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単一水制周辺の河床変動 と流れに及ぼす相対水制高の影響

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Academic year: 2022

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(1)土木学会. 応 用 力 学 論 文 集Vol.11,pp.719‑726(2008年8月). 単一水制周辺の河床変動 と流れに及ぼす相対水制高の影響 Effects of Relative Groine Height in Bed Configurations and Flow Structure in an Open Channel Flow. 常 盤 俊 輔*・ 平 川 隆 一**・ 渡 邊 訓 甫***・ 大 本 照 憲****. Syunsuke Tokiwa, Ryuichi Hirakawa, Kunitoshi Watanabe and Terunori Ohmoto. *佐 賀 大学大学院博士前期課程 工学 系研究科(〒840 ‑8502佐 賀 市本庄町本庄1番 地) **博(工)佐 賀大学助教 理 工学部都市工学科(同 上) ***工 博 佐賀大学教授 理工学部都 市工学科(同 上) ****工博 熊本大学大学院教授 自然科学研究科(〒860 ‑8555熊 本 市黒髪2丁 目39番1号). A lot of non-overflowgroynesthat do not sink underthe waterat the ordinarywater floware used, and it is known to it does working that keeps away the water currentform the river bank..Onthe other hand, when the water level is surpassingof the heightof the groyne,it becomesto sink.. In this study, the height of the groyne was made constant,depth was changedsystematically,and it aimedto clarifythe characteristicof the bed levelvariationand the flow velocityprofile of the flowfieldwith a singlegroyneby the laboratoryexperiment underthe conditionto assumethe Froudenumberto be 0.2.As a result,the maximumdepth of scour has become small as the relativegroynehigher. The groyneheightwhen relative heightgrows,the ratioof themainflow velocityto the mean flowvelocityhas grown. Key Words:groin,relativegroin height,bed configurations, flow structure. 1.は じめに. わ れ て い る3),4),5).越流 型 水 制 群 の 河 床 変 動 に 関 す る研 究 も,大 本 ら6)の水 制 群 の 向 き に着 目 した もの が あ る.. 我が国の河川流域は極 めて災害を受 けや す く,また近年. この よ うに 水 制 の 高 さ と水 深 を一 定 に した 場 合 につ い. の異常気象が原因 と思われ る洪水 で も,堤防越 流や 堤防決. て は 多 くの 知 見 が 得 られ て い るが,一 方 で 水深h0と. 壊等の災害がたびたび発生 している.そ の よ うな水 害を防. 高Hの. 止す るための最 も重要 な構 造物 として堤防 が作 られ てき. 