水門扉の大型化と高圧化に関する研究
著者 寺田 溥
学位授与大学 東洋大学
取得学位 博士
学位の分野 工学
報告番号 乙第99号
学位授与年月日 1997‑03‑10
URL http://id.nii.ac.jp/1060/00004053/
Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja
な る 場 合 は ア ン カ ー ボ ル ト の 問 題 が 残 る 。
③最終強度をアンカーボルトで確保する方法
図4.2‑9 はこの方法の説明図である。1 次コンクリートの滑り断面を仮定し、この 面の摩擦力を無視して、アンカーボルトの引張り力で滑りを止める方法である。設計作業 は次のステップで進められる。
( )図Q に示 す滑り面で剪断破 壊が発生し たと考 え、滑 りを止めるアンカ ー荷重T /b を、 滑り面の摩擦力 を無 視し て、次の式で算出す る。滑り面の傾斜は45 度であるから、 アンカー荷重 は戸 当たり荷重に等し くなる。 bは式(6) と同じ定義 であ る。
T /b =P /b ‥ ‥(9)
次 コ
一 戈コ ン マ
(2) 算出さ れた荷重に対し てアンカ ボルト の断面 と本数 図4.2 −9 を決める。
大型 の高圧ゲートの様に荷重 が大きく、 同時に、戸 当たり の寸法が小さ くて、 コン クリー ト に対する荷重密度が著し く高い場合に適 用さ れる方法 で、 国外向けの ゲート に多 かっ た。
傾斜面が45 度である意味は①と同じである。一 次コン クリ ート と二次コン クリ ート は完 全 に分 離しているものと考える。最も重厚な 補強方 法であ る。 し かし、 こ の方法を 能力向上 と 言う長期的視点から見直し た場合、重厚 なアンカ ーボルト が本質的な制約と なり。叉、
前提としている破壊モード が実際と異なる矛盾点を持っ ている。
分析結果のまとめ
表4.2‑1 は分析結果のまとめである。評価は負荷能力の向上を課題とした長期的祝 点からのものであり。実用面の評価ではない。破壊モードは設計方法における前提と実際 が一致していないものがX 印であり、これは応力的に最も過酷な部分が強度評価の対象か ら外されていること及び使用されている補強材が強度保証の役割を100 %果たしていな いと言うことである。表中の作業性はアンカボルトの作業性の悪さを示している。問題は4.2‑
14
戸 溝 内 ゲ ー ト と 箱 抜 き 工 法 に あ る 。
略 称(
破壊現 象) 分 類
¬
適i 場 所
|
荷 重i則 補 舛
剪 断 応 力 度 法j
( 応 力 超 過 )i 簡 便 法
|
戸 溝 内‑引 張 り 補 強 法
( マ イ ク ロ ク ラ ッ ク ) 実 績 へ゛‑ス
戸 溝 内
中 〜 大
解 析 的 一
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( マクロ ク ラ ッ ク ) 簡 便 法 戸 溝 内 大
用 補 強 アンカーボ ルト 鉄 筋 アンカーボ}lト アンカーホ 訃
評
価
安 全 過 多 X
実績式 X
破壊モード X X X X
作業性 X X X
(3 ) 新 設 計 方 法
表4.2 −1 ま と め
前項にお いて設計方 法の分析を行い、 長期的視野から、(a )破m モ ード の仮定と現実の 不一致、及び、(b )アンカー ボルトの作業性の二つが共通の問題点とし て明 確になっ た。4.2.
