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イベント監視

ドキュメント内 システム設計ガイド (ページ 69-76)

第1章 Information Integratorの機能

1.6 プロセス制御機能

1.6.5 イベント監視

を参照してください。

ポイント

一定時間間隔繰り返しと収集監視実行では、スケジュール実行時間帯を事前に設定しておくことができます。例えば、Information Integratorに、60分間隔で繰り返し実行するプロセスや、イベント監視実行のプロセスなどがあり、いずれのプロセスも実行開始時間帯 を午前9時以降午後5時までと設定しておくことができます。

また、日次、週次などすべてのスケジュール機能では、プロセスの運用開始後のスケジュールの一時停止・再開を行うことができます。

1.6.2 自動リトライ

システム間のファイル送受信では、様々な原因で転送が異常となる場合があります。原因がネットワーク上の一時的な通信エラーで は、転送異常となったファイルの再送で問題が解決します。しかし、利用者による原因調査や再送のオペレーションなどの作業で再送 までに時間が掛かることがあります。

自動リトライ機能では、転送異常の原因を自動判定し、ネットワーク上の一時的な通信エラーの場合はオペレーションなしで自動的に 再送することで、利用者の負担軽減と再送までの時間短縮を支援します。

自動リトライは、ファイル送受信の要求単位にリトライし、指定したリトライ間隔とリトライ回数に従ってリトライします。リトライ回数分リトラ イしてもファイル集配信がエラー終了する場合、利用者には、最後のエラー情報が通知されます。

1.6.3 排他制御

多重実行時に各実行処理や、利用者プラグイン用アプリケーションの使用するリソースの関係で、多重実行ができない場合(DB抽出 で同一データの二重抽出を抑止する場合や、プラグインとして利用する製品が多重実行できない仕様の場合など)に、Information Integrator内で排他できます。

これにより、同時実行によるデータ重複や過剰なエラー(多重度オーバ)といったリスクが軽減できます。

処理によって制御単位が異なります。以下の処理と制御単位の関係を示します。

表1.10 処理の種類と排他制御の関係

処理の種類 機能 制御単位 想定されるリスク 備考

データ収集 ファイル転送 相手システム名+データ ボックス

データ重複 運用種別が応答側の 場合は無効

DB抽出 DBMS種+データベース 名+スキーマ名+テーブ ル名

データ重複 デッドロック

データ配付とも排他

BLOB収集 エンドポイントURL+コン

テナ名+ブロブ名

データ重複 データ配付とも排他 データ配付 ファイル転送 相手システム名+データ

ボックス

データ重複 運用種別が応答側の 場合は無効

DB格納 DBMS種+データベース 名+スキーマ名+テーブ ル名

データ重複 デッドロック

データ収集とも排他

BLOB配付 エンドポイントURL+コン

テナ名+ブロブ名

データ重複 データ収集とも排他 データ変換 変換 データ変換ID 同一変換処理でのCPU

占有

多重度制限の代替とし て制御

振分け 振分け 振分けID 同一振り分け処理での

CPU占有

多重度制限の代替とし て制御

プラグイン プラグイン プラグインID データ重複

データ収集でオブジェクト抽出機能を利用する場合およびデータ配付でオブジェクト格納機能を利用する場合は、排他制御機能 はありません。

1.6.4 順序性制御

処理プロセスの実行中に同一の処理プロセスの実行を新たに行うときは、同一プロセスの多重処理の防止およびシステムの負荷軽減 を行うことができます。

この順序性制御を行うことにより、先行の処理プロセスに関する処理が完了してから次の処理プロセスに関する処理を開始するように 制御します。

1.6.5 イベント監視

収集元システムからデータが到着した場合など、イベントの発生を契機として処理が自動的に実行される機能を、イベント監視と呼び ます。

イベント監視では、以下のいずれかの契機で、処理プロセスを自動的に実行されます。

・ 他局主導でファイルを受信したとき

他局主導でファイルを受信したとき、ファイル転送の終了を契機に処理プロセスが自動的に実行されます。

転送プロトコル(FTP+、HULFTなど)の種別には依存しません。

・ データボックスにデータを格納したとき

Information Integrator運用コマンド(「ifirstor」コマンド)を利用して、データボックスにデータを格納した契機に、処理プロセスが自 動的に実行されます。

