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流動が植物プランク トンに及 ぼす影響 に関す る研究

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(1)

流動が植物プランク トンに及 ぼす影響 に関す る研究

李 勤松 * 河原 長美 ** 小野芳朗 **

A St udyonI nf luenceofCurr entVel oci t yonPhyt opl ankt on Ji nsongLI*, Osami KAWARA ** andYosi roONO**

( Re c e i v e dNov e mb e r30,2001 )

Themai npr o bl emsc aus e dbye ut r o phi c at i o nr es ul tf r o m t hei nc r eas eo fphyt o pl ankt on.

The r e f o r e,c o nt r o l l i ngt hei nc r e as eo fphyt o pl ankt o ni st hemos ti mpo r t ant .I nt hi ss t udy ,we di s c u sst hei nf lue nc eo fc ur r entve l o c i t yo nt heg r o wt h o fphyt o pl ankt onbas edo nt hef i e l d e xpe r i me nt sandl abo r at o r ye x pe r i ment s .Thel abo r at o r ye xpe r ime nt sf o rt hei nf lue nc eo f c ur r e ntve l o c i t yo nt heg r o wt h havebe enc onduc t edus i ngc i r c ul arc hanne l s ,andt hef i e l d e xpe r i ment swe r ec o nduc t e dus i ngas hal l o wpond. Ther es ul t so ft hee xpe r i ment ss ho wc ur r ent ve l o c i t yi nhi bi t st heg r o wt ho fphyt o pl ankt o n,

Ke yT nL l d s: Eut T O Phl ' c at l ' o n, gp oWt ho f pLyt o pI a Dkt o D,) ' nHue DC eO lc u me DtV e l o c j t J ;e X Pe n' me Dt .

1 はじめに

日本においては,ダム貯水池,湖沼にお ける富栄養化が 長年の問題であ り,湖沼,ダム貯水池な どの閉鎖性水域で は,大量の窒素, リン等栄養塩 の流入 によって,富栄養化 が促進 され,藻類 の異常増殖 が頻繁 に発生 し,景観,水圏 生態 に影響 を与 えるだ けでな く,藻類 の増殖 による異臭味 が上水に も影響 を及 ぼ し,社会問題 になってい る (合 田ら,

1 9 6 8

;岩佐

,1 9 9 0;

宗宮 ら

,1 9 9 8) .

富栄養化防止の基本 は,窒素や リンの流入負荷の削減であるが,富栄養化が生 じる栄養塩濃度 の限界値 は,処理 によって浄化 された排水 中の濃度 のみ な らず 山林 か らの流 出水や 降雨 に含 まれ る 濃度 よ りも低 い.加 えて、特定汚染源 の高度処理対策 には 時間を要 し、非特定汚染源 に関 しては,農地か らの肥料流 出が検討 されつつあるが,山林か らの流出水や降雨に含 ま れ る濃度 よ りもは るかに低 いため,水域 中の対策 も考 えな けれ ばな らない と考 え られ る (浮 田 ら

,1 9 97;

丹羽 ら,

1 9 9 3

;加藤 ら

,1 9 9 5 ) .

富栄養化において,様 々な問題 を 引き起 こす原因は,植物 プ ランク トンの増殖 であ り,植物 プランク トンの増殖が抑制 されれ ば,大 きな問題 は生 じな

しヽ.

従来 よ り,河川 においては流速の早い河道 区間では植物 プランク トンが増殖せず,プランク トンの増殖 が生 じるの は、堰や ダムによ り流速が遅い河道 区間であることが事実

*岡山大学 自然科学研 究科

**岡山大学環境理 工学部

4 5

として知 られていた.筆者 らは旭川 にお ける流下過程 にお ける水質変化の調査 を

1 9 9 3

年 よ り続 けてお り、 これ らの 観測の結果 に よ り,流速が クロロフィルーaの増減 に大 きく 関与 してい ることを確認 してい る (河原 ら

,1 9 9 8,2 0 0

1).

