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イ メー ジ・ スキー マ

第 2 章 先行研究と 理論 的 な枠組 み

2.5.3 イ メー ジ・ スキー マ

本研究 は複 合語 の機 能、 品詞を 論じ る 際に、 理解 の手 助け とし て 、以 下に 示 される 認知 文法の 図を 使用 し、 太線 でプロ ファ イ ルを、 細線 でベ ース を示 すこと にす る 。 名詞 、形 容 詞、動 詞は それ ぞれ図 2-8、図 2-9、 図 2-10の よう に表示 され る。

図2-8. ( 典型 的な) モノ 概念

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図 2-8は 「車 」や 「本 」な どの 様々 な名詞 を抽 象化 した 概念 を表し てい る 。名詞 は通 常 図 2-8のよ うに 概念 的に 自立 し、独自 に 想起で きる 何ら かの まと まりで ある 。それに 対し 、 形容詞 は図 2-9 に示 され るよ うな 他の 概念に 依存 する 関係 概念 の一つ であ る 。

図 2-9. 関 係概 念

網掛け して いる のは モノ が不特 定だ と いう意 味で ある 。例 えば、「赤 い」 とい う概念 は

「何か が赤 とい う属 性を 持つ 」の みで あり、「何 か」まで「赤 い」に含 まれ て いない 。従 っ て、そ の「 何か 」を 不特 定とい う意 味 の網掛 けで 表示 する 。 関 係概念 に さ ら に時間 軸を 加 えると 動詞 が 表 すプ ロセ ス概念 にな る 。

t=時 間

図 2-10. プ ロセ ス概 念

tとい う時 間軸 が太 線で 表され てい る のは、 形容 詞に ない 時間 的展開 が動 詞 にはあ る

(プロ ファ イル され てい る)と いう 意 味であ る。

上記 の主 要三 品詞 に加 え、プ ロセ ス 概念(図 2-10)を モノ 概念 (図 2-8) のよう に捉 え る動名 詞は 次の 図で 表さ れる。

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図 2-11. ( 非典 型的 な ) モノ 概念

本研究 では さら に 、 本章の 2.3.4節に 提示し た百 科事 典的 知識 と融合 した 以 下のよ うな オリジ ナル な 図 も使 用す る。

図 2-12. ( 産出 的役 割 が 表示さ れて い る)モ ノ概 念

名詞は図 2-8に 見た よう に、 それ のみ で自立 して いる 概念 であ るが、 それ に 関する 様々 な知識 が背 景に 存在 して いると 考え ら れる。 本研 究は その よう な、 ベ ース の ような 直接 意 味の成 立を 支え るの では なく、 暗黙 で 理解さ れて いる 背景 的な 知識を 破線 で 表示す る。 図 2-12 で プロフ ァイ ルさ れて いる(太 線 で描か れて いる )丸 は図 2-8 と同 様に モノが 示さ れ ている が、 網掛 けさ れ、 破線で 描か れ た丸と 矢印 はそ のモ ノを 製造す る(2.5節 の(25)

におけ る産 出的 役割 に相 当する )人 が 表示さ れて いる 。

一方 、産 出的 役割 では なく、 目的 的 役割と 融合 した モノ 概念 は次の 図で 表 示でき る。

図 2-13. ( 目的 的役 割が 表示さ れて い る)モ ノ概 念

図 2-13も プロ ファイ ルさ れて いる のは モノの みで ある が、 モノ の用途 など 、 他のモ ノ

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に対す る作 用は 暗黙 で理 解され てお り 、また 、用 途な どの 目的 的役割 は意 味 の成立 を直 接 支えて いな いた め、 破線 で描 く 。

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