比 較 した研 究 は少 な く,不 明 な点 が 多 い.フ ラ ッ トな 固 定. たが1),そ の堤防に対す る流水の衝 突を防 ぐために,古 来. 床 直 線 水路 で は水 制2基. よ り水制が用い られ てきた2).実 河川において この よ うな. な越 流 水深 の渦 構 造 が 明 らか に され てい る7),8).こ の よ う. 構造物 は,周 辺の土砂の洗掘や堆積 な ど流れ場に さま ざま. な 複 雑 な 渦構 造 は河 床 の 洗 掘 と堆 積 を 引 き起 こす と考 え. な影響を及 ぼ してお り,治水効果だ けで はなく,豊 かな河. られ る.し た が っ て越 流 水深 の違 い に よる河 床 変 動 と流 れ. 川環境の形成の面において も注 目され ている.そ のため水. 特 性 を明 らか に しな けれ ば な らない.. 制周辺の流れ構造 や,深掘れや土砂堆積 といった河床 変動 を把握す ることは重要であ ると考え られ る.. 水制. 比 で あ る相 対 水 制 高H/h0が 異 な る流 れ 場 に つ い て. に挟 ま れ た 水 制 域 内 で の 定 性 的. 本 研 究 で は,水 制 高 さを一 定 に し,水 深 を 系統 的 に変 化 させ て,単 独水 制 を伴 う流 れ 場 にお け る河 床 変 動 と流 速分. 実河川 では,平 水時に水中に没 しない非越 流型 水制 が多. 布 の 特 性を 明 らか にす る こ とを 目的 とす る.. く用い られてお り,水制の先端部で水跳ねが生 じることが 知 られ てい る.一方で増水時 には水位 が水制高 さを上まわ. 2.実 験 条 件 及 び 方 法. り越 流型 の水制 とな る.越流型水制 を伴 う流れは水制 先端 部の水跳 ねに加 えて水制 を乗 り越 え る流れ が水 制周辺 の. 実験 水路 に は幅0.4m,有. 効 長18mの. 長方形可変勾配開. 流れに大 きな影響 を与 えるため,非 越 流型水制 と比べて,. 水 路 を用 い た.高. 流れ構 造や乱れ構造,河 床形状 は大 き く異 なる.. 側 壁 に垂 直 に1基 設 置 した.本 研 究 で は フル ー ド数 を一 定. これ まで も越流型水 制群 に注 目した研 究 がい くつか行. ―719―. さH=5cm,長. さL=10cmの. 水 制 を水 路. (Fr=0.2)に保 って,相 対水 制 高 を表‑1の よ うに 変 化 させ た..

(2) 水 制 無 しの状 態 で 初期 水 深h0を 深 をhと. 設 定 し,水 制 設 置 後 の 水. した.河 床 勾 配 と下 流 端堰 は各 ケ ー スFr数. と初. 期 水 深h0を 設 定 した うえで擬 似等 流 とな る よ う調 節 した.. 表‑1実. 験条件. 初 期 水 深 が大 き い もの か らケー ス名 をS‑3,S‑5,S‑9,NS‑11, NS‑16と した計5ケ ー ス につ い て実 験,考 察 を行 った.ケ ー スS‑3 ,5,9は 越 流 型 で,ケ ー スNS‑11,16は 非越流型 で あ る. 座 標 軸 は 図‑1,2に. 示 す よ うに,水 制 設 置 位 置 の 根 付 部. 底 面 を原 点 と して 下流 方 向 にx軸,幅. 方 向 にy軸,鉛. 直方. 向 にz軸 を とっ た 。 移 動 床 実 験 で は水 路 上 流 部 か ら6m下 た っ て10cmの. 流 に長 さ6mに. わ. 厚 さで砂 を敷 き均 し,固 定 床 との 接 続 部 は. 安 息 角 と した.水 制 は移 動 床 上 流 部 か ら3mの した.河 床 砂 は粒 径0.97mmの. 位置に設置. 均 一 砂 を用 い た.通 水 中は. 水 制 先 端 部 に超 音 波 砂 面 測 定 器 を設 置 し,水 制 先 端 部 の 河 床 形 状 の 時 間 変 化 を追 った.水 制 周 辺 の洗 掘 が 静 的 平 衡 に 達 した とこ ろで 通 水 を止 め,水 制 の 上 流1mか. ら下 流1m. ま で の 間 の河 床 形 状 を超 音 波 砂 面 測 定 器 で測 定 した.通 水 停 止 後 の 河 床 を の りで 固 めた 後 再 び 通 水 し,2成. 