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第 7 章 触覚コンテンツ 4: 吸飲感覚

7.4 実装

7.4.2 記録

7.4.2.1 記録手順

吸飲感覚の記録は,以下の手順で行った.

・ 被験者が食品を吸い込み始める約5秒前からデータの記録を開始

・ 合図と共に,被験者が食品を吸い込み動作を始める

・ 吸い込み動作から約10秒間,被験者は何度か吸い込み動作を行い続ける

本記録実験への協力者は 22~26 歳の健康な男子10 名だった.記録の際,取得した値の 傾向に個人差が出ることを極力さけるため,どの食品に対しても急峻に吸飲するよう指示 した.また,食品にはなるべく手を加えない状態で吸飲するようにした.

Pressure sensor

Microphone

PC for recording data

96 図88 記録の様子

7.4.2.2 記録した食品群

記録した食品群の一覧を以下に示す.

図89 記録した食品群

1. そうめん

2. 桃

3. 米

4. プリン

5. ヨーグルト1 6. ヨーグルト2 7. ハンバーグ

8. ゆで卵

9. コーヒーシュガー

10. タピオカ

11. 消臭剤

12. とろろ昆布

13. コーヒー

14. 水パイプ

15. シェイク

16. タルタルソース 17. わさびソース 18. チキンペースト 19. うずらの卵

20. 寿司

21. かき氷

22. ケーキ

23. ウーロン茶

24. コーラ

25. しいたけ

26. なめこ

27. きなこ

28. コーヒーゼリー

29. 黒ごま

30. ラーメン

31. ライス

32. カレーライス

33. りんご

34. ポップコーン 35. ポテトチップ

36. 納豆

37. ビール1

38. ビール2

39. ビール3

40. 綿あめ

41. もち

42. プラスチック球

43. シャケ

44. どら焼き

45. フォアグラ

46. キャビア

47. クッキー

48. マグロ

49. 鯛

50. エビ

51. チーズ1

52. チーズ2

53. アスパラガス 54. シャンペン 55. エビ天ぷら 56. チョコムース 57. イチゴムース

58. 赤ワイン

59. らせん状パスタ 60. スパゲッティ

97

7.4.2.3 記録したデータ

上述した60種類の食品群のうち,特徴的な波形を示した6種類の食品に関する圧力対時 間グラフを示す.

図90 シェイク

図91 もち -50

-40 -30 -20 -10 0 10

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Time[s]

Pressure[kPa]

-50 -40 -30 -20 -10 0 10

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Time[s]

Pressure[kPa]

98

図92 カレーライス

図93 生卵 -50

-40 -30 -20 -10 0 10

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Time[s]

Pressure[kPa]

-50 -40 -30 -20 -10 0 10

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Time[s]

Pressure[kPa]

99 図94 キャビア

図95 黒ごま

記録した結果を見ると,まずシェイク及びもちは圧力の変化量が他のグラフと比較して 非常に大きく(20kPa以上),大きな抵抗力を有していた(図90 ,図91 ).この記録結果と類

-50 -40 -30 -20 -10 0 10

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Time[s]

Pressure[kPa]

-50 -40 -30 -20 -10 0 10

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Time[s]

Pressure[kPa]

100

似した傾向を示した食品として,ムースやチーズ,チキンペーストなど総じて強い粘粘性 特性を持つ食品が挙げられた.

次にカレーライス及び生卵は,圧力値の起伏の多さが際立つ結果であった(図92 ,図93 ).

これは,物性の異なる素材が混合されていたこと(カレーライス:米とルー,生卵:黄身と 白身),粒子が比較的大きいため詰まり易かったことが主な原因だと考えられる.また,粘 弾性特性を備えている.この記録結果と類似傾向を示した食品として納豆,ラーメン,ゼ リーなどが挙げられた.これらはカレーライスや生卵と同様に比較的粒子が大きい食品又 は物性の異なる素材が混合された食品であった.

最後にキャビア及び黒ゴマは,圧力値に多尐の高周波成分が見受けられるものの,ほと んど変化がなかった(図94 ,図95 ).これは,粒子が小さすぎる若しくは軽過ぎるためスト ローに詰まることもあまりなく吸い込めてしまったことが原因だと考えられる.また,粘 弾性特性はほとんど有していない.この結果と似たような傾向を示した食品としてフレー ク,ポップコーン,きな粉などが挙げられた.

同じように他のデータに対しても空気圧の傾向から分類すると,似通った傾向をしめす 食品群があり,大まかに上記の 3 つの食品群に分類することが推測可能であった.この推 測は,後述する実験にて検証する.