これ らの観測結果 によれ ば,植 物 プ ランク トンの増殖が生 じるのは,流速

1 0 c m/

S以下の河道 区間であ り,流速

2 5 c m/ S

以 上 の 区間で は減 少 が生 じて い た . また

,Ski dmo r ee t a l . ( 1 9 9 8 )

によって、英 国

Tr e n t

川 にお いては、 クロロフィ

ル ーaが流下過程 で,春 には増加 し晩夏には減少す ることが 明 らか に され てい る.流速 が明示的 に示 され ていないが,

2種類 の クロロフィル の変化速度 に関す る表示 (1瓜m と 1/d)よ り流速 を推 定す ることがで き,観測時の流速の範囲 は10cm〜30cm/S程度 と推定 され た。また、クロロフィル ーa濃 度 の増加 が顕 著 で あ った 時 点 にお い て は,流 速 が

16cm/S〜23cm/Sであった と報告 され てい る.

本研 究では,流動 を用 いて植物 プ ランク トンの増殖 を抑 制 し,水域 の水質浄化 を達成 で きる可能性 があるのかにつ いて,植物 プランク トンの増殖 に影響 を及 ぼす因子 として 栄養塩,水温,照度 な どの他 に流速 を取 り上げ,植物 プラ ンク トンの増殖速度 について検討す る.

2

研究方法

本研 究においては,流動の藻類増殖 に及 ぼす影響 につい て,現地実験 と室内実験 によ り検討 を行 った.

(2)

46 岡山大学環境理工学部研究報告, 7(1)2CK)2

2.1現地実験の方法

現地実験 を行 った池はFig.1に示す よ うであ り,岡山空 港 ゴル フ場にある修景用に作 られた人工の池である.この 池は総面積が約410m2で,水深が約0.6mであ り,底はコ ンク リー トで固め られている.水位 を一定に保つために山 地か らの水が常時流入 してお り,池の水位 は一定に維持 さ れている.観測に際 して池を止水 フェンスで3分割 し,辛 均流速約30cm/Sの池 (N0.1の池),平均流速約 10cm/Sの 池 (N0.3の池),及び,人工的な流動を与 えない池 (N0.2 の池)を作 り,定期的に観測 を続 けた.なお,流速30cm/S の池では底泥の巻上げが生 じたので,流動は夜間に発生 さ せ ることとした.また,水平循環流を水 中 ミキサーで発生 させたので,池の中心部等では これ よ りも流速が遅い水域 が存在 した.止 水 フェンスによって,完全に水の出入 りを 止めることできず,各地の水位 はほぼ同一に保たれ ていた また,池によって僅かなが ら水温が異なっていた.観測は 1997年9月下旬 よ り開始 し,1998年9月までほぼ毎週一 度行 った.現地では,流速,水温を計測 し,水質分析は実 験室に持 ち帰 って行 った.水質分析の項 目は,クロロフィ ル・a,SS,窒素,リン及び,回数は少ないがCODであ り, 上水試験方法 (日本水道協会,1993)に準拠 した.

Fig.1Outlineofthepondusedforfieldexperiments 2.2室内実験の方法

室内実験に供 した藻類 については,混合培養系 と純培養 系の藻類であった.

混合培養系の場合には,現地実験 を行 った池か ら藻類 を 含む水を採取 し、 これに Chu‑10改変培地 (日本水道協 会,1993)を1m1日 の割合 で添加 して実験 を行 った.

Fig.2に示すよ うな水槽 を用 いて、異なる流速 を与えた水 槽2つ とコン トロール として流速を与えない水槽1つ とを 用いた.水深 については、水深方向の照度の減衰が大きく な らないよ うにす ることと、サンプ リングによる水量の減 少量の割合が大きくな らない ことを考慮 して、約10cmに 一定 とした.流速 を与えた水槽は,試作 した円形水路で水 車の回転速度 によ り流速 を 0‑50cm/Sの範囲で コン ト ロールで きる.実験室内で昼夜を設定す るために,従来の 研究 (小島 ら,1995;西洋 ら,1979)を参考に して,タイ マーによ り12時間 ごとに蛍光灯 (照度20001ux)の点灯

と消灯を繰 り返 した.水温は ヒー ターで コン トロール した.

