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水門扉の大型化と高圧化に関する研究

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(1)

水門扉の大型化と高圧化に関する研究

著者 寺田 溥

学位授与大学 東洋大学

取得学位 博士

学位の分野 工学

報告番号 乙第99号

学位授与年月日 1997‑03‑10

URL http://id.nii.ac.jp/1060/00004053/

Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja

(2)

水 門 扉 の 大 型 化 と 高 圧 化 に 関 す る 研 究

平 成8 年3 月

寺  田  溥

(3)

こ欠

序   論

第1 部  水 理 的 問 題 第1 章  外 部 条 件 算 定 精 度 の 向 上

1.

1  . 第2 章

2  2

第3 章3  .3  . 第4 章

4  4

1

2

1

2

1

2

1

2

水 理 的 上 下 降 力 の 机 上 算 出 方 法

選 択 取 水 設 備 の 呑 み ロ 寸 法 の 選 定 方 法 水 密 機 構 の 改 善

高 圧 ゲ ー ト の 水 密 機 構 選 択 取 水 設 備 の 水 密 機 構

第2 部  構 造 的 問 題 構 造 計 画 の 合 理 化

握 り 構 造 ゲ ー ト の 構 造 解 析

波 を 受 け る2 段 式 シ ェ ル 構 造 ゲ ー ト 支 承 部 負 荷 能 力 の 改 善

ロ ー ラ と レ ー ル の 接 触 面 の 強 度 戸 当 た り 支 持 部 の 設 計 方 法

謝   辞

2

2

3

3

4

4

2

2

2

1 −o

 −

1

1

1

(4)

水 門扉 の大型化 と高圧化 に関 す る研 究

(5)

水門扉の大型化と高圧化に関する研究 序 論

水門扉は主とし てダム。 堰、ロック、ドックなどの河川及び海岸沿いの土木構造物に広 く用いられていて、これらの親プロジェ クト の主要機能を共 に担っている。その種類は極 めて多彩 であ り。名称は横断面形状、構造様式、 組み合わせ、水圧力、開閉運動の仕方な どから付けられていて、雑多 の一語に尽きるが、我が国にお いて中心 ヽ 的に用いられている 主要形式を5 種に絞り、全体を主要形式とその麹組魅惑、及び、これらに属さない独立形 吉(4 種)の3 グループ に分けた分類を表0 −1 に示す。表で示した形式名称はその後に 続ぐ ゲート が省略されている(例: □ ーラゲート)。末尾の英字は形式記号である。

主 要 形 式 親 類 形 式 独 立 形 式

ロ ー ラRG

]

リ ン グ シ ー ルRS キ ャ タ ピ ラCAai ス ト ー ニ イSTt)2

ポ ン ツ ー ンPGnsブJ

マイクH‰

ドづ

ス ラ イ ドSG

高 圧 ス ラ イ ドKS ジ ェ ッ ト フ ロ ーJG リ ン グ ホ ロ アRF

バィザVG≫7

ラ ジ ア ルRA

セ ク タSEラ ィ ジ ン グRI ≪3

ロ ー リ ン グR0b8

フ ラ ッ プFG

ド ラ ムDG

シ リ ン ダCG

I

高 圧 シ リ ン ダKCn4

注 記

口\ ?5i設 で は 減 少 傾向  ロ3 テ ー ムズ 川 防 潮 水 門 n5 91  船 でnth ロ7 兜( 西 洋 ) ゲ ート ロ? ffr殼 で は 皆 無 ロJi − 段 の 低 水 取 水 用   ロ6 留 め 継 ぎ( 釦μ の隅 部)  ゲ ート  ロ8 新 設 で は 皆 無

表0 −1 、 主 要 形 式 、 独 立 形 式 、 親 類 形 式 の 分 類

表 〇−2 は、ローラゲート。ラジアルゲート及びフラップ ゲートについての詳細分類で、

縦断面形状、構造形式、組み合わせ、及び、水圧力のうち該当する分類方法を○で示す。

形式名称はこれらの分類名称と表0‑1 の名称を組み合わせて作られることが多い。この

2

(6)

分   □ ― ラ ゲ ー ト ラ ジ ア ル ゲ ー フ ラ ッ プ ゲ ー

縦 断 面 形 状 直 線 、 半 円

構 造 形 式

桁 式 、 シ ェ ル 構 造

桁式、振り構造、カンチレr\`

縦桁式、横桁式

組 み 合 わ せ

一 段 、 二 段 、 多 段

一枚扉、親子

水 圧 力 ク レ ス ト 、 高 圧

表0  ‑ 2 ローラゲート.ラジアルゲート、フッラップ ゲートの詳細分類

表に示した分類方法は例であって、この他に様々な方法があ り.これ等を用いて形式名称 が表現されているのである.表0‑3 は補足情報であ り. 開閉運動の方向と水圧荷重を支 持する方法で表−1 に示す形式を分類し た結果である.形式 は表−1 で定義した記号を用

運 動 の 方 向

水 圧 荷 重 の 支 持 方 法

ローラ 回 転 軸 受 圧 板 そ の 他

上 下 方 向 RG、CA、RS、ST SG、KS、JG、RF、RO(ラフク) CG、KC

水 平 方 向 RG RG、PG

垂 直 軸 周 り SE HG

水 平 軸 周 り 、FG、SE、DG、VG、RIRA FG

表O −3 開閉運動の方向と水圧荷重の支持方法による分類

いた。支持方法の その他 は水圧荷重がお 互いにバランスする場合である。水門扉をゲ ートとバルブ* 1に分ける分類方法があるが、バルブと名称が付く機種は本研究の対象外で ある。こ の他に水門扉は親プ ロジェクトに於ける機能から分類した名称が頻繁に使用され る。表 〇‑4 はその例である。使用されるゲート形式は表 〇一エの記号で表示した。但し、HJV

及びsvは、 バルブの形式記号で。それぞれホ□ ージェットバルブ及びスリーブバルブ

*  Xゲ ート と バ ル ブ の 本 采 の 相 違 は 前 者が 主 とし て 全 局 か 全 国 で 使用 さ れ る の に 対し 後 者 は 任.t 開 風 で 使 用 す るも の と の 見 解 が あ るか 、 今 日 で は ゲ ート で も 任 意 開 度 で の 長 期 放 流に 耐 え るも の も 多 い し 、叉 。 ス ラ イド パ ル プ や バ タ フ ラ イ バ ルブ の ほ に 、 任 意 開 度 で 放 流 で き な い パ ル プ も あ る 。 感 覚 的 に は 小 形 で ケ ー シ ン グ に 納 まり 、 戸 当 た り と 同 閉 機 も 含 め て 里 体 とし て 囚 え るも の を バ ルブ とし て 分;g す るこ と も あ る が 、高 圧 ス ラ イド ゲ ート 、 ジェ ッ ト フロ ー ゲ ート 、リ ン グフ ォ ロ ワ ー ゲ ート 、 リ ン グ シ ール ゲ ート の 揉 に 、 条 件 に 合い な が ら ゲ ート と 名 前 が 付い て い るも の も あ る 。 今 日 では 正 確 に あ て は まら な な い が 、 だ い た い こ のほ な 感 筧 で 便い 分 け ら れ てい る 。

(7)

