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1.はじめに 再生骨材の生産に関する研究が盛んにされている

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Academic year: 2022

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(1)土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度). Ⅴ‑609. 乳酸を用いて製造したコンクリート用再生骨材の品質調査 東京都市大学 学生会員 ○千葉卓飛. 香川裕幸. 正会員. 栗原哲彦. 1.はじめに 再生骨材の生産に関する研究が盛んにされている. 1)2). が,それらのほとんどが破砕により付着モルタルを除 去する方法である.しかし,破砕方法では処理の際に エネルギーを使用し,さらに,微粉が発生するという 欠点がある. そこで,著者らは新たな高品質な再生骨材の生産方 法として酸性溶液である乳酸水溶液を用いて,図-1 の ようなカルシウムもリサイクルできる再生骨材の生産. 図-1. 目標とするリサイクルシステム. サイクルについて実験的検討を行っている.今回は実. 表-1. 原コンクリートの示方配合. 際に回収した骨材の品質調査の結果についてまとめる.. W/C(%). 2.実験概要. 60. 実験は直径 100 ㎜で高さ 200 ㎜の円柱試験体を用い. W 170. W:練混ぜ水 C:セメント S:細骨材 G:粗骨材 Ad1:AE 減水剤 Ad2:AE 助剤 Gmax=20mm. て行った.養生は水中養生で 28 日行った.圧縮強度を 測定したのち, 20 ㎜ふるいを通るようになるまで試験. 表-2 コンクリート用再生骨材の性能評価項目と. 体をハンマーで砕きその後乳酸溶解した.溶解に使用 した乳酸濃度は既往の実験結果. 圧縮強度 単位量(kg/m 3) 2 (N/mm ) C S G Ad1 Ad2 283 819 983 0.707 0.028 29.4. 規格値の一覧(一部抜粋)3). 4). から 20%とした.示. 試験項目. 方配合及び圧縮強度を表-1 に示す.粗骨材の採取を念. 絶乾密度(g/cm 3 ). 頭に置いたため,2.5 ㎜のふるいに留まる試験片を対象. 吸水率(%). (JIS A 1110) (JIS A 1110). 微粒分量 (%). に 溶 解 を 行 っ た . 乳 酸 は JIS 一 級 濃 度 85 ~ 92 %. (JIS A 1103). すりへり減量 (JIS A 1121). CH3CH(OH)COOH=90.08 のものを使用した.. アルカリシリカ反応性. (JIS A 1145) (JIS A 1146) (JIS A 1804). CaOH 2  2CH 3CH (OH )COOH.  CH 3CH OH COO2 Ca  2 H 2O. (1). 不純物量 (JIS A 5021). 既存粗骨材 再生粗骨材H 再生粗骨材M 再生粗骨材L 2.5以上. 2.5以上. 2.3以上. -. 3.0以下. 3.0以下. 5.0以下. 7.0以下. 1.0以下. 1.0以下. 1.5以下. 2.0以下. 40以下. 35以下. -. -. 無害 無害 -. 無害 無害 無害. 無害 無害 無害. 無害 無害 無害. -. 合計 3.0以下. 合計 3.0以下. -. 式(1)は,コンクリートの主成分である水酸化カルシ. 量などの理由によって行っていない.ASR試験につ. ウムと乳酸の化学反応式である.式(1)から水酸化カル. いては原骨材が問題ないものを使用しているので大き. シウム 1mol に対し乳酸 2mol の割合で反応することが. な影響はないものと考えられる.表-2 のこれらの試験. 分かる.試験片中のセメントの全質量が水酸化カルシ. に加え再生骨材のふるい分け試験と,乳酸溶液を用い. ウムであるとして各試験体に使用する乳酸量を決定し. てセメントペースト部を溶解して製造をした再生骨材. た.溶解実験中のガラス瓶は室内環境下におき,恒温. (以下 laRG)で作製した試験体の圧縮強度試験を追加. 状態ではない環境で溶解実験を行った.. して行った.理由としては,粗骨材の回収を念頭に置. ペースト溶解後に回収した骨材はJISで定められ. いて回収を行ったので回収した骨材の粒度分布を調べ. ている再生骨材Hの試験項目(表-2 参照)に則って性. る必要があることと,乳酸が骨材にどのような影響を. 能評価試験を行った.なお,実積率試験とアルカリシ. あたえるのかを見るためである.再生骨材を使用した. リカ反応性試験については今回の試験では骨材の必要. コンクリートの示方配合を表-3 に示す.使用材料は. キーワード 連絡先. 再生骨材,乳酸,有機酸,骨材品質. 〒158-8557 東京都世田谷区玉堤 1-28-1 東京都市大学 栗原研究室 TEL03-5707-0104(内線 3242). ‑1217‑.