クロロフィルーaの経 日変化,実験開始前の栄養塩濃度及 び藻類の種構成,並びに、実験終了時の栄養塩濃度及び藻 類の優先種について調べた.

純培養実験の場合には,予めの培養 によ りChlolella(緑 藻類)のみが高濃度で卓越す る培養液 を蒸留水で希釈 し、

M

A培地 (日本水道協会,1993)を1m l/1の割合で添加 して実験 を行 った.なお、

M

A 培地は藍藻類 と緑藻類の両 者 に適 した培地 とされている。混合培養の場合 と同様に、

Fig.2に示す水槽4つ を用い, 3つの水槽 に流動 を与え、

一つの水槽 はコン トロール として流動 を与えなかった.照 度については、夏期の 日射量を想定 して80001uxに設定 し

(西薄 ら,1979)、水温については室温の空調によるコン トロール と水中ヒー タによ り24℃ にコン トロール した.莱 験 中はクロロフィルーaと栄養塩濃度 の経時変化 を測定 し た.

CircdarclⅦm elforexperiment llnnerdlameter32cm. Outer dlameter59cm.Depth15cm)

Fig.2Circularchannelforlaboratoryexperiment

3

現地実卓 の轄黒と考察

現地 での流動実験 にお ける水質変化 の結果 を Fig.3‑

Fig.7に,各地における藍藻類,珪藻類,緑藻類 な どの藻 類種の変化 についてFig.8‑Fig.10に示す

3.1クロロフィルtaの変化

000000000000007654321

(

一\TJ)e^LJdoLO0

SepOctNovDecJanFebMarAprMayJunJuIAugSep 1997 1998

Fig.3Variationofchlorophyll‑aineachpond

(3)

各池におけるクロロフィル ‑a濃度 については,1997 年9月か ら 11月,12月か ら1998年4月,並びに5月以 降の時期に3分割できる.実験初期の9月か ら 11月まで は,池N0.1での底泥の巻 き上げや水中 ミキサーの トラブ ル等によ り実験条件が安定 しなかった.12月か ら翌年の4 月までは比較的安定な条件下で実験が行われ,5月以降の 最後の時期には,水温が上昇 しただけでな く窒素や リンの 濃度が大きく増加 したので,クロロフィルーaが大きく増 加 した.

池N0.1では,実験 当初は底泥の巻 き上げが生 じたため に,クロロフィルーaが高い値 (60〃g/1)であった.

その後徐々に値は下が り10〃g目 前後 となった.池N0.2 では10月下旬か ら,栄養塩濃度の増加 に伴い急に増加 し たが12月に約 70〃g日 となってか らは値 も下が り,12 月下旬か ら池N0.3よ りも値は低 くなった.池N0.3では 時間 とともに値は低下 し,20‑30〃g目 前後で変動 した.

流動の効果を検討できるのは,実験条件が安定 していた 3月前後の時期であるが,流動のない池N0.2に比べ流動 を 発生 させている2つの池で クロロフィルーa濃度が低 く, 幾分流動による増殖抑制効果が現れているよ うである.

(一\Zf∈)uo!1eLtuBu

OO

NCB

SepoctNovDecJamFebMarAprMayJunJuIAugSop 1997 1998

Fig.4VariationofDNineachpond

98765432

1

000000000

0

0(lJ2')uo!)eJIuOOuO

Od

SepoctNovDecJanFebMarAprMayJunJuIAugSep 1997 1998

Fig・5VariationofDPineachpond

各地における栄養塩変化は,Fig.4,Fig.5のよ うであっ た.各池における栄養塩の時間変化は,汚水処理水の流入 や降雨時の芝生に散布 され た肥料 の流入な どの影響 を受 けて,複雑な変化を示 した.

3.2 藻類 の変化

藻類の変化について,1998年 1月か ら9月まで各池で 採取 して,優先種 と個体数について観測 を行 った.藻類 を 大きく藍藻類,珪藻類,緑藻類 に分 けて,各地の藻類種の 変化を検討す ると以下の よ うであった.緑藻類は,流速の ない池や 10cm/S池では大量に発生す る時期があったが, 流速が 30cm/Sの池では常に僅 か しか存在 しなかった.