親 プ ロジェクト 設 備 名 称 ゲ ー ト 名 称 ゲ ー ト 形 式

設置場所別 機 能 別 主 従

河 川 の 上 流

ダ ム 放 流 設 備 非 常 放 流 設 備*1

ク レ ス ト ゲ ート 洪 水 吐 き ゲ ート RG、RA FG、SE、DG オリフィスゲート主 ゲ ー ト RG、RA

副ゲート RG 主放流設

備*2

コ ン ジ フト ゲ ー 主 ゲ ー ト RA、RG KS、JF 副ゲート RG CA、KS

排砂設備 主 ゲ ー ト RG、RA KS、JF、RF

一次締切ゲートRG

副ゲート RG KS、RF 緊急放流

設 備

主 ゲ ー ト JF、RF 副ゲート KS、RF 利水放水

設 備

選 択 取 水 設 備

取 水 ゲ ー ト CG、RG 非常用ゲートRG

放水設備 正 バ ル ブ HJV

副バルブ RF、KS

sv

発電設備 取 水 ロ ケ ー ト RG

ドラフトTゲート放 水 エ ゲ ー ト SG、RG 河

川 の 中 下 流

堰 ・ 頭 首 工 ≪3

取 水 堰 制 水 ゲ ー ト RG、FG RO

調節ゲートRG、FG 土砂吐きゲートRG 取水ロケートRG、SG 魚道ゲートFG

分流堰 分 流 ゲ ー ト RG、FG

潮止堰 制 水 ゲ ー ト RG

調節ゲートRG 舟通しゲートRG 魚道ゲートFG

水門・

樋 門*5

本 川 対 策*4 制 水 ゲ ー ト RG、SG

高潮対策 RG.SGVG、RI

津波対策 、SGRG

海 岸

聞 門 航 海 聞 門 ロ ッ ク ゲ ー ト RG、HG SE

非常用ゲートRG、HG SE カルパートゲート注 排 水 ゲ ー ト RG ST

入港聞門 ロ ッ ク ゲ ー ト RG、HG SE

非常用ゲートRG、MG SE カルパートゲート注 排 水 ゲ ー ト RG SG

船渠 建 造 ド ッ ク ド ッ ク ゲ ー ト PG

修繕ドック ド ッ ク ゲ ー ト FG

表O −4 親 プ ロ ジ ェ ク ト に お け る 機 能 に よ る 分 類

*3

*4

*5

洪 水のピ ークカット の為の 放流設 億。

建設 省系で は堰 、廃水省系 では頭首工と 呼ん でい る。

本 川から支 川へ の逆流を遮断す る。

水門は 、常時 に開い ていて 、貝常 時に閉 じら れる(il と は逆 )。堤防を 電渠で横 切 る鳩合を 樋門と呼 んでい る。

4

(8)

を表す。扉体形式の 主 は主として使用さ れる形式であり。 従 は小形或いは特に径 間が長い場合の様に限られた環境で用いられたり、既存のプロジェ クトで用いられている が新設では用いられることのない形式である。

現在我が国で稼働している有効貯水量500万トン以上 の大型貯水池は700個前後と考えら れ、その内の95%以上が戦後完成した。終戦から昭和30 年代の中頃迄は戦後復興の時代 であ り、発電用ダムが建設の中心であったが、経済の高度成長時期に入っ て、治水及び都 市用水の設備に建設のウエートが移り、4  0 年代始めには、火力・原子力発電の比率の高 まりに伴って、揚水式発電所の建設が盛んになった。4  7 年からは流況調整河川事業が始 まり、貯水池の大容量化か進み、40 年代の末頃からは、貯水池設置に起因する水質変化 が顕在化し、選択取水設備が盛んに設置される様になっ た。その後、小発電所の再評価、

貯水池内の堆砂対策、既発電所の再開発など貯水池建設に対する二− ズはその時代の経済。

社会、国際間題を色濃く反映して方向と内容を変え、現在に至っ ている。この様に敗戦後 のダム・堰など河川管理施設の建設は時代と共に変化して来 たが、これらに必要な水門扉 も、その内容が変わると共に、より大型のもの・より高圧 のものが求められて来た。

水門扉の大型化とは支持径間及び扉高の長大化のことであ り、鋼重と変形量の急増、及 び、支点に於ける集中反力の巨大化をもたらす。水門扉の高圧化は水圧と流速の2 方向に 作用する。大型化と高圧化は、単独で或いは重なり合っ て作用し、設計段階で解決すべき 多数の問題を提供した。例えば、扉体の止水機能の低下、構造コストの急増、開閉荷重の 増加、支承荷重の増加、水理的上下向力の増大、振動の発生、 減勢能力の不足、 キヤビテ イションの発生、据え付け精度の低下等である。筆者は、水門扉の設計技術者として。多 くの技術的間題の解決に当たっ て来たが。これらは多くの研究的作業を伴った。本論文は、

その中から水門扉の大型化と高圧化に貢献し得ると思われる結果を選んで、まとめて報告 するものであ る。大型化と高圧化は技術開発の原動力でもあり、 その研究は、結果的に、

水門扉の技術的ポイントの総ざらいである。

論文全体は第1 部水理的問題及び第2 部構造的間題の二部から構成されている。第1 部 は第1 章外部条件算定精度の向上及び第2 章水密機構の改善から構成されていて、第9  部 は 3 章 ` 告´  のム理 七及び第4 章支承部負荷能力 の改者 から構成されている。各章は

5

(9)

それぞれ二つのテーマを含み、全体で、以下に示す、8 テーマである。各テーマは内容的 に独立しているが、構成は第1 項が 研究テーマの位置付けと成果 であり、最終項 が まとめ である点、及び、本文を簡潔にする為に、詳細な説明は添付資料とし て各テーマ の最後に添付している点が共通している。

1 。1 節ば 水理的上下向力の机上算出方法 である。机上算出を実現する方法を提案

す る 。‑

て い る

要である。 1.1.2 項ではゲートの設置場所がダム前面、ゲートシャフト内、ヶ− ジン ク内、及び、河川水路内である場合の水理的上下向力を共通して表すことができる方法を 示す。1.1.3 ではダウンプルが小さい条件はゲートリップによる流れの押し下げ効果 が大であること、及び、流れの剥離は二次的な要因であることを示し、叉、ゲート底面へ の水の流入方向と厚さがダウンプルに大きく影響することを示す。1.    1 .   4 では水理力 に影響を与える要素について詳細に論じ、水理力の断片的情報を、前2 項で定まった枠組 みにはめ込み、体系化する。  ダウンプル については。有効落差の計算方法を詳細に論じ、

叉、有効落差に3 次元的影響を導入することにより。2 次元と2>次元の形状係数に類似性 が現れることを示す。以上の3 項目で机上算出方法の骨格が固まるが、1.1.5 項でこ れらを手法としてまとめると共に付随する問題点 について論じる。

密度成層が表層、1 次躍層、中層、二次躍層、深層の各区分で直線に置き換えられること を示す。 1.2.3 項では直線密度勾配の中での選択取水における選択取水数を日野・大 西の軸対象密度流の理論で解析した結果を実験結果と対比して示す。1.2.4 項では前 項の結果を表層と1 次躍層中での取水に適用するのに必要な分離取水深の修正方法を示す。

更に、分離取水深が踊層に等しい時の限界選択取水数を2 成層密度分布に対して得られた 川合・松本及び川原の結果と比較する。 ・ 1.2.5 項では1.2.4 項で得られた呑み口

の取水効率の計算方法を示す。両項とも実験値をベースとした研究結果である。

2.     節 ば 高圧 ゲートの 水密 機構 であ る。 ゴ ム  一式  巾   の   の`、 で `

6

(10)