分電磁. 流 速計 を用 い て 主 流 速uと 横断 方 向 流 速vを 測 定 した.電 磁 流 速 計 か らの 出力 は 周 波 数100Hzで4096個 グ しA/D変. サ ンプ リン. 換 器 を通 して取 得 した.流 速 は 図‑2に 示 す よ. うに水 制 の2cm(x/L=0.2)上. 流 か ら20cm(x/D=2.0)下. 流まで. の5側 線上 で 測 定 した.ま た 本 研 究 で はy/L=1.0を 境 界 と. 図‑1水 路外略図. して右 岸 側 を水 制 域,左 岸 側 を主 流 域 と呼 ぶ こ と にす る.. 3.実 験 結 果 及 び 考察. 3.1河. 3.1.1通. 床形状. 水 後 の 河 床 形状. 図‑3は 通 水後 の河 床 形 状 を示 して い る. ケー スS‑3で は水 制 前 面 全 体 と水 制 先 端 部 に6cm程 度 の 洗 掘 が 見 られ る.ま たx/L=4.0の 右 岸 側 壁 に4cmの x/L=2.0,y/L=1.5の 位 置 に3cmの. 堆 積 と,. 堆積 が 生 じた。ケ ー スS‑5. で は水 制 先 端 部 を 中心 に 水 制 前 面 にか け て洗 掘 が 見 られ, そ の深 さは最 大 で 約3.5cmと の位 置 に1.5cmの. な っ た.ま たx/L=2.0,y/L=0.5. 図‑2河. 床形状,流 速の側 点位置. 堆積 が 生 じて い る.ケ ー スS‑9で は 水 制. 先 端 部 の み に洗 掘 が 見 られ,そ. れ は 約2cmと. 右岸側壁で あったが,相 対水 制高が大 きくな るにつれ て中. な っ た.. x/L=1.0,y/L=1.2の 位 置 に は1.5cmの 堆 積 が み られ る.ケ ー スNS‑11で は水 制 先 端 部 に1 .5cmの 洗 掘 が 生 じ,そ の 下. 央 よ りに移動 してい る.こ こで越流型のケースS‑9と 非越. 流 で洗 掘 と堆 積 が連 続 す る形 状 が 見 られ る.ケ ー スNS‑16. とがわか る.こ のよ うにケースS‑9と 非越 流型 の河床 変動. で は水 制 先 端 部 に約1cmの. に似た傾 向が見 られ ることか ら,相 対水制高が0.9の 越流. 洗 掘 が見 られ,x/L=1.0,y/L=1.2. 流型 の2ケ ースではその堆積位置 に大 きな違 いがない こ. 型水制 周辺 の流れ は非越流型 水制周 辺の流れ に近い構造. の位 置 に わず か な堆 積 が 生 じて い る。 以 上 の よ うに相 対 水 制 高 が 最 も小 さい ケ ー スS‑3で 水 制 先 端 部 か ら水 制 前 面 全 体 に大 き な洗 掘 を生 じた が,相 対 水 制 高 が 大 き くな る につ れ て 洗 掘 の 規 模 は徐 々 に小 さ くな る傾 向 がみ られ る.ま た最 大 堆 積 位 置 は,ケ ー スS‑3で は. ―720―. である と思われ る..

(3) Z(cm). (a)ケ. ー スS‑3. 図‑4最 大洗掘深の時間変化 (b)ケ. ー スS‑5. (c)ケ. ー スS‑9. (d)ケ. ー スNS‑11. 図‑5最. 3.1.2最. 大洗掘深 と相対水制高の関係. 大洗掘深. 図‑4は 最 大 洗 掘 深 の 時 間 変 化 を示 す.縦 軸 は 洗 掘 深Zsを 最 大 洗掘 深Zsmaxで,横 過 時 間Tを,水. 軸 は 通 水 開 始 か らの 経. 制 先 端部 の 河床 変 動 が 安 定 した 時 の. Tmaxで 無 次 元 化 して い る.図‑3か. ら分 か る よ うに,. 最 大 洗 掘 は い ず れ の ケ ー ス にお い て も水 制 先 端 部 に (e)ケ. ー スNS‑16. 生 じた.た だ しケ ー スS‑3で は水 制 先 端 部 か ら水 制 前 面 に か けて 同程 度 の洗 掘 が 生 じて い る. 相 対 水 制 高 が 最 も小 さい ケ ー スS‑3で は,通 水 開始. 図‑3通 水後の河 床形状. か ら短 時 間 で 最 大 洗 掘 深 の 約4割. ―721―. ま で洗 掘 が生 じ,.

