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体温管理療法を施行していない患者の予後評価

CQ

:体温管理療法を施行していない昏睡患者で、予後不良を評価できる臨床 指標は何か?

P:ROSC 後の昏睡状態で体温管理療法を施行していない成人

I:臨床的指標(1.臨床所見 2.脳波 3.SSEP 4.画像 5.その他)が異常 C:臨床的指標が正常

O:退院時、30 日後、60 日後、180 日後、1 年後の神経学的予後不良もしくは死亡について の信頼にたる評価

エビデンスの評価に関する科学的コンセンサス

臨床所見に関する研究において、検査結果に対して医療チームの盲検化がなされた報告は ない。臨床所見に基づき予測する場合、医療チームを盲検化することは非常に難しく、それ による自己充足的予言のリスクがあることを意味している。

重大なアウトカムとしての退院時の神経学的転帰不良での生存もしくは死亡について、瞳 孔反射、運動反応、あるいは頭位変換眼球反射に関する 151 人を含む 2 件の研究がある(非 常に低いエビデンス:非常に深刻なバイアスのリスク、非常に深刻な不精確さによりグレー ドダウン)。

重大なアウトカムとしての 30 日後の神経学的転帰不良での生存もしくは死亡について、

Glasgow Coma Scale(GCS)に関する 97 人を含む 1 件の研究がある(非常に低いエビデンス:

非常に深刻なバイアスのリスク、非常に深刻な不精確さによりグレードダウン)。

重大なアウトカムとしての 90 日後の神経学的転帰不良での生存もしくは死亡について、角 膜反射、瞳孔反射、運動反応、眼球前提反射、GCS、もしくはミオクローヌスを指標とした 97 人を含む 2 件の研究がある(非常に低いエビデンス:深刻あるいは非常に深刻なバイアス のリスク、深刻あるいは非常に深刻な不精確さによりグレードダウン)。

重大なアウトカムとしての 180 日後の神経学的転帰不良での生存もしくは死亡について、

脳幹反射、運動反応、もしくはミオクローヌスを指標とした 650 人を含む 4 件の研究がある

(非常に低いエビデンス:深刻あるいは非常に深刻なバイアスのリスク、非常に深刻な不精確 さによりグレードダウン)。

重大なアウトカムとしての 1 年後の神経学的転帰不良での生存もしくは死亡について、脳 幹反射、運動反応、GCS、もしくはミオクローヌスを指標とした 172 人を含む 3 件の研究があ る(非常に低いエビデンス:深刻あるいは非常に深刻なバイアスのリスク、非常に深刻な不 精確さによりグレードダウン)。

1. 臨床所見

1) 瞳孔反射

98 人を含むある研究では、入院時の対光反射(PLR)消失による予後不良の評価について 偽陽性率 8%(95%CI 1~25%)、感度 56%(95%CI 43~67%)であった(非常に低いエビ デンス)。ROSC 後 24 時間(3 件の研究、496 人)、48 時間(3 件の研究、403 人)、72 時間(2 件の研究、382 人)では、対光反射(PLR)消失による予後不良の評価について、偽陽性率は それぞれ 9%(95%CI 4~18%)、4%(95%CI 0~12%)、0%(95%CI 0~8%)、感度は 18%

(95%CI 15~23%)から 21%(95%CI 17~25%)の範囲であった(非常に低いエビデンス:

深刻あるいは非常に深刻なバイアスのリスク、非常に深刻な不精確さによりグレードダウ ン)。

2) 角膜反射

ROSC 後の昏睡状態で体温管理療法を施行していない患者において、497 人を含む 3 件の研 究では、ROSC 後 24 時間と 48 時間での角膜反射消失による予後不良の評価について、偽陽性 率 17%(95%CI 9~27%)と 7%(95%CI 2~20%)、感度 37%(95%CI 32~42%)と 30%

(95%CI 25~35%)であった(非常に低いエビデンス:非常に深刻なバイアスのリスク、深 刻な非一貫性、非常に深刻な不精確さによりグレードダウン)。

3) 眼球前庭反射

65 人を含む 2 件の研究では、ROSC 後 24 時間における眼球前庭反射の両側消失による予後 不良の評価について、偽陽性率 0%(95%CI 0~18%)、感度 38%(95%CI 25~53%)であっ た(非常に低いエビデンス:非常に深刻なバイアスのリスク、深刻な非一貫性、非常に深刻 な不精確さによりグレードダウン)。19 人を含むある研究では、ROSC 後 48 時間における眼球 前庭反射の両側消失による予後不良の評価について、偽陽性率 0%(95%CI 0~35%)、感度 25%(95%CI 5~57%)であった(非常に低いエビデンス:非常に深刻なバイアスのリスク、

非常に深刻な不精確さによりグレードダウン)。

4) 眼球反射の組み合わせ

386 人を含むある研究では、ROSC 後 24 時間、48 時間、72 時間における瞳孔反射・角膜反 射両者の消失による予後不良の評価について、それぞれ偽陽性率 5%(95%CI 1~17%、3%

(95%CI 0~17%)、0%(95%CI 0~15%)、感度 13~14%であった(非常に低いエビデンス:

非常に深刻なバイアスのリスク、非常に深刻な不精確さによりグレードダウン)。60 人を含 むある研究では、ROSC 後 6~12 時間、24 時間、48 時間における瞳孔反射、角膜反射、頭位 変換眼球反射のうちいずれか 1 つ以上の消失による予後不良の評価について、偽陽性率 0%