珪藻類では,冬季に流速30cm/Sの池で大量に発生 したが, 他の2つの池では4月以降に発生の ピー クが生 じた.藍藻 類については,流速のない池 よ りも流速の大 きい池のほ う で細胞数が多い傾向であった.

各地においては、藻類種の変化の異なることが分かった が,流動によ り,藻類種 に与える影響がある傾 向があるこ とか ら,ここでは,水温が上昇 した3月以降の各池におけ る藻類種 の変化 を水質や流動 と関係 付 け比較検討 を行 っ た.

3月中旬か らは気温が上昇 し、水温が12℃以上になっ た.この時期には,流動のある池No.1,池N0.3での藻類 の優 占種は珪藻類のAulacoselrB属であった.また,流動 のない池 N0.2では緑藻類 の AnhL'stzlDdesumslalcatus 帽Z:mJ'mbJ'll'S(日本名イ トクズモ,66000cells/ml,細胞 の幅 2‑3〃m で長 さ 150FLm)と Cuamydomonas属

(20000cells/ml細胞 は幅5‑12〃m,長 さ10‑17〃m) が優 占種であった.

4月 中旬 に な る と, 流 動 の 無 い 池 で は , 緑 藻 類 の Ankl'stTOdesumsalcatustlaZ:mL'mbil)'S (230000 cells /ml)と藍藻類の 1%oz・mL'dl'um tenue(3300cells/ml)が優

占種になった.流動のある池のNo.1お よびN0.3の池のク ロロフィル ーa濃度は、5FLgA と20FLgAの前後で変動 し た.流動のない池においては,クロロフィルー a濃度が56

〃g/1‑77〃g/1の濃度に達 した.この時期のDN,DPの 濃度か らみ ると,No.1‑N0.3の池の DN濃度はそれぞれ 0.31,0.57,0.38mg/1,DP濃度 は0.017,0.015,0.011mg/

lであった.流動のある池N0.1と池N0.3では栄養塩が充 分な濃度であるに もかかわ らず,藻類がほ とん ど増加 しな かった.

1998年5月下旬か らは,流動有無によらず各地のクロロ フィルーa濃度が大 きく増加 したので,各地 ごとに藻類種 の変化を考察す る.

池 N0.1では, 5月下旬に水の華が発生 したが, この時 期,藍藻類のAnabaeDa属 (1100ce11S/ml糸状体で直径9.5

‑12Jlm長 さ17‑26〃m),珪藻類のAulBCOSel'ra属(4900 cells/ml,殻径3‑21〃m,殻高5‑18〃m)及び緑藻類の Holm1'dL'um (7000cells/ml)属が優先種 となっていた.栄 養塩の急増に伴 って クロロフィルー aも増加 した.

6月 中,下旬 には,池 N0. 1での優 占種 は藍藻類 の j%oz・ml'dl'um teDue(12000cell/ml,直径 1‑2FLmで,長 さは2.5‑5/Jm)であった. 6下旬か ら7月の中旬まで は,クロロフィルーa濃度が10〃m/1程度 に低下 した.DN,

(4)

48 岡山大学環境理工学部研究報告,7(1)2002

DP濃度 の低 下や水温の低 下の影響受 けた と考 え られ た.

7

月24日には,水温 は

3 0

℃ まで上昇 し,また,溶存態栄 養塩 も上昇 した ことに よ り,クロロフィルーa濃度 が急増 し た . こ の 時 の 優 占 種 は 藍 藻 類 の ADabaeDa属 (4500cell/mi ) と 緑 藻 類 の .gchz10ederla setliezla (2800cells/ml,細胞 は幅3‑6pm,長 さ100‑200Ilm) であった.

8月 中旬 に入 る と優 占藻類種 が藍 藻類 の Ml●cz‑OCyStl's az・ez・ugl'nosa(群体数,11000cells/ml)になった.7月下 旬か ら8月まで,DNは2.0mg/1以上で,DPは0.15以上 であった.

