表
33
東南アジア:2007
年中の無償援助プロジェクト承認(国別)(単位:百万ドル)
国 ADF その他の財源a 合計
カンボジア
教育の改善 27.1 – 27.1
大メコン河流域圏における南部沿岸回廊の整備(カンボジア・ベトナム)b – 8.0 8.0
トンレサップにおける低地開発b 9.9 – 9.9
トンレサップ内湾における貧困削減イニシアティブのためのコミュニティの開発 – 1.5 1.5
ラオス
ラオス北部における持続可能な貧困削減のための地方政府機関およびラオス女性同盟の強化 – 0.5 0.5
保健システムの開発 13.0 – 13.0
大メコン河流域圏における北部運輸ネットワークの改善 27.0 14.5 41.5
民間セクター・中小企業の強化プログラム(サブプログラム1) 5.0 – 5.0
フィリピン
海底資源の管理b – 9.0 9.0
ベトナム
中部諸省における農村の総合開発b – 1.3 1.3
タインホア省の都市部における小規模インフラ投資およびサービス – 2.0 2.0
大メコン河流域圏における南部沿岸回廊の整備(カンボジア・ベトナム)b – 25.5 25.5
合計 82.0 62.3 144.3
– =該当データなし、ADF =アジア開発基金。
a 外部財源による公的協調融資であってその一部または全体をADBが管理するもの。
b 貸付プロジェクトの無償援助コンポーネント。
表
34
東南アジア:ソブリン貸付のポートフォリオ・パフォーマンス指標(2006
〜2007
年)国
実施中の貸付件数
(2007年12月時点)
契約締結/約定 実行額 リスクのある貸付
2007
(百万ドル)
2006
(百万ドル)
2007
(百万ドル)
2006
(百万ドル)
2007
(%)
2006
(%)
カンボジア 22 74.3 39.1 56.8 54.6 9.1 4.8
インドネシア 33 1,187.1 781.0 1,136.3 861.5 6.1 –
ラオス 23 43.7 56.2 73.9 76.1 4.3 8.0
マレーシア – – – – 0.7 – –
フィリピン 18 373.9 844.1 419.2 833.0 11.1 9.5
タイ – – 5.3 – 5.2 – –
ベトナム 42 261.0 252.1 229.9 184.1 4.8 10.8
合計 138 1,940.1 1,977.8 1,916.0 2,015.0 6.5 6.5
– =該当データなし。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
東南アジア
74
アジア開発銀行額が
99
%、(貸付およびADF
グラントの)実行額が105
% となった。重要なポートフォリオ管理改善イニシアティブのおかげ で、
ADB
は2005
年以降、東南アジアにおいてリスクのあ るプロジェクトの比率を1
桁台に保っている(表34
)。技術 協力のパフォーマンスに関する月次会合および技術協力の延 期に関する厳格な審査プロセスを含む、厳格なモニタリング・システムが導入された。インドネシア、フィリピンおよびベ トナムにおいて、成果重視型の国別ポートフォリオ・レビュー・
ミッションがすべて駐在員事務所の主導で実施された。
国別業務概要
ブルネイ
パートナーシップの優先分野 ブルネイは
2006
年にADB
に加盟した。ブルネイは
BIMP-EAGA
が1994
年に設立さ れて以来、その加盟国として積極的に活動している。ここ数 年間、BIMP-EAGA
に対するADB
の支援が拡大している。ブルネイ政府は、当初は資本市場の整備を対象として同国が 資金を提供し、
ADB
が技術協力を実施するという協力形式に 関心を示している。豊富な石油資源を有するが中期的には産出量が減少してい る同国は、多くの課題に直面している。同国では人材と技能 表
35
東南アジア:2007
年中のソブリン貸付およびノンソブリン貸付の承認(国別)(単位:百万ドル)
国 OCR ADF 合計
ソブリン カンボジア
大メコン河流域圏における南部沿岸回廊の整備(カンボジア・ベトナム) – 7.0 7.0
トンレサップにおける低地開発 – 10.1 10.1
金融セクター・プログラム(第2期)(サブプログラム1) – 10.0 10.0
インドネシア
コミュニティ・エンパワーメントを通じた栄養改善 – 50.0 50.0
貧困削減・ミレニアム開発目標の推進プログラム(サブプログラム1) 400.0 – 400.0
資本市場の整備プログラム(サブプログラム1) 300.0 – 300.0
開発政策支援プログラム(第3期)(サブプログラム2) 200.0 – 200.0
フィリピン
