第6章 III Studioを利用した設計
6.6 データ収集処理の設計
データ収集処理の設計手順について説明します。
データ収集処理の設計は以下の手順で行います。
1. 収集元システムの設計 2. 収集データの設計 3. 収集方法の設計
6.6.1 収集元システムの設計
データの収集元としてアクセスするシステムの情報(システム名やIPアドレスなど)や、システムへのアクセス手段(データベース情報、
ファイル受信のパラメタ、認証情報など)を設計します。
データソース定義の作成
[III ナビゲータービュー]でデータソース定義を展開し、設計するデータソース定義IDをダブルクリックします。[エディタ]にデータソー ス定義の各項目が表示されます。ここで、データソース定義の作成を行います。
ポイント
データソースタイプによって、エディタに表示される項目が異なります。データソースタイプは、データソース定義を新規に作成する場 合に選択します。詳細は、“6.3.1 定義の新規作成”を参照してください。
・ 収集元システムのデータベースからデータを抽出する場合 収集元システムのデータベースに関するパラメタを入力します。
・ 収集元システムのデータをファイル受信で収集する場合 収集元システムやファイル受信に必要なパラメタを入力します。
・ 収集元システムのSalesforceからデータを抽出する場合
収集元システムやオブジェクト抽出に必要なパラメタを入力します。
・ 収集元システムのInformation Storageからデータを抽出する場合 収集元システムやIIS抽出に必要なパラメタを入力します。
・ 収集元システムのAzure StorageからBLOBデータを収集する場合 収集元システムやBLOB収集に必要なパラメタを入力します。
・ 収集元システムのService Integratorからデータを収集する場合 収集元システムやデータ収集に必要なパラメタを入力します。
ポイント
Service Integratorからデータを収集する場合
サービスバス連携入力を行う場合は、Service Integrator側の設定が必要です。Service Integratorの設定についての詳細は、“付録 J サービスバス連携を行う場合のService Integratorの設定”を参照してください。
他の処理プロセスのデータ配付処理や、Information Integratorのデータボックス格納コマンドを利用して、データボックスに格納した データを利用して処理を行う場合は、データ収集定義の「共通」部分にのみパラメタを入力します。
ポイント
サーバに登録済みのデータソース定義がある場合、データ収集定義の「データソースID」に、登録済みのデータソース定義の定義ID を指定して、参照利用することが可能です。同じデータソース定義を再作成する必要はありません。
6.6.2 収集データの設計
データボックス名の作成
収集したデータを格納するデータボックス名を決めます。Information Integratorサーバでデータを収集して処理するためには、データ ボックスが必要です。データボックス名の入力は、[プロパティビュー]で行います。[エディタ]で作成するデータ収集定義を選択すると、
[プロパティビュー]にデータ収集定義の各項目が表示されます。表示された項目のうち、[共通]-[データボックス]にデータボックス名を 入力します。
データボックス名は、処理プロセス内で一意の値を設定する必要があります。複数プロセスに同じデータボックス名を設定すると、複数 プロセス間でデータを受け渡すことができます。
収集データのデータ構造、フォーマットの設計
収集してデータボックスに格納するデータのデータ構造、フォーマットを、それぞれデータ構造定義、フォーマット定義で設計します。
ポイント
以下の両方を満たす場合、収集データの構造やフォーマットの設計は不要です。
・ ファイル形式またはサービスバス連携形式のデータ収集の場合
・ 収集データに対して変換処理をせずにそのまま配付する処理プロセスの場合 以下の場合、フォーマットの設計は不要です。
・ オブジェクト抽出によるデータ収集の場合
・ BLOB収集によるデータ収集の場合
6.6.3 収集方法の設計
収集方法の設計は、データ収集定義を利用して行います。以下に設計手順を説明します。
データ収集定義の作成
[III ナビゲータービュー]で処理プロセスを展開し、設計する処理プロセス定義IDをダブルクリックします。[エディタ]に処理プロセスの
処理手順が表示されます。[エディタ]で作成するデータ収集定義を選択すると、[プロパティビュー]に収集定義の各項目が表示されま す。ここで、データ収集定義を作成します。
例
イベント監視を行う場合
設定項目 設定内容
運用種別 応答側
収集監視有無 あり
0件データの扱い 正常
イベントを待ち合わせない場合に指定します。
異常
イベントを待ち合わせる場合に指定します。
収集ファイル名 完全一致、あるいはワイルドカード('*')により指定します。
ディレクトリ監視の場合のみ指定可能です。
・ ワイルドカード指定で、収集するファイル名が「監視対象ディレクトリ 名+退避先ディレクトリ名+ファイル名の合計が230バイト」以上の場 合
