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図 3-1 水制形状

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Academic year: 2022

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(1)水制の頭部形状が護岸としての機能に与える影響について 徳島大学大学院 徳島大学. 正会員. 学生会員. ○田添. 慧. 武藤裕則・田村隆雄. 1. 研究背景と目的 古くから護岸として利用されてきた水制には様々な形状が存在する.図 1 に示 す(a)曲出しは基本的な形状で,曲出しの先端に流れに対して縦断方向に水制を 設置した(b)鎌出し,(c)丁出しも存在する.曲出し,鎌出し,丁出しはその形状. (a) 曲出し. (b). 鎌出し. から I 型,L 型,T 型水制とも呼ばれる.L 型,T 型水制では,流れに対して横断 方向に設置した部分を幹部水制,縦断方向に設置した部分を頭部水制と呼ぶ.こ の様に様々形状があるが,これまでの研究対象はそのほとんどが I 型に関するもの である.そこで本研究では,L 型, T 型水制に着目し,頭部水制の長さが異なる水制 を群として配置して実験を行い,水制の頭部形状が護岸としての機能に与える影響. (c). 丁出し. 図 3-1 水制形状. について検討することを目的とする. 表1. 2. 実験装置および方法. 実験パターン 頭部水制長. 水制模型は, 不透過水制を想定して木材で作成し,. Case. 形状. 幹部水制長を 10cm,水制の設置間隔を 20cm として 非越流状態で水路の左岸に 10 基連続で設置した.実. I型. I. 験では長さ 13.6m,幅 0.835m,河床勾配 1/200 の直線 水路に粒径 1mm の砂を水制設置区間の上流側 5m から 下流側 1.8m まで計 9m にわたって敷き詰めた.水制. L型. 群が流れと河床に与える影響を把握するため河床形. 0cm. LD-1. 5cm. LD-2. 10cm. LD-3. 状計測と表面流速計測を行った.河床形状計測は 30,. LU-2. 90 分後の表面流況を可視化してビデオカメラに撮. 5cm 0cm. LU-3. 影し,その画像解析を行った.撮影は水制域をより鮮 明に撮影するために水制群を 3 つの区間に分けて撮. T型. 影した.表 1 に実験パターンを記す.表 1 では青い. 0cm. 15cm. LU-1. 60, 90 分後の河床形状を測定した.表面流速計測は. 上流向き. 下流向き. 10cm 15cm. T-1. 5cm. 5cm. T-2. 10cm. 5cm. T-3. 5cm. 10cm. 部分が幹部水制,緑の部分を頭部水制とする. 3. 流速分布計測結果. 横断方向(cm). Case I と Case LD-1,Case LU-1 の流速分布 計測結果を図 2 に示す.流速分布計測結果で は,水はね効果について見るため,最上流か ら第 3 水制までを含む区間 S-1 を示す.図中 の緑の線で囲まれた範囲を水制の影響がない. 横断方向(cm). (a) Case I. 縦断方向(cm). 範囲と考え,範囲内の流速ベクトルの角度の 平均値として 4.5°を得た.そこで本研究で は,5°以上流れが右岸側に傾いた流速ベクト ルを水制の水はねによる流れの変化と定義し. (b). た.全 Case で最上流にある水制によって強い. 図2. 93. Case LD-1 流速分布計測結果. 縦断方向(cm).

(2) 水はね効果があることがわかる.赤い線の範囲. 横断方向(cm). 内で水制の水はねの影響が見られた面積割合は Case I で 66.7% Case LD-1 で 66.7% Case LU-1 では 40%となった.Case I と Case LD-1 で水は ね効果が強くなったことから,頭部水制を上流 (c). 向きに設置すると水はね効果が弱くなると考えられる.. 図2. 次に水制域内平均流速を図 3 に示す.水制域番号. Case LU-1. 縦断方向(cm). 流速分布計測結果. は上流側から番号を振ったものである.全 Case にお いて水制域 1 の流速が最も小さい.これは,最上流. 流速(cm/s). にある水制の水はね効果により水制域 1 に入り込む 流れが少ないためと考えられる.ここから徐々に上 昇し水制域 4 からは流速があまり変化しない平衡状 態となった.頭部水制がある Case LD-1 と Case LU-1 で平均流速が小さくなったことより頭部水制には水 制域内の流速低減効果があると言える.また,上述 の水はね効果の差異により,水制域 1~3 は Case LU-1 に比べて,Case LD-1 の方が流速が小さくなった.. 水制域番号 図3. 4.河床変動計測結果. 水制域内平均流速. 横断方向(cm). (mm). 図 4 に Case I,Case LD-1 および Case LU-1 の通水後 90 分後の河床形状計測結果を示 す.河床位の基準を初期河床とする.図よ りすべての Case で最上流にある水制から (a) Case I. 深掘れの筋が形成されているのがわかる. これは水はね効果が原因と言える.最上流. 縦断方向(cm). 横断方向(cm). にある水制周辺の深掘れの範囲が Case LU-1 で小さくなっている.これは先述の上 流向きに設置した頭部水制が洗堀を軽減し たと言える.Case I と Case LD-1 では水制 域 1~3では洗堀傾向であり,水制域 7~9. (b). Case LD-1. (c). Case LU-1. 縦断方向(cm). 横断方向(cm). では堆積傾向となった.一方 Case LU-1で は全水制域で頭部水制周辺に堆積が生じた. 流速分布計測結果を見ると Case LU-1 では 水制域に入り込む流れが上流向きに設置さ れた頭部水制に衝突し,流速が低減してい たため堆積が生じたと言える.. 図4. 縦断方向(cm). 河床形状計測結果. 5.まとめ 頭部水制を上流向きに設置すると,流れの抵抗となって水をはねる面積が減少したため水はね効果は弱く なった.また,頭部水制を設置すると水制域内平均流速は小さくなった.水制が護岸として機能するのは, 水はね効果と流速低減効果によるものなので,今回検討の対象としたケースでは Case LD-1 が護岸に最も適 した形状と言える. 94.

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