し た 技 術 的 問 題 の 解 明 と 探‑

る こ と が こ の テ ー マ の 隠 れ た 副 題 で あ る 。2. 工。2 項 で は 水 門 扉 の 水 密 機 構 全 般 に つ い て の 基 本 的 考 え 方 を 示 す 。2.1.3 項 で は 高 圧 ゲ ー ト の 水 密 機 構 の 技 術 的 問 題 と 解 決 策 を 、 前 項 で 示 し た 基 本 的 考 え 方 に 照 ら し 、 整 理 し て 示 し 、 次 に 、 水 密 ゴ ム の 発 熱 現 象 ( 憤 破 ) と 疲 労 に 焦 点 を 絞 っ て 、 現 象 面 か ら の 原 因 究 明 の 過 程 を 詳 細 に 述 べ 、 ゴ ム 振 動 が そ の 原 因 で あ り 、 そ の エ ネ ル ギ ー は 流 水 か ら 供 給 さ れ て い る こ と を 示 す 。2.1.4 項 で は 水 理 学 的 及 び 力 学 的 面 か ら ゴ ム 振 動 の 解 析 を 行 い 、 コ ン ジ ッ ト リ ッ プ の 形 状 と 水 脈 振 動 の 関 係 を 示 し 、 水 脈 振 動 の 振 動 数 が 水 脈 下 面 の 空 気 の ダ ム 軸 方 向 の 粗 密 波 周 期 に 一 致 し 、 ゴ ム の 剪 断 振 動 が こ れ に 応 答 し て い る こ と を 示 す0         ^    ・ 工 。5 項 で は 超 高 圧 ゲ ー ト の 水 密 機 構 に つ い て の 展 望 を 示 す 。

2.    2 節 ば 選 択 取 水 設 備 の 水 密 機 構 で あ る 。 扉 体 の 仕 上 が り 精 度 に 関 係 無 く 完 全 水 一

密 か 達 成 で き る 機 構 を 示 す 。2.2 .2 項 で は 取 水 設 備 か ら の 漏 水 が 許 さ れ な い 場 合 が あ る こ と 。 及 び 、 そ れ が 達 成 で き る 形 式 は シ リ ン ダ ー ゲ ー ト だ け で あ る こ と を 示 す 。 2.   23

項 で は 、 シ リ ン ダ ー ゲ ー ト の 止 水 機 構 の 歴 史 を 振 り 返 り 、 メ ン ブ レ ン 式 水 密 機 構 で 完 全 水 密 か 達 成 で き る こ と を 示 す 。2.2.4 で は 、 メ ン ブ レ ン 方 式 に 関 し て 、 様 々 な 条 件 下 で の 材 料 強 度 、 機 能 性 。 耐 久 性 、 及 び 、 作 業 性 に 関 す る 検 証 結 果 を 示 す 。

3 。1 節 ば 振 り 構 造 ゲ ー ト の 構 造 解 析 で あ る 。 種 々 の 解 析 方 法 の 中 身 を 詳 細 に 示 し 、‑

れ ぞ れ の 関 係 を 明 か に す る 。 振 り 構 造 の 解 析 が 難 解 で あ る こ と が 普 及 の 障 害 と な つ て い

互。3.1.2 項では振り構造の特徴を明かにして、この構造が適用できる場所が意外に 多いことを示す。3.1.3 項では単純振り理論による弾性方程式について詳細に説明し、

更に、振り構造が立体フレームとしても解けることを示す。 3.1.4 項では、曲げ振り 理論による弾性方程式について説明する。曲げ振り変形の特徴を明かにし、この影響が。

内力分布よりも、、 応力分布に顕著に現れることを示す。更に。有限要素法による解析結果 が曲げ振り現象を良く再現していることを示す。結果として、超大型ゲートの解析は有限 要素法による必要があるとの結論に到達する。添付資料3.1 −2 では振りに関する基礎 理論を。まとまっ た形で、示す。

3  .  監 郎 が  

7

(11)

とができる二つの案を示す。3.    2.   2 では波圧力の発生を避ける為に上段扉と下段扉を 逆に配置する案を示し。発生 が予想される下降力の低減方法を明かにする。3.2.3 で は、 上段扉の底板をトラス構造にして、波を扉体内に導き入れ、そのエネルギーを空気の 運動エネルギーとして消散させる案を示す。波圧力は浮力(下降力)と衝撃力の和として 扱うことができ、 衝撃力がO で浮力(下降力)が許容範囲内になる様に、 扉体上のの空気 孔の面積と配置を選定することが可能であり。叉、空気エネルギーに変換される波エネル ギーは50%  前後に達することを示す。3,2.4 項ではト ラス底板の構造的影響について 検証する。影響は振り特性と外板の有効巾に強く現れ、 その度合いを既存の計算式を使っ て推定するのに必要な修正方法を示す。

4 。1 節ば □ ーラとレールの接触面の強度 である。塑性領域での設計方法の考 え方 を示す。我が国は。この分野では、欧米 のレベルに達し ていない。4,1.2 項では、接 触面強度が非常に高い背景を静水圧応力状態及び材料の降伏に関する転位理論から説明し、

塑性領域での設計を促進する為にはこの領域での変形量と回転抵抗力を定量的に把握する ことが必要で、情報収集に当たっては熱処理と加工による硬化の影響に留意する必要があ ることを示す。4.1.3 項では静荷重と動荷重による変形量、及び、加工硬化及び熱処 理硬度と変形量の関係を示す。4.1.4 項では、塑性領域での回転抵抗力は通常値とピ‑

 ク値があり、両者は同じ式で算出できて、その相違は前者が弾性変形量に比例するのに 対し後者は弾性変形量と塑性変形量の和に比例する点 だけであることを示す。叉、この設 計手法が、開閉機能力の格上げに直接結び付くのではなく、水門扉の大型化と高圧化にも 寄与でき ることを示す。4.1.5 項では、設計手法が適用できる範囲を拡大する為には 多数ケースの荷重試験を行う必要があり、企業を越えた協力が不可欠であ ることを示す。

4.    2 節 ば 戸 当 た り 支 持 部 の 設 計 方 法 で あ る 。 戸 に 納 ま る ゲ ー ト の 戸 当 た り 周

囲のコン クリートの補強方法を示す。 4.2.2 項では従来の補強方法がコンクリートの 破敏モードと整合し ていない等の不合理な点を持っていることを示し、 アンカーボルトを 使わない合理的な配筋による設計方法を提案する。 4.2.3 項では、模型実験により、

新しい設計方法による戸当たりコンクリートの破壊モードが配筋の方向と完全に一致する こと、及び、水門扉の大型化と高圧化への対応余力が格段に拡大されることを示す。 4 .2

 .   4 項では、配筋層の水密確保を目的とした、マイクロ クラック巾の規制方法について

8

(12)

の 検 討 方 針 を 示 す 。

9

(13)

第1 章 外 部 条 件 算 定 精 度 の 向 上

1 . 1

水 理 的 上 下 向 力 の 机 上 算 出 方 法

(14)

目   べ

工.   1  水 理 的 上 下 向 力 の 机 上 算 出 方 法

1. 工.  1  研究テーマの位置付け と成果

1

1 1

1

1

2

水理的上下向力の構成

机上把握作業に適した上下向力の算式 2 ) 構成々分の説明

1 )部材浮力 2 )空隙浮力 3 )静的成分 4 )動的成分

4 −1 )動的成分(頂部)4

−2 )動的成分(底部)

3

1 )2

)3

1 .

