62
アジア開発銀行南アジア
借入人および実施機関との関与を深めることを通
U
じてプロジェクトの監理・運営の向上への取組み を強化した。その結果、過去最高水準の実行額、
予想を上回る契約締結額が達成され、リスクのあ るプロジェクトの件数は過去最低水準に減少した。
堅調な貸付プログラムを通じて過去の水準を超え
U
る支援を提供した。より多くの新しい貸付商品や 融資形態が導入されたほか、民間セクターとの共 同努力により南アジア局初のノンソブリン・プロ ジェクトが実現した。
南アジア地域経済協力プログラムの参加
4
カ国のU
支援を得て、南アジアにおける情報通信技術の開 発を目的とする初の地域投資プロジェクトを開始 した。
復興および経済発展を通じ、ネパール政府の平和
U
維持に大きく貢献した。
成果重視姿勢を強化し効果的な成果重視型パート
U
ナーシップを維持するために、あらゆるレベルで 開発成果マネジメントを強化し、南アジアの全開 発途上加盟国における開発成果マネジメント能力 の向上を強力に支援した。
ハイライト
ギー・センターの技術能力の向上を支援した。6
月4
日から5
日にかけて、マニラのADB
本部で第4
回SASEC
国家アドバイザー会議が開催された。SASEC
加盟4
カ国が共同で取り組んだ最初の地域投資プロジェクトである
SASEC
情報ハイウェイ・プロジェクト以外にも、ADB
は技 術協力を通じて、地域観光の開発、運輸ロジスティクスの改善、貿易の促進、および環境協力の促進を目的とする
SASEC
の イニシアティブを支援した。ADB
はBIMSTEC
運輸インフラ・ロジスティクス調査が 勧告した運輸ロジスティクス政策の枠組みと戦略ならびに実 施メカニズムの実現を支援した。ポートフォリオ管理
ADB
が案件監理とポートフォリオ管理に関する取組みを強 化した結果、主要なポートフォリオ指標が大幅に改善された。実行額は
2006
年から48
%増加して20
億ドル(うち15
億 ドルはプロジェクトの実行額)となり、最高記録が更新された。契約締結・約定額は
21
億ドルと予想を26
%上回り、2006
年の
23
億ドルに近づいた。リスクのあるプロジェクトの比 率は2006
年の12.3
%から9.7
%に低下した(表29
)。バングラデシュでは、
ADB
の政府に対する働きかけ、お表
27
南アジア:2007
年の国別支援額(単位:百万ドル)
国
貸付 信用補完 無償援助
マルチ トランシェ融資 ファシリティd
OCR ADF ADB計
公的協調
融資a 保証a
シンジケー ションa 出資
無償プロ ジェクトb
技術協力 無償c
バングラデシュ 500.0 465.7 965.7 – – – – – 7.7 –
ブータン – – – – – – – 21.7 2.7 –
インド 1,386.4 – 1,386.4 – – 225.0 – – 10.8 1,693.0
モルジブ 4.5 5.3 9.8 – – – – – – –
ネパール – – – 10.0 – – – 111.0 7.2 –
スリランカ 327.5 115.0 442.5 – – – – 32.5 0.6 –
合計 2,218.4 586.0 2,804.4 10.0 – 225.0 – 165.2 29.0 1,693.0
– =該当データなし、ADF =アジア開発基金、OCR =通常資本財源。
注:(i)ソブリン貸付およびノンソブリン貸付の承諾については、統計付録1(ソブリン貸付およびノンソブリン貸付の承認(国別))および統計付録10(ノンソブリン投融資の承認と総事 業費(国別))を参照のこと。(ii)貸付と無償援助には、外部財源による公的協調融資であってその一部または全体をADBが管理するものが含まれる。(iii)小数点以下の処理により合 計と一致しない場合がある。
a 表6aと6b(直接付加価値協調融資)を参照。
b 統計付録2(無償援助プロジェクト承認(国別))を参照。
c 統計付録17(技術協力)を参照。技術協力(地域分)を除く。
d マルチトランシェ融資ファシリティは貸付を行うファシリティである。ファシリティから行われる貸付は、ADBの承認時に貸付として計上される。
年次報告
2007 63
南アジア 表
28
南アジア:2007
年中の無償援助プロジェクト承認(国別)(単位:百万ドル)
国 ADF その他の財源a 合計
ブータン
地方における技能開発 – 2.0 2.0
零細・中小企業の支援プログラム
–プログラム 6.0 – 6.0
–プロジェクト 9.0 – 9.0
南アジア地域経済協力における情報ネットワークの整備b 4.7 – 4.7
ネパール
脆弱・紛争被災家族および児童のための地方定住の支援 – 2.0 2.0
地方の復旧・復興のための開発プログラム
–プログラム 50.0 – 50.0
–プロジェクト 50.0 – 50.0