(4) 相 対水 制 高 が 大 き い ケ ー ス に な るにつ れ て,そ の割 合 は5 割,7割,9割. と大 き くな る.い ず れ の ケ ー ス もそ の後 は. 緩 やか に洗 掘 が進 ん で い る. これ よ り,相 対 水 制 高 が 大 きい ほ ど,通 水 開始 か ら短 時 間 で の 最 大 洗 掘 深 に対 す る 洗 掘 の 割 合 は 大 き くな る傾 向 に あ る とい え る. 図‑5は 最 大 洗 掘 深Zsmaxと 相 対 最 大 洗 掘深Zsmax/h0の相 対 水 制 高H/h0に よ る変 化 を示 した. 最 大 洗 掘深 は,越 流 型 で は相 対 水 制 高 が大 き くな る と, 急 激 に小 さ くな る.し か し非 越 流 型 で は そ の変 化 は比 較 的 緩 やか とな っ た.そ の 変 化 の 仕 方 は 相 対水 制 高 が0.9を 境 界 と して違 い が見 られ る.こ の こ とか ら相 対 水 制 高 が1に 近 い越 流 型 水 制 周 辺 の流 れ は,非 越 流 型 水 制 周 辺 の流 れ構 造 の 特 性 を持 ち 合 わせ て い る と考 え られ,相. 対水制 高が. (a)ケ. ー スS‑5. 0.9付 近 は 両者 の遷 移 領 域 に な っ て い る と思 われ る.相 対 最 大洗 掘 深 は相 対 水 制 高 が 大 き くな る に つ れ て小 さ く な る が.し か しそ れ は相 対 水 制 高 が0.5ま. で とな っ て お り,. そ れ よ り相 対 水 制 高 が 大 き くな る と一 転 して 相 対 最 大 洗 掘 深 も大 き くな っ て い る.こ の グ ラ フ か らは先 ほ ど述 べ た 相 対 水 制 高 が0.9付 近 に越 流型 と非 越 流 型 の遷移 領 域 が あ る とい うこ とは 困難 で あ る た め,こ れ を明 確 にす るた め に は更 な る実 験 ケー ス の追 加 が必 要 で あ る.. 3.2河. 床変動後の水面形. 図‑6は. 河 床 変 動 後 の 水 制 中 央(y/L=0.5),水 制 域 境 界. (y/L=1.0),水 路 中 央(y/L=2.0)の水 面 形 を示 して い る.こ こ で は水 深 が水 制 高 の2倍 の ケ ー ス のS‑5,越 小 さい ケー スS‑9,及. 流 水 深 が最 も. び 非 越 流 型 水 制 の ケー スNS‑11の3. ケー ス につ い て示 す. ケー スS‑5で は,水 制 よ り上 流側 で は3側 線 に お い て ほ ぼ 一 定 で あ る .水 制 よ り下 流 側 で は水 制 中 央 の側 線 で他 の2. (b)ケ. ー スS‑9. (c)ケ. ー スNS‑11. 側 線 よ りも大 き な値 を とっ た.ケ ー スS‑9で は右 岸 側 壁 に 近 い も の ほ ど水 位 が 高 くな っ て い る こ とが わ か る.ま た い ず れ の ライ ン も水 制 設 置 断 面 で 流 下 方 向 に水 位 が 低 下 し て お り,そ の水 面 勾 配 は右 岸 側 壁 に近 い ほ ど大 きい.非 越 流 型 水制 の ケ ー スNS‑11で. は,ケ ー スS‑9と 同様,右 岸 側. 壁 に近 い ほ ど水 制 前 後 の 水位 が 高 い.ま た 水 制 中 央 と水 制 域 境界 の ラ イ ンで は 水 制 直 前 で 水位 が急 に 高 くな り,水 制 背 後 に か け て 急激 に 低 下 して い る.ま た そ の 変 化 は右 岸 側 壁 に 近 い ほ ど大 き く,設 定 水 深 の 約1割 に 達 して い る. 以 上 の よ うに,相 対 水 制 高 が 大 き くな る ほ ど初 期 水 深 に 対 して水 制 前 後 の 水 面 勾 配 の 変 化 が 大 き くな って い る こ とが わ か る.こ れ は水 深 が小 さ くな る ほ ど流 れ に 対 して 水 制 の 抵 抗 とな る割 合 が 増 加 す るた め で あ る.. 3.3流. 況特性. 水 制 の影 響 が 顕 著 に見 られ たz/H=0.6平 面 にお け る流 速 ベ ク トル 図 を図‑7に 示 す.. ―722―. 図‑6水 面形の縦断分布.

