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学位論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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博士(水産科学)ナンシーキャサリン   ドラモンドデイビス

     学位論文題名

Feeding Ecology of Pacific Salmon (Oncor 緲刀C カ勿SSpp .)

    1ntheCentralNOrthPaCiflCOCean     andCentralBeringSea ,1991 ・2000      (1991 ―2000 年の中部北太平洋および

     中央ベーリング海における太平洋サケ類の摂餌生態).

学位論文内容の要旨

    目的

  ア ジ ア ・ 北米 系の サケ 属(SALMONIDAE)サ ケ科魚 類(Oncorhynchus spp.,以 下サ ケ類 と略 す)は,北太平洋やべーリング海などの亜寒帯表層生態系を中心とする索餌 海域で成長する。そのため,サケ類の摂餌生態と成長に関わるエネルギー動態研究は,

海洋 の環 境収 容カ と資 源変 動の 関係 の解明に極めて重要である。1976777年の気候の 寒冷 レジ ームシフト以降,カラフトマス(ロgorbuscha,以下マスと略す),ベニザケ

(ロヵげね),およびシロザケ(サケ,ロ keta)が急激に増加・し,これとは逆に親 魚サ イズ の小型化が報告されている。このような現象は,索餌海域の環境収容カの変 化や 種間 での密度依存型の餌競争が存在するためと推定されている。こうした現象の 解明 には ,索餌海域におけるサケ類の摂餌生態および成長様式の経年的調査研究が不 可欠である。

  そ こで 本研究では,1991−2000年の10年間,海洋生活期の成長期に相当する夏季の 中部 北太 平洋 とべ ーリ ング 海中 央部 にお ける サケ 類の 摂餌生 態お よび成長に関わる エネ ルギ ー動態を明らかにすることを目的とした。サケ類の食性については,種ごと の未 成魚 と成魚の経年的な胃内容物と摂餌量の変化,その地理的差違,および摂餌の 日周 変化 などを調べた。さらに,サケ類の摂餌と成長との関係の解析には,各餌生物 のカ ロリ ー価などを算出して,サケ類の成長に伴なうエネルギー動態モデルを適用し て解析を行なった。

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    材料と方法

解析 に用 いた サケ 類は ,1991−2000年の6―7月 ,北 海道 実習 船管理局所属の実習船

「若竹丸(6661ン)」によるサケ.マス流網調査航海に乗船して収集した。調査海域は,

中 部 北 太 平洋 の経 度180°上 の北 緯38.5° から べー リン グ海 中央部 の58゜30′南 北 の調 査ラ イン 上で あり ,サ ケ類 の採集には公海上では調査用表層流網(30反,目合:

48―158mm, 各目合 :3反,1反:50m),アリューシャン列島沿岸のアメリカ200海里 内 で は 延 縄(30鉢,3.3km,1鉢 :lllm,1鉢の 針数 :49本) を用い た。 各調 査点 で は,CTDによ る水温 ・塩 分観 測を 計測 した 。サ ケ類 の食 性の 日周変化は,1997年7月 中 旬 に , べー リン グ海 中央 部(57°33 ‑N,178°41‑W〜 57°27 ‑N,178゜20 ‑W) で,24時 間に8回の 表層 流網 操業 を行い,サケ類の胃内容物組成とその重量変化を調 べた。また,サケ類の食性解析は,ベニザケ,シロザケ,マスノスケ(ロtsha wytscha), ス チ ー ル ^ッ ド(0 mykiss)の成 魚と 未成 魚, およ びギ ンザ ケ(ロkisutch)とマ ス 成魚 を対象として行なった。なお,ロシア系マスは偶数年に高豊度,奇数年に低豊度 であ るため,この豊度の年変動を利用して索餌海域内におけるサケ類の摂餌と成長の 種間関係を解析した。

    結果および考察

  調査 海域 にお ける10年 間の サケ類 分布 と食 性は ,中 部北 太平洋南部(移行領域:

41°‑44°N)と北部(亜寒帯海流域:45°‑51°N),およびべーリング海中央部(海 盆域:52°―58°N)の3海域で,大きく異なった。中部北太平洋域南部は,シロザケ,

ギ ンザケ,スチール^ッドが分布し,シロザケはゼラチン質の動物プランクトンやサ ルパ類(以下ゼラチン質プランクトンと略す)を,スチール丿丶丶ッドは主に多毛類を摂 餌 し て い た 。 こ の 海 域 は ,3海 域 の 中 で 餌 生 物 豊 度 が 最 も 少 な か っ た 。   中部太平洋北部海域では,大型未成魚(魚体重>1 kg)と成熟中のベニザケ,マス,

ギンザケ,マスノスケ,スチールノ丶丶ッドが出現した。サケ類は,カロリー価の高い大 型 のヒ メド スイ カ(Berryteuthis anon ychus,外 套長 :40―125mm)を最も多く摂餌 し てい た。 さら に, 大型 のギ ンザケ ,マ スノ スケ およ びス チール^ッドは,イトヨ   (Gasterosteus aculeatus),キタノホッケ(Pl eurogrammus  monop tery′gius),ホ

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クヨウハダカの1種(Tarletonbeania crenularis)などの魚類(尾又長:30―80mm) を摂餌し,大型のシロザケは,ヒメドスイカ以外にゼラチン質プランクトン,翼足類,

異足類,尾虫類,貝虫類を摂餌していた。この海域は,餌としてヒメドスイカの利用 度が高く,大型サケ類未成魚・成魚にとって特に適した索餌海域であると考えられた。

  べーリング海中央部では,体重lkg以下のベニザケ,シロザケ,マス,およびマス ノスケの若魚は,この海域に豊富に分布する幼魚類(尾叉長: 12−30 mm),イカ類幼 体(外套長:9―30 mm),オキアミ類や大型動物プランクトンなど多様な餌生物を摂餌 していた。夏季の当海域は,小型のベニザケ,シロザケおよびマスノスケ若魚(海洋 生活1年日)の索餌海域として重要と判断された。マス豊度が高い偶数年では,ベニ ザケ,シロザケおよびマスの胃内容物重量指数(SCI)は低下し,餌組成も高カロリ ーなイカ類,魚類とオキアミ類が減少し,替わりに低カロリーな翼足類と端脚類が増 加していた。このようなサケ類の食性の年変化は,偶数年には成熟途中のマスがべー リング海中央部で積極的に摂餌して東部カムチャツカの河川ヘ回帰するため,密度依 存的な餌の種間競争が生じたためと判断される。特に,シロザケはこの種問競争によ って遊泳カの弱いゼラチン質プランクトンを摂餌する特有の摂餌生態に転換してい た。

  次に,べーリング海中央部におけるサケ類の食性とSCIの日周変化を調べた。日中 に実施した流し網では,ベニザケ,マスおよびシロザケが採集され,日中においても 表層を遊泳することが明らかとなった。マスとシロザケのSCIは,昼夜間で差はなか った。ベニザケとマスは,夜間にオキアミ類とカイアシ類を,日中は幼魚を摂餌して いた。一方,シロザケは夜間にオキアミ類,日中は幼魚を,またゼラチン質プランク トンを昼夜とも摂餌していた。マスが多い偶数年では,高緯度の夏季は暗い夜が短い ため,夜間表層に移動するオキアミ類をめぐる餌競争が激しくなる可能性が想定され る。日中のベニザケ,マス,シロザケの幼魚やゼラチン質プランク卜ンへの餌生物の 転 換 は , 餌 を め ぐ る 種 間 競 争 を 軽 減 さ せ て い る 可 能 性 が 示 唆 さ れ た 。   サケ類とその餌料生物,サケ類胃内容物のカロリー価を燃焼式熱量計により測定し た。翼足類,端脚類,カレイ類稚魚(尾又長約20mm),小型イカ類(外套長20mm未満)

のカロ リー価は湿 重量lgあたり 約470―1000calで,やや 大型の幼魚(尾又長約 21ー40mm)と中型イカ類(外套長40mm)は1100ー1500calであった。最も高いカロリー     ―159―

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価 (〉1500cal)の 餌生物は,大型のヒメドスイカ(外套長80一90mm)とトガリイチモ ンジイワシ(Leuroglossus schmidti),コヒレハダカ(Stenobrachius leucopsarus..

