水門扉の大型化と高圧化に関する研究
著者 寺田 溥
学位授与大学 東洋大学
取得学位 博士
学位の分野 工学
報告番号 乙第99号
学位授与年月日 1997‑03‑10
URL http://id.nii.ac.jp/1060/00004053/
Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja
いるのに対しヽ 空気孔がある場 合は大き くなる。 断熱変 化は等 温変 化に対し て空気の剛性 が増したのと同じ効果を示し ているが、そ の差は 大き くない。 扉体内の水面が扉 体内の空 気に対し て行う仕事も孔の影響が顕著である。仕事 量は累 積量 を示し ているが、孔の無い 場合の仕事量は波動が1 サ イクル終わるとO に戻る。こ れはエネル ギーの放出が行われて いないことによる当然の結果ではあ る。孔が有る場合は仕 事量は マクロ 的には単調増加を 示してお り、その仕事のほ とんどが、エ ネルギーの空中放 出に費やさ れてい ることが予想 される。空気孔のあ るヶ− スでの放出エ ネルギー量は。波動 の1 サ イクル終了毎 に水面の 仕事量と等し くなる筈である。特 に仕事 量の曲線がほとんど単 調増加の傾向を示している ので、二つの曲線 は全 行程にわ たりほぼ一 致す るも のと考え られる。ヶ一 ス3 では二つの 曲線は同じ傾 向を示しているものの、放出エネル ギー量 が仕事量よ り常 に若 干少なく、そ の差は発散傾 向にあ る。ケース4 とケー ス3 の相違 は等 温変 化と断熱変化 であ るが、仕事 量と放出エネルギー量の関 係には大き な影響が現れ てい ない。 ケー ス5 では 流量計算にお い て気体の圧縮性 が考慮さ れているが、 両曲線が接近する 結果が得 られ た。し かし、ヶ−
ス6 で、更 に、気 体の圧縮性 を放出エ ネル ギーの計算に考慮し たところ、放出エネルギー 量は水面 の仕 事量の3 倍近く に達し、明 かに不 合理な結果が 得られた。この原 因を探る為 に、圧力容 器から吹き出す空気 の放出エ ネルギーと圧力 容 器内のポテン シャルエネルギー の減少量を同じ計算式を用いて算 出し た結果、圧力容 器の初期 圧力 △P0 =200Kg/cni'^の場 合は両者は減圧過程のほと んどで一致し、 最終段階 の低 圧時 で僅少の差が生じたのに対レ
△PO が小さくなると両者 の差は急激に最初から 大きく なり、比較 計算と 同じ 程度の△PO
=0.2Kがcn2 では全行程にわたり差が90 %程度に達する 結果が得 られた。このこと から、ヶ 一ス6 にお ける不合理な結果 が圧縮性気 体の運 動方程式を低 圧気体に適 用し たことと関係 し ているのではないかと判断し、 これ以 上の原 因追求を中 止し た。こ れと同じ 理由でポテ ン シャルエネルギーの算出 結果 を表示 から除外し た。 グラフ に示し た波圧力 の実験値は模 型実験2 に於ける△P の実測値 から算出し た値 であ る。実験 条件は計算条件に織り込めな い 複雑な要素を含んでいる ので、 その結果 は参考程度の意味し かない。最大の相遼は波面 による空気孔 の閉 鎖である 。表3 . 2 −4 は空気孔 からのエネル ギー放出量の大きさを示 すデ ータで、 波動1 サイクル当 たりの仕事量及び放 出量 は図3 . 2 −10 の値であ り、1 波 長 のエネル ギーは波形を正弦波と 仮定し て算出し た結果 であ り、最大 ポテンシャルエネル ギーはエ ネル ギー放 出を行わない ケー スでの仕事量の最大 値、 即ち、扉 体内 の空中に蓄え られたポテ ンシャルエネル ギーの最大値 であ る。総て扉巾方 向のIn 当 たりのKg‑cn の値を3.2‑
24
エネルギー/ エサイクル 工波長のエネルギー
ケ ー ス
仕事量 放出量 波長 波高 比
エネルド ー1 0 0
20di2m 104.00 2 0 0 40ni 2n 208.00 3 3.82 2.81 60n
2in3011.99 4 3.97 2.93
最 大 ポ テンシヤルエネルギ`‑−D
2.87 2.48
ケ ー ス10.20 1
6 2.87 8.60
ケ ー ス20.13
表3.2‑4
10^÷4 で除し た結果 である( グラフと同一)。1 サ イクルの仕事量と放出エネルギーが等 しくなる筈 であるし、前述し た様に。圧 縮性気体の運動方程式を用いることが誤差の原因 となる可能性 が高いの で、放出エ ネル ギーの大き さはそ の影響を受け ていない ケース3 及 び4 の仕事量ないし 放出量( 太線枠内)の大きさ 程度であ ると考えるのが最善の選択であ る。1 波長の持つエ ネルギーは仮定した波長に対し て算出し たものであるが、沖波波高 の2
口は40in前後の波長に対応 するの で、この値( 太線枠内)を比較の対象と考える。空気孔面 積を若干縮小すれば更 に仕事量と放出量が増加することも考慮 に入れて、計算モデルでは 波エネル ギーの半分前後のエネル ギー放出が可能 であると結論でき る。ポテンシャルエネ ルギーは放 出エネル ギーに比較し て桁違いに小さく、波の運動エネルギーを吸収す る効果 はあ まり 期待し難い。波圧力は水位が扉高に近い高さで大き く、水没状態や 露出状態で低 めであること が水理実 験によって確かめられた。計算結果 は露出状態の水位に対応したも のであり、 計算結果をそのまま直接ト ラス底板方式 の波圧力 減殺効率に結び付けること は でき ない が、この方式にお いてエネル ギーの空中放出が 大き な役割を果たし ていること の 立証には十分な結果であると考えられる。
時問 ステ ップ毎の繰り返し 積分の過程で扉体内の 空気量は徐 々に増加し 、最終的にあ る レベルに収斂する。そのレ ベル 及び変動の範囲は実機の構造から定 まる限 界を越えた水準
3.2‑ 25
であ9 た。これは計算 模型の不完 全さ*1から発生している現 象であ ると考えられるが、収 斂 の過程で波圧力は最初の波を除 いてほと んど ̄定であ りヽ 内 水面 の仕事量 及び放出エネ ル ギーは波動 サイ クルの繰り返し に対し て直線的 に増加し ている で、空 気量 が1 サイクル 毎 に最初のレベルに戻る様に計算模型を変更しヽ 圧力△p .及びヽ 内水位y 内か収斂する迄
