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学 位 の 種 類 博士(歯学)

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Academic year: 2021

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ふ り が な

氏 名 細山 智加子

ほ そ や ま ち か こ

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 甲 第 886 号 学 位 授 与 の 日 付 令和 3 年 3 月 5 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 1 項に該当

学 位 論 文 題 目 Bone growth assessed by cephalometric radiographs correlates with impacted canine diagnosis

(成長発育と埋伏犬歯の相関性について頭部エックス線規格 写真を用いた評価)

学 位 論 文 掲 載 誌 Journal of Osaka Dental University 第 54 巻 第 2 号 令和 2 年 10 月

論 文 調 査 委 員 主 査 松本 尚之 教授 副 査 岡崎 定司 教授 副 査 有田 憲司 教授

論文内容要旨

近年、歯の埋伏を主訴に来院する患者が増加傾向にある。埋伏歯については、矯正歯科治療での診断 や治療術式などは、これまで多くの報告がなされているが、その成因については未だ詳細に解明され ていないのが現状である。そこで、矯正歯科治療を始める際に撮影されるパノラマエックス線写真と 側面頭部エックス線規格写真を用いて、顎骨の成長発育と埋伏犬歯との関連性について検討を行った。

上顎埋伏犬歯を有する不正咬合を主訴に、2009 年 1 月から 2018 年 12 月までに大阪歯科大学附属病 院を受診した患者 80 名のパノラマエックス線写真と側面頭部エックス線規格写真を用いて調査を行っ た。Sector 分類と、McSherry と Pitt らの分類を用いて、埋伏犬歯の位置的関係の評価を行った。ま た、成長発育と上顎埋伏犬歯との相関性についての評価を行うために、トルコ鞍の bridging と環椎の 後弓の形成について検討し、骨年齢の評価には、Baccetti らの頸椎成熟度段階を用いた。相関性の評 価には、Pearson の相関係数 r 値に関する相関検定を行い、危険率 p 値を算出し、p 値が 0.05 未満(p

<0.05)の場合を相関関係があるとした。

上顎埋伏犬歯は片側性 43 症例、両側性 37 症例であった。トルコ鞍の bridging は、ClassⅠ 48.7%、

ClassⅡ 47.5%、ClassⅢ 3.8%であり、環椎の後弓については、ClassⅠ 82.5%、ClassⅡ 12.5%、

ClassⅢ 5%であった。また、頸椎成熟度段階は暦年齢より一段階低いことが分かった(平均±SD :−

0.97±0.13)。暦年齢と上顎埋伏犬歯の位置的評価との相関は、Sector 分類、McSherry と Pitt らの分

類①、McSherry と Pitt らの分類③に正の相関が認められ、McSherry と Pitt らの分類②では負の相

関が認められた。頸椎成熟度段階と上顎埋伏犬歯の位置的評価の相関は Sector 分類、McSherry と Pitt

らの分類①、McSherry と Pitt らの分類③に正の相関が認められ、骨未発達度と上顎埋伏犬歯の位置

(2)

的評価との相関は、McSherry と Pitt らの分類②に負の相関が認められた。

以上の結果より、上顎埋伏犬歯の位置的評価には、暦年齢以外に、骨年齢や骨未発達度を考慮する必 要があることが分かった。また、トルコ鞍の bridging や環椎の後弓の形成状態も、埋伏犬歯に関連す ることが認められた。これらのことより、骨年齢(頸椎成熟度段階)やトルコ鞍の bridging、環椎の 後弓の形成状態について評価を行う事は、埋伏犬歯の早期診断を行うための一つの判断基準になると 考えられ、今後の矯正歯科治療時の埋伏歯への対応に役立つことが期待される。

論文審査結果要旨

本研究は、パノラマエックス線写真と側面頭部エックス線規格写真を用いて、顎骨の成長発育と上 顎埋伏犬歯との関連性について検討を行ったものである。

また、本研究は、大阪歯科大学の医の倫理委員会(大歯医倫 第 110961 号)の承認を得て行った。

研究資料として、上顎埋伏犬歯を有する不正咬合を主訴に、2009 年 1 月から 2018 年 12 月までに大 阪歯科大学附属病院を受診した患者 80 名のパノラマエックス線写真と側面頭部エックス線規格写真が 用いられている。また、Sector 分類と、McSherry と Pitt らの分類を用いて、上顎埋伏犬歯の位置的 関係の評価を行った。加えて、成長発育と上顎埋伏犬歯との相関性についての評価を行うために、トル コ鞍の bridging と環椎の後弓の形成について検討し、骨年齢の評価には、Baccetti らの頸椎成熟度段 階を用いられている。相関性の評価には、Pearson の相関係数 r 値に関する相関検定を行い、危険率 p 値を算出し、p 値が 0.05 未満(p <0.05)の場合を相関関係があるとする。

上顎埋伏犬歯は片側性 43 症例、両側性 37 症例であった。トルコ鞍の bridging は、ClassⅡ と Class

Ⅲの合計(51.3%)が半数を超える結果となった。環椎の後弓については、ClassⅡと ClassⅢの合計 が 17.5%となり、過去の研究結果と同様の結果が得られている。また、頸椎成熟度段階は暦年齢より 一段階低いことが示されている(平均±SD :−0.97±0.13)。暦年齢と上顎埋伏犬歯の位置的評価との相 関は、Sector 分類、McSherry と Pitt らの分類①、McSherry と Pitt らの分類③に正の相関が認めら れ、McSherry と Pitt らの分類②では負の相関が認められている。頸椎成熟度段階と上顎埋伏犬歯の 位置的評価の相関は Sector 分類、McSherry と Pitt らの分類①、McSherry と Pitt らの分類③に正の 相関が認められ、骨未発達度と上顎埋伏犬歯の位置的評価との相関は、McSherry と Pitt らの分類② に負の相関が認められている。

以上の結果より、上顎埋伏犬歯の位置的評価には、暦年齢以外に、骨年齢や骨未発達度を考慮する必 要があることが示された。また、トルコ鞍の bridging や環椎の後弓の形成状態も、上顎埋伏犬歯に関 連することが認められた。これらのことより、骨年齢(頸椎成熟度段階)やトルコ鞍の bridging、環 椎の後弓の形成状態について評価を行うことは、上顎埋伏犬歯の早期診断を行うための一つの判断基 準になると考えられ、今後の矯正歯科治療時の埋伏歯への対応に役立つことが期待される。

以上、上顎犬歯の埋伏は、骨年齢(頸椎成熟度段階)やトルコ鞍の bridging、環椎の後弓の形成状

態と関連性があることを証明した点において、本論文は博士(歯学)の学位を授与するに値すると判定

した。

参照

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