池N0.2では,5月中旬か ら7月下旬の間

,

優 占種 は緑 藻 類 の Sphaez10CyStl'sschzvetey1'(6月 下 旬 の 濃 度 は 29000cells/ml, 7月中旬の濃度 は43000cells/ml,細胞 直 径6‑22〃m)であった.クロロフィルa濃度 は時間 とと もに増加 し, 7月下旬には 109.5〃g/1, 8月 中旬には 410 FLど/1までにな った, 8月の優 占種 は藍藻類の M)'crocJIStl's areL・ug7lDOSa (群体数 で計数,1200cells/ml)であ り,DN は2.8mg/1,DPは0.26mg/1であった.

池 N0.3で は, 5月 下 旬 の 優 占 種 は , 緑 藻 類 の SphaerocystJ'sschroeten'(32000ce11S/ml)であ り,クロロ フィルaの濃度が76〃m/1に上昇 した.6月中旬 に,水 中 ミキサーが故障 し,7月下旬まで流動が停止 した.6月の終 わ りに緑 藻 類 の Sphaerocystl'sschz10eteYl'が 大 発 生 し (200000 cells/ml),クロロフィル‑a濃度 も440.7〟m/1 まで上昇 した.7月下旬の優 占種 は藍藻類のMen'smopedl'a tenuL'ssl'ma(1900cells/ml) と 1%oyml'dl'um teDue (1300cells/ml) であった.8月 には,優 占種 とク ロロフ ィルaの変動が大 きかった.DP濃度 が低 いため, リン制 限 とな り,優 占種 としての藍藻類 の増殖 が抑制 され た と考 え られた.

(一\TJ)eIll^LldoJOILJC) 000000000000987654

300 200 100 0

◆Nol

●No2 ANo.3

◆ ◆ ヽ ◆

△◆

△ ◆

00 1.0 2.0 30 4.0

PNConcentration(mg/I) Fig.6RelatlOnbetweenPN andchlorophylla

Ⅷ 帥 純 仰

(IJ叫TT)e上l^udoJOC)

● ◆

◆Nol

ヽ A

A A ! ●No・2

.◆● +

A ANo3

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 PPConcentratJOn(mg/A)

Fig.7RelationbetweenPPandchlorophyll・a

次にクロロフィルーa濃度 とPN濃度 もしくはPP濃度 との関係 を検討す る.Fig.6,Fig.7に示す よ うにPN濃度 お よびPP濃度 とク ロロフ ィル ーa濃度 の関係 はすべ て の池 において正の相 関が認 め られ るが,かな り大 きな分布 幅が存在す る.各地の藻類 は大発生 と死滅 を繰 り返 してお り,死滅後の藻類 が浮遊物 として存在 してい ることが影響 してい ると考え られ る.

DN,DP濃度 の変化 よ り,藻類 が大発生す る と,栄養塩 濃度 が一時的に不足 し,藻類 の増殖 が抑制 され ていた.

30000

(一uJJSllU)oeauLJdoue^oJoLOqEnN 00000000000050502211

一 一 一 ■

H Velocity30cm/S 一一づゝ・.lVelockyOcm/s

J .I

Jan FebMarAprMayJun JuIAugSepOct 1998 Month

Fig.8VariationofCyanophyceaeinexperimentperiod

00000(U00000000000000005050505332211(rUuJSIPO)G>ea

O^

Lld

o!J

erl!DC9‑0LaquJnN

=・■H Vel

Velociocky1ty30Occm/Sm/S 一一「△‑ VeIocityOcm/S

JanFebMarAprMayJun JulAugSepOct 1998 Month

Fig.9VariationofBacl'11az・1'ophyceae ineachpond

(5)

(I\SOC,)oeoo^LJdoJOUIOJGIq∈nN

250000

200000

150000

100000

50000

0

JanFebMarAprMayJunJutAugSepOct 1998 Month

Fig.10VariationofChlompJlyCeaeineachpond 現地観測 を行 った池において,藍藻類Ml'crocystl's areru87'nosaが大発生 したす る場合は,水温が25℃以上, DNが2.0mg/l以上,DPが0.1mg/1以上,並びにN/P が20以下の条件であった. この よ うな条件 は,藤本 ら

(1995)による藍藻類 についてのN/P関す る研 究結果や , 藤 田 ・大城 (1989)が指摘 している藍藻類の増殖 に及 ぼ す リンが影響す ることの結果 に一致す る ものであった.

