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初期含水比の異なる竹チップの吸水効果の検討

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Academic year: 2022

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(1)III‑079. 土木学会西部支部研究発表会 (2016.3). 初期含水比の異なる竹チップの吸水効果の検討. 1.はじめに. 福岡大学工学部. 学生会員. 加藤琴美. 米丸佳克. 福岡大学工学部. 正会員. 佐藤研一. 藤川拓朗. 古賀千佳嗣. 西日本各地に多く生息する竹は、繁殖力や放置竹林の問題 1)から伐竹後の有効利用法が求められてい. る。一方、港湾工事等で排出される高含水比な軟弱土を有効利用するには、固化処理等の改良が必要であり、こ の改良にはセメント等を多く使用するためコストの負担が大きい。著者ら 2)はこれまで竹の高い吸水性に着目し、 軟弱土の改良補助材として竹チップを活用し運搬可能にした後、固化処理後では護岸材料や盛土材料などへの有 効性を示している。近年では小型の竹粉砕機が開発され、手軽にチップ化した竹の供給が可能となり、その竹チ ップの形状が多様化している。また、採取時期や保存状態により竹チップの初期状態は変化すると予想される。 そこで本検討では、水中での竹チップの形状と状態変化の吸水効果について検討を行った結果を報告する。 表-1. 吸水材の形状. 2.実験概要 吸水材の種類. 2-1 実験試料. 小チップ. 中チップ. 大チップ. 円形5mm 1-10mm(小) 170.6% 60.9%. 円形20mm 2-35mm(中) 125.3% 58.1%. 楕円形20mm×40mm 2-100mm(大) 78.8% 56.9%. 表-1 に吸水材の形状、. 図-1 に繊維長加積曲線を示す。竹チッ. 外観. プは竹専用粉砕機にて、カッティングフ ィルターの目を円形 5mm, 20mm、楕円 20mm×40mm の 3 種類を用い、チップ化. フィルターの目の大きさ 繊維長幅 伐竹時の初期含水比 常温時の含水比 密度ρs. 3. 3. 1.476g/cm. 3. 1.587g/cm. 1.628g/cm. したものを使用した。また、竹の初期状. 燥させた絶乾竹、伐採直後粉砕機にてチ ップ化した青竹、竹チップを天日干しに し、乾燥させた自然乾燥竹の 3 種類を用 いた。また、各大きさのチップ 1gを長. 100. 竹と水 通過質量百分率(%). 態に着目して、60℃の炉乾燥で 2 日間乾. 吸収試験. 80 60 40 小チップ. 20 中チップ. 0. 大チップ. 1. 10 繊維長(mm). 100. 写真-1. さごとに振いとピンセットで分け、繊維 図-1. 吸水試験の様子. 繊維長加積曲線. 長のごとの割合で示したものを図-1 の繊維長加積曲線に示す。密度の把握は竹チップを地盤改良に用いることか ら JIS A 1202 の土粒子の密度試験に基づき、真空脱気法で行った。 2-2. 実験方法. 竹チップの採取時期により初期含水比が異なるため、竹チップの初期状態に着目し吸水試験を行. った。今回、竹チップの吸水性の評価として竹チップ 1g 当りに吸収した水分量を吸水比として検討を行った。吸 水比の測定は 5ℓ 容器に 2000g の蒸留水と吸水材を水質量の外割 10%混合し、0,0.5,1.0,1.5,2.0,2.5,3.0,4.0, 5.0,6.0,9.0,12.0,24.0 時間後に、約 5g 採取し、竹チップの含水比を測定した。また、温度による変化を考慮 し、常温常湿で試験を行っている。吸水試験時の様子を写真-1 に示す。 2-3. 実験条件. 表-2 吸水試験実験条件① 吸水材添加率 試料の種類 チップの形状 小(1-10mm) 青竹 2000g 10% 絶乾竹 中(2-35mm) 自然乾燥竹 大(2-100mm) 水. (1)吸水材添加率の違いによる影響. 表-2 に吸水材添加率. の違いによる影響を踏まえた吸水試験条件を示す。吸水材. 検体数 N=5. には初期状態と形状の異なる 9 種類の竹チップを用いて、 表-3. 吸水試験実験条件②. 竹チップの初期含水比と時間経過に伴う変化について検 水. 討を行った。 (2)吸水材添加率の違いによる影響. 表-3 に吸水材添加率. 吸水材添加率 5% 2000g 10% 20%. 試料の種類. チップの形状. 検体数. 絶乾竹. 小(1-10mm). N=5. を変化させた場合の吸水効果検討にあたり実験条件を示す。竹チップの添加量による竹チップの自重や水分が吸 着する表面積の増減を考慮し、絶乾竹の小チップを用いて 400g,200g,100gで添加量にて吸水試験を行った。. ‑429‑.

