7 機能説明
7.2 プロセスデータ構造
7.2.1 基本構造
コントローラの電源を入れると、ノードの配下でデータの送受信を行うすべての I/Oモ ジュールを識別します(データ幅/ビット幅>0)。
ノードには、アナログおよびデジタルモジュールを混在して使用することができます。
使用注意
バス延長モジュールを使用すると最大250枚のI/Oモジュールが接続可能!
ワゴのバス延長カプラモジュール750-628およびバス延長終端モジュール750-627を 使用すると、750-880、750-880/025-000のコントローラに対して最大250枚のI/Oモ ジュールが接続できます。
詳細情報 追加情報:
個々のI/Oモジュールの入出力ビット数ないしバイト数については、対応するモジュー ルの取扱説明書をご覧ください。
コントローラは、データ幅およびI/Oモジュールのタイプとノードにおける位置から内 部ローカルプロセスイメージを生成します。このプロセスイメージは入力部分と出力部 分に分かれます。
デジタルI/Oモジュールのデータはビット単位です(データ交換がビット単位で行われ ます)。それに対し、アナログI/Oおよび多くの特殊モジュール(カウンタモジュール、
エンコーダモジュール、通信モジュールなど)のデータはバイト単位であり、データ交 換はバイト単位で行われます。
入力、出力両方のプロセスイメージに対しては、I/O モジュールのデータは各々のプロ セスイメージの中で、コントローラの後に配置された順序で保管されます。
プロセスイメージには、まずバイト型(アナログなど)I/O モジュール全てのデータが 保管され、次にビット型(デジタル)I/O モジュールが入ります。デジタル I/O モジュ ールのビットはバイト単位にまとめられます。デジタルI/Oの数が8ビットを超えると、
自動的に次のバイトに移ります。
使用注意
ハードウェアの変更はプロセスイメージの変更につながります!
データ幅が0ビット以上のI/Oモジュールを追加、変更、削除することにより、ハード ウェアの構成を変えた場合、プロセスイメージの構造が新しくなります。この場合、プ ロセスデータのアドレスも変わります。モジュールを追加した場合には、既存のモジュ ール全てのプロセスデータを考慮する必要があります。
ワゴ I/O システム 750 機能説明 60 ETHERNET プログラマブルフィールドバスコントローラ 750-880、750-880/025-000
物理的な入出力データに対するプロセスイメージは、メモリの最初の256ワードに格納 されます(ワード0〜255)。
MODBUS PFC変数のプロセスイメージに対しては、ワード256〜511のメモリ領域が
用意されています。すなわちMODBUS PFC変数のプロセスイメージは、I/Oモジュー ルのプロセスイメージの後に作られます。
I/Oデータが256ワードを超え場合、全ての物理的な入出力データは、メモリ領域内で 現在のプロセスイメージの最後(MODBUS PFC変数の後ろ、ワード512〜1275)に追 加されます。
残りの物理I/Oデータの後ろにはEtherNet/IP PFC変数が来ます。このメモリ領域はワ ード1276〜1531です。
この後のワード1532以降の領域は、将来のプロトコル拡張用と今後追加されるPFC変 数のために空けてあります。
PFCからプロセスデータへのアクセスは、ワゴの全てのフィールドバスコントローラに おいて、フィールドバスシステムの種類とは無関係に行われます。アクセス処理は必ず アプリケーションに対応したIEC 61131-3プログラムによって行われます。
しかし、フィールドバス側からどのようにデータがアクセスされるかは、そのフィール ドバスによって異なります。
750-880、750-880/025-000 フィールドバスコントローラに対しては、MODBUS/TCP
マスタから実装されたMODBUS機能を経由してアクセスすることができます。そこで
は10進または16進のMODBUSアドレスが使われます。
オプションとして、データはオブジェクトモデルを用いてEtherNet/IPからアクセスす ることができます。
詳細情報 追加情報:
フィールドバス固有のデータアクセス方法の詳細は、12.2節「MODBUSの機能」およ び12.3節「EtherNet/IP(Ethernet/Industrial Protocol)」を参照してください。。
詳細情報 追加情報:
I/O モジュールのフィールドバス固有プロセスイメージの詳細は、「プロセスデータの 構造」を参照してください。。
61 機能説明 ワゴ I/O システム 750 ETHERNET プログラマブルフィールドバスコントローラ 750-880、750-880/025-000
7.2.2 入力プロセスイメージの例
下の図は入力プロセスイメージの一例です。コンフィグレーションには 16 点のデジタ ル入力と8点のアナログ入力があります。そのためプロセスイメージは全体で9ワード 長になります(アナログデータが8ワード、デジタル入力が1ワード)。
入力モジュール
ビット
ワード ワード ワード
ワード ワード
ワード ワード ワード
ワード ワード ワード ワード ワード ワード ワード ワード
アドレス
入力プロセスイメージ
(ワード)
DI:デジタル入力 AI:アナログ入力 入力プロセスイメージ
(ビット)
アドレス 上位バイト 下位バイト
ビット
図38:入力プロセスイメージの例
ワゴ I/O システム 750 機能説明 62 ETHERNET プログラマブルフィールドバスコントローラ 750-880、750-880/025-000
7.2.3 出力プロセスイメージの例
下の図は出力プロセスイメージの一例です。コンフィグレーションには2点のデジタル 出力と4点のアナログ出力があります。そのためプロセスイメージは全体で5ワード長 になります(アナログデータが4ワード、デジタル出力が1ワード)。MODBUSプロト コルを使用している場合は、出力データはMODBUSアドレスに200h(0x0200)のオ フセットを加算して読み出すことができます。
使用注意
256ワード以上のデータはオフセットを追加して読み出します!
出力データが256ワードを超え、メモリ領域6000h(0x6000)〜 66F9h(0x66F9)
にある場合は、MODBUS アドレスに 1000h(0x1000)のオフセットを加算して読み 出すことができます。
入力モジュール
ビット1
ワード1 ワード2
ワード1 ワード2 ワード1 ワード2
MODBUS アドレス 出力プロセスイメージ
(ワード)
DO:デジタル出力 AO:アナログ出力 入力プロセスイメージ
(ワード)
上位バイト
ワード1 ビット2 ワード2
下位バイト
上位バイト 下位バイト
MODBUS アドレス
ワード1 ワード2 ワード1 ワード2
MODBUS アドレス 出力プロセスイメージ
(ビット)
MODBUS アドレス 入力プロセスイメージ
(ビット)
図39:出力プロセスイメージの例
63 機能説明 ワゴ I/O システム 750 ETHERNET プログラマブルフィールドバスコントローラ 750-880、750-880/025-000
7.2.4 MODBUS/TCP、Ethernet/IP のプロセスデータ
一部のI/Oモジュール(派生品を含む)では、フィールドバスの種類によってプロセス データの構成が異なります。
750-880、750-880/025-000コントローラはMODBUSおよびEthernet/IP機能付で、
プロセスイメージはワード毎に構築されます(ワード単位で並べられます)。1バイトを 超えるデータの内部マッピング方法は、インテルフォーマットに準拠しています。
詳細情報 追加情報:
ワゴI/Oシステム750(または753)シリーズ内の全I/Oモジュールに対するフィール
ドバスに応じたプロセスデータ構成は、13.2節「MODBUS/TCPプロセスデータ構成」
および13.3節「EtherNet/IPプロセスデータ構成」を参照してください。
ワゴ I/O システム 750 機能説明 64 ETHERNET プログラマブルフィールドバスコントローラ 750-880、750-880/025-000