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第 9 章 主要投資インセンティブ

5. 地域別の治安

日本では、「メキシコ=危険」というイメージが定着している。地域によって差はあるも のの、非常に危険な地域も存在するため、十分な注意が必要である。邦人が殺人被害に遭 った例は報告されていないが、多くの邦人が居住する連邦区やグアナファト州でも犯罪件 数は多い。また、米国国境地域のチワワ州、タマウリパス州、ヌエボ・レオン州の一部の 都市は犯罪組織による治安当局への銃撃、麻薬組織の抗争、殺人、強盗などの凶悪犯罪が 頻発している。2014年7月末現在、日本外務省は以下のとおり危険情報を報告している。

図表 24-8 メキシコに対する渡航情報(危険情報)

危険情報の種類 地域

渡航の是非を検討して ください

 チワワ州: フアレス市

 タマウリパス州: マタモロス市、レイノサ市、ヌエボ・ラレド市

 ヌエボ・レオン州: アポダカ市、ガルシア市、ヘネラル・エスコベード市、

グアダルーペ市、フアレス市、モンテレイ市、サンタ・カタリナ市、サン・

ニコラス・デ・ロス・ガルサ市、サン・ペドロ・ガルサ・ガルシア市 十分注意してください  タマウリパス州: マタモロス市、レイノサ市、ヌエボ・ラレド市を除く全域

 チアパス州: クアウテモック市、イダルゴ市、タリスマン町及びそれらの 周辺地域

 連邦区: クアウテモック区テピート地域

 コアウイラ州: レオン市

 ドゥランゴ州: ゴメス・パラシオ市、レルド市

 ゲレーロ州: タスコ市、シワタネホ市を除く全域

(出所)外務省より作成

図表 24-9 州別の殺人件数(2012年)

(出所)INEGIより作成 2,907

0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500

(件)

第25章 メキシコシティ(連邦区)概要

1. 地域概要

(1) 概要

メキシコシティ(連邦区)はメキシコの首都であり、889万人が居住するメキシコ最大の 都市である。州には属しておらず、連邦直轄区域となっている。

標高は2,250メートルと高く、周囲を山に囲まれた盆地に位置している。隣接州はモレ ロス州、メキシコ州である。

政治、行政、司法の機能が集中しているほか、経済・金融の中心地でもある。2013年の 対内直接投資額は21,883百万ドルで、国全体の約60%を占めている。

図表 25-1 連邦区の概況82

基本事項 面積 1,485㎢

人口 8,886,708人

労働力人口 4,439,407人

天候 年平均気温 18.1℃

経済概況 GDP 2,472,925百万ペソ(メキシコ全体の16.40%)

第一次産業 1,183百万ペソ(メキシコ全体の0.23%)

第二次産業 312,328百万ペソ(メキシコ全体の5.68%)

第三次産業 2,159,415百万ペソ(メキシコ全体の23.80%)

対内直接投資額(FDI) 21,882百万ドル(メキシコ全体の62.19%)

(出所)ProMéxico、INEGIより作成

メキシコシティ

(連邦区)

(2) 主要産業及び進出日系企業数

多くの外国企業はメキシコ最大の都市メキシコシティに拠点を設置しており、進出企業 の業種は多岐にわたる。日系企業も同様で、2013年10月現在、全体の約4分の1を占め る172社が進出している。

メキシコシティの人口は889万人だが、近郊都市も含めた都市圏には2,000万人近い人 口が居住しており、国内最大の消費市場となっているため(2番目はハリスコ州のグアダラ ハラ)、小売業、サービス業の企業はまずメキシコシティに進出することが多い。

(3) 投資環境

① インフラ・物流

空港はメキシコシティ国際空港のみである。現在日本との間では、成田空港からの直行 便(復路はティファナ経由)が週4便運航している。

市内には12路線の地下鉄、5路線のメトロバス(バス専用レーンを走る路線バス)が 運行されており、市民の移動手段として利用されている。貨物用の鉄道はKCSM(カンザ ス・シティ・サザン・ド・メキシコ)とFerrosur(フェロスール)の2線を利用するこ とができる。

② 労働事情

市内には663校の後期中等教育機関(高等学校等)、471校の高等教育機関(大学等)が ある。毎年多数の卒業生が労働市場に供給されるため、他の州よりは大卒レベルの従業員 の確保が容易である。また現地調査によれば、メキシコ州のように隣接している州であれ ば、首都の大学を卒業した人材を確保することも可能とのことであった。

平均労働賃金は日給360.8ペソであり、メキシコ全体の平均270.2ペソよりも100ペソ ほど高い点に注意が必要である。

③ 生活環境

日本人駐在員はポランコなどの高級住宅街に居住しているケースが多い。日本人の多い エリアには日本食レストランや日本食材を扱う店も点在している。

市内には日本語が通じる病院、歯科医院が数機関存在する83。この他にも多数の医療機関 があるが、大半の病院の医療スタッフには英語が通じない。

日本人学校として小学部と中学部のある「日本メキシコ学院」があり、2014年5月末時 点で144名の児童・生徒が通学している。

83 外務省 海外安全ホームページ参照。

http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo.asp?id=264#ad-image-0

図表 25-2 日本メキシコ学院 日本コースの概要 生徒数 小学生116名/中学生28名

教員 派遣教員13名/現地採用教職員6名/(その他スタッフ6名)

所在地 Camino a Santa Teresa No.1500, Col. Jardines de Pedregal, C.P.01900, Mexico D.F.

Tel +52-55-5568-5958

(出所)日本メキシコ学院 日本コース ホームページより作成

市内でもエリアにより治安は異なる。銃による強盗、公共交通機関でのスリ、空港での 荷物盗難などの犯罪は多数報告されているため、十分に注意する必要がある。

④ 連邦区のインセンティブ

連邦区で受けることのできるインセンティブは下表のとおり。

図表 25-3 連邦区のインセンティブ

項目 適用可否 項目 適用可否

州税の一時免除 × 事業計画修正に係る費用の割引 × 新規設立企業の給与税の一時免除 × 新規雇用創出企業の給与税の割引 ○

不動産等登録税の免除 × 給与税の一時的割引 ×

土地使用許可料の免除 × 固定資産税の割引 ○

建設許可料の免除 × 不動産取得税の割引 ○

上下水道税の免除 × 建設許可証発行料の割引 ○

州税の割引 × 上下水道使用料金の割引 ×

不動産等登録税の割引 ○ 研究開発案件のインセンティブ ○ 不動産評価に係る費用の割引 × 都市圏外投資のインセンティブ ×

譲渡税の割引 × - -

(出所)ProMéxicoより作成