[コ1%灘
買物の便がよい 69. 4 図書館,公民館などの文化施設が利用しやすい34.9
レジャー,娯楽施設がととのっている 23.0 近所つき合いがわずらわしくない 40. 5
(2)大都市の悪い点
89.50/0 85. 7
45. 9 35. 5
6L 5
反対に,大都市の短所を尋ねてみたところ以下の結果が得られた。
87.0 /0
89. 8
33. 3 36. 1
66, 7
g2 2. 養ヒ会構造と雷書蕎生妻霞
① 自然に恵まれない
② 公害がひどい
③ 住宅事情がよくない
④ 交通が混雑している
⑤物価が高い
⑥ 風紀がよくなく犯罪が多い
⑦人が多くうんざりする
⑧人情が薄い
東京
77..9.0/.
76. 5
75. 7
74. 2
66. 2
52. 1
50. 7 雄5.5
大阪
77.20/0 73. 3
67. 4
67. 4
57. 9
52. 6
33. !
t£2. 3
ここでも東京と大阪での回答の順位は最後の二つを除いては一致している が,いくつかの項で比率が異なっている。
内容別に見ると,1位から3位に自然・住宅環境の劣悪さが指摘されている。
これをあげる者は金体の約4分の3であり,性・年齢別などの属性別に見ても ほとんど差はみられない。なお,「日本入の県民性」の調査ではr騒音,臭気,
大気や河川の汚れなどの公害は少ないか」という質問に対して,「そうは思わな い」(つまり多い)と回答する者は全国平均の21.6%に対し,東京27.9%,
大阪33.8%と大都市住民のほうが公害を気にする結果となっている。
また,住宅事情について1975年の国勢調査の1人当たりの畳数で見ると,全 国平均の7.3畳に対し,東京は6.1,大阪は5.7畳と大都市の住環境の悪さがそ のまま現われているといえよう。
第4位には長所の第1位の「交通が便利」の裏返しとしての「交通の混雑」
があげられている。これに関しては地元出身者のほうが地方繊身者よりもこれ を指摘する割合が!0%前後多い(東京で79.4%,大阪で71.2%)点を除くと 属性による差はあまりみられない。
次いで「物価が高い」があげられているが,これについても属性別で特記さ れるような違いはみられない。
6位から8位には旧情や人の多さなどがあげられている。この3点に関して は高年齢層にとくに多く,r入が多くうんざりする」を除き学歴が低い者ほどこ れを指摘する傾向がみられている。
2.1.大都市の性格 g3 なお,長所と異なって短所では東京と大阪とで比率に差のあるものが多く,
金般的には東京在住者のほうがより多く短所を指摘している。
以上のほかに短所として,「ゴミ問題」や「人々がせかせかしている」などの 圏答が見られた。
以上を総合してみると,大都市は全国から数多くの人口を吸引しながら膨張 を続け,経済的・文化的施設は充実し日常の生活を営む上では非常に便利な都 市といえる。しかし,その裏返しとしての欠点も多く,物理的・人間的環境が 破壊され,コミュニティ機能を失った都市ともいえる。
このような長所・短所の中で行なわれる言語生活はわれわれが以前から調査 してきた中小都市の場合と種々の面で異なることが予想されよう。
2。2.東京人意識・大阪人意識
面接調査では,東京都民の東京人意識,大阪市民の大阪人意識をいくつかの 質問にわたって尋ねている。そこから知り得た結果を次のようにまとめて報告 する(くわしい数値は,すべて『資料編』を参照されたい)。
(1)全体
東京都民・大阪市民を全体として見た揚合,その東京入意識・大阪人意識は はなはだ低い(たとえば,完全な東京入だと思っている者26%,完全な大阪 人だと思っている者30%)。
② 世代差
東京入意識・大阪入意識は,同じ東京都民・大阪市民でも,1世と2世以上 の問に大きな断層がある(たとえば,完全な東京人だと思っている者 1世7
%,2世以上49%。完全な大阪人だと思っている者 1世130/o,2世以上46
%)。2世と3世以上の聞にも,小さな断屡があった。
2世以上でも,東京人意識・大阪入意識の低い者がかなりいる。2世以上な のにということで,私には驚きの一つであった。東京人・大阪人とは何かの尺 度が,入によってかなり厳しいものである場合があるからだと思う。改めて,
東京人(大阪人)とは何かについての研究・討議と,それに基づく新たな社会調 査が必要になる。今後に残された課題の一つである。
(3) 1世の出身地回
同じ1世でも,東京では南関東出身1世の東京入意識が,三体として他地域 出身三世の東京人意識よりも高い。大阪では近畿出身1世の大阪人意識が他地 域出身1世の大阪人意識よりも全体的に高い。つまり東京や大阪に近い地方の 鐵身1世は,他地方幽身1世よりも全体として東京入意識・大阪人意識が高い
