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第 3 章

3.4 回路設計と基板設計について

3.4.1 回路設計

し、その部品の特性に合わせて回路図を作成する。回路図は、部品の接続を示してい る。簡単な回路図の例を図 7に示す。

図 7で示した回路図は、発光ダイオード(LED)を点灯させるための回路図である。

回路図上の電子部品には部品毎に、アルファベット数文字と連番数字を並べたリファ レンス番号が割り当てられる。この例での電子部品はTP1、TP2、D1、R1となる。

図 7の回路の動作を説明する。まず外部接続用の電極を備えたテストピン(TP1)

に電源として直流の+(プラス)極を接続し、テストピン TP2 には-(マイナス)

極を接続することを想定している。

電源からの電流は LED(D1)に流れる。それが LED(D1)に定められた定格電 流を超えないように電流制限用の抵抗R1を配置し、LED(D1)を点灯させる回路と なる。

図 7:LED点灯用の回路図

回路図は、回路設計CAD(Computer-aided design)ソフトウェアで作成される。

回路設計者はまずLED(D1)を選定する。選定は目標となる仕様に対して、LED の輝度、定格電圧、定格電流などを計算しておこなわれる。次に電流制限抵抗(R1)

の定数を適切な抵抗値になるよう計算し、決定する。

このように、回路設計者は部品メーカーの部品の調査、部品の選定、定数の計算な

どをおこないつつ、回路の接続を回路図に示す役割を負う。

回路図が完成したら、回路の妥当性の確認をおこなう。これは複数人が回路図を見 ながら意見を出し合う形がとられ、最終的に承認権を持つ者がその図面を承認する。

この会議をS社では回路検図と呼んでいる。

回路検図後は、基板設計者に設計データを渡し、基板設計を依頼する。この時の設 計データは作成した回路図に加え、使用する部品の型名が記載された部品表、基板設 計CADに回路図情報を取り込むためのネットリストデータ、基板の外形サイズを指 定する基板外形図、指示書等である。

ネットリストデータは、回路設計者が描いた回路図を元に、回路設計 CADが生成 するファイルである。その内容例を図 8に示す。この内容は回路設計CADによって 若干の相違があるが、基本的な情報量は同じである。本稿では解説のため一般的な形 式で説明する。

図 8:LED点灯用の回路のネットリストデータ例

図 8は、図 7の回路図から回路設計 CAD が生成したネットリストデータである。

ネットリストデータの内容は、回路図で示された回路の接続を文字で表現したもので ある。

各行の、最初の文字(GND、N00001、VCC)はネット名と呼ばれ、回路図中の接 続線一本一本につけられる名称である。

ネットリストデータの読み方は、次のようになる。

①ネット名:GND(GND TP2-1、 D1-2)

回路設計者は電源の-極を接続する側をグラウンド(GND)というネット名と定義 した。これをテストピン(TP2)の1番端子とLED(D1)の2番端子に接続する。

②ネット名:N00001 (N00001 R1-2、 D1-1)

回路設計CADが自動的に割り当てたネット名N00001を、電流制限抵抗(R1)の 2番端子と、LED(D1)の1番端子に接続する。

③ネット名:VCC (VCC TP1-1、 R1-1)

回路設計者は電源の+極を接続する側を VCCというネット名と定義した。これを テストピン(TP2)の1番端子と電流制限抵抗(R1)の1番端子に接続する。

① ~③で解説した読み方を回路図に重ねると図 9のようになる。

図 9:ネットリストデータの記述範囲と回路図