(1 4

ダウンプル の小さい底面 形状 水理実験結果

圧 力 分布 からの考察 運動量変化 からの考察

水理的上下向力に影響を与える要素 部材浮力に影響を与える要素

(2 )  空隙浮力に影響を与える要素1

)頂板形状 2 )通水孔

(3 )  静的成分に影響を与える要素1

)リップ位置 2 )リセ ス

1.1‑ 2

頁 5

7 10 10 10 10

11 12

13 18 21

28

CO            CJJ2212

ro   CO

(15)

1

1

(4 ) 動的 成分に影響 を与える要素

1 )動的成分( 頂部) に影 響を与える要素 1 −1 ) 越流形 ゲート: 速度水頭形

1 −2 )高圧 スライド ゲート:圧力 降下形

1 −3 ) ゲート シャフト 内の高圧 ゲート: 水位 低下形2

)動的成分(底 部) に影 響を与 える要素 2 −1 )有効落差 の計算方 法

2 −2 )底面形状

2‑3 )水の流入方 向に 影響を与 える要素 3 )三次元的影響

3 −1 )扉体が呑 みロの下 流に設置さ れた例

3 −2  )扉体が ダム上流面 の呑み口面 に設置さ れ た例

1 。5  水理的上下向力の机上算出手法

(1 ) 机上算出手法の基本的考え方

(2 ) 扉体の分割模型

(3 ) 形状要素の独立性

(4 ) 模型実験

1 )二次元水路の形状要素に関する実験2

)三次元的影響に関する実験

3 )机上算出手法の改善に関する実験

(5 ) 机上算出の手順

1 6  ま と め

添付資料 工.:I −1 添付資料1.1‑2 添付資料1.1‑3

§ p 静・dX の演算詳細

扉体操作に伴う扉体の内部水位の変化の遅れ 円形呑み口の前に設置されたゲートの有効落差

の算出方法

1.1‑ 3

34CT}

             CO

35 38 39 40 48 49 54 55 57

61 62 65 66 67 71 72 73

74

75 78 80

(16)

添付資料 ユ..工‑4 添付資料1. エー5

二次元分割模型による水理実験データ 参考文献

1. 卜4

頁 肘

91

(17)

1

工  水 理 的 上 下 向 力 の 机 上 算 出 方 法

1 1  研 究 テ ー マ の 位 置 イ寸け と 成 果

水門扉 の大型化と 高圧化 に伴い、こ れに作用する 水理的上 下向力 は大きくなり、その大 きさ の正 確な把握と 低減が重 要となる。 水理的上下 向力 は扉 体の開度 に応じ て複雑に変化 し、又、扉 体の形状 と水理的 条件により 様相が一変 する。こ れを解明す る為の研究や実験 が数多く行わ れてい て、有用な成果* 1が発表さ れ てい る。研究対象は特定のプ ロジェ クト や限 られた条件変化の中での水理力に関するものが多い が、 数値的結果をより広い範囲に 適用することを意図し て、無次元化や計算事例などを取り 入れ たものも多く見られる。水 理的上下 向力を把握する為の一般的手 法の確立を意図し た研 究もあ り*2、叉、 個々の研究 を関連付ける為の研究も見られる*3.

筆者は水門 扉の設 計者とし て。 永年、こ れら の研 究成果 を利 用させ て頂く立場にあっ た。

実 際に多 くのプロ ジェ クト で研究成果 の恩恵に浴するこ とが できたが。その反 面、 ニーズ が満 たされない面もあった 。これ らは次の様に要約 でき る。

①水門扉の形状や置 かれた条件が研究ケ ースと 異なる場 合が多 く、 結果的 にプロ ジェ ク ト別 の模型実験が必要になることが多 かっ た。

②使用さ れ ている ダウンプ ルカ 、 ダウンプル 係数、 圧力 水頭、有効落 差等の基本量の 定義が異なっ ていて、研究成果の適用の仕方 に画一性 が欠ける面があっ た。

③水門扉の水理的 上下向力 は条件によっ て千差万 別の外観 を呈し ているが、こ れらの全 体像の把握が困 難であっ た。 研究論文の数がま だ少なく、 全体が体系化さ れる迄に至 っ てい ないのが実情と考 えられる。例えば全く 様相 の異なる高圧ゲ ートと 河川 ゲート の関 連が明確にさ れてい ない。

設計作業 では、調和し た設計結果を得る為に、 限られ た時 間の巾 での試行m 誤的繰り返 し が必要 になること が多い 。水理実験を鉛筆と 紙を使用し ての机上 作業 に置き換えること

*  1

*2

*3

例 :文 献(12)     (54 ) 。台 考 文献 は 添 付資り 】.    1   ‑5!C 示さ れ てい る 。 例 :文 献(13) 〜 い6)

例 :文 献(lO 〜(1? )

1.1‑ 5

(18)

ができるなら、設計内容の質的向上と時間及びコストの節約が期待できる。机上作業の方 法は各種の水門扉の総ての水理条件に画一的に適用できる共通した手法であることが望ま しい。手法は手法を運用する人々の平易な基礎的知識の上に築かれる必要がある。

水門扉は種類が多く、設置場所は河床・ クレスト叉は放流管・放水管・取水管の上流面

・中間・下流面などあり、作用する水圧は数メートルから百数十メートルに達し、自由流 出状態もあれば潜流状態もあり、完全越流状態もあれば潜せき状態もある。この様に千差 万別な水理的上下向力を把握する為の画一的手法はこれらを体系的に理解しようとする努 力の中で生まれるのではないかと考え、筆者がこれ迄に手がけた水理実験の結果や内外で 発表された研究結果を見直した。その結果として、設計者の目から見た水理力の全体像を 描き、ダウンプルの小さい底面形状について筆者独白の考え方を示し、有効落差と形状係 数に関して情報を整理し、扉体の二次元分割模型シリーズを中心に据えた水理的上下向力 の机上算出手法の考え方をまとめた。手法の細部についてまだ完成されてない部分を残し ているが、机上算出は、既に。実用化段階にある部分もある。本節ではこの手法につき、

殼構造口−ラゲートと高圧ゲートを題材として、下記の4 項目に分けて論ずる。

け )水理的上下向力 の構成

(2 ) ダウンプル の小さい底面形状

(3 )水理的上下向力 に影響を与える要素

( 引 水理 的上下向力の机上把握手法

尚。説明の中で著者以外の方の研究報告にある実験・解析データを多数使用させて頂いた

が、その都度、出典を明らかにした。叉、本テーマは流れの定常状態における水理的上下

向力に関するものであり、水理力の周期的変動や定常状態に達する過程での変動水理力は

対象としていない。

(19)

1 2  水 理 的 上 下 向 力 の 構 成

(1 )  机上把握作業に適し た上下向力の算式

一 様な2 次元流 れの中にあ る扉 体が流水から受 ける上下向力(F ) は扉体の外面 に作用 する水圧力(P 外) 及び内面 に作 用す る水圧力(P 内)の上下方向成分を扉 体表面 に沿っ て 積分し た値 である(以下単位 巾の扉 体を 考える)。こ れは、X 軸を水平軸とする 直交座標 を用 いれば、 次の式 で表現できる。式中のf は扉体 の部 材表面に沿っ た周積分を表す。

F § p 内・d  X  −I  p  タト・d  χ (1)

扉 体 内 部 の 流 速 の 水 圧 力 に 対 す る 影 響 を 無 視 す る と 。 第 工項 の 積 分 結 果 は 次 の 式 と な る 。

§ p 内・d  X  =扉 体内の水の重量 (2)

扉体外部の水圧力は扉体回りの流速の影響を強く受 けるの で、 第2 項の 積分 を行う為に、p 外を流水の静止時の圧力(P  ≪)と 流水の流れによる圧力降下量(p  勧)に分ける。即ち、P

 外=P  SI−P  勧      (3 )

こ れ を(1 ) 式 の 第2 項 に 代 入 す る と 、

§ p タト・d    X §   (p り −p  sヵ) ・d  X  こ # P  IIP "   d χ − § p  iヵ・ d χ  ‥ ‥ ・(4)

式(4 )の第1 項を積分するあ たっ て、扉体の形 状と水位 が図 工。1.  ‑  1 に示される関 係 にあるとする。リップ(A 点 )よ り下 流部分に作用する水圧力[PD') は静水頭HD' に支 配さ れていること* 1を考慮 に入れ、流水 の単位 体積の]傲量を アとし て、 積分を行うと次の 式が得 られ る(詳細は添付資 料1.1‑1 によ る)。

§ p  jij ・  d X  =扉体排水量 −y  ・面 積BC。EFB        (5)

*1 文 献( \)の3.2.2 沼 を 参 照

1.1‑ 7

(20)

式(5) の第2 項は静水位HU 及びHD' と扉体形状から決まる成分であり、これを次の様に 定義する。

静 的 成 分 =r  ・ 面 積RC 。EFB (6)