工に於い て、(イ)一次コン・ 二次コン接着面の強度 評価の明 確化。 及び、(ロ)ゲ ート 設計者と土木設計者の意志疎通の必要性につき言及した。これ らの問題点 の解決と 課 題の実現 を通し て負荷能力向上への道が開かれるとの考え方か ら設計方 法を改 善する次の 案 を作成し た。
基本思想
(1 )荷重 は総 て一 次コンで支持する。二 次コン は単なる圧縮材と考える。
(2) 一次コン 及び二次コン内に生じる引張り応力 分布に 従っ て、鉄筋を配と する。
配筋法
図4 . 2‑10 は配筋法の説明[図である。
(1) 一次コン 内部に生じる引張り応力分布に従っ て鉄筋a 、b 、c の 記筋を 行う。(2) 二次コン 内部に生じる引張り応力分布に従っ て 鉄筋d の 記筋を行 う。
4.2‑ 15
(3 )一次コ ンと二 次コ ンの境 界面 は、 クラックが入っても完 全な分 離が妨げ る程度の、差 し筋e を配置する。
尚。 鉄筋d は、実験の結果。不 要との結論 に 達し た。
図4.2 −1 工は戸溝内に納められた想定 実 機に上記の配筋 法を適用し た結果 であ る。
想定 実機は従来になかっ た超大型 河川 ゲート
であ り、ロ ーラ荷重は700トンであ る。コン クリ 図4 2 −10
一ト構造の設計荷重は戸当たり金物のベアリング圧力であり.Andree 式により計算した最 大圧力K =25.2Kg/cn2を用いた。これはコンクリートの高さ方向当たり126トン/m の荷重に 相当する。実験条件で用いる 設計荷重 は、ベアリング圧力ではなく、後者の値に対応 するものと解釈すべきである。尚、アンカーボルトが用いられていないことが一つの特徴 であるが、戸当たりフレームの据え付け、調整及び2 次コンの打設などのために限られた 数のアンカーボルトが必要になる場合がある。
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図4 . 2 −11 想 定 実 機 の 配 筋 図4.2‑
16
4.2.3 実 験 に よ る 検 証
新しい 設計方法を想定実機に適用し た結果([114 . 2 −11 )につい て模型 実験を行い、
設計方法 の妥当性を検証する。
4 。2.3. 工 模 型 実 験
(1 )直接目的
実 験の直接目的は次の2 点 てあ る。
(1 )設計荷重作用時の応力分 布につき 実験値を 計算値と比 較する。
(2 ) マイクロ及びマクロクラックの発生 荷重、発生位置、及び、 進展 方向を調査する。
(2 )境界条件
一般的な堰柱形状を図4.2 −2 に示したが、戸当たりフレームからの荷重は最終的に 河床々版を経て基礎地盤に吸収されて行くの
であるから、 堰柱内の応力の流れ は、横断面 内の流れと同時に、全 体の曲げや剪断による 高さ方向の流れも存 在する。従っ て、堰柱全 体の強度を考える場 合は、3 次元的な取扱い が必要であ るが、強度検討の対象が戸当たり
水.心 ト
`こ 二r 、
図4 . 2 −12
周辺の局部的範囲 であるので、高さ方向の応力 の流れを無 視し て、問 題を2 次元的に扱 つ でも大き な影 響は無いと判断し、実験模型は図4.2 − エ3 に示す2 次元模型とし た。図4
. 2 −12 に示す様な水平輪切り片 から 切り 出し た部分模型 である が、b /B は 維持さ れている。 荷重はB 辺から圧縮力wu 、b 辺 から引張 り力WL を加え、戸 当たり 而で支持す る。部分模型 により実機の現象を把握する為に は応力の 流れが実際に近いものであ る必要 があ るが、 最も重要な点は図1 3 に示 すコーナ部に於け る主応力の方向a であ るっ 模型 のa
が想定 実機のa と等しいこ とが望ましい。これは 模型のwu とWL の比率を適 切に送択す ることで実現 できる。 模型 について種々の比率に対し て二 次限解析によりa を求め、想定 実機の3 次元 解析結果と比較し て、W じ/WL ≒8 と決定し た。 この時 のa ―邨o であ る。
尚、 従来 の3 次元解 析の結果はa =屈 〜50'^の範L川にあ る。IS図. 2 −1 /は2 次元及び4.2‑
卜
3 次元解析 の結果 を対比して示し てい る。
図4 . 2 −13
(3 ) 模 型
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[ 種 類 、 縮 尺 率 、 個 数 ] ;'
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想定実 機の寸法は図4 。2