(2) III‑079. 土木学会西部支部研究発表会 (2016.3). 400. 400. 400. 小チップ(w =170.6%). 小チップ(w =60.9%). 小チップ(w =0%). 中チップ(w =125.3%). 中チップ(w =58.1%). 中チップ(w =0%). B. B. 吸収比Su(%). 吸収比Su(%). B. 青竹. 200. B. 300. 大チップ(w =79.8%). 100. 300. 大チップ(w =56.9%) B. 200. 自然乾燥竹. 吸収比Su(%). B. 300. B. 100. 0. B. 200 絶乾竹. 100. 0 0. 4. 8. 12 16 時間(h). 20. 24. 0 0. (1)青竹 図-2. B. 大チップ(w =0%). 4. 8. 12 16 時間(h). 20. 24. 0. 4. 8. 12 16 時間(h). 20. 24. (3)絶乾竹. (2)自然乾燥竹 吸水材の状態の違いによる影響 250. 3.実験結果及び考察. 小チップ. 図-2 に、(1)青竹、(2)自然乾燥竹、(3)絶乾竹. における経過時間に伴う吸水比を示す。いずれの竹チップも 2~3 時間後にピ ークを示し、徐々に減少と大きく変動し、減少後 12 時間を目途に吸水直後の 値と同程度まで吸水比は安定した。この挙動から、いずれの竹チップにおい ても吸水直後の吸水比を把握すれば、ほぼ安定値を予想できるとことが示さ. 200. 吸水比Su(t=12h)(%). 3-1 吸水材の違いによる影響. 中チップ 150. 大チップ. 100 50. れた。また、竹チップの状態の違いをみると、竹チップ初期含水比の高い青 0. 竹は大、中、小のサイズは関係なく 12 時間後の吸水比は 20~40%と低い値を. 0. 50 100 150 200 250 竹チップの初期含水比(%). 各竹の初期含水比+各竹の吸水比(%). 示し、自然乾燥竹は小チップが約 140%となり絶乾竹の中チップと変わらなか 図-3 竹チップの含水比と吸水比の関係 250 った。一方、初期含水比wB=0%の絶乾竹では、チップの形状により吸水比の 差が大きく生じている。このように竹チップの吸水効果は竹チップの初期含 水比が低いほど吸水比は高く、形状の繊維幅が小さいほど表面積が多くなり 吸水効果を発揮することがわかった。ここで、吸水比が 12 時間後に安定傾向 を示していることから、12 時間後の吸水比と竹チップの初期含水比の関係を 図-3 に示す。いずれの竹チップの形状においても初期含水比と吸水比は比例 関係にあり、竹チップの吸水できる吸水量はチップによって一定であること. 小チップ 中チップ 大チップ. 200 150 100 50 0 0. が示された。また、図-4 に絶乾竹の吸水比と各竹チップの初期含水比と各竹. 50 100 150 絶乾竹の吸水比S. 200 250 (%). u(t=12h). チップの吸水比の合計の関係を示す。このことから、竹チップの吸水可能で 図-4. 竹チップの許容吸水比の関係. ある水分量は絶乾竹の吸水量となり、初期含水比と絶乾竹の吸水比を把握す 350. ることで、使用する竹チップの吸水可能量が算出され、改良時の竹チップの 絶乾竹 小チップ wB=0%. 図-5 に吸水材添加量の変化による 12. 時間後の吸水比を示す。図-1 の時間経過に伴う吸水比の変動が竹チップの添 加量との関係にあると考え、吸水材添加量を 100g、200g、400gと変化をつ. u(t=12h). 3-2 吸水材添加率の違いによる影響. 吸水比S. 添加量が算出することができることが示唆された。. (%). 300 250 200 150. けたが吸水比に違いは現れなかった。これにより、吸水材添加量を変化させ 100. ても同様の吸水効果が得られることが示された。 4.まとめ. 1)竹チップは時間経過に伴い吸水比が変化し、約 12 時間経過後に. 0. 100. 200. 300. 400. 500. 吸水材添加量(g). 図-5. 添加量と吸水比 Su(t=12h)の関係. 安定値となることが明らかとなった。2) 竹チップの繊維幅が小さく、初期含 水比が低い程、吸水比は増加する。竹チップの吸水可能量はチップの大きさによってきまっているため改良時に おける吸水材添加率が算出できることがめした。3) 竹チップの添加量増減において吸水比の変化はみられず、い ずれも十分な吸水効果を得られた。 謝辞:本研究は、文科省科研費 26420488 の助成を受けたものです。関係各位に心より感謝申し上げます。 参考文献 1) 西日本新聞:2013 年 8 月 1 日朝刊 2) 西田ら:チップ・フレーク化した竹廃材の吸水特性に着目した高含水 比底泥の改良効果, 第 10 回地盤改良シンポジウム pp.435-438, 2012.. ‑430‑.

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