(5) (a)ケ. (b)ケ. ー スS‑3(H/h0=0.3). ー スS‑5(H/h0=0.5). 図‑7平. 逆 流 が 見 られ るが,水 制 長 の1倍. にあた る. x/L=1.0で は す で に 順 流 とな って い る.ケ ー スS‑5で 制 長 の1倍. ま で,ケ ー スS‑9,NS‑11で. ー スS‑9(H/h0=0.9). (d)ケ. ー スNS‑11(H/h0=1.1). 面 流況(z/h0=0.6). ケ ー スS‑3で は,水 制 先 端 部で 水 は ね が生 じ,水 制 背 後 のx//L=0.5で. (c)ケ. は水. は水 制 長 の2倍 下. ではx/L=2.0の 水制域内全体で右岸側壁に向か う流れ とな ってお り,主流域 では,ほ ぼ全域 にわた って左岸側 壁に向 か った流れが生 じてい る.既 存の研究 男よ り非越 流型 の場 合,逆 流域は水制長 の約5〜6倍 とい う結果 が得 られてい る.. 流 に あ た るx/L=2.0ま で 水 制 域 内 で 逆 流 が 生 じて い る.ま. 本研 究の非越 流型 のケースNS‑11の. た ケ ー スS‑9で. 水制域境界付近で右岸側壁. も同程度 の逆流 域が存在す ることが うかがえる.以 上の こ. に向 か う流 れ が生 じ,右 岸 側 壁 側 に 近 づ くに した が っ て,. とか ら相 対水制 高が小 さくな るにつ れて水制 に よる逆流. そ の 流 れ は 下 流 方 向 に 向 き を 変 え て い る.ケ ー スNS‑11. 域 の範囲は小 さくなる といえる.これ は相対水制 高が小 さ. は,x/L=2.0の. ―723―. 流速ベ ク トル 図か ら.

(6) い ほ ど水 制 を越 流 す る流 れ が大 き くな り,そ の 流 れ と水 制 先 端 か らの 平 面 的 な剥 離 渦 との 相 互 作 用 に よ る も の だ と 考 え られ る. 水 制 先 端 部 の主 流 側 に 向か う流 速 に着 目す る と,そ れ は 相 対 水 制 高 が 大 きい ほ ど大 きい.こ. の こ とは 図‑3に 示 し. た 砂 の 堆 積 位 置 が 相 対 水 制 高 が 大 きい ほ ど 中央 に移 動 す る こ と と関 連 して い る と考 え られ る.. 3.4流. 速 分 布 特性. 流 速 ベ ク トル 図 と同 様,流 速 分布 もz/H=0.6平 面 で 考 察 した. 水 制 が主 流 速 に及 ぼ す 影 響 を検 討 す る た め,図‑8に. 水. 制 設 置断 面 の 主 流 域 の 横 断 分 布 を示す. 非 越 流 型 の ケ ー スNS‑11で. は水 制 先 端 部 か ら水 制 長 の1.5. 倍 に あた るy/L=1.5に か けて 流 速は 急 激 に大 き くな る.そ こか ら左 岸 側 壁 側 で は 断 面 平 均 流 速 の1.6倍 の 流 速 で ほ ぼ 一 定 とな っ て い る.越 流 型 の ケ ー スS‑5,S‑3は 似 た流速. 図‑8主. 