(2) 土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度). Ⅴ‑609. 表-3. 表-1 と同じである.圧縮強度試験は,直径 100 ㎜で高 さ 200 ㎜の円柱試験体を使用し,28 日間の水中養生を行. W/C(%). 60. laRG. 再生粗骨材 H(以下 HRG)に対しても同様の骨材試験. HRG. および圧縮強度試験を行った. 表-4. 3.結果および考察 骨材試験結果を表-4 に示す.図-2 は絶乾密度と吸 水率の関係を示したものである.laRG と VG を比べる と吸水率,絶乾密度,ともに大きくなっているが,再. 特性値. VG. 較するとほぼ同等となっていることが分かる.微粒分. HRG. 再生骨材L. laRG 再生骨材M. 4 3. 再生骨材H. 2. きいと考えられる. ふるい分け試験の結果を図-3 に示す.laRG は 10mm. HRG 2.50 2.69 0.4 15.8. 5. 吸水率(%). に付着している未溶解のセメントペーストの影響が大. 使用骨材の種類 VG laRG 2.65 2.50 0.42 2.62 0.1 0.8 13.6 17.4. 7 6. に比べて若干高いことが分かる.これは製造した骨材. Ad2 0.028 Ad2 0.028 Ad2 0.028. 各骨材の骨材試験結果. 再生骨材H規格 2.5以上 3.0以下 1.0以下 35以下. 密度(絶乾)(g/cm3) 吸水率(%) 微粒分量(%) すりへり減量(%). 生骨材 H の規格の範囲内に収まった.また,HRG と比. 量とすりへり減量については, laRG は他の 2 つの骨材. 単位量(kg/m3) C S VG Ad1 283 818 983 0.707 C S laRG Ad1 283 818 957 0.707 C S HRG Ad1 283 818 957 0.707. W 170 W 170 W 170. VG. った.また,比較対象として原コンクリートに使用し たバージン粗骨材(以下 VG),A 社で磨砕処理された. 各試験体の示方配合. 骨材種類. 1 0. 以下において標準粒度の範囲を超える結果となった.. 2.2. 2.3. 2.4. 2.5. 2.6. 2.7. 絶乾密度(g/cm3). この結果により今回の溶解方法では粒度調整が必要な. 図-2. ことが分かった.. 絶乾密度と吸水率の関係. 圧縮強度試験の結果を表-5 に示す.laRG は圧縮強度, ヤング率共に VG と比べて大きな変化はなく,骨材の強 度への影響が小さいことが分かった.また,HRG との 比較では圧縮強度,ヤング率共に良い結果を示し,現 在市販されている再生骨材 H と遜色の無い骨材が製造 できたと言える.スランプを見ると,VG に比べて小さ. 通過質量百分率(%). 100 80. 60 40. VG laRG HRG 標準粒度範囲. 20 0. 0. 5. 10. 15. 20. いことが分かる.これは付着している未溶解のセメン. 図-3. 骨材粒度曲線. トペーストの影響で吸水率が高くなったためと考えら. 表-5. 圧縮試験結果. れる.HRG との比較では laRG のスランプの方が高い 数値となった.理由として考えられるのは,HRG は laRG より吸水率が高いこと,さらに HRG にはコンク リートの塊も骨材として混ざっていることも理由の 1. 使用骨材. VG laRG. つであると考えられる. 4.まとめ. HRG. 今回製造した再生骨材 laRG は、骨材試験を行った項 目に関しては再生骨材 H の規格を満たす結果となった が,絶乾密度と吸水率は H 規格の限度に近い値となっ た.さらに,再生骨材 laRG を使用したコンクリートの 強度は, バージン骨材 VG を使用したコンクリートとほ ぼ同等であった.これにより,再生骨材 laRG はバージ ン骨材 VG と同様に使用できる可能性を示した.. ‑1218‑. 25. 30. ふるい公称目開き(mm). 圧縮強度 (N/mm2) 31.1 29.6 27.7 30.1 29.3 28.4 27.9 27.9 24.2 24.6 23.8 25.7. ヤング率 (kN/mm2). スランプ (cm). 27.8. 20.2. 28.5. 18.0. 26.4. 13.6. 〈参考文献〉 1) 立屋敷久志:解体の現状とその将来,セメント・コンクリー ト No.717,pp.25-33,2006 2) 土木学会コンクリート委員会:環境調和型コンクリート材料 学の創造,土木学会平成 22 年度全国大会研究討論会 研- 09 資料,2010 3) 棚野博之:再生骨材コンクリートの物性,コンクリート工学 vol.46,pp.77-81,2008 4) 千葉卓飛ら:コンクリート用再生骨材製造に使用する最適乳 酸濃度の実験調査,第 38 回土木学会関東支部技術研究発表 会,V-33,2011.

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