式(4 )の第2 項は流水の流れに 直接起 因する成分 であり、こ れを動的成 分と定義し 、更 に 扉体底部と扉 体頂部に作用 する成分に分け る。即 ち、

動的成分=§ IP 6が・d  x =動 的成分(底部 一頂部)

式(2) 、(4) 〜(7) を 式(1) に 代 入 す る と 、

F = 扉 体 内 の 水 の 重 量 一 扉 体 排 水 量 十 静 的 成 分 十 動 的 成 分

‥ ‥・(7)

‥ ‥・(1‑1)

式(1‑1 )の第2 項と第1 項の差は扉体内の空気 で占め られた空 間の浮力( =空 隙浮力 )と 部 材の浮力 の和に等し い。即ち、

扉 体 内 の 水 の 重 量 一 扉 体 排 水 量 = − ( 部 材 浮 力 十 空 隙 浮 力 )

式(7) を 式(1‑1 ) に 代 入 し て 次 の 式 が 得 ら れ る 。

(8)

F =動的成分 十静的成分 一空 隙浮力 −部材浮力

動的成分を、式(7) に従い、底 部と頂 部に分け て、 式(ト3) が得 られる。

F = 動 的 成 分 ( 底 部 一頂 部 ) 十 静 的 成 分 一空 隙 浮 力 一 部 材 浮 力

‥・(1‑2)

(1‑3)

式(1‑3)は千差万別な水門扉の水理的上下向力の構成を一般的に表現していて、その大きさ を机上で把握するのに適した表現である。尚、式の右辺の各項は、静的成分を除き、常にO

又は正の値をとり、静的成分は正と負の聞を変化し、下向きの場合が正である。式全体1.1‑

8

(21)

は 下 向 き 力 の 場 合 が 正 の 値 に な る 。

記号の説明

HU  :上流水位(=静水頭 十速度水頭)HD

: 下流水位

HD : 扉体の下流面 に接する流水の水位 

( =下流直後水位)

A 点: ゲート リップ

B 点:扉体外面と下流直後水位面の交点 HUC 点:頂板の下流縁

D〜G:A 、B、C 点を通る鉛直線が上下流 水面/その延長線と交わる点。定

義は右表

による。

A B C

HU E D G

HD' F

注記 1. 下 流直後水位HD' の大きさ: 開度=0 の時 開度≠O の時

図1.  1.  ‑  1

1.1‑ 9

E

自由流出なら 潜流状 態な ら

D G

HD ″=HDHD'  =OHD'

≠0

(22)

(2 )  構 成 々 分 の 説 明

水理的上下向力が動的成分、静的成分、空隙浮力、部材浮力の4 個の成分で構成され、

更に、動的成分が底部の流れと頂部の流れに起因する成分に分けられることを項目(1 ) で示した。本項目では、各構成々分の説明を通して、この表現方法が力の大きさを机上で 把握するのに適していることを示す。叉、動的成分(底部)をダウンプルと定義し、この 大きさを左右する扉体底面の形状選定が水理的上下向力の大きさに関する中心的課題であ ることを示して次節につなげる。

1 )部材浮力

扉体の構成部材が流水を排除することにより発生する浮力で、その大きさ には上流水位 面より低い位置にある部材を総て含む。

2 ) 空 隙 浮 力

扉 体 内 部 の 空 隙 部 分 が 、 流 水 排 除 に よ り 。 浮 力 を 発 生 さ せ て い る と 見 な す も の で 、 河 川 や ダ ム ク レ ス ト な ど に 用 い ら れ る 殻 構 造 を 採 る ゲ ー ト に 固 有 の 成 分 で あ る 。 桁 式 ゲ ー ト で は 扉 体 内 部 が 存 在 し な い の で こ の 項 は 欠 落 す る 。 扉 体 が 上 流 水 位 面 か ら 突 き 出 て い る 場 合 は 、 こ の 部 分 を 空 隙 計 算 か ら 除 外 す る 。 机 上 計 算 を 行 う に は 扉 体 の 内 部 水 位 を 知 る 必 要 が

ー あ る が 。 こ れ は 実 験 デ ー タ と し て 用 意 す る 。

3 ) 静 的 成 分 ( 記 号 の 定 義 は 図1.1‑1 に よ る )

上 下 流 水 位 の 差 に よ り 発 生 す る 静 的 な 上 向 力 、 又 は 、 下 降 力 で あ る 。 二 つ の 剥 離 点 を 移 動 す る こ と に よ り そ の 量 が 変 化 す る の で*1、 上 下 向 力 の 調 整 に 利 用 さ れ て い る 。 後 面 止 水 の 高 圧 ゲ ー ト が 半 開 状 態 に あ る 時 に 上 部 の 止 水 構 造 に 作 用 す る 下 降 力 は こ の 成 分 の 変 形 で あ る 。HU とHD の 差 を 、 扉 体 背 面 に 沿 っ て 、 底 部 剥 離 点A ( ゲ ー ト リ ッ プ ) か ら 頂 部 剥 離 点C    (JI 板 下 流 縁 ) 迄 積 分 す る こ と に よ り そ の 量 が 得 ら れ る が 、 そ の 内 容 は4 個 の 要 素

(HU 、HD ≒A 点 、C 点 ) の 位 置 関 係 に よ り 様 変 わ り す る の で 、 添 付 資 料1.1 −1 の 中 で 、 積 分 方 法 及 び 積 分 結 果 の 適 用 事 例 に つ い て 詳 し く 説 明 し た 。 机 上 計 算 を 行 う の に 下 流‑

宋1添 付資 料 に 1 −1  を 参 照

1.卜 10

(23)

が 必 で あ は 実 タ と 。‑

4 )動的成分

扉体表面の水圧が、上流水頭による静圧力状態であったものが、水の流れの影響を受け て減少し、結果として発生するとした見かけの上下向力である。前項迄の説明で使用した 扉体の豊艶丞位及び下流直後水位も水の流れの結果であるが、これ等を動的成分から切り 放して別扱いにすることにより。より広い自由度を持った机上把握手法の実現が可能とな る。

4‑1 )動的成分(頂部)

水の流れの扉体頂部への影響は様々な形が考えられるが、結果は常にアップリフトであ る。即ち。

①扉体頂部を越える流れ(越流)による上向力は圧力降下量を頂板に沿って積分した値と なるが。流れに剥離が存在しないならば、それは頂板上の速度水頭を積分した値にほぼ 等しいと考えられる。

②ヶ−ジンクに納められた後面止水のスライドゲートは、頂部止水が中間開度で有効であ るならば、扉体頂部を越えた流れは発生しないが、扉体の上流面と水路天井の隅部で渦 流が原因と考えられる圧力低下が発生する。この分だけ扉体頂部の圧力が減少すると考 えられるので、上向力はこの圧力減少量に比例する。頂部止水が中間開度で有効でない 場合にはヶ−ジンクへの水の流入と流出が起こり、その量が釣り合う点迄ヶ一ジンク圧 力が降下する。

③管水路のゲートシャフト内では、ゲートが後面止水で中間開度にある時、扉体と上流壁 面の間隙からの水の流入と扉体と下流壁面の間隙からの流出が同時に起こり、流入と流 出がバランスした点迄水位が低下する。扉体頂部の圧力はこの分だけ低下するので、上 向力は水位低下量に比例する。扉体頂部を越える流れも発生するが、圧力への影響は二 次的であると考えられる。

①のケース及び②で頂部止水が中閥開度で有効な場合は上向力を実験データとして用意す る。②で頂部止水が有効でない場合及び③のヶ−スでは、机上算出の途はあるが、より 具体的な吟味が必要であるので1.1.4 小節で論じたい。

4 −2 )動的成分(底部)

1.1‑ 11

(24)