サ イクルの繰り返し計算を行っ た。その結果、 エサイクル 終了時の空気 量に若 干の食い違 いが生じ ているが、エ ネル ギー量及び 波圧力は計算 の目的 を損なう程大きな影 響を受けて いないものと考えられる。
(4 ) 給 排 気 孔 面 積 の 影 響
頂板及び背板上の空気孔面 積は波圧力 の減殺機能に大き な影 響を与える。図3.2‑11
〜1 3 は背板空気孔の影 響を示すデ ータで。水理実験1 の 結果であ る。孔 の面積は頂板 孔も含み、底板面積に対する %比率で示し ている。図 一1 1 は上昇 力が孔面積の増加と共 に減少することを示し ている。 上昇力に は衝撃力 は含まれてい ない 。図 一1 2 は下降力も 孔 面積の増加と共 に減少するこ とを示し ている。両図と も パラメ ターは静水 位(OP )であ る。図 一1 3 は上昇力 に対す る下降力 の比 率を 静水位に対し てプロ ットし たも ので、孔面 積がO の場合は低い水位で上昇力 が大きく 高い水位 で下 降力が大きいこ とを示し 。叉、背 板孔 の存在により上昇力と下 降力 の比が1 に近づく傾向を 示し ている。以上 の様に背板孔 面 積を増すと上下向力 が減少す るが。(2 )項 で述 べた様にそれは 衝撃力が増加 すること にもなるの で、 適切な値を選定す る必 要がある。図3. 2 −14 は頂板項の影 響を示すデ
― タで、水理実験2 の結果である 。背 板孔は水理実 験1 の 結果から適切と考え られた0.285 φ2 個/2.7niに固定さ れている。 選定し た水位は最も大き な衝撃力 が現れる0P3.8 及び、
空気孔が閉鎖されて起こる間欠振動が 最大となる0P3.0 であ り。上昇力につい ては衝撃力 及 び振動 を浮力から分離して示し た。下 降力、及び、上昇力 の中の浮力は孔 面積の影響を 殆ど受け ないが衝撃力 及び間 欠振動は 互いに逆傾向の影響を受け 、両水位に於ける上昇力 がほぼ等し くなる孔面 積が存 在す ること を示し ている。頂板孔 の位 置は扉体内水位が頂板 孔 に達し て起こる閉鎖振動の大きさに影 響を与えるが、図3 . 2 −14 はその値がほぼ0
冰1洲 えぱ 畷 面 の よ 殺に よ る百 気 孔 のfT,錨 を 考 布し てい な い 。 3.2‑ 26
上昇力下隈力t/m上昇力に吋する下降刀の比ぷ V ■ ■. ■‑ ■ c‑ QL> u> ^ fo cvj ■^ ea(S ・^ ‑"M """^ "fl
一 一 一 ↑5 6 7 8 9
﹄ ︲ ﹄ 一 ︼ CJ CO <D ‑^1 1
1
l.i
s 6 4 2 se a e o
9 9
mi 孔 の影M
偵軸は底M 面 積に対 する孔面 積の比率
孔 比 ぶ( % )
― CP3.3 0P2.0 ‑ 0P1.2 −− Qpa x 挿.λ、値
図3. 2 −11
Ml 孔 の 影 響
哺軸 は 底 仮 面 哨 に 対 す る 孔 面 積 の 比 ぶ
e .i
一0P3.8 ・・・・ I3)2.O
e 。8 1.2 1.6 孔 比率(. % )
‥ 叩l.2 −‑ 0P8 ;< 挿 入 値
図3.2 − 1 2
'^ 吸 孔 の 彫 − パラ メタ ーは 孔 面l 比 家
― 2. よU ・... rj .o^
2 水 仮(o F丿
‥1.B2 一一1.33 ・■< ≪.刈l
図3 . 2 −133.2‑ 27
つ ー
4
君序ぶりt/m
3
7
Q
5
4
`5︷ど1
a
I I
m 板 孔 の 彫 響
噴 軸 は 底ぴ^面 積 に 対 す る 孔 面 積 のX 比萍
振1カ……… i撃力
… ……
………… ご/
浮ヵ ………
…・,二 …………2^2^....
■
ミ 〃 ` W W ミ 〃 ミ← 皿 皿 ・
・ .. .. ... .● ・● ・●● 7.ナ . ナ ● ‑ , −
a 0.2 fl.a 0.6 0.3 1 孔 比ぶ ( % )
−0P3.S ( 上 昇 ) ・‑ ・ CP3.0 ( 上 昇 ) ■・ IP3.S (■下PS) −−0P3.Q ( 下?§)
図3.2‑ 工4
となる位 置(最終形状*1)に固定し て実験した結果 であ る。以上の 様に、背 板孔の面積の 選定は主とし て浮力の大きさ に関 わり、 頂板孔 の位置と面 積の 選定は 衝撃力 と振動の大き さ に関わる。
・■ * 1
添 付資 叫 乱 三 一2 こ 図3 . 2 −5 9 参 印
3.2‑ 28
3 。2. 4 ト ラ ス 底 板 の 構 造 的 有 効 度
前項3. 2. 3 でト ラス底板 を持つ正二段ゲート の波圧力 減殺作用につき 論じたが、本 項では、 構造的側面 につき論じ る。正二段ゲートは底面の みが添付資料3.2 −1 の図3 .2
−51 及び5 2 に示される 様なトラ ス構造であり、扉板、頂板、背板は通常の 補強板構 造からなる、ほぼ矩形 の箱桁 である。この様に一部にト ラ ス構造を用いた箱桁構造は橋梁 の主 桁に採用され てい たが、水門扉に始めて採用するに当 たっ て。使われ方の相違による 影響を明かにする必要があっ た。大き な相違点 はト ラス部材が受け持つ 役割である。 橋梁 に於けるト ラ ス構造はU 桁や並 列し たI 桁の開口部を塞ぐ 横構とし て用いられてい て、設 計上の主 荷重であ る橋梁上 の死 荷重と活荷重に対し ては副次的 な部材 である。水門扉の主 たる荷重 は扉板上 の水圧力 であっ て、ト ラ ス底板は水圧力と平行する方向に用いられ、第1
の役割 は主 荷重 の運び手 である。役割りやその重要度に差があっ ても、両者の構造的挙 動は共通す る部分が多い筈である。こ の様な考え方から、本研究では、先ず、橋梁を対象 に行った小型 の模型強度実験の結果を 再評価し、 次に、両 者の条件的相違点を補い、叉、
必要な精度 での検証を実現する為に大型 模型によ る実験を 行っ た。本項 ではその成果に基 づき、ト ラ ス底板の構造的 有効度を論じる。
に ) ト ラ ス 底 板 の 影 響
[ 構成 部材の役割 分担]
底板ト ラ スの影響 を論じるの に先立ち、 シェル構造ゲートの扉体を構成する扉板、 頂板、