流 速 の 横 断 分 布 図(x/L=0,z/H=0.6). 分 布 で あ り,水 制 先端 部 で 断 面 平均 流 速 の約1.3倍 の 流 速 が 生 じ,そ の 流 速 は水 路 中央 に か けて 徐 々 に減 速 され て い る.そ して水 路 中 央 付 近 で 断 面 平均 流 速 の約1.3倍 の 流 速 に達 し,そ こか ら左 岸 側 壁 に か け て流 速 は小 さ くな る.し か し越 流 型 の ケ ー スS‑9は,他. の 越 流 型 の ケ ー ス と分布 傾. 向 が 異 な り,非 越 流 型 の ケ ー スNS‑11に. 近 い 分 布 とな っ た.. 以 上 の こ とか ら,相 対 水 制 高 が大 きい ほ ど主 流 部 の 断 面 平 均 流 速 に 対 す る流 速 は 増加 す る傾 向 に あ る.越 流 型 の ケ ー スS‑9は ,非 越 流 型 の 流 速 分 布 に近 い こ とか ら相 対 水 制 高 が1に. 近 い 越 流 型 は非 越 流 型 の 平均 流 特 性 を持 つ こ と. が 示 唆 され る. 次 に水 制 が水 制 域 に 与 え る影 響 を見 るた め,図‑9で. 水. 制 中央 背 後(x/L=0.5,y/L=0.5)に お け る主 流 速 の 鉛 直 分 布 を 示 す. ケ ー スS‑3で は 水 制 高 の8割 の水 深 で 逆 流 が 生 じて い る.. 図‑9主. 流 速 の 鉛 直 分 布 図(x/L=0.5,y/L=0.5). そ こ か ら水 面 に 向 か うに つ れ て 主 流 速 が急 激 に大 き くな り、水制 高 の1.5倍 で最 大 流 速 が 生 じ,断 面 平 均 流 速 の1.5 倍 程 度 に 達 して い る.ケ ー スS‑5は 水 制 高 よ り水 面 に近 い 部 分 で は ケ ー スS‑3と 似 た 分 布 とな っ て い るが,水 制 高 で あ るz/H=1.0付 近 で 主流 速 は0と な る.そ こか ら底 面 に近 づ くにつ れ て 次 第 に逆 流 速 が 大 き くな って い る.ま た.ケ ー スS‑9で は底 面 付 近 で 断 面 平 均 流 速 の3割 ほ どの 逆 流 が 見 られ,水. 面 に 近 づ く につ れ て 次 第 に流 速 は 大 き くな り,. 水 制 高 の6割 の と こ ろで ほ ぼ0で 水 面 近 くで は断 面 平 均 流 速 の約6割. の主 流 速 とな っ た.ケ ー スNS‑11で. 水 面 ま で 大 き な 流 速 の 変 化 は な くほ ぼ0で. は底 面 か ら 一 様 とな って. い る. 図‑10は 水 制 中央 のz/H=0.6の. 高 さにお け る主 流 速 の縦. 断 分 布 を示 して い る. 越 流 型 の3ケ ー ス は,水 制 前 面 で断 面平 均 流 速 の3割 程 度 の流 速 で あ る.水 制 背 後 のx/L=0.5で 逆 流 が生 じ,そ れ. ―724―. 図‑10主. 流 速 の 縦 断 分 布 図(y/L=0.5,z/H=0.6).

