コンクリート強度が透気係数と中性化の関係に及ぼす影響
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(2) V‑007. 土木学会西部支部研究発表会 (2016.3). る。図-3 に促進期間と透気係数の関係を示す。3 種類 のコンクリートと比較して EPS モルタルの透気係数が 極端に大きくなることがわかる。3 種類のコンクリート のみ(H,M,L)に着目すると,強度の大小関係と透気係数 の挙動には明確な関係は確認できなかった。 図-4 に透気係数(対数表示)と中性化深さの関係を 示す。全体的には透気係数の増加にともなって中性化 深さが大きくなる傾向が確認できる。またコンクリー トとモルタルごとにそれぞれひとつの回帰曲線が存在 する傾向も明らかである。これは細骨材種類の影響が. 図-2 中性化深さの経時変化. 大きいことが考えられ,確認作業が今後の課題である。 図-5 に透気係数と中性化速度係数の関係を示す。こ の図ではコンクリートのみに対象を絞り,透気係数は 開始時の値と終了時の値を併記している。開始時の値 に着目すると必ずしも「コンクリート強度が大きいと 透気係数が小さい」という関係は確認できず,表層部の 微細な凹凸の影響などが卓越すると考えられる。また, 開始時の透気係数から中性化速度係数を推定すること は困難であることも明らかとなった。終了時の値に着 目すると,促進試験により透気係数が増加し,その増加 量はコンクリート強度が小さいほど大きくなった。な. 図-3 透気係数の経時変化. お,測定は継続中であり、さらなる検討を実施する予定 である。 4.まとめ 透気係数の大小関係が将来のコンクリートの中性化 に影響を及ぼすと考えるよりも,中性化現象の結果と して透気係数が増大すると考える方が妥当である。す なわち,透気係数は将来の劣化予測よりも劣化の現況 を表す指標として捉えるべき物性である。その場合,細 骨材種類によりデータを区分する必要がある。 図-4 透気係数と中性化深さの関係 【参考文献】 1). 例えば,伊代田岳史,檀康弘,川端雄一郎,濱田秀. 則:高炉コンクリートの耐久性における養生敏感性, コンクリート工学年次論文集,Vol.30,No.1,pp.111-116, 2008. 2). 豊福俊泰,高橋典子,永松武則,細川土佐男:ダブ. ルチャンバー透気性試験・ダブルチャンバー透水性試 験による表層コンクリートの非破壊検査法の技術開発, コ ン ク リ ー ト 工 学 年 次 論 文 集 , Vol.37 , No.1 , pp.1801-1806,2015. 図-5 透気係数と中性化速度係数の関係 ‑636‑.
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