− エ1 に示し たが、 堰 柱巾 が4 m 、 戸溝巾がlm である 。こ れに対し 模型 の縮 尺率 は応力計測と マ イクロ クラッ クの把握を 目的とし た弾 性試験用が3/10
、 マクロ クラッ クの 観察 を目的 とした破壊試 験用 が3/20 であ る。 弾性
試験 用模型 は 工次コンと 去 / . 9 −9
図4 . 2 −14
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( 第3,¥ , ≫ がH 平1*))
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鉄筋のみ、及び、2 次コン及び金物込みの計2 種類、破壊試験は1 次コンと鉄筋のみ、2 次コンと金物込み、及び、一次コンのみ( 妖筋)の計3 種類である。表乱 2 −2 はこれ4.2‑
18
らの一覧表 で、模型記号を示している。各種類につき2 個宛、計10 体の模型を 用意し たが、
破壊モ ード が従来の設計方 法では考えていなかっ たコーナか ら堰柱中心に向かう クラッ ク であっ たの で、模型b を2 個追加して荷重比率を変えた実験を 行い、このモ ードが 戸溝 内 ゲ ートに常に現れることを確認し た。追加模型 は記号d で表す。
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[ 相似率] 丿
コン クリ ート はセメント、骨 材、 砂等から な る複合材料 であって、相似組織とす るこ と は困難 であるので、想定 実機と同じ もの を用 いた。 鉄筋記置はコン クリート打 設時 の流動性を 維持する為に間隔は実機と 同一 とし、断面 積は市販材料の組み合わせで得 られる範囲で模型の縮尺比に近づけた。図4
. 2 −15 は各 模型の配筋図であ る。表4.2
−3 は想定実機と模型諸元を対 照し て示し ている。歪量の相似性は荷重の大き さ で実現し た。模型は 横断面だけが規定の 比率に縮尺さ れている ので。実機と模型の 長さ 方向の単位巾を取り出して、両者の歪 をを比較する。実 機及び模型の単位巾当 た りの荷重をwp 及びwn とし その比率(荷 重強度比)をG = w p÷w □とする。実機と 模型 の歪1: ( £ pとtn )は、G を 用い て、
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次 の 関 係 で 表 さ れ る 。E p = E 口で あ る か ら 、 竺と □a
・?iiii t デル
こ と が 判 る 。
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£ □ 二 £P
表4 . 2 −3
‥ ‥ ∩O )
n E n
但し、Ep 、En : 大機と 座型のヤング率 4.2‑ 回
n : 縮 尺 率 ( =実 機寸法/模型 寸法)
[ 製作]
各 模型の製 作に使用し たコン クリ ート は設 計基準強度210Kg/cn2 で、配合は 表4.2‑4 に示し た。鉄筋はSD30 、 戸 当たり 金物はSS41 を用い た。ゴング
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表4.2 −4
リート打設は戸外で行い、濡れむしろにて養生を行った。尚、鉄筋及び戸当たり金物に張 り付けた歪ゲージはハマタイトにより防水加工を施した。図4 . 2 −工6 は型枠準備及び
L㎡Q シ ニ ・ ・ ・≪
型枠準備 配筋・ 配線状況
[耳万に 2 − 上G
配筋・ 配線状況を示す。表 号。2 −5 はコン クリート の強度 試験結果てある。 こ れらの 試 験は模型と 同一条件で莞生を行っ た円柱 試験体( パ00 × 200nn)により実施し たも のであ る。弾性 試験模型( 試験時1 次コン材令銘〜70 日) のぶ 力計 算におけ る材料常数 は、同 表 に示される10/5打 設コン クリ‑ ト の試 験結果から算出し た、 ヤング率=2.35x 10''Kg/cト 、 ポアソン比=0.193 を採川し か。叉、 長刻にお たるコン クリ ート 実験にお い ては材令に より 強 度が増加し て材料常 数が変化 するの で、 模型閥 の相互比較を 行う際にはこ の変化 に対 す
る加正を行う心ヽ要があ るが、こ の方法は複雑であ る。図4 . 2‑17 は材 令によ る強度 上 昇 の様子を示し てい るが、図 からわかる様に、破壊試験実施期閥 はレ 欠コン材令 で㈲〜 回2
。
日 であり、こ の開 の強度の上昇量は5 仁限度であ るので、 実験結果を強度変化 に対し て‑i.