扉体の底面に沿う水の流れが扉体を下方向に引き込もうとする力であり、本論文ではこ の力を ダウンプル と呼ぶ(文献により使い方が異なっているが)。ダウンプルは水理

的上下向 力を構成する成分の中での主役 である。 その大きさ は圧力降下条を底面 に沿っ て 積分し た値 となるが、流れに剥離が存在しないな らば、 それは速度水頭を積分し た値とほ ぼ等しいと 考えられる。ダウンプルス は ダウンプ ル算出 が可 能なデ ー タを実験 で用 意す る、

水理的上下向力の構成々分はその名称が示す物理的意味を持つ以外に。扉体上の各部位 に作用する水理的力をも代表している。即ち次表に示す様に、構成々分はそれが作用する 部位と1 対1 の対応が付けられている。この点も式(1‑3)で示す表現方法が力の大きさを

構 成 々 分 名 称 作 用 す る 扉 体 部 位 備    考

部 材 浮 力 構 成 部 材

空 隙 浮 力 内 面

静 的 成 分 外 面 ( 上 下 剥 離 点 の 下 流 側 )

動 的 成 分 外 面 ( 上 下 剥 離 点 の 上 流 側 ) ア ッ プ リ フ ト 扉 体 頂 部

ダウンプル 扉 体 底 部

把握するのに適している理由である。即ち、部材浮力、空隙浮力及び静的成分は

扉体の形状が決まれば算出可能であるので、一組の実験データで扉体形状を或範囲で変化 させた検討が可能となる。このことは扉体の内部水位及び下流直後水位を動的成分から切 り放したことと無縁ではない(4 )項参照}。更に、動的成分に関する扉体頂部と扉体底 部の実験データの自由な組み合わせで自由度が拡大される。

水理的下降力の主役はダウンプルである。これに対して、空隙浮力と動的成分(頂部)

はこれを減殺する効果があり、静的成分はこの量を調整する機能がある。従って、小さな 下降力を得る正攻法はダウンプルを低滅することであり、ダウンプルの大きさを左右する 扉体底面の形状の選定が重要な課題である。

1.1‑ 12

(25)

1

3  ダ ウ ン プ ル の 小 さ い 底 面 形 状

ダウンプル(動的成分(底部))の大きさは扉体底面の形状に左右される。本節では、

先ず、底面形状の模型水理実験の結果によりこのことを示し、次に、ダウンプルの小さい 底面形状の条件につき、水圧分布及び運動量の両面から考察を加える。

け )水 理実験結果

対 象ゲート は発電 用 ダムの余水吐き オリフ ィス上 流面 の水 路底に設置さ れた非 常締切用 兼保守用ロ ーラゲート で。扉幅が12m 、 扉高が16m 、 最高発電 水位と クレスト面 の標高差 が33m 、 ゲート自重 が約180 ト ンであ る。20分 の1 の3 次元模型を 用い て、フル ード の相 似 則が満たさ れる 様水位を設定し 、ダウンプルを計 測し た。計測方法 は、 バラン スビ ーム を介したロ ードセルーを 用い た。 扉体の支持方法は、ロ ーラでなく、上流より水平 に張られ たワ イヤーによる方式を用い て、 摩擦影響 の排除を計っ た。扉体頂部の流れの影響は無 視 できる程小さ いと考 えた。ロ ード セル の読みは扉体 が水中 にセットされ た状態をO 点位 置 とした。以上 の配慮が適切であ っ たことは、底部水圧の計 測結果から算出し た ダウンプル の大きさ とロ ード セルの読みがよ く一致することにより、 確認 でき た。

実験の対 象となっ た14 種類 の底面形状の諸元 と実験結果( ダウンプル の最大値) を表 ユ。。1

−1 に示す 。底面形状群 は基本 シリー ズと修正 シリーズから成る。扉体底部は、 水理的 機能から、図1.1 −2 に示す 導入部、 底板及び ゲート リップ に区分できる。基本 シリ ー ズは、底板 が水平( θ=O )で、導入部と

記 号 修  正  内  容

A 底 板 を 傾 斜 さ せ . リ ッ プ を 残 さ な い B 底 板 を 傾 斜 さ せ . リ ッ プ を 残 す C 底 板 を 曲 面 に す る

D 扉 厚 さ を 減 ら す

以 下は 又 む(2) に 示 さ れ る実 恥 砧累 つ 衣 明 で あ ろ。

リップが変化 する。修正 シリ ーズは 基本 シ リ ーズの形 状に左表に示す4 種類 の修正を 行っ たも のであ る。表1.  1 −1 に示され る 修正 シリー ズの模型NO は基本 シリ ーズの ど の形状 にどの修正をほ どこし たかを示し

1.卜13

(26)

1 ‑ ‑

1 I― ・

名 称 水平底板(0  =0 、r と1 を変化) 注  記

模型NO 1  1  2  1  3 4  1  5 模型の関係

1.記号

記 号 奴 明t:

ゲ ート 淳 み

形 状

心   ̲

\] 《《

W● l

ノ    5

a.60.6

1  /tB.40.30.2

4

2  * 3

1

1/t 0.33 0.57 0.5 0.65 0.7

r/t

0.2 0.2 0.56 0.5B 0.35

a (゜)

21.5 33.3 38 45 41.4

or゜) 0 0 0 0 0

a.2 a.3  a.4  0.6  0.6  B.T

■ 〆・r/t

ダウン

プル 520 トン 377 トン 286 トン 224 トン 232 トン

名 称 傾斜底板リップ無(A ) 傾斜底板リップ付き(B ) 曲線底板 に )

減 少 扉l

(D )    S

模型NO 2 Λ 4A 4AB 5B1 5B2 3C 4C 5B1D 5B2D

形 状

` \ ノ 《 ソ△ ノヨ

11  .   1 2  t

1/t O    頌 0.1 0.45 0.3

0.5 0.3

r/t 0.2 0.4 0.4 0.35 0.35 0.56 0.56 0.4 0.4

a ( ゜)

33.3 45 48 41.4 41.4 38 45 45.4 45.4

o(゜)33.3 45 45 19.1 28

1 ‑       ‑ I

11    :  29 ダウン

プル 4  5 6 トン 288 トン 224 トン 2 04 トン 19 8トン 261 トン 199トン 200 トン  4トン 18

表 工 .エ ー1  底面 形 状 と ダウン プ ル 最大 値

(27)

見回 烋

図1.1 −2

基本 シリ ーズのダ ン プ ル

ている 。最後 の番 号は シリー ズ番 号である(表 中の注記 欄参照)。

このシリーズは導入部の曲率半径(r )とゲートリップの高さ(1 )の影響を把握するこ とが目的であり、底板は水平である。各々の模型の関係も表に示されている。模型1 がシ リーズの出発点である。放流用コンジットの上流面に設置される非常用ゲート用に開発さ れた標準形状で小さいダウンプル係数と高い構造効率が特徴であったので、この形で水理 実験をしたところ従来の値よりはるかに大きなダウンプル値を示した。模型2 〜4 は模型1

の改良型である。模型5 はダウンプルを犠牲にして構造効率を高めた形であり、後でB

C

ほ   0 4

BBT‑'X‑'C^tf

02

01

ゲ‑ ト 形 状 符号 r/( r/l

十X

0.20.20.560.560.350.330.570.50.6507

20 40

£eF

リップ凋 ・(・J

図1.1 −3  リップa   が ダウ ンプ ルに与 える影響

による修正 を予定し ていた。r 及び1 と ダウンプル との定性的関係は良 く把握さ れてお り

表 に 1 −1  参 照

1.1‑ 15

(28)

1

、実験結果は全くその傾向と一致している。図1  .1 −3 は横軸をリップ角α 2 として ダウンプルの最大値をプロットしたもので、r 及び1 のダウンプルに対する影響はこの角 度で近似的に代表できることを示している。参考としてこのグラフにはNaudascherの高圧