(7) 図‑11横. 図‑12横. 断 方 向 流 速Vの. 断 方 向 流 速Vの. 横 断 分 布(x/L=1.0,z/H=0.6). 図‑13レ. 縦 断 分 布(y/L=1.0,z/H=0.6). 図‑14移. イ ノ ル ズ 応 力‑u'v'の. 縦 断 分 布(y/L=1.0,z/H=0.6). 流 に よ る運 動 量 輸 送UVの 縦 断分 布(y/L=1.0,z/H=0.6). よ り下流側 では徐 々に流 速は大き くなっている.そ の速 度. 流 れが最 も顕著 に見 られ たx/L=1.0に おけ る横 断方 向流 速. 勾配 は相 対水制高が小 さいほ ど大き く,相対水制 高が大き. Vの 横 断分布 を示す.. い ものほ どよ り下流まで水 制の影響 がある といえる.非越. いずれ のケー スも水 制域内 で は主流域 か ら水 制域 内に. 流型 のケースNS‑11で は下流方 向に流速が低下 してい る.. 向か う流 れが生 じてい る.主流 域はケースNS‑11で 断面平. よって越流 の よ うに順流 とな るのは さ らに下流 だ と考 え. 均流 速に対す る横 断方 向流速 が最大 とな り約0.4倍 の流 速. られ る.. が生 じている.ま たいずれ のケース も水 路中央付近で最 大. よって図‑7の 考察で も述べた よ うに,こ こか らも相対 水制高が大きいほ ど,よ り下流側 まで水制の影響 があ ると. 流 速が生 じている. 図‑12に横断方 向流速Vの 水制域 境界におけ る縦断分布. 考え られ る.. を示 す.こ れはいずれ のケー ス ともに似 た分布 とな った.. 3.5乱 れ特性 と運動量輸送. 水制 前面では,水制域 内か ら主流域に向か う流れ が生 じて い る.水 制背後 で横断方 向流速 はほぼ0と な り,x/L=1.0. 図‑11に 水制域境界で主流域か ら水制域内に入って くる. ―725―. で水 制域 内に 向か う流 速 が最 大 とな る.さ らに 下流 の.

(8) x/L=2.0に おいては若干の水制域内に向か う流 れが見 られ る.. いほ ど初期水位 か らの水位 差が大 きい. 3)水 制周辺の流速分布 か ら,水 制域内では相対水制高が. 以上の ことか ら,横断方向流速は相対水 制高の違 いに よ らず水制長の1倍. 大 き くなる とともに,水制背後 の逆流域は大 きくなった.. 下流で水制域内 に向か う流れ が最大 と. また水制設置断面の主流域では,相 対水 制高が大 きくな. 思われ る.. る と,半水深 にお ける断面平均流速 に対す る主流速は大. 図‑13は 水制域境界 の レイ ノルズ応力の分布 を示す.越. き くなる傾向 にあるが,非 越流型 と相対水制高が0.9の. 流型,非 越流型のケース ともに,水 制域 境界 の水制前面 と. ケー スの横断分布は同様の傾 向 となった.主流 速の縦断. 水制背後 で レイ ノル ズ応力 に大 きな変化 はな く,水制長の. 分布 では,越流型で は水制背後で下流 に進 むに したがっ. 1倍 下流で最大値 となってい る.. て逆流か ら順流にな るが,非 越流型では順 流か ら逆流 と. これ よ り,レイ ノル ズ応力 の縦断分布 は相対水制高の違. なった.. いにそれ ほ ど影響 を受 けず,水 制長 の1倍 下流 で最大の値. 4)水 制域境界での乱れ特 性は,相 対水制 高の変化 に よっ. を とる とい える.よ ってこの点 で主流速 の最 も急激な変化. て大 きな影響 を受けない と考 え られ,移 流 に よる運動量. が ある と考 え られ る.. 輸送は どのケース も水制背後 でほぼ0と なった.乱 れ と. しか しケースS‑9で は他 のケー ス と異 なる分布 となった.. 移流 による運動量輸送 は どのケース も水 制長の1倍. 下. この違 いがで た理 由につ いて はまだは っき りと分か って. 流で水制域 内に入 って くる傾 向にある.ま たその運動量. い ないため,今 後検討 が必要で ある.. 輸送は移 流に よる ものが支配的 であった.. 