(95%CI 0~22%)であった(非常に低いエビデンス:深刻なバイアスのリスク、非常に深刻 な不精確さによりグレードダウン)。

5) 疼痛に対する運動反応

462 人を含む 2 件の研究では、ROSC 後 24 時間において運動反応が消失あるいは異常伸展反 応がある場合、即ち GCS の運動スコアが 1 あるいは 2(M1~2)の場合の予後不良の評価につ いて、偽陽性率 27%(95%CI 12~48%)、感度 76%(95%CI 71~80%)であった(非常に 低いエビデンス:深刻なバイアスのリスク、深刻な非一貫性、深刻な不精確さによりグレー ドダウン)。322 人を含む 2 件の研究では、ROSC から 72 時間後において M1~2 である場合の 予後不良の評価について、偽陽性率 15%(95%CI 5~31%)、感度 39%(95%CI 33~44%)

であった(非常に低いエビデンス:深刻なバイアスのリスク、深刻な非一貫性、非常に深刻 な不精確さによりグレードダウン)。

120 人を含む 3 件の研究では、ROSC 後 12 時間、24 時間、48 時間において運動反応の消失・

異常伸展・異常屈曲(M1~3)である場合の予後不良の評価について、それぞれ偽陽性率 57%

(95%CI 37~76%)、35%(95%CI 21~52%)、10%(95%CI 3~24%)であった(非常に低 いエビデンス:非常に深刻なバイアスのリスク、深刻な非一貫性、非常に深刻な不精確さに よりグレードダウン)。27 人を含むある研究では、ROSC 後 72 時間においてこの徴候を認めた 場合の予後不良の評価について、偽陽性率 6%(95%CI 0~29%)であった(非常に低いエビ

デンス:非常に深刻なバイアスのリスク、非常に深刻な不精確さによりグレードダウン)。

6) GCS

119 人を含む 2 件の研究では、来院時、ROSC 後 24 時間、48 時間における GCS 合計点≦4 以下による予後不良の評価について、それぞれ偽陽性率 40%(95%CI 19~64%)、25%(95%

CI 5~57%)、0%(95%CI 0~22%)、感度は 54%(95%CI 37~71%)から 74%(95%CI 58~

86%)の範囲であった(非常に低いエビデンス:深刻なバイアスのリスク、非常に深刻な不 精確さによりグレードダウン)。ROSC 後 72 時間における GCS 合計点≦5 以下による予後不良 の評価について、偽陽性率 7%(95%CI 1~24%)、感度 75%(95%CI 63~86%)であった。

7) ミオクローヌスおよびミオクローヌス重積状態

来院時(1 研究、107 人; 非常に低いエビデンス)もしくは ROSC 後 24 時間(1 研究、75 人;

非常に低いエビデンス)における研究では、ミオクローヌスの出現による予後不良の評価に ついて、それぞれ偽陽性率 0%(95%CI 0~5%)と 0%(95%CI 0~14%)であった。464 人を含む 2 つの研究では、ROSC 後 24 時間以内、36~48 時間、72 時間におけるミオクローヌ ス重積状態による予後不良の評価について、それぞれ偽陽性率 0%(95%CI 0~7%)、0%(95%

CI 0~5%)、0%(95%CI 0~14%)、感度は 2~29%の範囲であった(非常に低いエビデン ス:非常に深刻なバイアスのリスク、深刻な不精確さによりグレードダウン)。

2. 神経電気生理学的検査

1) SSEP

重大なアウトカムとしての退院時での神経学的状態不良での生存か死亡について、SSEP の 研究 2 件(63 人; 非常に低いエビデンス:非常に深刻なバイアスのリスク、非常に深刻な不 精確さによりグレードダウン)と脳波の 3 件の研究がある(46 人; 非常に低いエビデンス:

非常に深刻なバイアスのリスク、非常に深刻な不精確さによりグレードダウン)。

重大なアウトカムとしての 30 日後の神経学的状態不良での生存か死亡について、SSEP の 2 件の研究があった(80 人; 非常に低いエビデンス:非常に深刻なバイアスのリスク、非常に 深刻な不精確さによりグレードダウン)。

重大なアウトカムとしての 60 日後の神経学的状態不良での生存か死亡について、脳波の研 究 2 件があった(54 人; 非常に低いエビデンス:非常に深刻なバイアスのリスク、非常に深 刻な不精確さによりグレードダウン)。

重大なアウトカムとしての 90 日後の神経学的状態不良での生存か死亡について、SSEP も しくは脳波の研究 2 件があった(102 人; 非常に低いエビデンス:非常に深刻なバイアスの リスク、非常に深刻な不精確さによりグレードダウン)。

重大なアウトカムとしての 180 日後の神経学的状態不良での生存か死亡について、SSEP も しくは脳波の 6 件の研究があった(733 症例; 非常に低いエビデンス:深刻あるいは非常に 深刻なバイアスのリスク、深刻あるいは非常に深刻な不精確さによりグレードダウン)。

重大なアウトカムとしての 1 年後の神経学的状態不良での生存か死亡について、SSEP もし くは脳波の 6 件の研究があった(829 人; 低いあるいは非常に低いエビデンス:深刻あるい は非常に深刻なバイアスのリスクと、非常に深刻な不精確さによりグレードダウン)。