2.2.東京入意識・大阪人意識 95 ということになった。このことの裏には,次のような事実が存在する。
〈i)東京では,南関東嵐身1世が他地方出身1世よりも,ふるさとに対する愛 着心が全体的に弱い。大阪では,近畿出身1世がそうである。
1(ii)ふるさとに住んでみたいという1世の願望は,相対的な比較の上でのこと だが,東京では南関東出身1世:が弱く,大阪では近畿嵐身1盤が弱い。
㈱ 東京人1世がふるさとへ《帰る》というか,《行く》というかに注意してみ ると,南関東出身1世は,他地方出身1盤よりも,《行く》というのが多く,《帰 る》というのが少ない(たとえば,「いらっしゃいますか」と尋ねたのに鮒す
る麟答で《帰る》は南関東出身1世27%,北海道・東北・北関東二身1世43
%,近畿以西嵐by 59%,北陸・申部出身36%。なお,大阪町1世については 調査が失敗した)。
〈iv)甲子園の全国高校野球大会で,東京(大阪)代表チームと出身県の代表チー ムとが対戦することになった場合,どちらのチームに声援を送りたいと思う か。1世にこう尋ねてみると,東京では南関東出身1世は,他地域出身1世に 此べて,出身県の代表チームに声援を送るというのが少なかった(南蘭東72
%,北関東以北84%,北陸・中部80%,近畿以西84%)。大阪では近畿出身 1世がそうであった(近畿62%,中国以西8!%)。そして,どちらも,その分 東京(大阪)代表チームに声援を送るというものや,どちらともいえないという 申立的回答のものが多かった。つまり,出身県代表チ 一一ム離れの傾向が相対的 に強かったのである。東京では南関東出身1世,大阪では近畿出身1世に,以 上に要約したような興味ある事実が存在する。これらの事実は,要するに南関 東即身1世の東京入化,近畿出身1盤の大阪人化が他地域出:身1世の東京入筆・
大阪人化よりも進んでいることを物語っているのだろう。
裏返しにいえば,東京では南関東嵐身1世は,他地域出身三世よりも,東京 人化という文化変容現象を受け入れやすい素地を持っている。大阪では近畿出 身1世がそうだということになるのであろう。
受け入れやすい素地とは,要するに彼ら1世が東京(大阪)へ移住するまでに 繊身地で身につけた文化(書語を含めて)や行動様式の問題である。
g6 2.社会構造と鴛語生活
(4)年齢差
全世代をこみにして年齢層別に見ると,東京では,わずかではあるが,差が 認められた。年齢層が上がるにつれて,東京人意識が全体として高まる(たと
えば,完全な,およびかなり完全に近い東京人だと思っている者は,青年層(!5
〜29歳)38%,中年層(30〜49歳)42%,高年層(50〜69歳)57%。
大阪ではこのような年齢層差は認められなかった。
次に,1世と2世以上に分けて,それぞれを年齢層別に東:京人意識・大阪人 意識を調べてみた。そうすると,1世についてはv一東京・大阪ともに,きわめ
てはっきりとした年齢層差が確認された。東京が特に著しかった(たとえば,
完全な,かなり完全に近い東京人だと思っている者は,青年層8%,中年層19
%,高年層45%)。
ところが,2盤以上については,1糧の場合のような,きちんとした年齢層 葦はなかった。つまり,全世代をこみにして見た場含に,東京で確認されたゆ
るやかな年齢層差は,実はこの1世のシャープな年齢層差に影響されたもので ある。大阪で,全世代をこみにして見た揚合に年齢層差がはっきりと出なかっ たのは,1世の年齢層差が全盤代の中に拡散されてしまったからだ。
2世以上の東京都民や大阪市民の東京人意識・大阪人意識には,それほどは っきりした年齢層差は認められなかった。これは,考えてみれば当然のことで
ある。
これに対して,1世の東京入(大阪入)意識には,顕著な年齢差が認められたe これも,考えてみれば当然のことである。1世の年齢差は,1世がふるさとを 離れた年数の差,または東京(大阪)で生活している年数の差ときわめて高い棺 関がある,と考えられるからである。
1盤がふるさとを離れて,東京(大阪)へ移住してきた理由を尋ねると,就職 のためと答えるものが圧倒的に多い(東京41%,大阪47%)。
わが国では,この就職は州境就職の形で行なわれる。そして,そこで終身雇 用される。これがわが国の一般的な雇用の形であるからだ。ひとくちに「住め ば都。」というけれど,1世の東京人意識・大阪人意識を高める要照として最も 有力なものは,この東京・大阪に住む年月の長短であると思う。次に述べる事実