1‑ 20
補 正 す る こ と を 省 略 し た 。
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表4.2 −5
(4 ) 実 験 方 法
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‑
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図4 . 2
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[ 負荷方 法]
図4 . 2 −18 は負荷要領を示す。上部圧縮荷重 は200トン油圧 ジャッキにより、下 部引張り 荷重は10トン油圧ジャッ キ2 本により負 荷し た。ジャッキは全 て同一 ポンプ から分岐させ た。
模型の据え付けに際しては。模型と支承の片当 たり をなくする ため、 テ スト ヒー スのキャ
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図4 . 2 −18
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4.2‑ 21
I'iJ,引'K ;│山IIL
図4 . 2 −19
ツピングの要領で、ボンドを流し込んだ。図4 . 2 −エ9 は弾性試験及び破壊試験時の上 部圧縮荷重wu と下部引張り荷重WL の実測値を示す。図中にWL ÷WU =0.117の直線も記入 したが、目標荷重比がほぼ実現されていることがわかる。
[ 計測方法]
表4.2 −6 は各模型の歪計測点数及び 使用 ゲー ジの タイプを示す。歪計測は1 次コンコ ーナ付近の密度を高めた。鉄筋、
戸当 たりフレ ーム及びコン クリートの表 面には電気抵抗線歪計をはりっけ、 コン クリ ート内部には埋め込 み式 の歪ゲージ を設置し て、歪計測を行った。 コンクリ ートに生じ るクラックの進展状況 は倍率20
倍の顕微鏡により観察し た。変位 計 測には電 気抵抗式変位計を用い た。
[ 実 験 状 況]
図4 .2 −20
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表4.2 −6
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図4 . 2‑21
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1 ニ3220
×1 =201 り X3 = 573
X 1 −38
×3 =2434 X 1 =3420
×1 =2012
×3 =3i;
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=1320 X 1 = 2020
×I = 20lG x3 =4S8
×3 =;j
4.2‑ 22
no
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引
97
32
図4. 2 −2 0 〜24 は実験状況を示し、20 は弾性試験(B )、2 1 は破壊試験(a )2 2 はa の分離破壊、2 3 はa の圧縮破壊。2 4 は(c )の分離破壊を示す。
図4 . 2 −22
図4 . 2 −24
図4 . 2 −23
4.2‑ 23
4 。2.3.2 実 験 結 果
実験結果の説明では負荷の大きさを、荷重の大きさでなく、設計荷重との比率P =W ÷Wd
(W =WU 十WL 、Wd は設計荷重)で表す。従って、p =1 が設計荷垂に相当する。叉 マイクロクラックとはコンクリート面の肉眼で見えない亀裂、マクロクラック/クラック とは肉眼で見える亀裂を示す。
(i )応 力分布及び マイクロ クラック(弾 性試 験)
