第 2 章 事故情報提供のためのメディアの現状
2.2 事故情報提供のためのメディア
2.2.5 メディア別情報システム事故報道の現況
本項では,各メディアによる情報システム事故報道の現況を独自に調査した 結果を示す.取り上げたメディアは新聞,テレビ,インターネットであり,具 体的には下記のとおりである.
・収集対象事故:情報システム事故全般
・収集メディア:新聞(紙)-朝日,毎日,読売,日経
テレビ-NHK,日テレ,TBS,フジ,テレビ朝日
インターネット-asahi.com,毎日 jp,YOMIURI ONLINE, NIKKEI NET,共同通信,時事通信
・収集期間:2008 年 5 月 1 日~同年 7 月 31 日(3 ヶ月)
・収集方法:新聞は,東京本社版から収集(ただし,テレビや他紙で報道され ている事故については記事データベース検索サービスも利用),テレビは,上 記 5 局のインターネット上のニュース番組サイトを毎日チェックすることに より収集,インターネットは,全国四大新聞と2つの通信社から収集する.
(注)インターネット上のニュースサイトとして上記には含めていないが,
“Google ニュース”がある.“Googleニュース”はロボット型検索であり,
その時点のウェブ全体からデータを集め,あるアルゴリズムで表示してお り,原理的には件数は最も多いと考えられる.しかし,検索対象がウェブ 全体であり,充分に評価されていないサイト情報も含まれているので,本 調査では対象にしていない.
表 2.4 に収集したメディア別報道状況の一覧表の一部を示す.各メディアの 報道件数の比較表を表 2.5 に示す.主な結果は下記のとおりである.
(1) 収集された事故事例数は,新聞とインターネットはほぼ同数であるが,テ レビは新聞の約 54%に過ぎない.
(2) 1 紙,1 局,1WEB当たり平均件数で比較すると,新聞はテレビの約 3.3 倍,
インターネットの約 1.4 倍の事故報道をしている.
新聞とインターネットは総件数ではほぼ同じなのに,1 紙 1WEB当たりに するとインターネットが悪くなる理由は,同一新聞社の新聞とインターネッ トを比べると,新聞にあってインターネットにはない件数が 31 件あるのに 対して,インターネットにあって新聞にない件数は 3 件のみであることによ る.
(3) テレビで報道されている事故が新聞4紙のうち何紙で報道されているかを みると,0紙2件,1紙5件,2紙4件,3紙4件,4紙18件であり,4紙が一番多 い.すなわち,本例の場合,テレビ報道されている事故の約半数(55%)は 全国紙4紙すべてで報道されている.
(4) 報道の一番早い初出の日時は,新聞6件,テレビ12件,インターネット41件 であり,圧倒的にインターネットが早い.
表 2.5 各メディアでの報道件数比較