図‑14は 水制域境界 にお ける移流 による運動量輸送 を示 してい る. 水制前面で は,水 制域 内か ら主流域への運動量輸 送は,. 参 考 文献. 平均流の運 動量の約4割 か ら7割 の大き さに達 し,水制背. 1) 室 田明 編 著: 河 川 工 学, 技報 堂 出版, 1986.. 後ではほぼ0と な る.そ の後,x/L=1.0で 主流部か ら水制. 2). 山本 晃 一:. 域内に入 って くる運動 量が最 大 とな る.ま た図‑13か ら乱. 3). 福 岡 捷二, 岡信 昌利, 川 口広 司, 西 村 達 也: 越 流 型 水. れに よる運 動量輸送 を考え ると,移流の運動量輸 送と同様. 制 周 辺 の 流れ と河 床 変 動, 水 工 学 論 文 集, 第42巻,. に,x/L=1.0で 主流部か ら水制域内 に最 も運動量が輸送 さ れ てい る.ま た図‑13,14よ り移流に よる運動量輸 送は乱. 日本 の 水 制, 山海 堂, 1996.. 4). pp.997‑1002, 1998. 大 本 照 憲, 平 川 隆 一, 井 出 賢正: 越 流 型 水 制 に対 す る. れ よるもの よ り1オ ーダー大き く,単独水制周辺 の運動量. 二 次 流 と流 沙 の 応 答,. 輸 送は移流 に よるものが支配的 である と考 え られ る.. pp.1003‑1008, 5). 4.結 論. 水 工 学 論 文 集,. 第42巻,. 1998.. 大 本 照 憲, 平川 隆一: 越 流 型 水 制 群 を伴 う開 水 路 流 れ の 三 次 元構 造, 応 用 力 学 論 文集, Vol2, PP.665‑672, 1999.. 6). 単独水制 周辺 の河床 と流れ に対す る水深 と水制 高の比. きが 河 床 変 動 と流 れ構 浩 に 及 ぼ す 影 響, 応 用 力 学 論 立. であ る相対水 制 高が及 ぼす影 響 につ いて実験 的に検討 し. 集, Vol.8, pp.875‑882, 2005. 7). た.得 られ た知 見は以 下の とお りである. 1)河 床変動 については,相 対水制高が大きいほ ど洗掘範 囲は狭 くな り,水制 先端部 で生 じた最 大洗 掘深 も小 さい.. 大 本 照 憲, 平川 隆 一, 渡邊 訓甫: 非 越 流 型 水 制 群 の 向. 長 坂 剛, 今 野威 一郎, 加 藤 敦, 冨永 晃 宏: 越 流 型 水 制 群 周 辺 の 流 れ に及 ぼす 越 流 水深 の影 響, 土 木 学 会 第34 回 年 次 学術 講演 会 講 演 概要 集, 第2部, pp.202‑203, 1999.. その最大洗掘深 は,越流型 では相対水制 高が大き くなる. 8) 冨 永 晃 宏, 中 野 義 郎, 井 嶋 康 二, 長 坂 剛: 越 流 型 水 制. につれ て急激 に小 さくな る.しか し非越流型 にお いては. 域 内 の 流 れ 構 造 に 及 ぼ す 相 対 水 制 高 の 影 響, 応 用 力 学. 緩 やかに減少す る.ケ ースS‑9の 最大洗掘深 は比越流型 のケー ス と比較 して も大 きな違 いがない.最 大堆積位置 は,相 対水制高 が大 き くなるほ ど,右岸側壁 か ら水路 中 央に移動す る傾 向にあ るが,非 越流型 と相対水制高 が最 も大 きい越 流型 のケー スでは ほぼ同様 の位置 に堆積 し てい る. 2)水. 面形 は相対 水制 高が大 き くな るほ ど初期水位 に対. して水制 前後の水位 は高 くなってお り,水制設置断面 で の流下方 向の水 面勾配 も大き くなる.水制設置断面 に近. ―726―. 論 文集Vol.3,. pp.805‑812, 2000.. 9) 陣 飛 勇, 池 田駿 介: 水 制 周 りの 水 平 剥 離 渦 の構 造 に関 す る実 験 的研 究, 水 工 学 論 文集40巻, PP.787‑792, 1996. (2008年4.月14日. 受 付).

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参照

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