図4 . 2 −25 は模型A 及びB による弾 性試 験の実測値( 歪) であり、図4 . 2 −26 は図2 5 の設計荷重(P =1 )における値を応力 に換算し て、FEM 解 析値と対 比し て示 し ている。計算値は実測値 に対レ 局部的 にず れてはい るか、 全体的に は良い一 致を示し てい る。ずれの要因とし ては、 模型A では(1 ) 鉄筋 の交差点 が実験模型 ではお 互いの変 形 を妨げない状態であ るのに対し、 計算模型 では剛結 であ るこ と、及び 、(2 )実 験模型 ではP
<1 でコーナ部(1 次コン) にマイ クロ クラッ クが発生し ているこ とが挙げ られる。模 型B では、更に、(3 )p =0.3 程度から1 次コンと2 次コン の剥離 が始まっ ていること が 挙げられる。次に模型A 及びB のマイクロクラッ クについ て見る。両 者のマ イクロ クラ ッ ク性状はP <1 では全く同一 であ る。図2 5 で模型A のp = 1 にお け るコーナ部の鉄筋T
−2 の歪が50 μ程度を示し ていること から、こ の時点では マイ クロ クラックは鉄筋迄達し てお らず、 コーナ近傍に限 られ ていること がわ かる。続いて 模型B の1 次コン と9 次コン の剥離について見ると、図2 5 の 鉄筋T −1 及びT −14 の 歪が線 形性 を維持し ているこ と から、 まだ完全剥離には達し ていないことが わかる。更に、1 次コンと2 次コン の接 着 面が荷重 伝達にどの程度寄 与し ているかに 注目し て、両 模型におけ る1 次コンの荷重点 直 下 の歪を比 較する。2 次コンを持つ模型B にお け るM −4 歪のX 及 びy 方向の値は2 次コ ン のない 模型A のM ‑ 3 歪の約半分であ ること から、p =1 の時点 で接着面の付着力と 差 し筋 のmm で全体の 半分程度の荷重が受 け波さ れ ていること が分かる。
4.2‑ 24
W
P =2
p=l
?=0
W
P =2
p=l
p とo
モデ ルA‑11 ii'〜i 斌a で鉄筋 )
モデルA‑II ・ (≪図(:::ンクリート内S)
二 千 二 二 下 工
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(2 ) マ ク ロ ク ラ ッ ク ( 破 壊 試 験 )
図4. 2 −27 は 模型a 〜c による破壊 試 験におけ る歪実測値である。図4 . 2 −28 は同じ試験におけるマ クロ クラッ クで、発生 と進展状況をP の値で示し ている。こ の図に は模型d も示されているが、こ れは、4.2.3
. 工で述べた様に、 破壊モ ード のだめ 押し 的確認の為に追加し た試験体 であっ て、 実験 条 件が異なる。従っ て、比較 は模型a 〜c に 限定し て行う。2 次コンの無い 模型a 及びc では低いP イ直で 工次コンコ ーナに マイクロ ク ラックが発生し、2 次 コンのある模型b では P =3 程度 で1 次コンと2 次コンの完全剥離 が確認されたが、これ等は弾性試験に於ける 模型A のマ イクロ クラック及び模型B の1 ・2
次コン剥離について 観察された結果と全く 整合している。各模型とも1 次コンコーナにお
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ける マクロクラッ クの発生荷重はP =7 程度である。マ イクロ クラッ クの発生からマ クロ ク ラッ クの発生 の間に大きな荷重差があ るのは。コン クリートの 塑性 によりマイ クロ クラッ クの先端で応力緩和が生じ 。結果とし て、荷重の再配分が起こっ た為と考えられる。各モ デル間で発生 荷重に差がなかっ たが、模型a 及c の一致は鉄筋 がクラッ ク発生 後に始めて 有効に働くと言う鉄筋コン クリートの一般的傾 向を示し たもの であり、 模型a 及びb の 一 致は1 次コン と2 次コンの完 全剥離を示すものと解釈さ れる。荷重がP =7 を越 えた後 の クラックの進展状況は模型a 〜c の聞で全く異なる。無 筋の模型c は、 クラ ック発生後、