背板、底板、 の構造的 役割を整理する必要がある。扉体の径聞方向には一定間隔に肋板が
∇匹
通 常 型
冑¬ 節 パ ン パ
トヽラ ス 低 所 レ 言 浪 型
3.2‑ 29
配置され ていてこの4 部材を支持している 。扉 体に対して は種々の設計荷重 を考慮 する必 要があるが、 単純化 の為に扉板及び頂板に 作用す る水圧荷重 のみを考 える。扉板上 の水圧 は扉板を支 持する横桁を通し て肋 板に伝達される。 肋板に入っ た水平方 向の力 は肋板の剪 断により頂板 及び底板に伝達さ れ、更に。 それぞ れの剪 断により扉体の端末 に伝達される、
即ち、水平荷重 に対し ては頂板及び底板 がその運び手であ る。運び手は剪断変形し 、結果 とし て、扉 体に水平方向の挑みが発生 する 。こ の剪断挑 みに抵抗するのは頂板と底 板の剪 断 剛性であ る。水平荷重が頂 板と底板の中を進む方 向が荷重 の方向と 異なっ ている ので、
頂板と底板 に面内モ ーメントが発生す る。このモ ーメント と釣り合う のは扉板と背板の軸 応力 で形成さ れる曲げモーメント であ る。 扉板と背板は板 軸方向に変形し、 結果として、
扉 体に水平方向の挑みが発生 する。こ の 曲げ挾みに抵抗す るのは扉板と背板 で構成する断 面 の曲げ 剛性であ る。 扉板と背 板の軸応力 は頂 板と底板の、 荷重と 直交する方 向の、剪断 応力 が蓄 積さ れたも のと見なすこ とも でき、各 横断面にお け る軸応力 の積分値はm 断応力 を扉 巾方向に 積分し た値と釣り合っ ている。即ち、 頂板 と底板 は扉板と 頂板 の曲げ応力の 供給役も兼ね ている。頂板 に作用する 鉛直方向の水 圧力 に対し ても、各 部材は同様 の役割 を分担し ているが。 扉板と 背板、及び、 頂板と底板 は、そ の役が入れ替 わる 。水平、垂直 方 向の水圧力 の作 用点 は一般 的に剪断中心 から外れ ている ので、肋板上 には偶力 が作用し てい ると 考える必要 がある 。偶力 は4 部 材で構成さ れる振り断 面を介し て扉体 の端末に伝 達さ れる が、これに伴う変形 に抵 抗するの は断面 の振り剛性と 曲げ振り 剛性であ る。以上 述べ た役割 は基本的な分担である。各 部材の役割 間に、単純化 の為、明 確に線を引 いたが、
実際は相互扶 助的現象も見られる。表3 . 2 −5 は以上 の役割 分担を変 形に対 する抵抗と 曲げ応力 の供 給を軸に まとめたものであ る。
部 ! 変 形 に 対 す る 抵 抗
偶 力i 水 平 荷 重 i 鉛 直 荷 重
|
材 |振 り扉 板 一 背 板
l
マ頂 板!
○
剪 断
○
曲 げ
○
剪m
‑○‑
○
曲 げ
−・−
表3 . 2 −53.2‑
30
○
曲 げ 応 力 の 供 給
i
水 平 荷 重○
一 一
○
鉛 直 荷 重
○
−
○
[トラ ス底板の影響]
次に、底板がト ラ ス構造 に変 わることにより上 表中の底 板の役割 がど の様な影響を受 け るかを論じ、 詳細に検討すべ き技術的事項を明 かにする 。
(1)振り変形 に対す る抵抗
挨り変形 に対し てト ラス底板は全体断面の一部となっ て抵 抗する。トラスの影響は断 面の扱 り剛性と 曲げ振り剛性、 及び、応力分布に及ぶ。ト ラス桂応力の算出方法も断 面全 体の影響を受けたものとなる。こ の内容につい て、 ト ラス底板の 振り特性への
一 一 影響‑ として詳しく論じ る。
(2)剪断変形に対する抵抗
水平荷重によるトラス底面 の剪断変形に対し てトラ ス材は単独の剪断剛性 で抵抗する ので、 応力と変 形量はト ラス材の単独解析で把握できる。 ト ラス底板と頂板が分担す る荷重 は、m 断中心を荷重 の作用点 と考えて、重心振り 分けで算出する必要がある。
(3)曲げ変形 に対 する抵抗
鉛直荷重 によ り生 じる 曲げ挑 みに対し てトラ ス材は全 体断面の一部となって抵抗する。
ト ラス材の曲げ 剛性への寄与率はト ラス材の単独解析 で把握 できる。曲げに対 する寄 与率は剪 ㈲剛性に比較して極めて小さい。例えばト ラ スの傾斜が扉巾方向に対して50
°程度 であると、 曲げに対する等価板厚は剪断 剛性 に対する等価板厚の1 /4 程度で ある。従って、挑み及びシェ ル部の曲げ応力を 算出す る際にはト ラス材を無視しても 大きな差 は出ない。し かし、ト ラス材の応力を 算出す る際には、 全体曲げに伴う歪量 をトラ ス応力に算入する必要がある。
(4)曲げ応力 の供給
水平荷重により底板に生 じる剪断応力の対応力として 直角方向に生じるm 断応力が扉 板及び背板に伝達され、曲げ応力とし て蓄積される。mm 歪は、胆板及び背板の中を、
応力方向に対し 直角に進むことができないので、曲げ応力分布が一様になるのは剪陶f 応力が入っ た位 置より後方 の断面 である。剪断遅れと 呼ばれる現象であるが、トう ス 底板の採用により、こ の現 象が影響を受ける。その原 囚は扉体全体の剪m 中心が著し く頂板に接近 することにより(2 )で述べた荷重の配分に不均衡が生じる為であ る。こ の他にト ラス材の端末に剪断力が集中して剪断歪の局 部的流れが乱される可能性があ るが、 扉体全体に対する影響は大きく無いと 考えられる。剪断遅 れは部材の有効度 に
影響を与えるので。この問題をト ラス底板の 有効 巾への影壁 として詳しく論じ る。3.2‑
3!
(2 )振 り特性への影 響
薄 肉断 面梁の  ̄面にトラ ス構造を採 用すると振り特性 がどの 様に変 わるかを論じる・ 先 ず、 薄肉断面梁の振り特性を明 かにし、 次に、それ の修正方 法を論じ、 最後 に修正方法の 正しさ を実験 結果で検証する。
2 −1 ) 薄肉断 面梁 の振 り特 性
薄肉断面梁 の振り特性につい ては多 くの研究がなさ れい て、その成果 を3 .:L 項に於い て詳しく説明した求1.梁の中には単純 振りモーメントと 曲げ 振りモ ーメント が存在してい て、その分布は次の微分方 程式 を 解い て、 回転角を与 える関 数c が定ま れば 把握できる、
E Cbd
閉 断 面
d
−G J t
d
d
2 ⑧‑Z 2
−mt =0
− i−!
