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ジャーナリズムにおけるジェンダー・バイアス

ドキュメント内 テレビニュースに表象される女性被害者 (ページ 74-78)

第 2 章 女性被害者と事件報道

5 ジャーナリズムにおけるジェンダー・バイアス

これまで叙述してきた報道する際にみられるジャーナリズムのジェンダー・バイアス問 題をここでまとめる。

・送り手のジェンダーバランスの偏り

・女性被害者を表すステレオタイプの言語・映像

・女性被害者の過失を問う報道

・女性被害者を従属的で特殊、または客体とする報道

・女性被害者の「性」と「プライバシー」を結び付ける報道

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以上のように、先行研究や女性の被害者が報道被害を受けた例の概観から、筆者はテレ ビニュースにおける女性被害者報道について以下のような仮説を設けた。

第一に、テレビの送り手側に、ニュース制作・報道の各過程において、ジェンダーに配 慮した報道がしにくい産業構造、ジャーナリズム環境がある。

第二に、テレビジャーナリズムは、事件の女性被害者を被害内容と被害者の属性によっ てカテゴライズするジェンダー別報道パターンがある。

この 2 つの仮説の検証を、テレビニュースの内容分析により行う次章以下で行うことと する。

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1) 2003年、最高裁で上告が棄却されネパール人容疑者の無期懲役が決定したが、2011年

東京高裁の再審請求審において実施されたDNA鑑定結果により、容疑者の有罪立証が 疑わしくなり2012年再審開始される予定。

2) 報道による強姦神話は目撃者/被害者を信用しない、強姦はセックス(取るに足りない

望まないセックス)、強姦犯人は黒人/下層階級、加害者の動機は性欲、報復のために 強姦をでっちあげる女性、強姦犯人は狂ったよそ者(Gill 2007:139-145)である。日 本の刑事犯罪としての強姦神話は以下である。1.「嫌(いや)よ嫌よも、いいのうち」

2.「強姦なんて、自分には関係ない」3.「強姦犯人の目的はセックスである」4.「強姦 は、見知らぬ者同士で起こる」5.「夫婦間のセックスは、当然合意のもとで行われる」

6.「なぜ抵抗しないのか」7.「事実であれば、覚えているはず」(諸澤2001)。

3) 各マスメディア研究についてはたとえば女性雑誌(井上輝子・女性雑誌研究会編1989)、

ドラマ(村松泰子・ヒラリア.ゴスマン編1998)、新聞(田中和子・諸橋泰樹編1996)

参照のこと。

4) 「女性強調」の表現は第一にa「女店員」「女性信者」「女子高生」のように当事者の職

業に「女」「女性」「女子」などの「女性冠詞」をつけてその人が女性であることをこ とさらに強調する表現、第二に、b性別役割分業を前提に「OL」や「主婦」のような 女性専用の職や役割を表す言葉を用い、女性の役割を強調する表現、そして第三にc 女性の外見、行動、性格、心理特性などに関するステレオタイプにもとづく表現など に分類している。

5) 「女性隠し」の場合は、前出の「女性強調」とは反対に、私領域を元来の棲みかとみな

されている女性が、紙面上でその存在や役割を無視されたり、後方に退けられたりす る表現方法である。その代表的事例に社会面等における事件・事故報道などに際し、

主として男性の姓名が使用され、女性はその背後に隠される表現をあげている。この ような女性を隠す表現方法には、a家族や親の代表者として男性名(夫・父親名)がも っぱらフルネームで使用され、女性(妻・母親)の姓名が全く登場しないもののほか、

b「○Bさんの妻」などと、姓名を持った独立した個人・主体としてではなく、もっぱ ら夫との関係で表現されるものがある。

6) 「ダブルスタンダード表現」は、女性と男性とで異なるものさしを当てはめて当事者

を描写する方法である。a.男性と同じ業績を上げ、同じような地位にあっても、そこで

の活躍に関してストレートに語られるのではなく、容貌やファッション、家族役割や

プライベートな事柄に不必要に言及されるのがその典型である。b.女性と男性に対する

敬称の使い分けがあげられている(田中・諸橋1996)。

7) この点については、2013年8月16日にキー局正社員のC氏(20代・男性)より口頭 で教示を得た。C氏の経歴は、キー局社会部記者を経て現在情報番組のディレクター

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である。

8) この点については、2013年8月10日にキー局正社員のB氏(30代・女性)より口頭 で教示を得た。B氏の経歴は、キー局社会部記者を経て現在ニュース番組プロデューサ ーである。

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