処理ファイル名の指定値に合致していても、常に処理対象外となり ます。
また、処理プロセスの実行対象外となるファイルの扱いは、動作環 境ファイルの「monitorexcept」パラメタの指定に関わらず、常に削除 されます。
なお、収集するファイル名が「監視対象ディレクトリ名+退避先ディレクト リ名+ファイル名の合計が230バイト」未満の場合は、ワイルドカード指定 の指定値に合致したものを処理対象として動作します。処理プロセスの 実行対象外となるファイルの扱いは、動作環境ファイルの「monitorexcept」 パラメタの指定に従います。
なお、複数のイベントを監視し、処理プロセスの実行対象となるファイルがすべて到着するまで待ち合わせを行う場合は、イベント監視 対象ごとにデータ収集定義を準備してください。1つのデータ収集定義につき、1データソースのみ指定できます。
各項目の詳細は、“III Studio ヘルプ”を参照してください。
また、イベント監視を行う場合のプロセス定義の設定内容については、“6.4 処理プロセスの処理手順の設計”を参照してください。
「データボックスの格納方法」に「集約型」を指定し、同時に複数のイベントが発生する場合
対応する処理プロセスをイベントの数だけ同時に実行します。タイミングによって初めに実行した処理プロセスでデータを集約して処 理し、他の処理プロセスでは0バイトデータとして扱うことになる場合があります。このような場合は、「0件データの扱い」には「異常」を 指定してください。
「0バイトデータの扱い」に「異常」を指定した場合
0バイトデータであるファイルが監視対象ディレクトリに配置され、そのファイルが処理対象ファイルに合致しても対象外ファイルとして処 理します。
データソース定義の参照設定
データソース定義の参照設定は、以下のとおりです。
1. データ収集定義の[プロパティビュー]で、[収集定義]-[データソース一覧]にある[追加]をクリックします。
→参照するデータソース定義の定義IDの指定および収集元システムのタイプを選択する画面が表示されます。
ポイント
収集元のタイプ
収集元システムのデータ形式にあわせて設定します。設定値は、以下のとおりです。
- データベース
- ファイル転送
- Salesforce.com
- Interstage Information Storage
- Azure Storage(BLOB)
- Interstage Service Integrator 2. 定義IDとタイプを入力します。
→[完了]をクリックすると、データソース定義の参照設定が行われます。
収集データの設定
以下の定義IDをそれぞれデータ収集定義に記述します。
・ 収集データの格納先となる「データボックス」
・ 収集データのデータ構造定義の「データ構造定義ID」
・ 収集データのフォーマット定義の「フォーマットID」
ポイント
以下の両方を満たす場合、「データ構造定義ID」、「フォーマットID」の指定は不要です。
・ ファイル形式またはサービスバス連携形式のデータ収集の場合
・ 収集データに対して変換処理をせずにそのまま配付する処理プロセスの場合 以下の場合は、「フォーマットID」の指定は不要です。
・ オブジェクト抽出によるデータ収集の場合
・ BLOB収集によるデータ収集の場合
収集処理に必要なパラメタの設計
データ収集定義の[プロパティビュー]に表示された[収集定義]-[データソース一覧]から、必要なパラメタを設定するデータソース定義 IDを選択します。[データソース詳細]が表示されます。収集処理に必要なパラメタをそれぞれ設定します。
注意
Excelファイルを収集する場合
Excelファイルを収集する場合、Excelファイルは、上記の手順でデータボックスへの収集を行います。後続ファンクションでデータ変換
やDBなどの連携を行うには、上記の手順での収集処理のあとに、プラグインによるExcelデータからCSVデータへの変換処理が必要 です。
Excelファイルで利用するプラグインについての詳細は、“付録K プラグイン機能を利用したExcel連携”を参照してください。
サービスバス連携入力を行う場合
サービスバス連携入力を行う場合、Service IntegratorのISI運用管理コンソールの表示において、「特定のシーケンス実行に対応する 処理プロセスを監視する場合」のInformation Integratorの処理プロセスの見え方がデータ収集定義の「データボックス格納方法」の指 定値によって異なることがあります。
異常終了した特定のシーケンス実行に対応する処理プロセスをリカバリする前に、後続の同一シーケンス実行が行われた場合が該当 します。
・ 「個別型」を指定した場合
- 特定のシーケンス実行に対応する処理プロセスの履歴には、後続の同一シーケンス実行による処理プロセスの実行結果が表 示されます。
- 後続の同一シーケンス実行に対応する処理プロセスの履歴には、表示すべき実行結果がありません。
・ 「集約型」を指定した場合
- 特定のシーケンス実行に対応する処理プロセスの履歴、および、後続の同一シーケンス実行に対応する処理プロセスの履歴 には、後続の同一シーケンス実行による処理プロセスの実行結果が表示されます。