スライド ゲートに関する実験結果゛3 も示し た。

修正シリーズのダウンプル

1 )傾斜底板リップ無し(修正A )

模型2  A 及び模型4  A は模型2 及び模型4 の底板を傾斜させてリップ先端まで延長した 形である。底面に沿った流れの剥離が著しく改善されている(4A は剥離は発生してい ないと考えられる)にも係わらず、ダウンプルは大きく増加している。尚、模型4  A と 模型4 のr は異なっているがαが同一であり、基本シリーズでのαに関する結論が適切 であるならばr の差は無視できる。

2 )傾斜底板リップ付き(修正B )

リップを残した状態で底板を傾斜させた形状である。模型4 から模型4A へと著しく増 加したダウンプルは模型4  AB でのわづかなリップの追加により元の値に戻っている こ とは驚きである。模型5 から模型5B  1 、模型5  B 2 へと底板傾斜(θ)を増していくと、

ダウンプルは減少を続ける。更に底板傾斜を増していくと逆にダウンプルが増加に転じ、

リップ(1 )が無くなった状態で最大値に達するであろうことは、模型4 のシリーズのダ ウンプル値の結果から。明かである。底板傾斜とリップの組み合わせにはダウンプルを極 小にする最適値が存在する。図1.1 −4 は9  /a を横軸にダウンプルと9  =0 の時のダ ウンプルの比(F /FO )をプロットしたものである。従って、実験結果ではθ/a  =0.6

〜0.7の聞に最適値が存在し、模型5  B 2    (θ/α=O.68)¨ はその範囲に存在する。

" ≫』えば 文 献(!) や(13) J2

I 3

表I. 1  −I  参 照 文 献(13)

対 象ダ ム の 実 施 設 計 で はこ の 形 が 採 用 さ れ た 。 構 垣 効 ぶ 、 工 作性 、  ダワ ンブ ル の3 面 か ら 評 価 し て 、 愚良 形 と 判 断 さ れ た 。1.1‑

16

(29)

5    0    51    1    0

ofo/o%m^'A−A

町。

図 工 。1 −4  ダ ウ ン プ ル を 極 小 に す る θ /a

3 )曲線底板(修正C )

模型3C 及び模型4C は模型3 及び模型4 の底板を、導入部に接しリップ迄達する円弧 で置き換えた形である。底板部が導入部に接続する付近及び底板とリップの隅部に存在す ると考えられる流れの剥離改善を狙った。ダウンプルが著しく減少し たので狙いが的中し たものと思われる。  しかし。模型5 のシリーズの改善結果を見れば、3  B 及び4B の修正 によりもっと大きな改善が期待できる。興味深い点はこれらの改善模型では底板とリップ の隅部に確実に流れの剥離が存在するであろうことである。

4 )減少扉 幅(修正D )

模型5  B ID 及び 模型5  B 2 D は模型5  B  1 及び模型5B  2 の扉幅を、導入部の上端で80

%迄に 絞った形 である 。 r及び1 に若干の 相違があ るので ダウンプルの厳密な比較は でき ない が、m 帽を絞った影響 を知るこ ができる 。模型5  B  2D は、r と θが原型に対し てダウンプル を下げる方向に変化し てい るにも関 わらず 、 ダウンプ ルの大きさ は扉幅に比 例し て減少し ていない。

以上の結果は流れの剥離が少 なくな ればダウンプ ルが改 善されることを示しているが、

同時 に、もっと大きな要因が存 在すること を示し ている 。

L 1‑ 17

(30)

18

(2 )圧力分 布か らの考察

前項の実 験結果 でも明か な様に、 ゲート リップ は扉体底 面 の圧力を大きく押し上げる 様 機能し てい る。底板と リップ のコーナ近辺 での圧力上昇 は。 理想流体につい て等角写像 で 得 られた、 流線の間隔(図1 .1 −5 ¨ 及び5 ・2)からも 理解 できるが、底面 圧力の実測 結果 によれ ば 3 、圧力上昇は導入部迄及 んでいる 。即ち、 リップ による底面圧力の押し 上 げ は ダウンプルの非常に大きな改善要 因である。

丿

a

図1. エ ー5  コ ー ナ 部 流 線 図1 .1 −6  コ ー ナ 部 流 線

流れの剥離は圧力上昇部分で起こり、結果的に圧力回復が妨げられる。このことはダウ ンプルを大きくする要因である。適切に選定した底面形状では流れの再付着が起こり、圧 力は本来の値近く迄回復すると考えられる。即ち。剥離による ダウンプルの増加は流れの 再付着により押さえられる。図1.1 −7 はこれを示す資料で、Naudascherが文献< 4で用 いた底面圧力のグラフの一部を再現し、流れの剥離域と再付着域を記入したものである。

圧力分布と底面形状を関係付ける為に、底面形状と計測点をグラフと対応させて載せた。

レイノルズ数は2.0×10^で乱流域にあるmm 点の直前迄が乱流域となる臨界値は1.3×1

了I 了2 了3 X  A

文献(59) の1141 文献(59 )のH7 百 文ltd) の図一8 文献(!3)

1

(31)

0^である)。この資 料はリップ の無いケ ースで、流 れの剥離は底板の導入部側で発生して いる。リ ップ があ る場合は同じ 現象が底板とリップ のコーナ でも発生 していると考 えられ る。再付着 はリップ背 面で起こ る。以上 に述べた二つの要 因、 即ち、剥 離と圧力押し上げ、

はダウンプル に対し 相反する方 向に作 用するので、その差 が結果とし て現れる。そして再 付着を伴っ た剥離よりも圧力押し上げ の効果が逍 かに大きいと考えられる。

補足説明1 : 底面圧力と前節で定義した圧 力との関係は下記の通りである。

底 面 圧 力 = (P 静−pD' ) −p

補足説明2 : 有効落差と 前節で定 義した 圧力 水頭との 関係は下記 の通り であ る。

有 効 落 差 =HU − HD =V  C^ ÷2g  自由流出の時 はHd は縮流部の最小厚さ

となる。 vcは縮流部の最大速度である。

参 考 : 圧力 計 測 には 流体 と し て 空 気が 使 用 さ れた 。実 験 結 果 は 厳 密 に はram 状 態 に 有 効 であ るが 、 高 圧 ゲ ート の 場 合 は 対し て 、

完 全 釧 麗 の 状 態 で な い限 り 、 自 由 流 出 に 適 用 し て も 大 きな 差 は 生じ な い と 説明 さ れて い る( 参 考 文 献(13) の1T6 頁 ) 。

t

y       ^1 )1      ………r = 0 .   4 t

………  6 7 8R

止 マリ       A     9

匹]

底 部 形 状 と 計 測 点

○ は 計 測fll 、 数 値 は 計 測 点 番 号 を 示 す 。2.

   r は 流 水 の 比 重3.