I. ) 二 手 ‑d s 、Rt
I =
(a)
0
S J
O
1
−d S L d
4 ⑧‑z'^
E C bdは曲げ振り剛性で、E が ヤング率 である。 G J t は振り 剛性 で、G は剪断弾性係数 である。m tは梁に沿っ て分布する、 荷重 とし ての、振 りモーメント で、z は梁の長さ方向 に沿った座標であ る。Cbd は曲げ振り に対する断面係数 で、 閉断面及び 開断 面に対して次 の式 で与えられる。
Cbd = 平丿Jo −2 甲oJ !+4 平0 a i J 2 十J3 −4aiJ4 +4ai^J5 但 し 、a 1ニ=A 。÷lo
J o =I t d s J 1 =# R t d sJ
2=f I t d SJ 3=^ R 柏
J 4 =I R 工t d s
* !添 付i・!.; 3. 1 −2 ■ 卵
3.2‑ 32
J ,=iドI't d s
平0 =(J ,‑2a , J. )÷Jo
r 、: 剪断 中心からd s に下 ろし た垂線。d s は断面の周に沿っ た微小長さ。A,
: 閉断面の面積
開 断 面 一
Cbd ― (J^Jq J ド ) ÷Jo
但 し 、Jo 、J, 、Js は 式(b ) の 算 式 でf をJU は 他 端 で あ る 。
‥・‥(c) と 入 れ 替 え た も の で 、O は 開 断 面 の 一 端 、
J 、は振りに対す る断面係数 で、次の式 で与え られる。
閉 断 面 に 対 し て J ., =4 G a ,
開 断 面 に 対 し て J ‑‑ y
Q
t ‑‑3 d s
挨り及び 曲げ 振り のmm 応力及び断面 の反りによる曲げ 応力は 次の式で与えられる。
曲げ振りmm 応力
ア V W
‑
‑
Q ・‑ d^ ⑥
E
d z '^
但し、q Jよ曲げ振りに対するmm 流で、次の式で与えられる。
閉断面 q 。 =叩づt d s
q ぺ 二‑ ( Ψ い1
,
6
IJC
一 t R d s +2a ,I t I d s 十q 。o
J ■ +2a , J , ) ÷I ロ
几 =§ 一口t d s )d s
t つ
(e)
3.2‑ 33
3.2‑ 34
開 断 面
J
J 8
Ψ ,
一 一
1
f 一 口Rt l d s )d s
一 tj=
つ
S け0
a
工d s )d s
工、、R 及び 工は式(b)に於ける定 義による。
q 。 = (J ) ÷J n) χt d S ‑
J
振 り 剪 断 応 力
S ぶ
0
t R d s
0 ヽ J >は式(c) 、R は式(b) に於ける定義 による。
閉 断 面 に 対 し て
q 、 d 0T
= ‑G‑
t d z
但し q 、は振りに対する剪断 流で次の式で与 えられる。2A
、
q
A,
‑
‑
開 断 面 に 対 し て
f y
‑
‑
曲 げ 応 力
G t
(T . =E 甲
d
d
(g)
(h)
‥ ‥ ① ) t Ic
I nは式(b )にお け る定義 による。t は板厚 である。
d 0
−d z
'■(Ξ)‑z
^
但 し 、 平 は 反 り 関 数 で 次 の 式 に よ る 。
閉 断 面 巫 =Ψo
S∫O
r s ds +2As
︱一 tSJO d s ÷f d s
−t
開断面 巫=J :÷Jo 一 万r 。ds
但し、Ψ0 、As 及びr 。は式(b) での定義による。J 0、J !は式(c) での定 義によ る。S は断面の周に沿った距離、t は板厚である。
2 ‑ 2 ) 振 り 特 性 の 修 正 方 法
前項にお いて薄肉断面梁 の振り特性に関する算式 を明 かにし たが、これらを修正して、
ト ラス底板 を持っ た薄肉断面梁の振り特性を求める方法につい て論じ る。
A. 修正閉断面法
閉断面 の算式を修正する方法である。トラ ス材を剪断剛性 が等し くなる様な等 価板厚 に換 算し てお き、 断面全体を閉断面として、前項の算式により解析する。等価板厚の 換算にはWansleben の式* 1を適用する 。ト ラス材の応力は剪断流の積分値がトラ ス部の 荷重とし て作用するものとし て算出す る。
B. 修正開断面法
開断面の算式 を修正する方法である。トラ スの剛性 分だけ開断面の探り剛性が増すと と見なして、増し分を算出し、断面全体を開断面とし て、 前項の算式により解析する。
増し 分の計算にはビビーチコフの式*2を適用する。 ト ラス材の応力はトラス材端末に 於け る断面の反 り量より算出する。
C 開断面法
トラ スの剛性を無 視して、 開断面とし て前項 の算式を適用する。
次に、上 に述べた修正用の二つの算式のあ らましを示す。
じ]レ
3.2‑ 35
(1 )Wansleben の 板 厚 換 算 式
板 厚 換 算 式* 1 t 等=
E F b c Gd‑
… ‥(j)
但 し 、t 等:等 価 板 厚 E : ヤ ン グ 率 G : 剪 断 弾 性 係 数
F : ト ラ ス 材 の 断 面 積 b 、 C、 d: 右 図 に 示 す 。
ト ラス材応力 の算出方法につい てはA. 項で述 べたが、
式 で表すと次 の様に なる。a ト はト ラス材の応力、 q s
a 一一
q sd‑
F
G
d 0
−d z
+ d
− b F
D J
0 q , d s E
d
d
‑^⑧‑z
ご
ト ラ ス 材
ト<……り………ぺ
・ /
ミ・
□
図3 . 2 −15
ト
‥ ‥・(k)
及びq wfま振り及び 曲げ振 りに対 するm 断流、そ の他は式(j )と同一 であ る。 ⑧に関する値 は応力を求めるト ラ スの中央 を横 切る断面のものである 。
(2 ) ビ ビ ー チ コ フ の 振 り 剛 性 算 式 宋2
Ω'^
剛性の 増し分 △J t ― ‥‥・(1)5 TG
但し Ω: 梁の輪郭線と仮恕 板と て作る断面の閉じ た輪郭線 内の面 積の2イかニ2W −b e5T
:ト ラス材端末に於け る扉 巾方 向の柔 軟性を 表す量 で、ト ラス材 の軸力 の扉巾 方向の成 分がc 辺(図'S . 2 −15 参照)に 一様に分布し ている剪断力と釣
:y. ' 冰2
叉 玖(7 ) 又it ( 丿
3.2‑ 36
り合っ ていると 仮定して、C 辺の単位長さに単位量の剪断が働いている時 の トラ ス端末の扉 巾方向の移動量=d 3÷(EFC )
G 、E 、F 、b . C、 dは式(j )と同一であ る。
ト ラ ス 材 の 応 力a ト は 次 の 式 で 計 算 す る 。
a ト ‑‑
E c
−d2 2Ψ
d( Ξ)
−d z
‥ ‥ べn )
Ψ は反 り関 数で、式(i )で定義している開断面に対する式 を用いる。 巫はト ラス端 部に対 応し た値、d旦 はト ラス材中央を横切る断面の値を用い る。 その他の記号は式(j )と同一d
であ る。 z
2‑3 )実験結果による検証
前項で述べ たト ラス底板を持っ た薄肉断面梁 の振り特性を求める三つの方法につい て、