海底資源の管理 33.8 – 33.8
開発政策の支援プログラム(サブプログラムI) 250.0 – 250.0
地方政府の資金調達・予算改革プログラム(サブプログラム1) 300.0 – 300.0
ベトナム
第1モンズオン火力発電所の建設(サブプロジェクト1) 27.9 – 27.9
貧困削減プログラムの実施支援(第4期) – 15.0 15.0
中部諸省における農村の総合開発 – 90.0 90.0
大メコン河流域圏における南部沿岸回廊の整備(カンボジア・ベトナム) – 75.0 75.0
ホーチミン−ロンタン−ゾーザイ間の高速道路の技術支援 – 10.0 10.0
金融セクター・プログラム(第3期)(サブプログラム1) – 75.0 75.0
最貧地域における中等教育の改善 – 50.0 50.0
大メコン河流域圏:昆明−ハイフォン運輸回廊−ノイバイ−カオライ間の幹線道路の整備 896.0 200.0 1,096.0
小計 2,407.7 592.1 2,999.8
ノンソブリン カンボジア
パワー・トランスミッション・ラインズ社(CPTL) 8.0 – 8.0
インドネシア
セメン・アンダラス社によるアチェ州内セメント工場再建 45.0 – 45.0
西ジャカルタ上水道開発プロジェクト 50.0 – 50.0
マレーシア
ユーカリプト・モーゲージ社 10.0 – 10.0
ベトナム
ベトナム技術商業銀行(テクコム・バンク)共同出資 25.0 – 25.0
ベトナム外国貿易銀行 20.0 – 20.0
小計 158.0 – 158.0
合計 2,565.7 592.1 3,157.8
– =該当データなし、ADF =アジア開発基金、OCR =通常資本財源。
東南アジア
年次報告
2007 75
が不足しており、単純労働と熟練労働の双方を外国人契約労 働者に依存している。経済は公共セクターに独占されており、
多くのサービスは無料で提供されるか高率の補助を受けてい る。エネルギー以外の分野を開発して経済を多様化し、公共 セクターによる独占を徐々に縮小していくことが、政府の優 先課題となっている。
ADB
は必要に応じて技術面での助言 を提供し、BIMP-EAGA
プログラムを通じた支援を継続し ていく。カンボジア
パートナーシップの優先分野 政治の安定が続いたことが背 景となり、
2007
年も目覚ましい経済成長(9.6
%)が達成さ れた。農業生産は再び堅調であったが、経済発展の大半は引 き続き都市部に限定され、農村部の貧困が優先課題として残っ ている。従って、政府は農村開発を最重要分野として再強調 した。国別戦略・プログラム(
2005
〜2009
年)は政府の国家 戦略的開発計画(2006
〜2010
年)に沿った内容となってお り、持続可能かつ貧困層を重視した成長と包括的な社会開発 の促進とガバナンスおよびサービス提供の改善を目標として いる。国別戦略・プログラムの中間レビュー会合では、戦略 アプローチ自体は支持されたが、農業と農村開発に対する支 援をさらに増加する必要があると指摘された。農業および農村セクターにおける
ADB
の支援は、住民の38
%が公式な貧困ラインを下回るトンレサップ盆地を中心に 行われた。社会開発に関するADB
の優先項目は、教育改革、健康状態の改善および伝染病対策の改善であった。民間セク ター開発に関する優先項目には、金融セクターの強化および民 間セクターと農村開発とを有機的に結びつけることを目的とす
る第
2
期の支援が含まれる。ADB
は特に、公共財政運営や調 達におけるリスク管理イニシアティブや腐敗防止に注力した。業務の効果 トンレサップ地方における上下水道整備プロジェ クトは引き続き、
2015
年までに地方における安全な飲料水の 供給率を50
%に、下水道普及率を30
%に引き上げるという、カンボジアのミレニアム開発目標の達成に貢献した。
第
2
次教育セクター開発プログラムの下で教育法が制定 表36
東南アジア:2007
年末時点の国別累計貸付額・実行額
(単位:百万ドル)a, b
国 貸付 実行額
カンボジア 947.3 675.9
インドネシア 22,558.3 17,397.8
ラオス 1,211.3 1,081.8
マレーシア 1,997.5 1,414.0
ミャンマー 530.9 411.8
フィリピン 9,832.8 7,536.3
タイ 5,388.1 4,207.7
ベトナム 5,524.4 2,369.1
合計c 47,990.7 35,094.4
a 地域プロジェクトの貸付コンポーネントは各国に配分している。
b ノンソブリン貸付(公共・民間)を含む。
c 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
