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データ管理

ドキュメント内 システム設計ガイド (ページ 80-83)

第1章 Information Integratorの機能

1.8 管理機能

1.8.2 データ管理

Information Integratorでは、収集元システムから収集したデータや、配付先システムに配付したデータなどをInformation Integratorサー

バ内に保持します。この保持する領域を「データボックス」と呼びます。

データボックスは、システム中に複数作成されます。データの操作(格納、抽出など)を行うことができます。

図1.30 データ管理のイメージ

データボックスの種類

データボックスには以下の種類があります。

・ データボックス

- 逐次データの格納に利用する場合

利用者が、データ収集およびデータ配付単位に指定します。業務アプリケーションやシステム間でのキュー制御といった用途 として利用できます。

プロセス定義の基本処理、データ収集定義、データ振分定義、およびデータ配付定義で指定できます。

データボックスへの操作方法は、コマンドを利用したデータ格納、抽出、削除などのデータ操作と運用管理クライアントを利用 したデータ参照があります。

これらの詳細は、“コマンドリファレンス”および“運用管理クライアントヘルプ”を参照してください。

- スプールとして利用する場合

利用者が、データ収集に指定します。データ収集でマスタデータを溜め込んで管理する場合に利用できます。

コマンドを利用したデータ格納、抽出、削除などのデータ操作によって、データボックスをスプールとして扱うことができます。

ポイント

データボックスに格納されたデータの削除契機

データボックスに格納されたデータを削除する契機は、以下の2パターンがあります。

- 動作環境ファイルの「自側データボックス蓄積情報の保存期限(excttermキー)」の経過を契機に削除

動作環境ファイルの「日付を変更する区切り時刻(resettimeキー)」をもとに、データボックスの蓄積情報の保存期限が経過した あと、自動で削除されます。なお、Information Integratorサーバが停止していた場合は次回の起動時に削除されます。動作環 境ファイルの詳細は、“セットアップガイド”を参照してください。

- 利用者の削除依頼によって削除

ifirdelt(データ削除)コマンドの実行によって削除できます。詳細は、“コマンドリファレンス”を参照してください。

・ テンポラリデータボックス

処理プロセスでデータを処理する場合に、データ変換や振分などのファンクションの処理結果データを一時的に保存してファンク ション間でのデータの受渡しを行うのに利用します。

ファンクションで異常が発生した場合のリカバリ操作を行ったり、データの流れを確認したりすることができます。

一度、抽出したデータを再度、抽出する事はできませんが、データの参照は可能です。

ポイント

テンポラリデータボックスに格納されたデータの削除契機

テンポラリデータボックスに格納されたデータを削除する契機は、以下の2パターンがあります。

- プロセスの完了を契機に削除

動作環境ファイルの「テンポラリデータボックスの削除契機(tmpdboxdelキー)」に「proc」を指定した場合および「削除条件 (tmpdboxdeltermキー)」を指定した場合にプロセスの完了時に自動で削除されます。

- プロセス完了から1日経過後に削除

動作環境ファイルの「テンポラリデータボックスの削除契機(tmpdboxdelキー)」を省略した場合または「fix」を指定した場合、プ ロセスの完了から1日が経過したあと、動作環境ファイルの「区切り時刻(resettimeキー)」をもとに自動で削除されます。なお、

Information Integratorサーバが停止していた場合は次回の起動時に削除されます。

動作環境ファイルの詳細は、“セットアップガイド”を参照してください。

管理

「データボックス」には、データが世代として順次蓄積されます。各世代のデータに対して、システムで一意な番号であるデータ番号が 自動採番されます。利用者は、この番号を基にしてデータの識別を行うことができます。

各世代のデータに対して、データの管理情報とデータを以下の構造で管理します。

・ 管理情報

以下の情報を使用して管理します。

- データを示す情報(データ番号、データサイズ、格納日時など)

- データ操作を行った処理(ファンクション)情報

- データの状態

・ データ

データは、動作環境ファイルの「世代管理データ保存領域(stk_pathキー)」の配下でデータ単位にファイルで管理されます。

扱えるデータ

CSVやバイナリといったデータの形式にかかわらず、データボックスに管理する事ができます。

また、データボックス1つあたりの世代数の上限および各データのサイズにも制限はありません。

注意

1つのデータボックスに対して、異なる構造や形式のデータは格納できません。

ただし、以下の場合は異なる構造や形式のデータを混在することができます。

・ データボックスに対応する、データ構造定義のデータ形式に「混在フォーマット」を指定した場合

データボックスの格納状態

データボックスの格納状態は以下のとおりです。これらの各状態は、下記の表の上から順に遷移します。

格納処理、抽出処理で異常を検出した場合は、実行前の状態に戻ります。ファンクションで処理するデータは該当のファンクションが 正常終了または異常終了するまでは、格納中または抽出中になります。

表1.12 格納状態

状態 説明

格納中 格納処理中の状態です。データ収集中のデータもこの状態になります。

格納済 格納処理が完了した状態です。抽出することが可能です。

抽出中 抽出処理中の状態です。データ配付中のデータもこの状態になります。

抽出済 抽出処理が完了した状態です。

リカバリポイント

処理プロセスの実行中に、異常検出した場合、処理プロセスを再実行することで、業務をリカバリする必要がありますが、再実行を処 理の途中で開始できるように、チェックポイントがあります。このチェックポイントを「リカバリポイント」と呼びます。

リカバリポイントとは、データ収集完了時の処理結果状態およびデータ配付前の処理結果状態を保持した状態を指します。

再実行を依頼された場合には、異常が発生した処理の直前のリカバリポイント(データ収集完了時点または、データ配付前の時点)ま での処理をスキップして、処理することで、効率的なリカバリができます。

図1.31 リカバリポイントのイメージ

ポイント

複数のデータ配付処理が存在する処理プロセスのリカバリについて

以下のように、複数のデータ配付処理が存在する処理プロセスでは、データ配付前の処理がすべて完了するまで各データ配付処理 の開始を待ち合わせます。

これにより、いずれかのデータ配付処理で異常が発生した場合、異常が発生した処理の直前のリカバリポイント(データ配付前の時点) からリカバリを行うことができます。

図1.32 配付処理の待ち合わせ

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