添資 料3.2 −3 に示した小形 模型による実験結果により、 妥当性を検証する。こ の実験 は橋梁を対 象としたものであり、模型 は図3. 2 −62 に示 す7 種類を含むが、ト ラス底 板を持つ シェル構造ゲートと類似した構造を持った模型5 及 び模型6 の結果を検 証に用い る。 形状は 横長矩形で上面がトラ ス構造 である。断面寸法 が150xl00inmで、 長さがl,500piin であり、12 区画のト ラスが配置されている。表3 .2 −6 は断面剛性などの構造データで ある..2 −1 )項で与えた断面係数等の計算式 はど の様な断面形状にも適用 できる形で表 現さ れているが、こ れを矩形の閉断面に適用し た結果が添付資料3.1 −4 に示されてい る。u 形の開断面 に対しては添付資料3.1 −1 に収録した公式で算出することができ る。
添付資料3.2 −3 の図3 . 2 −63 は負荷の要 領を示す。模型の両 端は、振り回転が拘 束され反りが自由であるよう。 支持されていて、偶力を径聞の1 /4 、1 /2 、3 /4 の
3.2‑ 37
Modle
計 算 方 法 G J t(Kgnni^)E C bd(Kgmm^)a 注1(nm‑i) y s注2(凹)
板 厚 づべ
Model5
修 正 閉 断 面 法16.3 ×10^ 13.0x10‑2 11.2x10‑3 ‑10.37
一 丿 ≒‑a.aeし
・.‑t
‑i.5 ダ `フ``ルワーレン
修正開断面法
11.2x10^
23.5 ×10126.92x10‑ ‑42.18
開断面法
3.46x10‑
23.5 ×1012 1.22×10‑'^べ2.18
Model6
修 正 閉 断 面 法9.28xU 卜
17.1×10^2 7.37×10‑3‑24.14
t ‑!.B3it一a.5
修正開断面法
5.62x10^
23.5 ×10124.90x10 グ ‑42.18
t ‑6. 5 ジン ク``ルワーレン
開断面法
3.46x10^
23.5×l0'2 1.22x10‑''‑42.18
注記 工。a =、/G J t÷E C bd 注記2. 底板中心か ら剪 断中心迄の 距離。 −は外側を示す、
注記O .ト ラ ス面の板厚はWansleben によ る換算値である。
表3.2‑6
位 置に順 番に作用さ せて、歪と変位を計 測し た。釣り合い方 程式(a ) の解はこ の条件に対
Z ≦C ⑧
Z ≧C ⑧
‑
‑
一 一
T E C fcdT
s 以a にa ごshsh(
a ( 1 ECt 、d a 但 し 、a = √G J t÷E Cbd
3sh
c ))sh (a z ) I (a 1 )
‑
一 一 a''
C
‑ c )}sh(a z ) 圭一c
(a 1) a 2
Z −
Z ]
sh{a (z −c )}
a ‑
+
z −c‑
]a^
‥・‥(n)
し次の様に与 えられるo Z は長さ方向の 座標 軸であり 、C は偶力 の作用す る距離を示し0 はZ 断面の 回転角である。この(Ξ)を用い て各断 面の応力を 計算す るこ とができる。図3.2
−16 〜2 1 及び表3.2‑7 は回転角 及び応力 の計算値と 実験値 を示す 。図1 6 及び1 7 は径聞中央に負荷した場合のその位 置の回 転角度、図1 8 はモデ ル フの実測剛性と計 算剛性を1 とした場合の各模型の剛性の比 率、図1 9 はシェル 部分の 垂直応力 、図20 及 び図2 工は シェル部分 の剪断応力、表7 はト ラス材の応 力を示 す。図1 8 は総 てのモデル
* 1う付'i ミΞ .l −2 ・。つ; レト こ 恥 石i?丿 こ号 用 てt ミ,。
3.2‑ 38
のデータを含むが、 他の結果 は総 てモデル5 及び6 につい て示し ている。結果は次の様に 要約できる。
振 り 角 度 ( 図1 6 〜18 )
‑
① 図1 4 及 び1 5 の 実 験 値 は 計 算 値 か ら 大 き く 離 れ て い て 、 検 証 の 役 を な さ な い 。 こ の 傾 向 は 他 の 総 て の 模 型 に 共 通 し て い る 。
② 完 全 な 閉 断 面 構 造 で あ る モ デ ル7 の 剛 性 の 実 測 イ直( 回 転 角 か ら 逆 算 ) と 計 算 値 を1 と し て 、 総 て の モ デ ル の 剛 性 を 比 率 で 示 し た 図1 8 で は 、 全 モ デ ル に つ い て 実 測 値 と 計 算 値 の 関 係 に 同 一 の 傾 向 が 見 ら れ る 。
ト ラス材の応力(表7 )
①修正閉断面法による計算 値が概ね計測値に近い値 を示し ている。
②修正開 断面法による計算値 は載荷点 付近では概ね実測イかこ近い値であ るが、その他の点 では実iJ 値より小さい。
①修正閉断面法及び修正開断面法とも 計算値は実測イ直に近い値を示し ている
②開 断面法は計算値が実測値からかけ 離れ過ぎて全く適用できない。
シ ェ ル 部 の
断応力(図20 及び21 )
①全体的に見ると 修正閉断面法の計算値が実測値に最も近い 値を示している。
②修正開断面法の計算値は載荷点 付近 で非常に近い 値を示す が、それ以外の所では実測値 に比較して値が小さい。
⑤開断面法の計算値は実測値に比較し て大きめ の値 を示し ている。 トラ ス構造を無祝し て いるので当然の結果 であ るが、 概略計算値とし ては十分使用 できる。
以上 の結果を総合的に見ると。 修正閉断面法が適用範囲が最も広く、 実用計算法として適 し ているものと考 えられる。回転角度の実測値が計算値から大きくかけ 離れた原因は全部 材の 結合を ボルト で行ったこと に関係があ るのではないかと考えられる。
3.2‑ 39
回転仙∵度・回F一角・度 9 ﹃︒Q QS 3圃 g
0
a a
6 Q・ a J3 a
9
0.9
に7⁚ 6 汚 4 惣 2acoQ 0 0 a
モテルマの剛性との比ぶ
a バa
回虹 角度. . Mo d e 1 Nc 一 所重 貞=2 / に 計μ貞 =p
5 l
9 l り 、。、 荷MKs
一is 正S 断 面 ・… 修正聞itfl面 一一開断 面 △ 実馴(E
図3 . 2 −16
回転角IK‑ ・M o‥‑J s 1 M o. ら 荷重 点 =2 / に 計其屯 =2 /l
荷扱K ・3
― 拾正閔断 面 ・… 暗 正間面面 ‥ 間翁 而 ム 里恥m
図3.2 − 1 7 附けご比ふ
n‑.・i丿'' ^ りle 馬 ri λ]丿3 八ン)り ら rv‑x)り目 I ふ丿el2 n.> 沁 口
□ 両糾j □ に正Riii:而 巳 i!工r,断面
図3.2 − 1 83.2‑
40
Model 5
ゲージ番号→ 108 92 109 95 99 no 102 Ill 106 112 1
実測値 157 ‑197 192 ‑199 239 ‑276 23 ‑41 125 ‑147 修正閉断面法 140 ‑140 139 ‑139 136 ‑136 27 ‑27 1 27 ‑27
修 正 開 断 面 法
74 ‑74 72 ‑72 68 ‑68 24 ‑24 24 ‑24
Model 6
ゲージ番号→ 92 95 99 102 106 実測値 90 79 ‑57 ‑180 ‑256 修正閉断面法 139 136 ‑128 ‑32 ‑32 修正開断面法 72 68 ‑61 ‑19 ‑19
注記 工。ゲージ番 号の位置は添付資料3.2 −3 の図3 . 2 −64 及び6 5 に示す。2.