図
10
東南アジア:国別実行額(2006
〜2007
年)(ソブリン・ノンソブリン合計)
(単位:百万ドル)
229.9 184.1
836.6 419.4
84.891.3
1,025.9 1,259.0 56.8
54.6
10.0 0.7
3.0 21.6
図
9
東南アジア:国別貸付承諾額(2006
〜2007
年)(ソブリン・ノンソブリン合計)
(単位:百万ドル)
2006
2006
2007
2007 308.2
1,483.9 650.0
583.8 28.2
784.8 1,045.0 62.0
35.1
10.0 0
0
0 500 1,000 1,500 2,000
カンボジア
インドネシア
ラオス
マレーシア
ミャンマー
フィリピン
タイ
ベトナム
カンボジア
インドネシア
ラオス
マレーシア
ミャンマー
フィリピン
タイ
ベトナム
0 200 400 600 800 1,000 1,200
東南アジア
76
アジア開発銀行され、関連立法の行動計画案が作成された。また、教育に対 する経常予算の配分が
2006
年比で23
%増加したほか、中 学校100
校が新設され、遠隔地および貧困地域に住む3
万2,000
人の生徒に利益がもたらされた。保健セクター支援プ ロジェクトでは保健セクター戦略計画(2008
〜2015
年)が レビューされ、6
カ所の追加的医療施設および4
カ所の紹介 病院の建設および修復に資金が提供され、経常保健支出の実 績額が2006
年比で31.4
%増加した(推定値)。ADB
は中小企業開発プログラム貸付および金融セクター・プログラム貸付の継続的実施等の手段により、引き続き投資 環境の改善を支援した。中小企業開発プログラム貸付は、企 業登記および営業許可手続の合理化に貢献し、金融セクター・
プログラム貸付では、銀行業、保険業および商業的開発の法 的基盤の整備、金融機関の監督および監視の強化、および金 融市場の整備が行われた。
ADB
は中央政府の公共財政運営の改善および地方政府への 権限委譲を支援した。技術協力を通じ、公共債務の管理とモ ニタリングに関する経済財政省の能力を強化した。ADB
はま た、2
省庁に対するガバナンス・リスク評価を実施し、具体 的な腐敗防止措置を提言した。インドネシア
パートナーシップの優先分野 国別戦略・プログラム(
2006
カンボジアのトンレサップ湖は東南アジア最大の淡水 湖だが、その周辺地域では安全な飲料水と下水道の利用 が限られている。ある
ADB
のプロジェクトが解決策を提 供している。農業を営む
Vorn Mao
さんは、僻地村にある、悪臭の する危険な小川で、家族が使う水を汲んでいた。36
歳の2
児の母親である彼女は、乾期に水を得るためには穴を 掘るか、2
キロ以上も歩いて、多くの人が洗濯をしたり 身体を洗ったりする小川で水を汲まなければならなかっ た。浄水手段を持たない彼女とその家族は、しばしば下 痢や発熱や皮膚の病気に悩まされた。現在は状況が変わり、
Vorn Mao
さんの家族や隣人た ちは、安全できれいな水を手軽に利用できるようになっ た。トンレサップ地方における上下水道整備プロジェク トの一環として建設された、深井戸ポンプのおかげで ある。1,800
万ドルのアジア開発基金グラントを通じ てADB
が資金を提供したこのプロジェクトは、ADB
が2002
年に立ち上げたトンレサップ・イニシアティブの 一部である。「井戸ができて、とても喜んでいます」と
Vorn Mao
さんはいう。「以前ほど病気をしなくなったので、薬代が 減りました」
1989
年以降、より多くの人が、主に対外援助を通じ て安全な飲料水と下水道を利用できるようになった。そ れでも、同国の地方における上水道普及率は、依然とし てアジアで下から2
番目に低い。トンレサップのプロジェクトは、完成予定の
2011
年ま でに、対象となった5
つの州において約1,760
村・180
万人に上下水道施設を供給することを目標としている。
このプロジェクトの重要な要素はコミュニティの積極 的な参加であり、各コミュニティは施設の選択、計画、
費用分担、実施、運営および維持管理に関与する。
深井戸ポンプの場合、平均建設費用は
1,800
ドルで、受益者が現金または物資供出により費用の
10
%を負担し、上下水道利用者グループを通じて施設の管理に関与する。
利用家庭の世帯主から集められたグループのメンバー が施設の資本費用と維持管理費用を拠出する。
「施設をカビから守る計画があります。それから、維持 管理費用を賄うために、私が利用家庭からお金を集めて います。小さな問題が起きたときに、施設を直せるよう にするためです」と、グループの理事会メンバーである