第3章 日本歌曲の楽曲分析
第1節 ヨーロッパの模倣・ロマン主義の作曲家の歌曲の楽曲分析
1)滝 廉太郎《荒城の月》・2)山田耕搾《こ一の道》の楽曲分析
1)《荒城の月》(1901!明治43)
作曲者:滝廉太郎
作詞者:土井晩翠形式 連 フレーズ
iモテイーフ)
小節番号 調 詩行
前奏1〜4 d−mO11
A
(一) (二) (三) (四) a(M1+M2) 5〜81 1 1 1
(一) (二) (三) (四) a iM11+M2 ) 9〜12
2 2 2 2
B
(一) (二) (三) (四) b(M3+M4) 13−163 3 3 3
(一) (二) (三) (四) a iM1+M2 ) 17−20 4 4 4 4
間奏 Q1〜23
後奏 Q4〜26 楽曲の特徴
1.形式 ・2部形式
2.モティーフの特徴
・M1が6度上行、M2が3度下行となり、M1に重心があり、M2がそれに
呼応している。
・M1 ,M2 の関係も、M1,M2の関係と同様である。
・M3は、3度下行をして、6度上行。M4は3度上行して、2度下行となり、
M1,M2とは音型が異なる。
3.フレーズの特徴
・モティーフ2つで1つのフレーズを構成していて、楽式として、小楽節
(a・4小節十a ・4小節,b・4小節十a 4小節)、大楽節(A−8小節、B・8小節)が 整然と構成されている。
・a,a ともに前半にエネルギーが大きく、後半でそれを受けるという音型に なっている。
・a,a はエネルギーの大きさにより、前半と後半がアンバランスである。
4.和声の特徴
・フレーズa,a ともに、完全終止である。
・フレーズbのみ、変終止であり、a,a と区別している。
・楽式は西洋的であるが、常にTを中心としており、和声の機能感が希薄に なっている。
・典型的な2部形式であるので、本来はa一半終止、a ・完全終止、b一半終止、
a 一完全終止、となるのだが、敢えてそれを避けて、和声の機能感を希薄に し、日本的な雰囲気を出している。
5.歌詞とメロディーとの対応
・歌詞の1,5,9,13詩行に6度の上行があり、その中の3音節目に4
度の上行がある。これにより、七・五調の七音の方に歌詞の重心があると 判断できる。・上記の五音は、連続した音程で下行し、5音節目で2度上行又は、5度下 行をして、七音の歌詞を受けている。
6.ピアノ伴奏の特徴
・メロディ]に伴奏している。
・前奏の冒頭の2小節に、M1を予出している。
・右手のほとんどが、メロディーと同じリズムパターンである。
・右手は重音で、メロディーの音と重複している。
・4小節ごとに、前行音を入れて、フレーズの始まりを強調している。
・フレーズa,a の1小節目の4拍目には、左手に必ず付点音符を使い、メロデ イーの最高音へと導いている。付点音符を効果的に使っている。
・フレーズbの1拍目に、伴奏にアルペジオの前行音を入れ、フレーズbを 強調している。
・M2切1小節目の3拍目〜4拍目のメロディーの付点音符の部分には、左手 に1オクターブの音程があり、終止を強調している。
・左手のべ一ス音のほとんどを和音の主音にして、音を持続させている。
・M2,M2 の左手の内声は、右手と反進行している。
・全体に、メロディーに合わせリズムの変化があまりない。
荒城の月
(一)春高楼の.花の宴
めぐる盃 かげさして 千代の松が枝 わけいでし むかしの光 いまいづこ
(二)秋陣営の 霜の色
鳴き行く雁わ数見せて 植うるつるぎに照りそいし むかしの光 いまいづこ
(三)今荒城の 夜半の月
かわらぬ光 たがたあぞ 垣にのこるは ただかつら 松に歌うは ただ嵐
(四)天上影は かわらねど 栄枯は移る 世の姿 写さんとてか今もなお 鳴呼荒城の 夜半の月
!1
ミ
士芽晩翠 滝 廉太郎 山田耕搾一
作詞 作曲 編曲
ポ0 竺二
一 が舳一
( ● ・ 筥
ヨ ■
一 主≡1匪.
} 甲
一二ニ←一
, ■
…て才 ・ゆ些w二戸1
■ ■
5 ≡
ジ甲} m,
1
一 一一_一一血十一{
! 一
■ 一 I 」 /
,
一 .二貿 ]
■■
『
.一でく・\。.二..一一_ノ.
山ト_て4・纐 べ
一
.■・
」 一
鮎.。
I 一
一
一 一
」 一
難葦峯11一タド4I三三皇
一・一 一 . 1・ ㍍ の え
U1二隻婁ト→ 汽 貫∵;1㌧ 1
・いま㌧ノ じシ三貧 慕一わつ 三
・.てんじしつ か徴
ぶ.くて一 一 ・イ丁丁二二㎞∵;;.
一 ・_,』 一高F・マーπ1.l l ,) 4 ノ 泌
} 一三ζ;ノー穴 二年1三三 } 一葉仁一 、三草妻1… ゴ
1トニ 磐証舳嚇
抑Lニニニ:二1一山
め ぐ る き
な ] 、
弟・ わ ら 搬 え い し 伸
? .