南アジア地域経済協力における情報ネットワークの整備b 9.0 – 9.0
スリランカ
北東部コミュニティの復興・開発(第2期)(追加)b – 1.5 1.5
津波被災地域の復旧(追加)b – 16.0 16.0
知識社会のための教育b 15.0 – 15.0
合計 143.7 21.5 165.2
– =該当データなし、ADF =アジア開発基金。
a 外部財源による公的協調融資であってその一部または全体をADBが管理するもの。
b 貸付プロジェクトの無償援助コンポーネント。
表
29
南アジア:ソブリン貸付のポートフォリオ・パフォーマンス指標(2006
〜2007
年)国
実施中の貸付件数
(2007年12月時点)
契約締結/約定 実行額 リスクのある貸付
2007
(百万ドル)
2006
(百万ドル)
2007
(百万ドル)
2006
(百万ドル)
2007
(%)
2006
(%)
バングラデシュ 48 446.8 367.9 346.0 321.7 2.1 10.0
ブータン 5 13.4 2.6 8.9 4.6 – –
インド 38 1,436.9 1,714.7 1,363.5 701.4 7.9 6.3
モルジブ 7 4.1 7.6 5.1 4.9 28.6 14.3
ネパール 21 88.4 101.6 96.8 108.0 14.3 17.4
スリランカ 46 116.0 144.9 137.8 180.4 15.2 17.0
合計a 165 2,105.7 2,339.4 1,958.2 1,321.1 9.7 12.3
– =該当データなし。
a 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
よび開発パートナーとの強い連携を通じて従来からのポート フォリオ・パフォーマンスの改善が維持され、いくつかの分 野においてはさらなる改善が見られた。インドのポートフォ リオ・パフォーマンスも、プロジェクトの準備・実施および 能力開発の各分野において大きく改善し、契約締結の増加と 貸付実行の迅速化を可能にした。ネパールでは、プロジェク トの準備段階の改善、調達の調和化、財務管理の改善、およ び貸付・技術協力ポートフォリオの合理化を目的とする具体 策が実行された。スリランカでのプロジェクト実施において は引き続き安全面での問題に直面したが、継続中の津波被害 の復旧・復興についてはいくつかの面で進歩が見られ、契約
締結額が増加した。
国別業務概要
バングラデシュ
パートナーシップの優先分野
ADB
は2008
〜2010
年の プログラムに基づき、インフラおよびエネルギー、運輸、教 育ならびに都市衛生、都市水道、都市交通を含む統合都市イ ンフラの各セクターにおける政策、ガバナンスおよび制度改64
アジア開発銀行南アジア
表
30
南アジア:2007
年中のソブリン貸付およびノンソブリン貸付の承認(国別)(単位:百万ドル)
国 OCR ADF 合計
ソブリン バングラデシュ
鉄道セクター投資プロジェクト(サブプロジェクト1) 100.0 30.0 130.0
持続可能な電力セクターの構築プログラム
–プログラム – 60.0 60.0
–プロジェクト 400.0 5.0 405.0
グッド・ガバナンス・プログラム – 150.0 150.0
パドマ川多目的橋の設計 – 17.6 17.6
ダッカ上水道整備のプログラム
–プログラム – 50.0 50.0
–プロジェクト – 150.0 150.0
南アジア地域経済協力における情報ネットワーク – 3.1 3.1
インド
ウッタランチャル州の道路投資プログラム(サブプロジェクト1) 50.0 – 50.0
ウッタランチャル州の電力セクター投資プログラム(サブプロジェクト1) 41.9 – 41.9
カルナタカ州北部の都市投資プログラム(サブプロジェクト1) 33.0 – 33.0
マディヤプラデシュ州の電力セクター投資プログラム(サブプロジェクト1) 106.0 – 106.0
マディヤプラデシュ州の電力セクター投資プログラム(サブプロジェクト2) 45.0 – 45.0
マディヤプラデシュ州の電力セクター投資プログラム(サブプロジェクト3) 144.0 – 144.0
マディヤプラデシュ州の電力セクター投資プログラム(サブプロジェクト4) 90.0 – 90.0
マディヤプラデシュ州の道路整備(第2期) 320.0 – 320.0
ジャムおよびカシミールにおける都市開発投資プログラム(サブプロジェクト1) 42.2 – 42.2
ラージャスターン州の都市開発投資プログラム 60.0 – 60.0
インド・インフラ事業融資ファシリティ(サブプロジェクト1) 300.0 – 300.0
モルジブ
国内海上運送の改善 – 5.3 5.3
スリランカ
コロンボ港の整備 300.0 – 300.0
知識社会に向けての教育 – 65.0 65.0