   Re=2.    0 ×1   05 ` `

リl0.6 10.43.2L

沃0‑0.20.4 1

、し/ぶ卿一s8' 再 付 着 /i!

cぐ /7

●9一 9

V

y

rr ‑4‑,な減 磁

力 磁

く … …

丿T・/I

・均 一 的 圧 R 止 マリ:

0.2 底 面 圧 力r

・・ 有 効 落 差0

0 a.2

図i.  1‑7  流 れ の 剥 離 と 再 付 着

1.1‑ 19

a.4   8.6 底面 上の 位置

8.2 9

(32)

修正 シリー ズの実験結果につい て、以上 の二つ の要因 の差し 引きで、説明を試 みた。

コ ーナ部 の剥離及び、多分、底板部の剥離が消え たにも係わ らず、 ダウンプ ルが大きく増 加し たのは、 同時にリップ による強大な圧力押し上げ効 果が消 えてし まっ たからである。

模型4AB でわづ かなリップ の追加により ダウ ンプ ル値 が元の値に戻っ たのはリ ップ の圧 力 押し上げ がコーナ部 で発生し たと考え られる剥 離に比較し浪 かに効果 が大き いことを示 す。あ るαイ直に対し て底板傾斜角 θを増加し て行 くと剥離 によるダウンプル とリップによ る 押し上 げ力 が減少するが、a と θの組み合わせ に最適値が存 在する のは、 θが増えるに 従 い剥離要因の変化率が増加 するのに対し 圧力押し上 げ要 因の変化率 が減少す るの で、押 し上 げ方 向の力に極大点がある からである( θの増加 に伴い底板圧力が若干増加 するであ ろうことも 関係あ る) 。

曲線底板(C ):

曲線底板 が最良案でない原因は直線リップ の圧力押し 上げ 効果が曲線リップ を上回り、コ ーナ部の剥離 によるマイナスを補っ て余り有るか らであ る。

ダウンプ ル(=動的成分(底 部)) の大きさ は、 流れ による 圧力降下量(pi ヵ)を扉 体底 面 に沿っ て積分し た値 であると前節で定義し たが、P  it]は、 理想流体な ら、速度水 頭X 流水 の比重に等し い。即 ち、V を流速、g を重力加速度、 他 の記号は前節で使用し たも のを 用 いると。

ダ ウ ン プ ル = ∫ y ・ 洽

底 面

d    X ( 但し、理 想 流体 の場合)

流水は扉体底面下で底面形状と河床形状の影響を受けて加速/滅速されるが、底面を離れ る時の最終流速は扉体前後の有効落差が与えられれば大体定まった値となる。従って、ダ ウンプルを小さくする底面形状は流水が最初は単調且つ穏やかに加速され底面の終点近く で一挙に最終流速に達する様なものが理想である。このことからも底面圧力を大きく押し 上げることができるリップの存在は良き底面形状の不可欠の条件であることがわかる。導 入部と底板の形状ついては無数の可能性が考えられるられるが、製作し易さの面から導入 部は円弧、底板には直線が唯一の選択枝である。従って、模型5  B が扉体底面の一般的形 状を表していて、導入部半径r 、底板傾斜角∂及びリップ角a の3 点が選択の対象となる1.1‑

20

(33)

が、その範囲は構造効率の面か ら大き な制約を受 ける。

以 上の圧力面か らの考察 の結論は次 の通 りである。

ダウンプルが小さい底面形状の条件はr 、θ及びαが、構造効率面から受ける 制約の範囲内で。次の条件を満たすよう選択されていることである。

①急激な圧力降下と上昇が無い。

②流れの剥離が再付着し ている。

③リップの圧力押し上げ量と剥離による圧力低下量の差が極大である。

(3 ) 運 動 量 変 化 か ら の 考 察

次に視点を対象から遠ざけ、運動量変化から考察を行う。扉体底面の形状によりダウン プルが減少するのは流水が扉体底面の影響を受け運動量変化を起こしているからである。

図 工。エー8 はこの仮説を説明する為のも

ので、模型4  A から流出す る水の運動量をa

 b とすれば、模型4  AB から流出する水 の運動量は、 ダウンプルの 減少量に応じ方 向を下方 向に変えるの で、a  c となるとす ると、運 動量変化はベ クト ルb  c となり、b

 c の垂 直方 向の分力b  d が垂 直方 向の運 動量変化量 で、これに応じ た力を扉 体底 面 が上方向に受けて ダウンプ ルが 減少すると 考 えることが でき る。 運動 量が方向を変 え れば 縮流係数に影響 が出る。そし て、方向

哨 型4  AB

ま 川 りい

b

、叉 言

C

図1.1 −8  運 動 量 変 化

の変化量と縮流係数の変化量の間には単純漸増関係が存在する筈である。方向の変化量をb  d の速度成分V 。(スカラー量)と扉体を離れる流水の水平方向の流速VH の比率で表す こととし、方向変化量とダウンプルの関係を求める。ダウンプルの滅少量を△ダウンプル とし、上図の説明に従って式で表すと、

1.1‑ 21

(34)

△ダウンプル=b  d のスカ ラ量=密度・流量xVw   (9 μ

縮流係数の変化量を△縮流係数として次の様に定義すると、鉛直刃型ゲートのダウンプル

△縮流係数=対象ゲートの縮流係数一鉛直刃型ゲートの縮流係数 ‥‥・(10)

はO であるから、△ダウンプルはダウンプルに等しくなるので、式(9)を書き改める。式

ダ ウ ン プ ル = 密 度 ・ 流 量x  Vbd ‥ ‥・(11)

(11) を 用 い て 運 動 量 の 方 向 変 化 量 と ダ ウ ン プ ル の 関 係 が 次 の 式 で 与 え ら れ る 。 縮 流 係 数 を

Vbd  密 度 ・ 流 量X  Vbd   ダ ウ ン プ ル 運 動 量 方 向 変 化 = − =

VH  密 度 ・ 流 量xVH  密 度 ・ 流 量X  VH

(12)

Cc 、縮流部の最大速度をVc で表し、 他の記号は表1.1 −1 の定義 のも のを用い、叉 、 流れが2 次元 的であると仮定し て次の表 現を使用し 、式(12) を変形して式(13) が得られる。

VH 二Vex Cc

流量= ゲート 開度X C  c X Vc 比重=密度X   g

運 動 量 方 向 変 化 =

ダ ウ ン プ ル

2 ゲ ー ト 開 度X Cc^x 比 重X Vc /(2g )

‥・(13)

ダ ウ ン プ ル 係 数Cd を 次 の 様 に 定 義 す る と 、 運 動 量 方 向 変 化 と ダ ウ ン プ ル 係 数 と の 関 係 を 与

ニュワ ート シ の 雨2 法 則

(35)

Cd =ダウ ンプル 係数=

え る 次 の 式 が 得 ら れ る 。

運 動 量 方 向 変 化 =

ダ ウ ン プ ル

t   X 比 重X Vc /(2g )

Cd

2ゲート 開度/t X Cc^

(14)

‥・‥(15)

図1. エ ー9 〜1  1 は 運 動 量 方 向 変 化 量 が 縮 流 係 数 の 変 化 量 と 相 関 関 係 を 持 つ こ と を 検 証

運動量方向変化

r/t=0.4, YB/t=6, e/=a (A三>, θ=8(BΞ〉

4勧斎方回花 itiiM万向R化

1 . 0

1 . 4

l . Q

1

0 . 8

0 . 6

0 . 4

0 . 2

9

9      0.2      e.4

△縮流係致

口 ≪20!澗 度  十 ぼぶ 同度 o fi80^; 度  △B20>.屁 度 X  B6ぶ 開 度  ∇B8e ぷ 度 図 工 . エ ー9  運 動 量 の 方 向 変 化 ( 高 圧 ゲ ー ト )

蓮1カ最方 向変 化

∂ 毒O、rべ=a.J、レl ぺa、Y3/t=表 示仙

3.5

・J.J

0.3

0.2

3.1

9

ぶrsi乱弓j

図1  .   1 −10  運動量 の方 向変化( 高圧ゲ ート)1.1‑

23

図 八 工一5  6 頂部模型の水理力(2 /引1.1‑
表 層 層 層躍 躍次は︼又⁝⁝ ⁝ ⁝ ⁝VA ⁝ ⁝ ⁝ ⁝ ⁝ ⁝ ⁝ ⁝ ⁝ ⁝⁝ i 中 層 寸 深 層 H  W  L L  W  L 取 水 □ 図1.2 −4  貯水池の密度成層 の定義 理論に対 応する表層内取水につい ても論ず る。 1.2‑ 9 標高 水す るのに必要な設備 の呑み口寸法 に付き論ずること である。 外部条件であ る密度成層 の姿 は、以 上に説明し た様に、 種々の要因か ら影響を受け て複雑 に変化するが、夏季 に於け る姿を基本形 状と考え て論文 の目的に合わせ

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