エコ・デザインは、環境を意識した製品デザインの開発を意味しており、同社の製品開 発におけるすべての段階で重視されている。
EcoVision2002-05
の一環として、製品が世界 的な基準に到達するよう製造過程における達成度を0-10
段階で測定するマトリックス(Matrurity Matrix)も導入した。123その中で、同社の開発センターは、
ISO 14001、 9001
などに沿って製品を開発することを管理する。121
http://www.philips.com/about/sustainability/section-14065/index.html
122
http://www.philips.com/about/sustainability/section-14066/index.html
123
http://www.philips.com/assets/Downloadablefile//Maturity-Grid-13963.pdf
EcoDesign
は、前述のEcoVision
で1998
年に導入された5
つのグリーン・フォーカル・エリア(重量、危険物質、パッケージ、リサイクル・廃棄、エネルギー消費)に焦点を当 てている。
下記に主要
5
エリアのマークと主要エリアの概要を示す。
(ⅰ)
重量輸送効率向上、重量削減、リサイクル促進を実現するため、パッケージの容積や容量に 変更を加えている。例えば重量削減を行うことで、コンテナ搭載製品数は、
LCD
モニターで
95%増、DVD
プレーヤーで52%増となっている。
(ⅱ)
危険物質フィリップスは、2004年より、化学物質の3つのカテゴリーリストを作成し、管理指導 を行っている。カテゴリーⅠでは、水銀やフロンガスなどの使用制限物質を規定し、代替 物質がない場合のみに使用することとなっている。カテゴリーIIでは鉛などの危険物質を 規定し、できる限り使用を制限することが好ましいとしている。カテゴリーIIIでは、リン 酸塩などの関連物質で、環境にはそれほど影響がないとされるが、ISO 14001などに準拠 して使用することを規定している。
(ⅲ)
パッケージ同社は、パッケージの再生利用とリサイクルを前提条件にしている。2004年には、パッ ケージ容量が2003年比で6%増の229ktであった。中でも、大型テレビなどの家電のパッケ ージが、相対値ベースであるで7%上昇している。照明機器は、2004年にはパッケージ全 体の40%を占めている。
図
18
:パッケージトン数に占める部門別割合(2004
年)3
社は、各社内に置いたProReturn
の窓口を通じて、既存の回収業者やリサイクル処理 業者と契約し、回収・リサイクル業務の合理化を図ることで、廃電気製品の回収およびリ医療機器
2%
その他
1%
DAP 7%
半導体
3%
照明
40%
家電
47%
出所:フィリップス社資料124
(ⅳ)
リサイクル・廃棄1990
年半ばに、廃電気・電子機器に対する理解を深めるために、Apparatourというプ ロジェクトを開始した。同プロジェクトでは、アイントホーフェンの自治体や市周辺の村 と協力し、コスト、ロジスティクス、分解技術などを調査したほか、当時フィリップスの 子会社であったMirec
社で分解作業を試験している。その後、Mirec社は、豪系リサイク リング企業、Sims
グループの傘下に入っているが、このプロジェクトが後のWEEE
指令 策定に貢献したことはいうまでもない。現在では、世界レベルで、廃棄物量削減を促進しており、埋立はあくまでも最終手段だ と認識している。EcoVisionでは、廃棄物の
20%削減を目指しており、2004
年の総廃棄物量は
150kt
で、目標を達成している。その他、同社はWEEE指令を受けて、2004年
6
月に、シャープの販売会社SharpElectronics (Europe) GmbH(SEEG)、およびレーベ(Loewe)AGとドイツ国内におけ
る廃電気・電子製品回収およびリサイクル事業を共同で行うことに合意した。その後、2005
年4
月に、リサイクル事業のための団体ProReturnを設立し、同月15
日から事業を本格 化させた。125124
http://www.philips.com/assets/Downloadablefile//Environmental-responsibility-13949.pdf
125
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/050420-b.html
家電 DAP 2%
3%
その他 3%
医療機器 5%
半導体 43%
照明機器 44%
サイクルを推進している。廃電気・電子製品の回収・リサイクルの委託先管理や、製造業 者の義務により発生する業務の代行、共同管理機構(EAR:Electro-Altgeräte-Register)
への報告などを行う。
19
EARは、ドイツ電気電子製造者協会(ZVEI)
126と ドイツ IT 通信ニューメディア工業会(BITCOM)によって設立され、自治体から回収した廃電気・電子機器の総量の集計、
引取り場所の策定、製造者の法的責任に対するコンプライアンス監視といった項目で、業 界全体における規定作りを行う。
(ⅴ)
エネルギー消費同社は、世界レベルで、エネルギー消費量を計測し、効果的な措置を講じている。
EcoVision
では、2000-05
年の4
ヵ年でエネルギー消費量を10
%削減することを目指している。2004年には、同社の半導体と照明機器がエネルギー消費量の
43%ずつを占めた。
したがって、照明機器や半導体の製造施設で、エネルギー効率の良い設備に切り替えるな ど対応策を講じている。
図 : 部門別エネルギー消費量(2004年)
出所:フィリップス社資料127
(ⅵ)
温暖化対策フィリップスは、1980年初頭から温暖化対策を優先的に掲げており、CO2排出削減に 向けて、直接的・間接的に貢献している。中でも、半導体製造時に使用するガスや石油とい
126
http://www.zvei.de/index.php?id=69
127
http://www.philips.com/assets/Downloadablefile//Environmental-responsibility-13949.pdf
った燃料、および
PFCs
が温暖化の原因となっている。2004
年の製造過程での直接的CO2
排出量は
339kt
で、そのうち77%が、同社の照明機器製造施設でのガラス燃焼に起因す
る。しかし、下記に示すように排出量は年々減少している。
図 : 直接的
CO2
排出量の推移(2000−04年)2984
371 352 340 339
0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500
2000 2001 2002 2003 2004
20
特に、エコ・デザイン提供を義務付けたエネルギー使用製品指令(Energy using Products
Directive/EuP, Directive 2005/32/EC)は、同社が進めているライフサイクル全過程にお
けるエネルギー節約の努力をさらに強化するものと見られている。今後の課題は、こうし た技術革新への投資を増額することによって生じ得る負担をどう軽減するかを模索するこ とである。(注)2000年のデータは未確定値 出所:フィリップス社資料128
この他、2004年には、同社のエネルギー消費量の