中小企業の支援 – 50.0 50.0
小計 2,032.1 586.0 2,618.2
ノンソブリン インド
中小企業向け金融ファシリティ 75.0 – 75.0
タタ電力・風力エネルギー金融ファシリティ 79.3 – 79.3
モルジブ
南アジア中小企業セクター向けリース・ファシリティ 4.5 – 4.5
スリランカ
南アジア中小企業セクター向けリース・ファシリティ 10.0 – 10.0
コマーシャル・リーシング社 7.5 – 7.5
ピープルズ・リーシング社 10.0 – 10.0
小計 186.3 – 186.3
合計 2,218.4 586.0 2,804.4
– =該当データなし、ADF =アジア開発基金、OCR =通常資本財源。
年次報告
2007 65
南アジア 図
8
南アジア:国別実行額(2006
〜2007
年)(ソブリン・ノンソブリン合計)
(単位:百万ドル)
96.8 ブータン
モルジブ 4.6 8.9
ネパール インド バングラデシュ
スリランカ
表
31
南アジア:2007
年末時点の国別累計貸付額・実行額
(単位:百万ドル)a, b
国 貸付 実行額
バングラデシュ 9,265.5 6,240.4
ブータン 176.1 112.3
インド 17,834.6 10,349.8
モルジブ 101.3 68.8
ネパール 2,301.0 1,642.0
スリランカ 4,205.8 2,902.2
合計c 33,884.2 21,315.5
a 地域プロジェクトの貸付コンポーネントは各国に配分している。
b ノンソブリン(公共および民間セクター)貸付を含む。
c 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
図
7
南アジア:国別貸付承諾額(2006
〜2007
年)(ソブリン・ノンソブリン合計)
(単位:百万ドル)
スリランカ 442.5 60.0
ネパール 86.0 モルジブ 9.8
インド 1,386.4
1,535.0 ブータン 37.6
バングラデシュ 965.7
255.1
0 500 1,000 1,500 2,000
2006
2006
2007
2007
革を支援している。
ADB
に先導されて、いくつかの開発機関 が初等教育開発プログラムを支援している。他の開発パートナーと協力して実施されるグッド・ガバナ ンス・プログラムでは、主要なガバナンスにおける重大な制 約事項の削減、国家公正管理戦略の策定、各省庁におけるガ バナンス改善策の採択、パフォーマンス、透明性と説明責任 に重点を置く司法改革、およびガバナンス管理能力の開発を 支援していく。
業務の効果 ジャムナ・メグナ川の浸食緩和プロジェクトでは、
革新的で費用効果の高い、持続可能な河岸浸食抑制手法ならび に運営・維持管理システムが開発され、また
2
万人を超える人々 の生計を保護する組織・制度への支援が強化された。実施中の道路網改善・保守プロジェクト(第
1
期および第2
期)では、政府による陸上運輸政策の実施、道路網の欠落 区間の整備、道路の保守資金を調達する持続可能なメカニズ ムの整備を支援した。両プロジェクトでは引き続き、地方の 農民に全国の市場、学校・医療施設のサービスを提供するこ とを目的として、貧困率が最も高い地域および地区の道路が 整備された。都市部一次医療プロジェクト(第
2
期)では、貧困層をター ゲットとし、HIV
/エイズおよびその他の感染症対策が続け られた。ブータン
パートナーシップの優先分野
ADB
は、2005
年9
月に採 択した成果重視型の国別パートナーシップ戦略と政府の国家 貧困削減戦略を指針としている。国別パートナーシップ戦略 は、中核セクターにおけるプログラム・プロジェクトの支援、および
ADB
が関与する分野と全体的な開発管理に関する能 力の開発という2
本の柱からなる。4
つの中核セクター(道路、電力、都市インフラ開発、金融・民間セクター開発)に おける
ADB
の支援は、支援の持続可能性を確保し、効果的 かつ明確な効果をもたらす開発を実現するため、投資事業と セクター改革と能力開発を統合したパッケージを提供してい る。ADB
は国内の企業家に機会を提供するとともに、国内金 融システムが定評のある企業だけでなく地方の中小企業にも 幅広い金融サービスを提供できるよう、金融システムの効率 化を目指している。業務の効果
ADB
の支援は、貧困の主原因に数えられる交通 の不便性と孤立度の軽減を目的として、主にエネルギー(地 方電化)と運輸(道路)セクターに向けられた。貧困家庭は電 気照明や家電製品を利用し、小規模な家内工業を立ち上げ、食物を加工し、大工仕事や仕立て職といった商売を効率よく
0
0
0
0 500
108.0
1,493.2 711.9
346.1 321.7
147.8 180.4 4.9 6.6
1,000 1,500