応力の単位はKg/n がである。
表o .9 −n ド ラ ス材の応力
3.2‑ 41
Mode 1‑5の 垂 直 応 力(T =45OOKg 一mm)
荷重点Ptl/4 、計測点Ptl/4
50 0
−501 1 1 1
! 1 1 1 1 1 j
Kg/cm2
‑50 .
0
50
1
|
● l l l ●●● i l ・ I φ 1 4 1 S ●●● I●●・● t や●・●● 1・・゛ 1 ゛ 1 1 ● l l ●● l`・
Mode トG の 垂 直 応 力(T =3000Kg 一mm) 荷 重 点Ptl/4 、 計 測 点Ptl/450
0 ‑50
50
0
51V
忿y
… 心
べ計測値‑ ← 修正閉断面 っ 修正開断面 こ 開断面
荷重点Ptl/八 計測点Ptl/2
大 卜し
図3 . 2−193.2‑ 42
荷 重 点Ptl/2 、 計 測 点PtI/2
18 30
二 。
29
21 茄
・‑ex
恥斤m2
Model‑5 の 剪 断 応 力(T =4500Kg‑inm)
Kg /cm2 16 50
0
50
K&/cra2
50
0
50
聡/
‑5
一
E jjj
50
cm
0
0
50
荷重 点Ptl/4
29
0
24
50
23
計 測 点Ptl/2
計 測点Ptl/4
・ヴ ・&
計 測 点 = 支 点
‥ 一卜 … ……凸
y⁝⁝⁝⁝さ
図3 . 2−203.2‑ 43
× 計測 値 十 修正 閉 断 面O 修正 開 断 面 荷 重点Ptl/2
30
29
…… ……t ……… ………1
乙 開 断 面
28
χ・‑、、、・ご ご・‑^ ……… l 犬
27 臨
" ・・・・・・ 1 ・・.●.●●●・i^
匹 二 二 仁 二 二
1 : ""‑‑ χ,4 23
沁・£
Model‑6 の剪 断 応 力
50
荷 重 点Ptl/4(
丁=3000K&‑mra)O ‑50
ニ
Kg
恥
/cm2 50
0
50 」50
50
0
50
29
0 50
22
計 測 点Ptl/2
計 測点Ptl/4
………>e ……… 凸
計 測 点 = 支 点
£
き
図3 . 2 −213.2‑
44
× 計 測 値 ・ 修正 閉 断面O 修 正 開 断面
荷 重 点Ptl/2(T
=2250K §‑rara〉
29
︲LI
:OD0︒1
23
△ 開 断 面
合
K&/cm2
/cm2 5
& ■
ム
24 23
2 −4 ) トラス連結材の修正
前項の実験で用い た模型は橋梁を対象とた構造であり、ト ラス材端部の形状が シェル構 造 ゲート のト ラス材とは異なるので、この差にたいする修正式を作り、その正しさ を模型 実 験結果により検証し た。実験には溶接構造の大型 模型を用い、前項の小形模型 の実験結 果を 用い た検証精度の低さを 補う目的も兼ねた。 解析方法はWansleben の板厚換算式を 用い た修正閉断面 法に限定した。
[ 連結材の修正式]
Wansleben の式(j) を次の様に修正する。即 ち、ト ラ
EF b ' c Gd ^d
板 厚 換 算 式 t 等= ‥ ‥(O)
ス材の荷重 と考えるべき剪断流の範囲を表すd を d ' に入 れ替え* 1、ト ラス材の伸びの算出長とし て のd をd ¨ に入れ替 え、d' に対応し てb 及びC を
ト ラ ス 材
<
C
>
図3 . 2‑22
b
b ■及びc に入れ替 える。b ■、C へd ■.d は図3. 2 −22 に示されるの寸法であ る。
他の記号は式(j )と同一であ る。修正式に対応してトラ ス材応力の算式(k )は次の様に変 わる。
a ト
‑
‑
式 収) を 参 岡
q sd‑
F
G
d 0
−d z
+ d
b5
0 q ● d s E
*1
d
d
3.2‑ 45
恍 )‑Z
'^
‥ ‥・(P)
b F
[大型模型による検証]
大形模型実験の内容を添付資料3. 2−4 構造実験2 に示した。実機に対する模型断面
の縮尺率は概ね1/4である(模型断面=799x1075m )。これに対し長さは実験設備の寸法的
制約から6/40 模m 長=6ni )で、底面トラスを8 パネル含む。添付資料の図3. 2−66
は模型を示し 、6 7 は載荷要 領を示す。 載荷はテ スト1 か らテ スト4 迄 で、テ スト1 はテ スト1. 1 及び1 . 2 の2 種類 を含む ので、合 計5 ケー スであ り、テ スト4 がWanslebenの 修正式を検証 する為の実験である。載荷方 法は小形 模型 と同一 であ り、 扉体端部の支持条 件 は断面 の反 りが自由、 回転が拘束で、 偶力を径間 中央 に負 荷する。添 付資料 の図3. 2
−68 は偶力 の載荷方 法を示 す。図3. 2‑2 3 及び表3.2 −8 及び9 は計算値と実験 値 の関係を示 す為のも ので、図2 3 が剪 断中心、 表8 が回転角 度、 表9 が応力を示す。計 算は既に述べ た様にWansleben の修正式を用い た修正 閉断面法によ るが、解析の簡略化の為
に、 曲げ振り剛性ECbd =O であると 仮定し た。 Wanslebenの修正式 によ る換算板厚は鮒 、4i]iin であ り、 シェ ル部の板厚 (t =6nim)との不均 衡さ(板 厚比 =0.4 )は小形 模型の場合
(板厚比=0.068 〜0.136) に比較して著しく改善さ れてい るので、曲げ 振り剪断 流の値が 小さくなり、 剪断応力への影 響が小さくなることが期待できる からであ る。例 えば、模型 の断面を788×931rainの箱型に 置き換え、 トラ スの等価板厚比 が0.4 及び0.1 の場合について、
最大剪断流 の比率を計算すると0.257 : 1になる。従って、変形量( ∂ )が同じあ るなら ば、 板厚比が0.4 の場合の曲げ振 り剪断 応力は板厚 比が0.1 の場合の約1 /4 となる。結 果 は次の様に要約 でき る。
剪断中心( 図2 3 )
①Wansleben の修正式による 換算 板厚から算出された剪断 中心( 扉体の高さ方向)は実測値 に近い 値を示している。 Wanslebenの原式 による値は明 かに 過小の板厚を与 えると考えら れる。
回転角度( 表 郷
