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作文教室開講

ドキュメント内 エッセー (ページ 111-114)

「5.37国語教師募集」で国語教育の重要さを熱弁していたが、遂に稲荷塾で作文教室を開講 することになった。新しい試みを始めるときは常にわくわくさせられる。しかし何故「国語ク ラス」じゃなくて「作文教室」なんだろうか。実は私がこれを「やろう!」と決めたときの認識 は、手を上げてくれた先生の専門がたまたま作文指導だったから、そうなったというものだっ た。つまり私自身に作文指導に対する特別の思い入れがあったわけではなく、ましてや「国語 教育は作文指導から」といった信念があったわけではない。ところが今回、担当の小西先生か ら作文指導についての方針や具体的な方法論についての説明文、兼、保護者への挨拶文を送っ ていただいて、それを読んだ瞬間から考え方が大きく変わってしまった。ひょっとしたらこの 作文教室こそが、稲荷塾における国語教育のベストフィットなやり方なのかもしれない。

 まずはその文書の中身を見てみよう。

1月から作文教室を担当します小西です。作文を通じて、創造力のある子を育て たい、稲荷塾オリジナルの作文講座を作っていきたいという希望を胸に頑張ります。

どうぞよろしくお願い致します。

 作文の勉強は、自分で考え、自分なりの考えを述べられる子を育てる勉強です。

指導目標は、作文を通じて「読解力」「思考力」「作文力」の3つの力を育てること です。

1 読解力

 読解力には、2種類あり、1つは速さの読解力、もう1つは深さの読解力です。速 さは多読で身につくので、読書をすることが大事です。深さは、精読によって身に つき、難しい本を理解できるまで繰り返し読み込むことが必要です。

 作文教室では、読解力を身につけるために、読書と音読に取り組みます。

読書は、基本的に好きな本を読むとよいです。読書習慣がない場合は、1日30分と 決めて読んでもらいます。いつも読みかけの本があるような生活が望ましいです。

授業がある日は、読みかけの本を教室に持ってきてもらい、チェックします。

 音読は、1週間同じものを繰り返し読みます。教室に来たとき、次回教室に来る までの間の音読教材を渡します。かなり難しい長文を選んでいるので、数回読むだ けでは理解できないかもしれませんが、繰り返し読むことによって、理解できるよ うになります。毎日10分、繰り返し音読をする宿題を出します。朝ご飯の前とか、

夜ご飯の前とかのように音読をする時間を決めて習慣にしてください。難しい漢字 にしかルビをふっていません。読めない漢字はルビをふってもかまいません。

2 思考力

 思考力を身につけるためには、小学生のうちは、家庭での対話が必要になります。

家庭でも、機会あるごとに、どう考えているのかを聞き、少しでも自分の考えを述 べたらほめて認めてあげてください。私たちには自分から進んで言えないことがた くさんあります。「自分の考えを言いなさい。言わなければだめ」と脅さず、言葉足 らずであっても、考えるように導いてあげてください。自分から進んで考えるため には、周りが対話を心がけ、楽しむ雰囲気を作ることが必要です。子供たちが毎日 音読している教材や本をぜひ、話のネタにしてください。音読教材は、大人が読ん でも深い内容のものを選んでいます。

「今週の音読はどんな内容なの? … へぇ、難しい内容をよく読んでいるのね。お母 さんも考えるところがあったわ。今日ね、近所の山田さんと話していたとき聞いた のだけど、バターがお店にないらしいの。あったとしても、お1人様1個限りと書 いてあったり、すごく高かったりするらしいのよ。今年の夏は暑かったでしょ。だ から、牛が夏バテでお乳の出が悪かったんだって。小麦粉も値上りしたし、バター も品薄じゃ、パンやケーキの値段もあがりそう。パン屋さんやケーキ屋さんも大変 だよね。猛暑って、いろいろなところに影響されているのね」

というように、長文の内容から身近な話をおもしろおかしく話してあげてください。

どんなテーマであっても、親が自分なりに考えて楽しく話してくれることで、子ど も自身も自分で考え、話す楽しさを身につけていきます。

 繰り返しの音読で、長文の内容を理解し、説明できるようになると、感想を述べ たり、似た内容の話ができるようになります。誰かにわかってもらおうと話すこと が、考える力をつける勉強になります。おもしろく話をして、じっくり聞いてあげ てください。

3 作文力

 作文力は、毎週、作文を書くことによって身につけていきます。

 作文を書く前に、構成用紙を使って、作文の流れを考えます。構成用紙には、作 文の流れの他に、入れる表現や題材、目標字数などを書いた項目欄があります。宿 題で作文を書くときも、初めに構成用紙を読んで、項目欄を確認して、空欄をうめ てから作文を書くようにします。

評価は、構成用紙に書いてある項目ができたら◎です。作文が書き終わったら、作 文に大事な項目が入っているか確認して、構成用紙の項目欄に◎を自分で書きます。

 添削は基本的によいところをほめます。事前に指導したことを評価するというの が大事です。指導と評価が一致していれば、子どもたちは安心して個性的な作文を

書くことができるようになります。事前に指導してないことは評価しません。評価 する必要があった時は、次回に指導して、その後評価するようにします。家庭でも、

子どもが書いた作文は、どんどんほめてあげてください。

 作文の勉強は、書く勉強と思われがちですが、土台となる読解力や思考力を養う 勉強を並行して行う必要があります。子どもたちは、毎日、音読10分と読書をし ます。簡単なようで毎日続けることは大変です。温かく励ましてあげてください。

 また、作文の勉強は成果がでにくく、そもそも成果がでたのかどうかを評価しに くい面があります。そばで見ていて、不安になることや疑問がわくことも多々ある と思います。第二水曜日は教室にいますし、それ以外の水曜日は電話での質問時間 を設けていますので、気軽にお問い合わせください。

【作文の勉強の流れ】

第二水曜日 教室に来て、説明を聞いたり質問をしたりした後、教室で作文を書く。

      次回、教室に来るまでの課題をもらう。

   ★持ってくるもの  ファイル(初回に渡します)・読みかけの本・筆記用具 第三水曜日 宿題  

第四水曜日 宿題 第一水曜日 宿題

   ★宿題;家で構成用紙を見ながら作文を書くこと。書けたら、構成用紙と作 文を封筒に入れて郵送する。1週間以内に郵送で返却されるので、添削を読んでファ イルにとじておく。

   ★家で作文の宿題をしていてよくわからなくなったら、水曜日の17時〜19 時に電話をして質問してください。(第二水曜日は教室にいるので留守です。)

 まず感じたのは、正直に言って期待していた以上の内容だということだ。それから「作文の 勉強は、書く勉強だと思われがちですが、土台となる読解力や思考力を養う勉強と並行して行 う必要があります」の1行には大いに納得させられた。また読解力を「速さ」と「深さ」に分 け、それぞれを身に付けるための方策についての説明も、数学の勉強と同じなのだなと感じる ことができた。さらに「思考力を身につけるためには、小学生のうちは、家庭での対話が必要 になります」以下の説明はまさに我が意を得たりと言える内容だった。

 ということで稲荷塾小学生部においては、今後数学のクラスと作文のクラスが並立で行われ て行くのかもしれないと感じている。(2012年10月31日)

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