尾 叉長 約43−112mm)であった。サケ類魚体中のカロリー価の比較では,シロザケとマ ス のO歳 魚 , お よ び ス チ ール^ ッド2歳 魚は ,ス チー ルヘッ ド3歳魚 とベ ニザ ケの 海 洋 生活1年 魚よ りも カロリ ー価 は低 かっ た。 同サ イズのサケ類胃内容物カロリー価の 比 較で は, シロ ザケ が一 番低 かっ た(270ー739 cal)。なお,本研究ではサケ類や他 の 海洋 生物 の餌 生物 とな りう る動 物プ ラン クト ンから魚類・イカ類280種のカロリー 価 を求 めた 。こ れら の値は,今後の亜寒帯表層生態系での食物関係やエネルギー動態 研究に有益な情報を提供している。

  最後 に, 夏季2ケ 月間に おけ るサ ケ類 の摂 餌と 成長に関して,北太平洋とべーリン グ 海中 央部 で実 測し た海表面水温,既往のサケ類のエネルギー動態に関する知見,本 研 究で 求め たサ ケ類 の月平均体重の推移などを用いて,この問のサケ類の成長に必要 な 食物 要求 量を 試算 した。その結果,日間食物要求量は,水温5―9℃の環境下で海洋 生活1年目のベニザケでは16―19g/日(魚体重あたり3.6―4.1%),シロザケ未成魚は 42―49g/日(3.3―3.9%),成熟途中のマスでは30−35g/日(2.3ー3.1%),成熟途中の ギンザケでは,水温9−11℃の環境下で63ー68g/日(2.6―2.9%)と推定された。これ ら 種ご との 食物 要求 量を 既往 の飼 育実 験で 得ら れた最 大の 日問 摂餌 要求 量と 比較す る と, 自然 下で もほ ぼ飽食状態まで摂餌していると推定された。したがって,夏季の 餌 生物 資源 量の 減少 は,この問の水温環境よりもその成長を大きく遅らせる原因と判 断 され た。 一方 ,サ ケ類の餌生物が豊富である場合,生息水温範囲内の高水温では熱 代 謝エ ネル ギー を補 償するために,より高い食物要求量となり,低水温では熱代謝エ ネ ル ギ ー の 損 失 は 少 な い た め に , 食 物 要 求 量 も 低 く な る と 推 定 さ れ た 。   以上 の結 果か ら, 夏季のべーリング海中央部は,成長期のサケ類にとって最も重要 な 索餌 海域 であ ると 判断された。また,当海域は他の魚類やイカ類の幼・稚仔の育成 場 でも ある が, これ らの生物資源量の経年変化は,成長期のサケ類の成長に大きな影 響 を及 ばす と考 えら れる。1990年代後半からは,べーリング海生態系の生産カの低下 が 懸念 され てい る。 外洋域におけるサケ類の成長と食性のモニタリングは,今後のサ ケ類の最適資源管理のために極めて重要である。

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学位論文審査の要旨

主査    教授   桜井泰憲 副査    教授   山内晧平 副査    教授   池田   勉 副査    教授   原    彰彦 副査    教授   齊藤誠一

副査    教授   帰山雅秀(北海道東海大学)

     学位論文題名

Feeding Ecology of Pacific Salmon (Oncorhync カ1/tS spp .)

    lntheCentralNOrthPaCifiCOCean     andCentralBeringSea ,,1991 ・2000      (1991 −2000 年の中部北太平洋および