弱\衛一…
_皇廿_.、1フ乞.
中 一;:二4ギ}一丁
〆一
かす一き か・享
㍑.号...窯.が
. 一 } め つ つ 」匂・ ?
、狡〔二二二二÷早
玉 ・一
瓢 鵠.鰯・ 密勘. 霧 魁.薬孤磐
ソ
τ_二二ノ †
㌫ 愁ぺ
・一・・一・・ m1エレ… {一 1
し て
・堂 て め そ が た
.(・
∫ ノ3
ち つ
か
う
よのうる きに つさ
ま つ の ん
つがるぎ
こ る
とて
ん は か
・r丁1、\
わ1づ」い
てりそ ただか い妻も
でしい し づらなお
←
4ユヘ μ二:評m †
一tノ
土も勉、 楽観.
w
工楽地.秋 貼
鵠勤. 脇. 綾ユ{、_ζ{
…}■、〃_ …〕…「11、蒜
妻
むかしのむかしの
・婁つ;ζう
ああこう
ひかりひ。かり じようのとうは
ノク.. ..
いま一
「づこ
いまいづこ ただあ らし
よわのつき
1.2。.3.、c\
v・o鉋====こ 〃 ====
λ
上収)育 工け㌦ 勉 鵠勉藷瓢楽瓢嚇魁畿孤而鵠魁
刃)
ヴ甚 ム宇藷瓢 薬
(
ミ
〃韮
2ユ ぐ、.
4
m
榊。κor肱 (色d伽.・←ノ后
鰯.瀞勉. 替地.
〒4 上弦 藷魁.
一6 ユ与豚
薬勉. 藷魁
叩\一一一 /
楽
2)《この道》(1927!昭和2) 作曲者:山口ヨ耕搾 作詞者:北原白秋
形式 連 フレーズ 小節番号 調
詩行 (モテイーフ)
前奏1
E・d−ur2 CiS・mO11 3〜4 E・dur
A
(一) (二) (三) (四) 包(M1) 5〜71 1 1 1
(一) (二) (三) (四) b(M2) 8〜9
2 2 2 2
(一) (二) (三) (四) c(M3) 10〜14
3 3 3 3
楽曲の特徴 1.形式 ・1部形式
2.3、ブレーズ(モティーフ)の特徴 ・モティーフとフレーズが同一である。
・a(lM1)では、1オクターブ以上の上行をしており、b(M2)では1オクターブ 以上の下行をしており、a(M1)に呼応している。
・詩を強調するために、a(1M1)の最後の音とb(M2)の最初の音の音程が1オク ターフ離れている。
・a(M1)は3/4,2/4,3/4.b(M2)は3/4,3/4.c(M3)は2/4,3/4,2/4,3/4と,詩の単語
数により、拍子が変化する。
・モテイーフ全てが弱冠で始まっている。
4.和声の特徴
・前奏2小節目に、並行調への転調があるが、全体に瞬間的な和音の変化が
見られる。
・日本語の持つ流れで和音が変化している。
・曲の途中で完全終止を持たない。
5.歌詞とメロディーとの対応
・日本語の持つ流れを大切にするために、八分音符中心のメロディーとなっ ている。
・特に、b(M2)は、日本語の自然な流れを出すために1オクターブ以上の下行 となっている。
6.ピアノ伴奏の特徴
・メロディーに伴奏している。
・前奏の冒頭の2小節に、M1を予出している。
・前奏の転調直後にアルベジアーレで和音奏にし、原調に戻った直後に、ア ルペジアーレで再度和音奏にして、調の変化を強調している。
・右手は童音で、メロディーの音と重複している。
・右手は8分音符が中心となっている。
・モティーフの初めは、必ず伴奏が半拍早く始まり、伴奏が歌詞を誘導して
いる。
・フレーズb(M2)の最初のE音はメロディーの申で最高音となるので、伴奏 のアルベジアーレで和音奏にして強調している。
・左手は和音の構成音を持続させて、前奏部分と、フレーズb,cのみ内声で音 を変化させている。
・前奏では調の変化をアルベジアーレを使い効果的に表現している。
・フレーズbの直前(7小節目)のW度の和音のアルベジアーレは、歌詞の「あ あ」の最高音を導き出すためと、さらに、音楽を広げていくために使われ ている。
この道
(一)この道はいつか来た道 ああ さうだよ
あかしやの花が咲いてる
(三)この道はいつか来た道 ああ さうだよ
お母苧まと紬で行ったよ
(二)あの丘はいつか見た丘 ああ さうだよ ほら 白い時計台だよ
(四)あの票もいっか見た雲 ああ さうだよ 山査子の枝も垂れでる
北原白秋 作詞 .山田耕搾 作曲
山54ゆるく鱈か紀
紅一1 幸 (
ロー @巨#ら1〉二二 し美ソ
エ (琢6 島)v午一 酪 c15二五 w
__、______。、.__一_一一一一H一
〜 ρ∠ >砂
工.こ の み
ミ
峠
㌧二 /I