バングラデシュのクルナ・ジェッソール排水プロジェクトは、プロジェクトの直接対象区域以外の状況も検討する必要があることを示した
年次報告
2007 93
独立評価 業務評価局(
OED
)は、下記のような、企業部門で用いられるナレッジ・マネジメント概念の採用を推進している。
U
集中ADB
の業務計画には、国別、セクター別、テー マ別の重点分野がある。U
学習 学習する組織になるため、ADB
は経営情報シス テムの再構築を行っている。OED
は強化された組織的 独立性を活かし、学習の支援を強化するため、より多 くの資源をナレッジ・マネジメントに配分した。U
評価の質OED
のより洗練された手法、インパクト評 価へのシフト、およびより包括的な評価は、より多く の知識が創造され、開発の概念・質の改善および対外 的説明責任の強化のために利用されていることを示し ている。特定される教訓と提案される勧告の質を常に 改善していかなければならない。フィードバック
U OED
の支援により、評価に基づく学 習と説明責任のためのフィードバック制度がシステム 化・制度化されつつある。情報と文書化
U ADB
は、インターネットをベースと する最新の情報システムおよび文書化システムの活用 を進めている。これにより、情報の収集と検索にかか る費用が削減され、組織的な蓄積が強化される。しか し、洪水のようなデータ・情報量の増加を踏まえると、これらのシステムの機能については改善の余地がある。
ADB
はシステムのネットワーク化を進め、分散型組織 における上方向フィードバックを奨励している。OED
は
ADB
のウェブサイトの評価ページを管理し、その機 能、デザイン、コンテンツ、独創性、プロフェッショ ナリズムと有効性の改善を図っている。U
内面化OED
は、ナレッジ・マネジメントの全体的な 戦略的フレームワークの枠内で、評価から得られた教 訓を内面化するために、より系統的かつ革新的な手法を導入する可能性を検討している。
モニタリング
U OED
は、確立されたモニタリング・シ ステムと評価システムを利用した、評価結果と勧告へ の対応措置のモニタリングを推進している。U
情報公開 評価アプローチ・ペーパーと外部ステーク ホルダーのコメントは、ADB
のウェブサイトの評価 ページに掲載される。パートナーとステークホルダー
U ADB
は概してフィードバックを内部関係者に伝えているが、支援対象国内の マスコミを含むパートナーやステークホルダーのより積 極的な参加が必要であるという認識を強めつつある。
包括的な評価
U OED
は引き続き、個別事業の評価から、より包括的な国別・セクター別およびテーマ別の評価 に重点を移した。これは、特に政策レビューとタイミ ングを合わせた場合に、評価の潜在的なインパクトの 増大につながる。包括的評価の結果と勧告は、しっか りと根付いたモニタリング・評価システムにより、実 施中の事業に直接的に反映される。反映されなければ、
問題点が自ずと明らかになる。
U
自己評価 プログラムおよび業務活動の担当部門によ る自己評価を改善すべし、というOED
の主張が支持さ れ、設計およびモニタリングの枠組み、モニタリング・評価システムおよび完了報告書の改善が促された。
開発途上加盟国における関心の高まり
U ADB
は現在、成果の達成に重点を置いており、開発途上加盟国の成 果の計測・管理能力の強化を支援している。開発途上 加盟国自身、自らの評価能力の開発について関心を強 めており、このことは、「開発評価研修国際プログラム」
に関する知識とサービスに対する需要の増加、および 評価団体の発展に反映されている。
評価に基づく学習の改善
94
アジア開発銀行独立評価
図
11
成功したソブリン業務(プロジェクト/プログラム)の比率(財源別)プロジェクト/プログラム実施期間:4–7年 完了報告書:完了から1–2年後
プロジェクト/プログラム評価:完了から3年以上後
承諾年
1970 1971 1972 1973 1974 1975 1976 1977 1978 1979 1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 19961997 1998 1999 2000 100
90 80 70 60 50 40 30 20 10 0
合計 アジア開発基金 通常資本財源 傾向線
ビスの提供を目的として、臨時事務局を設置することに合意 した。事務局は
OED
内に設置された。ADB
内でプログラム貸付と呼ばれる政策ベース貸 付は、開発途上加盟国の国際収支問題を緩和するた めに導入された。過去30
年間、政策ベース貸付はま た、各種インセンティブ、開発に資する環境や制度、そして最近では公共資源管理の改善に貢献してきた。
2006
年末には、プログラム貸付がADB
の公共セク ター貸付総額の24
%を占めた。過去の経験から、グッ ド・プラクティスが見いだせるだろうか。ADB
のプ ログラム貸付政策に改善の余地はあるだろうか。『政 策ベース貸付に関する特別評価調査:開発途上加盟国 の改革支援におけるグッド・プラクティス』(www.
adb.org/documents/ses/reg/policy-based-lending/evu-oth-2007-18.pdf
)を参照されたい。政策ベース貸付のグッド・プラクティス
評価能力および評価的思考の開発
1990
年以降、OED
は評価能力の開発を支援している。透明性が高く、説明の所在を明らかにした、成果重視型の効 果的な管理システムにおける評価の価値についての意識を向 ADBは、ネパールの女性の地位に対するマイクロファイナンスの影響を調査した
年次報告
2007 95
独立評価
OED
は、インターネット技術をより効果的に活用 することに努めた。ADB
のウェブサイトの評価ペー ジを再設計し、コンテンツ、閲覧のしやすさ、外観、ロー ド時間、およびメディア間のアクセスのしやすさを強 化した。その結果は歴然としている。OED
の評価ホー ムページの閲覧回数は2006
年に急増し、それ以降、常に高い水準を維持している。
出所:www.adb.org/evaluation/
インターネットの活用
表
38
ソブリン業務のセクター別評価結果aセクター
評価対象 プロジェクト/
プログラム
(件数)
比率(%)
HS/GS/S PS US
農業・天然資源 294 41 43 16
教育 86 73 26 1
エネルギー 183 80 18 3
金融 101 54 39 8
保健・栄養・
社会的保護 40 55 43 3
鉱工業・貿易 71 63 25 11
法律・経済運営・
公共政策 23 48 44 9
マルチセクター 127 66 27 7
運輸・通信 205 84 11 5
上下水道・
廃棄物管理 82 61 34 5
合計 1,212 63 29 8
GS =全体的に成功、HS =大変成功、PS =部分的に成功、S =成功、
US =不成功。
a プロジェクト/プログラム完了報告書(PCR)およびプロジェクト/プログラム実 績評価報告書(PPER)の評価結果を総合したもの。PCRとPPER双方の評点があ る場合は、すべてPPERの評点を採用した。
データの出所:評点を含み2007年末時点で回覧済みのPCRとPPER。
図
12 ADB.org
での評価ホームページの閲覧回数と ランキング1 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 8,000
7,000 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 0
注:閲覧回数は、ウェブサイトがアクセスされた回数を示す。ページとは、ADB.org 内で閲覧できるHTML文書として定義され、ダウンロード(PDFまたはその他の形式 のファイル)とは区別される。ADB.orgには約4万7,000のページが存在する。ADB 本部からの閲覧回数は含まれない。
閲覧回数 ランキング(上位100)
ランキング
閲覧回数