①Wansleben の式及び修正式 による結果は共に実測値に近 い値 を示し てい るが、 修正式が若 干 過小の値を示し ているのに対し、他方は過大の値を示し ている。
⑤小 模型の結果に比較して。検証精度は十分改善されている。
応 力( 表9 )
①ト ラスの軸応力 については、Wansleben の式 及び修正式 による結果 は共 に実測値に近い俑 を示し てい るが、 修正式 の値 が非常に近い 。
3.2‑ 46
回転角 比 較図
/
///\\\\
図3. 2 −23 剪 断 中 心
3.2‑ 47
実測値
計 算 値
^'ansleben 修 正Wansleben 回 転 角 (rad/cm ) 6.4×lO‑<^ 7.0 ×io‑ ≪ 6.0xl0‑e
注記l. テスト4 の最大荷重(25t‑ra )に於ける値である。
表3.2‑8 回転角
位 置 実測値Kg/c ド
計 算 値 Kg/cni^
部材
区 画Wansleben 修正Wansleben
ト ラ ス 材
軸 応 力
AS B S ‑948 ‑578 ‑656 ‑585
cs ‑590
DS ‑575 F S ‑520
‑ ‑ ≪ ̲ / I \ J
F S ‑520
シ ェ ル 部
剪 断 応 力
AW B W ‑141 ‑161 ‑145 ‑145
cw ‑165
T`\ T T T 1 on
注記1 ・ テ スト4 の最 大荷重(25t‑日)に於け る値 であ る。
2 . 実測値は断面上 の値 の平 均値であ る。
3 . 詳しい計測位置は添付資 料3 . 2‑4 の図3. 2 −69 〜7 I 参照
∧
ノ∧/\\\\
D '・'
■' こ:W E '.V
表3 . 2 −9 応力
こ シ ェ ル 部 の 剪m 応 力 に つ い て は 、E C い =0 と 仮 定 し た 為 に 二 つ の 式 の 差 は 計 算 結 栞 に 一
現 れ て い な い が 、 実 測 値 に 近 い 値 を 示 し て い る 。
⑤ 小 形 模 型 に 比 較 し て 検 証 精 度 が 良 い 。
3.2‑ 48
E C bdに関す る考察
①曲げ挨り による剪断応力が小さいのではないかとの理由から、 曲げ 振りの断面剛性を無 視し て解 析を行っ た。全体的には計算値と実測値が良 く一致することが確認でき たの で、
一応検証の目的は達成し たと 思われる。
②しかし、実測値を良 く調べると、回転角度は長さ方向 に直線的に変化しているとは結論 し難く、叉、全く言及しなかっ たシェ ルの垂 直応力は剪断応力の80 %近くの値を示し て いるものもあり、 曲げを暗示する分布が見られる。一方、添付資 料3.1‑3 の図3.1
−111 に示す ケースについて、式(n )を用い て、載荷点に於け る回転角を算出し た 結果、大型模型 の径間と横断面の寸 法比率に対して、純振りによる 回転角の90 %弱の値 となる。即ち、載荷点に於け る回転角は 曲げ振り剛性 の影響により10 %程度小さくなる 可能性 があ る。E C bdを 考慮し た解析を行えば、 実測値と計算値の類似性についてより 詳しい 検証ができ た可能性があ る。
(3 )有効 巾への影響
水平荷重が底板に伝達さ れ、荷重方 向の剪断応力が発生するが、同時に、それと 直角方 向にも同じ 大きさの剪断応力 が発生する。この応力は扉板及び背板に伝達さ れ、同じ方 向 の曲げ応力とし てこ の中に蓄積さ れる。、剪断 歪の進行には遅れが伴うので、曲げ応力 分 布が一様になるのは剪断応力 が入っ た位置から無 限に後方 の断面であ る。曲げ応力が一 様 でない断面 では曲げに対し て全断面が有効に抵抗す ることは できないので、発生 する最 大 曲げ 応力と 挑み量は扉板や 背板 の実際の巾より追 かに狭い巾を持っ た断 面と同じ になっ て し まう。こ の減少した巾が有効巾と呼ばれている。梁のフ ラン ジの有効巾の算出方 法につ い ては多 くの研究がなされてい て木≒ 結果の一部は便覧等にも収録されに、広く実用に供 さ れている。 有効巾は荷重の分布形状、 断面形状、端末条件によっ て異なる。叉、 実用算 式は、荷重 の中心が梁の腹板の中心線上に位置し、 複数の腹板が等間隔に並 列配置され て
尚ここ にレ ニ
3.2‑ 49
いる場合はヽ 腹板に入る荷重 が総て等し いことが 前提 条件と な9 ている。ト ラ ス底板を採 用し た場合 には断面の剪断中心が図の中心 から頂板方向 に移動し
ヽ 時 には頂板を越 えて外 に出るのでヽ 結果的 に頂板及びトラ ス底板への 荷重 の伝達 が不均衡となり
ヽ 扉 板及び背板 内 の剪断 歪の流れ が変化し て、 有効巾が減少するも のと考 えられる 。曲げ応力と挑 みの算 出 にこ の現象を取り込む手段とし て荷重 分割法を採 用す る。水平荷重 は頂板だけ に入る部 分と頂板 及びトラ ス底板に均 等に入る部分 に分 割される 。それぞれの荷重 に対し て は既存 の有効 巾の算式 が適用できる。 全荷重 に対する断面 剛性は、 重畳法の原理を利 用し て、個 々の断面剛性 から算出することが できる。 本項では 有効 断面剛 性を得 る手段とし ての荷重 分割法の適切さを、 大型模型 の試験結果を 用い て、 検証す る。実用算式 とし てはShadeべ の式 を用いる。
[ 断 面 係 数 の 算 出 方 法]
扉 体 に 作 用 す る 荷 重 は そ の 剪 断 中 心 に 作 用 し て い
る と 考 え る 必 要 が あ る の で*2、 こ れ を 頂 板 と ト ラ ス P 頂・‥………・
底板の中間位置(鉛直荷重の場合は扉板と背板の P 全 中間)と頂板位置(鉛直荷重の場合は扉板位置)の
2 ヵ所に、重心振り分けで、分割し、中間位置の荷 重に対する有効巾は溝型梁の式、頂板上の荷重に対 してはT 型梁の式を適用して、それぞれの断面係数
工中及びI 頂を算出し、次の式で全荷重に対する有 効断面係数卜
I 谷 =
−
工 中 工11 I 中p 頃 +I 1Fi P 中Pis
但 しp ;s = ― 、p 雫p 仝
‑
‑
P 巾
−p をー
断 中 心
Λ
リ ノ
',:/
う ノ
ノノ
≒へ
.