     中央 ベーリ ング 海にお ける太 平洋サ ケ類 の摂餌生態)

  サケ類(以下サケ類と略す)は,北太平洋やべーリング海などの亜寒帯表層生態系 を中心とする索餌海域で成長する。そのため,サケ類の摂餌生態.と成長に関わるエネ ル ギー動態研究は,海洋の環境収容カと資源変動の関係の解明に極めて重要である。

1970年代半ば以降,カラフトマス(以下マスと略す),ベニザケ,およびシロザケ(サ ケ )が急激に増加し,これとは逆に親魚サイズの小型化が報告されている。このよう な 現象は,索餌海域の環境収容カの変化や種間での密度依存型の餌競争が存在するた め と推定されている。そこで本研究では,1991―2000年の10年間,海洋生活期の成長 期 に相 当す る夏 季の 中部 北太 平洋 とべ ーリ ング 海中 央部に おけるサケ類の摂餌生態 お よ び 成 長 に 関 わ る エ ネ ル ギ ー 動 態 を 明 ら か に す る こ と を 目 的 と し た 。   解析に用いたサケ類は,1991―2000年の6−7月,北海道実習船管理局実習船「若竹 丸 」によるサケ・マス流網調査航海に乗船して収集した。調査海域は,中部北太平洋 の 経度180°上 の北 緯38.5°か らべ ーリ ング 海中 央部 の58°30'であり,サケ類の採 集 には 公海 上で は調 査用 表層 流網,アメリカ200海里内では延繩を用いた。サケ類の     ―161―

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食 性 の 日 周 変 化 は ,1997年7月中 旬に ,べ ーリ ング 海中央 部で ,1日8回 の表 層流 網 操 業を 行い ,サ ケ類の胃内容物組成とその重量変化を調べた。なお,ロシア系マスは 偶 数年 に高 豊度 ,奇数年に低豊度であるため,この豊度の年変動を利用して索餌海域 内におけるサケ類の摂餌と成長の種間関係を解析した。

  調査 海域 にお ける10年 間の サケ 類分 布と 食性は ,中 部北 太平 洋南 部( 移行領域:

41°‑44°N)と北部(亜寒帯海流域:45°―51゜N),およぴべーリング海中央部(海 盆 域:52° ―58°N)の3海域で,大きく異なっていた。移行領域は,シロザケ,ギン ザ ケ, スチ ール ^ッドが分布し,シロザケはサルパなどのゼラチン質動物プランクト ン を, スチ ール ^ッ ドは 主に 多毛 類を 摂餌 していた。この海域は,3海域の中で餌生 物 豊 度 が 最 も 低 か っ た 。亜寒 帯寒 流域 では ,大 型未 成魚 (魚 体重>lkg)と成 熟中 の サ ケ類 が出 現し た。 サケ 類は 大型 のヒ メド スイカ(外套長:4―12 cm)を最も多く摂 餌していた。さらに,.大型のギンザケ,マスノスケおよびスチールノ丶丶ッドは,キタノ ホ ッケ など の小 型魚 類( 尾叉 長:3―8 cm)を,大 型の シロ ザケ はヒ メド スイカ以外 に ゼラ チン 質動 物プランクトンなどを摂餌していた。この海域は,餌としてヒメドス イ カ の 利 用 度 が 高 く , 大 型 サ ケ 類 に と っ て 特 に 適 し た 索 餌 海 域 と 判 断 さ れ た 。   べー リン グ海 中央 部で は, 体重lkg以 下の 成長期の小型サケ類が生息し,この海域 に 豊富 に分 布す る多様な餌生物を摂餌しており,小型サケ類の索餌海域として重要と 判 断さ れた 。マ スが多い偶数年では,ベニザケ,シロザケおよびマスの胃内容物重量 指 数(SCI)の 低 下 と ,餌 組成 も高 カロ リー なイ カ類 ,魚類 とオ キア ミ類 から 低カ ロ リ ーな 翼足 類と 端脚類への転換が確認された。このようなサケ類の食性の年変化は,