荷重の増加なしに左右コーナのクラックが貧通し て破断し、1 次コンが鉄筋で補強された 模型a では荷重がp =11イ寸近で左右コーナのクラックが賃通 し、P =12 付近で鉄筋が降伏 点 に達し その後P =15 付 近で支持点( =戸当 たり荷重点) からクラッ クが入っ て破壊し た。 クラックはほぼ垂直に走っ ていて、 圧縮試験片 で見 られる分離破壌の様相を示してい る。 クラックが上端部で側面 に逃げているが、これは上端面 の負荷 治具による拘束の影響4.2
一肌
と考えられる。二次コンと戸当たり金物を持った模型b ではP =13程度で下部引張り域で クラックが貫通し、更に、P =16付近で2 次コンの高さでクラックが貫通したが、 工次コ ンコーナのクラックはP =17付近でもまだ貫通しなかった。模型b がa と相違している点 はコーナクラックの進展が遅くて貫通しないこと及び1 次コンに垂直方向のクラックが発 生しないことであるが、これらの差の要因は主として差し筋の存在であると考えられる。
この点を図2 7 の歪実測値で確認する為に、模型a とb のa. ―ナ部鉄筋及び荷重直下の1 次コンを比較する。模型a のT −2 及びM −2 と模型b のT −1 及びM −3 がこれ等に該 当していて、P =4〜8の範囲で比較すると、後者は前者の約70〜80%の値を示している。
従って差し筋を通して伝達されている荷重は全体の20〜30 %程度と考えられる。
以上で模型a 〜c の1 次コンに発生 し た様 々な クラッ クについて述べ たが、 この中 でコ ーナ部の クラックが重 要であ る。4.2.2 で述べた従来の設計方 法では考えていなかっ た破壊モードであり、叉、 全模型 に一 律に現 れている。図4 . 2 −29 はこ の付近 のクラ ックの方向と主応力( 引張り) の方向 を示 し たも ので、 模型に発生した クラ ックは引張 り 応力 による分離破壊 であるこ とを示し てい る 表4.2 −7 は模型の下部引張り荷重と上 部
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5.0 40.) 1:4 24.5 29.5 ‑13.5 40.2□.2 5).2 0.0 〔)05 0: 1 28.9 34.0 ‑15.5 46.3 14.6 51.5 表4. 2 − 7 WL /WU 値 による主 応力の大きさと方向 の変化4.2‑
32
圧 縮 荷 重 の 比 率 (WL /WU ) の 種 々 な 値 に 対 し てa. ―ナ 部 の 主 応 力 と そ の 方 向 をFE^ 解 析 で 算 出 し た 結 果 で あ る 。 そ の 意 図 は 、 図1 2 に 示 し た 様 な 、 堰 柱 の 横 断 面 形 状 が コ
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ナ ク ラ ッ ク に 与 え る 影 響 を 推 定 す る こ と に あ る 。 コ ー ナ ク ラ ッ ク は コ ― ナ 部 の 主 応 力 に よ り 発 生 し た こ と を 今 示 し た が 。 横 断 面 形 状 の 要 素 で 主 応 力 の 方 向 と 大 き さ に 大 き な 影 響 を 与 え る の は1 l/l 及 び1 3 / 1 で あ り 、 そ の 影 響 はWL /WU の 値 に 集 約 さ れ る 。1 l / 1 =0が コ 、− ナ ク ラ ッ ク の 発 生 し 難 い 限 界 条 件 で あ り .WL /WU =O が こ の 条 件 に 対 応 す る 。 表7 に 示 さ れ る 主 応 力a 1 と そ の 方 向a は 、WL / wu =O の 場 合 と 実 験 条 件 に 近 いWL /WU =1/8
で 、 大 き な 差 が 無 い の で 、 実 験 で 起 こ っ た ク ラ ッ ク は こ の 条 件 で も 発 生 す る 可 能 性 が 高
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学的 に重大な発見であ るので、これを実験で確認する必 要があ る。模型b と全く 同じ 模型 を製作し。限界条件で試験した結果が図2 8 に示し た模型d である。 クラッ クの発生と 進 展状況は本質的に変化 が無かっ た。尚。 今述べ た逆 の限 界条件はWU =O であり、 こ れは長 い水路の下流端にあ る戸溝にゲート が設 置さ れた場 合に相当 する。