ト ラス 底奴
図3. 2‑24
。p 全、Pis 、P 中は 図3. 2 −24 参 照 。
‥ ‥・(P)
ス文 献!.■ U )
^ °こ 理Ξ^5‑‑;休 の 叉T:七 固 力 をz::け と 陽t". ■こそ 泥し てS? り 及つ てい そこ 仏 こあ る 、3.2‑
50
[ 大型模型による検証]
大型模型実験については、その概要 を前項2 −4 )で既 に説明し た。添付資料3.2 −4 の図3. 2 −67 が示すテ スト エ。1 及びテスト2 の結果 で断面剛性の検証を行う。両 テストとも端末は支持材を介し て試験台に固定さ れて、水平荷重に相当する荷重 が油圧 シ リン ダーにより、前項2 −4 ) の振り実験 で求め た、剪断中心 に加えられる。両実 験の相 違は。テ スト1. 工が1 点荷重 であるのに対し て、テ スト2 が2 点荷重である点 てある。
テスト2 は実機に於け る応力状態を近似的に再現し ている。荷重の大きさは 工点荷重が9^
トンであ るのに対し て、2 点 荷重は16.8x2 =33.6トンであるが、この相違はこ の検証では大きな 意味を持 たない。図3. 2 −23 〜32 が最大荷重時の、応力と変位に関する、 実測値と 計算値の関係を示す。図2 3 〜2 7 が1 点 荷重、図2 8 〜3 2 が2 点 荷重で、それぞれ扉 板、 背板、 頂板のAW 区画( 表3 . 2 −9 参照)の中央横断面に於け る曲げ応力 分布、扉 板及び背板 の縦断面に於ける曲げ応力分布、及び、荷重方向の変位量である。実測値の計 測位置は添 付資料 の図3. 2 −69 〜7 1 に示した。応力の実測値は板の内外面 におけ る 値の平均値、 挑み量は断面内の2 点 での実測値をそのまま示した。計算値は、扉板及び背 板の有効 巾の取扱いに関し て、 次の3 ケースを示した。①100^ 有効に働くとし た場合、雲 集中荷重 に対 する有効巾を適用した場 合、 及び、回卜 様分布荷重に対する有効巾を適用し た場合。有 効巾の算出に用いたチャートを添付資料3.2 −5 に示す。得られる計算応力 は最大値 であ るが、その分布は直線であると仮定し、そ の傾斜は応力 の積分値=一定なる 条件より 算出し た。扉板及び背板の縦断面に於け る実測応 力の分布(図2 6 及び3 1 ) は
W 翻
応力晦/甲す方 四 四J 91
e
AWl/r 面応力 ■ ‑^ 仮 ト 応荷fi
へ へ
1
〃ぺ心 ・ .
へ I J・●  ̄へ
● ● j へ へ
|
9 a. 2 a.i U.6 0.3 位−
一 分 布荷S + 男im ‑ 集中 荷皿 一一 IKT;
図3 . 2−233.2‑ 51
生 位・千
︷心力にDO/㎝平万応力にQ/卵平方13刀t≫J/m平方
0
9 S︲ 1I 四 翻
一 一 J J
一 一 J J
100
2
ぶ 圃り J
一二ce
J 四
100 a
J J
一 一
<w
A was面応力・・sin レガ 荷S
・ ,φ 十 ・/
‑ べ/
・ I // ̄/ I ・ ・
● ・ 〃 / −f で
+ ,/
0 3.2 a.i 0.6 0.3 位 置
一 分 布荷重 十 冥 験m ■■ 集中荷 差 ‑‑Iffぷ;
図3 . 2 −2 6
AW 断面応力 ‥ 頂沢1 点荷重
1 組i ・千
十.・ .>
ヘ ヘ > ・
.ヘ ヘヘ :こ 谷
卜 。ご :
べ I J,卜 フ`≒l 、 J
・ヘミヘ、 l, ,.み`、ご‑7.、
・ : `xx /
0 2ce J幻 61(3 泣置
一 分万両■ +mm 集中荷宦 ‥:dvr
図3 . 2 −27
■ri断 面の 応 力 角布(Hi 販 か 正 フ 阿 函 り哨 )1 貞 荷M
2 J iifS
一 肩 所耐E 十 実m 集中 荷泣 一一lao‑.
図3 . 2 3.2‑ 52
2 8
SBO
6
撹み最U 11
D . 9
s . s B . 7 0 .
ら a . s 0 . J 0
. 3 3 . 2 0 . 1 9
皿 J一一一JJ一y一翻
応に乃にq/口平万
冷3 e
応刀QOノロ平万 ︒J皿J 一 一
‑400
‑5ca
J一匹翻
一 一 一
陥 ふ 墨i 点 荷 重
2 2 j Sgm
・一 丿 布荷重 十 頂sr.読み ニ底郡読み ー一 場甲 荷ま ‥iSJ:;
0 e .2
図3 . 2 −29
AW 断面応力 ‥ 卯n2 点荷塑
G .J 0 .6 0.3
9
ii/E
一 分布荷S + 'Mm ‥果中も疸 ‑\ご.
図3 . 2 −3 0
Mm 而応力・ ・ 印 反2 ぶ荷堕
0.2 0.4 e.6 0.0 区a
一 分石荷& + 実m ‥集中 荷tD ‑‑ IC3;
図3. 2 −313.2‑
53
1 蛍 辺・千
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1 血 位・千
応力㎏/㎝平万晒刀DO/J平方陥みlU 作一翻` J
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AW 断 面応力・ り 酎戸2 吻 荷重
£≪? ja3 ど≪) 位置
一 肩 布荷重 + 実験m ‥ 集中 荷塑 一‑ I3ff.
図3. 2 −3 2
r 断面 の応力 分 布( 扉版が正 ■m板か 負)2a 荷重
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‑ 句布荷m + 重 恥il 集 中荷m 一一I Off.
図3 . 2 −3 3
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図3 . 2 −34
3.2‑ 54
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