ロ シア 系マ スの 奇数年・偶数年の資源豊度変化に影響された密度依存的な餌の種間競 争 が生 じた ため と判断される。特に,シロザケはこの種間競争によってゼラチン質動 物 プラ ンク トン ヘと餌生物を変えていた。次に,ベーリング海中央部におけるサケ類 の 食性 とSCIの 日周変 化を 調べ た。 その 結果 ,ベニザケ,マスおよびシロザケは日中 で も表 層遊 泳す ること,ベニザケとマスは,夜間にオキアミ類とカイアシ類,日中は 幼 魚を 摂餌 し, シロザケは夜間にオキアミ類,日中は幼魚を,またゼラチン質プラン ク トン を昼 夜と も摂餌していた。マスが多い偶数年では,高緯度の夏季は夜が短く,

夜 間表 層に 移動 する オキ アミ 類を めぐ る餌 競争が 激し くな る可 能性 が想 定された。

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  サケ類と その餌料 生物,サ ケ類胃内 容物のカ ロリー価を 求めた。カロリー価は,翼 足 類 , 端 脚 類 , カ レ イ 類稚 魚 ,小 型 イ カ類 で は湿 重 量lgあ た りlCal以 下 ,や や 大 型の 幼 魚 (2―4 cm)と 中 型 イカ 類 ( 外套 長4cm)は1―1.5Calであった 。最も高 いカ ロリ ー 価(>1.5Cal)の 餌 生物 は , 大型 の ヒメ ド ス イカ ( 外套 長8−9cm)と 中深層性 魚類 ( 約4ー11 cm)で あった。 サケ類魚体 中のカロ リー価の 比較では ,シロザ ケとマ スのO歳 魚 , およ び スチ ー ル ヘッ ド2歳 魚は , ス チー ル ^ッ ド3歳 魚 とベ ニザケの 海 洋生 活1年 魚よ りもカロ リー価は低 く,同サ イズのサ ケ類の胃 内容物カ ロリー価 は,

シロザケ が一番低 かった(0.3−0。7Cal)。なお,本研究では動物プランクトンから魚 類・ イ カ 類280種 のカロリ ー価を求め た。これ らの値は ,今後の 亜寒帯表 層生態系 で の食物関係やエネルギー動態研究に利用可能である。

  最 後 に, 夏季2ケ月間に おけるサケ 類の摂餌 と成長に 関して, 生息水温 と本研究 で 求めたサ ケ類の月 平均体重 の推移な どを用い て,この問 のサケ類 の成長に必要な食物 要求 量 を 試算 した。そ の結果,日 間食物要 求量は, 水温5―9℃ の環境下 で海洋生 活1 年目のべニザケでは魚体重あたり3.6―4.1%,シロザケ未成魚は3.3―3.9%,成熟途 中のマスで2.3―3.1%,成熟途中のギンザケでは,水温9−11℃の環境下で2.6−2.9% と推定さ れた。こ れら種ご との食物 要求量を 既往の飼育 実験で得 られた最大の日間摂 餌要求量 と比較す ると,自 然下でも ほぽ飽食 状態まで摂 餌してい ると推定された。し たがって ,夏季の 餌生物資 源量の減 少は,こ の問の水温 環境より もその成長を大きく 遅らせる原因と判断された。

  以上の結 果から, 夏季のべ ーリング 海中央部 は,成長期 のサケ類にとって最も重要 な索餌海 域である と判断さ れた。ま た,当海 域は他の魚 類やイカ 類の幼・稚仔の育成 場でもあ るが,こ れらの生 物資源量 の経年変 化は成長期 のサケ類 の成長に大きな影響 を及ぼす と考えら れる。1990年 代後半か らは,べ ーリング海 生態系の生産カの低下が 懸念され ている。 外洋域に おけるサ ケ類の成 長と食性の モニタリ ングは,今後のサケ 類の最適資源管理のために極めて重要である。

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