二次コン内のクラックは、図2 8 に示される様 A
に、 模型b ではP =16 付近 で発生したが、 模型dではこ の荷重 でも発生しなかっ た。図4. 2‑
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こ の条件 での引張り応力は実験時に2 次コンに生
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一 引 張 応 力
C
じ た応力より造かに小さいことも 考えれば鉄筋d l は不要であるとの結論に達する。 鉄筋d が密に入 図4 . 2 −30
るとコン クリ ート打 設の作業 性が低下するものと考 えられ、こ れを省くことは品質 の而 か ら望まし い。
(3 ) 破 壊 の 進 展
各模型 に対 して得られた破壊に関する情報はかなり断片 的である ので、そ れぞれの欠け ている所を補い合い、破壊 の進展について全体像を描く必要がある。1 次コ ンクリ ート が4.2‑
33
最終状態に達する迄に現れるふし目の現象は2 次コン境界面の剥離開始と完全剥離、コー ナ部マイクロ クラックの発生と鉄筋到達、コーナ部マクロクラックの発生と貫通、1 次コ ン歪の非線形領域への到達、引張り部マクロクラックの貫通、鉄筋の降伏、圧縮破壊であ っ た。表4.2 −8 のl はふし目現象を縦軸として各模型の荷重値(P )の関係を示して いる。斜線は該当しない現象であり、斜体文字は模型間の関係から補った荷重値である。
試 験 模 型
記 号
弾 性 試 験 B A
破壊試験
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表4.2 −8 破壊の進展
○以降のふし 目現 象には鉄筋 の効果及び2 次コン クリートと 差し筋の強度的貢献 の影響 が 現れてい る。 同表 のH は各模型 の限界荷亜を示し ている。 機能上の限界はコ ーナクラック 発生とコン タ ツ‑ ト 歪の非 線形領域到達のうち、 小さい方、 強度上の限 界は クラック貫通 と定義し た。c; とA ・a の差は鉄筋の効果 であ り、B ・b とA ・ a の 差は2 次コンと 差し 筋の効果 であ る。 工はこの差を サ;tfート する資 料で、2 次コン境界面の 荷重 伝達 率( %)4.2‑
34
で あ る 。 こ の 表 で 最 も 注 目 す べ き 点 は1 次 コ ン ク リ ー ト の3 ヵ 所 に ク ラ ッ ク が 発 生 し て い
(4 )設計方 法の検証
新しい設計方法についての構造的・ 強度的面 の妥当性 につい ては表4.2 −8 が総てを 説明している。即ち。
(1 ) 工次コン クリ ートの配筋は破壊モ ード と完全に対応し ている。図10 に示さ れる鉄筋a は⑤コーナ クラックと、 鉄筋b は⑧引張り部 クラッ クと、鉄筋c は⑩圧 縮破壊と 対 応し てお り、最大の問題点 であっ た想定破壊モード と実際のモ ード が完全 に一致し て いる。 鉄筋a .b .c はコン クリ ートの引っ 張り応力 分布に従っ て配置さ れ るので、
応力 が小さい方向は省かれる。実験 結果は鉄筋の必 要性がa 、b 、c の順に少 なく な ること を示し ている。
(2 )鉄筋 補強された1 次コンは、 計算応力が全体的 に実測応 力に近い値 を示し、 マ イクロ クラッ クが発生し ても、設計荷重以 下で、鉄筋 に達することは無く に ))。 機能上 の 限 界荷重は設 計荷重の約 フ倍であ り、 強度上 の限 界荷重 は約i 1 倍 であっ て、 十分な 強度的余裕を持っ て荷重を支えること ができる。
(3) I 次コンの接 触面は完全に剥離はし ているものの( ⑤)、 工次コン からの完 全分離 は 鉄筋e が阻止している。その結果は1 次コンの負荷能力の増加にも貢献してい て。強 度上 の限界荷重は設計荷重 の1 3 倍に増加している。尚、現場にお ける差し筋は、ロ ーラ荷重以外に、扉体の温度変化による伸縮に抵抗する力も作用するので、 設計段 階 での吟 味はこの点も含め て行う必要がある。