・ 監視対象のディレクトリにファイルが生成されたとき

OSのコマンドや業務アプリケーションなどを利用して、処理プロセスの実行対象となるファイルを、あらかじめ監視対象に指定した ディレクトリに生成します。監視対象のディレクトリにファイルが生成されたときに、処理プロセスが自動的に実行されます。

監視対象のディレクトリは、動作環境ファイルに指定します。詳細は、“セットアップガイド”を参照してください。

この場合の運用についての詳細は、“1.6.5.1 ディレクトリを監視する場合”を参照してください。

1.6.5.1 ディレクトリを監視する場合

処理プロセスの実行対象となるファイルが、他のアプリケーションで更新が完了したかどうか判断します。完了したときに、自動的に処 理プロセスが実行されます。

大量データでは、書き込みの開始から完了までに時間を要します。そのため、更新日付が現在時刻以前である場合、かつ、ファイル に排他が掛かっていない場合に、書き込みが完了したものと判断します。

監視対象のディレクトリに生成された処理対象ファイルは、処理プロセスが実行されると、自動的に削除されます。

以下に、利用方法について説明します。

注意

通常は、監視対象のディレクトリには、処理プロセスの実行対象となるファイルだけが生成されるようにしてください。

監視対象のディレクトリに生成されたファイルのうち、処理プロセスの実行開始時に処理プロセスの実行対象となるファイルを検索しま す。この検索に時間を要するためです。

また、ファイルの更新完了は前述の手段で判断していますが、以下のいずれかの方法でファイルを生成するようにしてください。特に 監視対象のディレクトリにデータ量の大きいファイルを生成する場合には必ず以下のいずれかの方法で生成してください。

・ 別のディレクトリに一度作成してから、監視対象のディレクトリに配置する。

・ ファイルの書き込み中には、排他をかける。

処理プロセスの実行対象となるファイルを指定

監視対象のディレクトリに生成されたファイルのうち、データ収集定義の収集ファイル名に処理プロセスの実行対象となるファイル名を あらかじめ指定します。

・ 完全一致

ファイル名が完全に一致するファイルのみを対象とする場合

・ ワイルドカード指定

前方一致、後方一致など、ファイル名の一部分が一致するファイルを対象とする場合 詳細は、“III Studio ヘルプ”または、“デザインシート ヘルプ”を参照してください。

処理プロセスの実行対象外となるファイルの扱い

監視ディレクトリに生成されたファイルのうち、処理プロセスの実行対象外となるファイルの扱いをあらかじめ指定しておくことができま す。

対象外のファイルの扱いは、以下のとおりです。

・ 対象外ファイルを自動的に削除する

・ 対象外ファイルを別のディレクトリに退避する

これらは、動作環境ファイルに指定します。詳細は、“セットアップガイド”を参照してください。

注意

監視ディレクトリ配下に、処理プロセスの実行に不要なファイルを配置し続けないようにしてください。

ポイント

対象外ファイルを別のディレクトリに退避する場合

退避後のファイル名は、元のファイル名(監視対象ディレクトリに生成されたファイル名)に、日付と通番が付与されます。これにより、同 一ファイル名のファイルが複数あっても、区別して管理することができます。

1.6.5.2 複数のイベントを監視する場合

複数のイベントを監視すると、以下のどちらかの契機で処理プロセスを自動的に実行することができます。

・ すべてのイベントにおいて、ファイルが到着したとき

処理プロセスの実行対象となるファイルがすべて到着するまで待ち合わせます。

・ いずれかのファイルが到着したとき

複数のイベントを監視し、いずれかのイベントにファイルが到着したときに、自動的に処理プロセスが実行されます。すべてのファ イルを待ち合わせません。

なお、複数のイベントを監視する場合の実行契機は、データ収集定義の「0件データの扱い」でカスタマイズすることができます。詳細 は、“6.6.3 収集方法の設計”(III Studioを利用して設計する場合)または、“7.4.3 収集方法の設計”(デザインシートを利用して設計す る場合)を参照してください。

以下に例を示します。

ポイント

以下の例は、すべてのイベントがデータボックスに格納するイベント形態ですが、他局主導でのファイル受信したときや、監視対象の ディレクトリにファイルが生成されたときを契機としたイベントとの混在も可能です。

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