本部長とする「緊急対策本部」を大阪の本社内に設置し情報集約と 指示,対応に当たった.弊社の現地責任者(仙台)が 阪神・淡路大震災被災経験者である事を踏まえ,「現 地要望」に全力で対応する事を確認し,社員の安否の 確認,施設の状況確認,要望等々情報の収集に全力で 取り組んだ.通信状況も最悪な状態が継続したが,幸
いにも社員全員,同一の携帯が支給されているため,
SMS(ショートメッセージサービス)が活用できた
事も幸いした.対外的な情報発信に関しては,正確な 情報をタイムリーに発信したいという思いから,ホー ムページを活用し,物流情報を都度発信した.後日,数多くの得意先より「安心できた」との評価をもらう 事ができた.
他社の補液製剤出荷制限情報は,ショックな出来事 の一つでもあった.阪神・淡路大震災の経験から,挫 滅症候群の多発を懸念し,災害時の人道的配慮から急 性血液浄化用途に優先出荷する旨を社内通達,万一に 備え,主要消耗品も海外調達等の準備がなされた.
5 対応 3:その他の拠点からの支援
① 舞洲物流(大阪)
震災直後からの情報収集の中,現地担当者および病 院施設からの要請により,3月
12
日(土),緊急車両
の指定を取得した(京都府).同日,燃料の不安,道
路状況が把握できない中,仙台市内施設や弊社拠点に 対し,透析器材を中心に,製品や支援物資を満載した 第1
便を大阪より出発させた.刻々と受信されるメー ル「燃料確保できた.この周辺から道路が波打ってい る」,無事の到着を祈る思いで見守った事を思い出す.
3
月14
日(月)到着.その後も連日,宮城県,福島県,山形県を中心に,専用車による透析器械・器材・消耗 品・救援物資の緊急配送を実施した.ドライバーの宿 泊施設,食料品確保が困難な場面もあったが,何とか 遂行できた.
② 所沢物流(埼玉)・館林物流(群馬)
関東地区における「計画停電」「燃料不足」の厳し い中,3月
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日(日)より,首都圏の安定供給に全 力を注ぐとともに,茨城県,福島県,宮城県を中心に,専用車による緊急配送を実施した.特に燃料は,各車 両が協力し,その確保に全力で取り組んだ.さらに
NPO
法人からの緊急要請による医療消耗品の供給,日本臨床工学技士会からの被災地域施設への支援物資 配送も担当することとなった.
6 今後の課題
震災直後,各得意先より,製品確保の希望や,他社 製品供給の不安等と思われる発注が全国規模で拡大し,
通常年の年末需要を上回る受注量となった.その対応
のため増産を進めたが,プラスチックフィルム,アル ミ包材,段ボール類等調達企業被災により,「製品が 完成しないかもしれない」状況もあった.製品の性格 上,原材料のグレード等を簡単に変更できない場合も あり,その対応にも苦労を要したが,一部別ルートで の緊急調達をする事ができ,一部製品については無地 包装対応を余儀なくされたものの,計画通りの生産量 を確保する事ができた.日頃より複数社での原材料の 調達をさらに推進する必要性を痛感し,引き続き検討 を進めていく予定である.
前述の通り,国内工場で生産された製品は,速やか に全国の物流拠点に供給し,在庫を保有する体制を築 いているが,主要商品群の必要十分な在庫の確保を推 進する必要がある.配送手段については,トラック便 による陸送を基本に進めていくが,より安定的な配送 を目指して専用車両の充実を図り,全国配送網をさら
に進化させるべく検討に入る予定である.万一の状況 に備え,航空輸送,海上輸送等も視野に,対応可能な 準備は完了している.さらに,生産工場の複数化(国 内外工場建設)適正配置についても,検討を重ね実現 を図る予定である.
7 最後に
緊急対応として,「精一杯活動できたのではない か?」「もっとできる事があったのではないか?」「ご 要望にお応えできたのか?」等現在でも自問自答を繰 り返している所である.
あらためて,このたびの東日本大震災により被災さ れた皆様には,心よりお見舞い申し上げますとともに,
被災地の一日も早い復興のため,各施設の要望に対し,
全力で協力させていただく事をお約束申し上げ,報告 を終わる.