(4 )2 次コン は圧縮材とし て十分な強度を示し た。実験では鉄筋d を用いたが、こ れは 不 要であ るとの結論に達し た。 但し、2 次コンの形状と 戸当たりフ レ ームの位 置にっ い ては、2 次コンの転倒と 大き な引張り応力 の発生を 回避する配慮が必要であ る。
(5 )想定 実機は超大型ゲート であり、戸当たり部の大きな荷 重に対する 設計内容 の安全性 が証明さ れたが、 設計法 の合理性が一般的 に裏付けら れたことにより、この 方法が、
より 大型 で高圧のゲートに対しても、 そのまま延長して、適用 できる可能性 が開け た。
4.2‑ 35
その他の問題点について述べると、設計方法はアンカーボルトの作業性の悪さから解放 されており、1 次コンと2 次コン接着面の設計的強度評価は曖昧さが無く。全体の設計思 想が明確であって、ゲート設計者と土木設計者の作業分担についての曖昧さが入り込む余 地がない。
模型実験は左右対照の荷重条件で行われたが、これは堰柱の左右に配置されたゲート が 同じ荷重条件にある場合に相当する。片方が全閉状態で他の側か全開状態にある場合は歪 分布に若干の影響があると考える必要があるが、問題は局部的な強度であり、反対側の荷 重点 から検討対象部分迄の距離は検討側の荷重点からの距離に比較して数倍以上ある筈で あり、その影響は著しく薄められるものと考えられる。叉。 工次コンコーナに現れたマイ クロクラックについては、発生と鉄筋への到達時期のみを観察の対象とし、その巾に付い てはデータを収集しなかった。巾はコンクリート補強材の腐蝕現象と密接に関係がある。
その量は荷重の大きさと設計内容により異なり、叉、長期荷重によるクリープと荷重の繰 り返しにより成長する性格のものである。従って、この量を予測し、設計段階で適切に規 制処置を講じる必要がある。この問題について次項で詳しく論じる。
この設計方法が設計現場で活用される条件の一つとして、1 次コンクリート内の応力が 簡単に得られる図表を作成する必要があるが、これは今後の課題である。
4.2‑ 36
4 。2. 4 マ イ ク ロ ク ラ ッ ク の 巾
前項におい て新しい設計法の妥当性が証明さ れ、 この方法がより大型 で高圧の ゲートに も適 用できる可能性が開かれた。しかし 、1 次コン コーナに現れたマ イクロ クラックにつ い ては、その発生 と鉄筋へ の到達時期 のみを観察対 象とし 、巾に付い ては何等 言及しなか っ た。 クラッ ク巾はコンクリ ート 補強 材の腐蝕現象と密接 な関係がある。そ の量 は荷重の 大きさと設計内容により異なり、叉、長 期荷重による クリ ープ と負荷の繰り返しにより成 長する性格のものである。本項におい ては、マ イクロクラッ ク巾の予測方法と許容値につ き論じ、予 測方法を確立する為に残さ れた課題を明らかにする。
4 。2.4.1 予 測 方 法
マイクロ クラッ クには圧 縮性亀裂と 引張 り破壊 があること は既に述べ たが、対象とし て いるものは1 次コンコーナの引張 り応力 に起因す るもの であ るので、こ こでの論述は引張 り破 壊に限定するも のとし、こ れを引張り 亀裂と呼 ぶ。鉄筋 コンクリート の引張 り亀裂に つい ては曲げ部材に関して多く の研究が 行われている。曲げ 部材に 荷重 が作 用し、 鉄筋 と 周囲のコン クリート の歪が適合し ていない状態が発生すると、600Kg /ciト 以下 の鉄筋応力 でコンクリートに引張り亀裂が発生する可能性かあ る( 。短期荷重による亀裂 巾の予測法 について多 くの報告がなさ れてお り 2、長期荷 重によるクリ ープ及び繰り返し荷重 が亀裂 巾と数に与 える影響に関する研究もあ るO 。戸 当たりコン クリ ートのコ ーナ亀裂巾の研究 の出発点とし て、これらの内の代表例につき情報を整理す る。
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