4 室内美浜の轄黒と考察

4.1混合培養 実験 の結果 と考察

藻類 の増殖 には栄養塩 や 水温 な どの様 々な要 因が関与 し,現地実験 においては, これ らの条件 を制御す るのは, 困難である.そ こで流動の影響 のみ を明確 にす るために, 室内実験 を行 った.

混合培養 における実験条件 はTablelとTable2に示す . 実験結果 を Fig.ll,Fig.12に示す. どの実験 において も, 静止 した場合 に増殖 が早 く,流速 を与 えた場合 は増殖 が遅

くなっている.Fig.11は昼間お よび夜間の各時間帯の中間 で採水 した場合で,Fig.12は昼間, も しくは夜間の最後 に 採水 した場合である.夜間にクロロフィルーaが減少 し,昼 間にクロロフィルーaが増加 している様子が伺 える.Fig.ll, Fig.12に示 した クロロフィル・a濃度 の経時変化 によ り,明

らかに静置 した水槽 での藻類増殖 が大 き く,流速 を与 える と増殖が抑制 され る こ とが伺 える.ただ し,流速 40cm/S の場合 と流速10cm/Sの場合 とで多少違いがあるが,流速差 による相違は10‑40cm/Sの範囲では明確 ではない.

Table1CurrentvelocltylnmlXedcultureexperlment Period No.1 No.2 No.3 (day) Velocity Velocity velocit

(cm/S) (cm/S) (cm/yS) RUN1 5.5 40 10 0

各水槽 間には,水の蒸発速度 の違 いに よる水温差が幾分 ついてい るが,何れ の水槽 の水温は最適増殖温度 の範囲に ある.西躍 ら (1979)によれ ば,いずれ の藻類 において も 増殖 の最適水温付近では,水温変化 の影響 が小 さい ことが 示 されてお り,松岡 (1984)によれ ば 26‑29℃ の温度範 囲内では水温変化が藍藻種MJ'crocystl'sspの増殖 に及 ぼす 影響 は一割以内の差 と推 定で きる としてい る.

また,次式 で示す藻類増殖 式 (岩佐,1990)にお ける

GM‑Pmax(諾 完 ,(諾 忘 ,(吉 exp

( 1 号 , i ♂

温度影響係数 (T/T。ptexp(1‑T/Top

i ) )

りこよって,本実験

で生 じた水温差の影響 を試算す る と,水温差の影響 は,実 験結果 で生 じて い る増殖 の差 の影 響 か らす る と十分 に小

さい と判定 された.

混合培養系 を用 いた実験 RUNl,RUN2においては, 供試 した藻類 と実験後の優先種 について,Table3‑Table 6に示す,

Table2Otherconditionsinmixedcultureexperiment

Samplingtime tempeMeasraturureed(℃)

RUNl daytniMightddlimeandteoimef 26 27 29

Table3AlgaespeciesbefわreRUNl

Algaespecies Number(cells/ml) Cyanophyceae

ML'crocyst1'SaeI.uBTDOSa

'

240

Bacillariophyceae

AulacoseJ'raSP 4000 N1'tZSChl'aamPhL'b1'a 160 N1'tZSChL'apalea 3100 Chloropbyceae

Oocyst1'SSP 100 Ped1'aatTum borJTaum 380 StaurastTumPaZladoxum 120 CTosmaz.Ium sp 500 ScenedesmusquadI.1‑Cauda 440

★Thecolonynumber

**The丘lamentnumber

(6)

50

Table4AlgaeSpeciesa氏erRUNl

岡山大学環境理工学部研究報告, 7(1)2002

S a

mpl

e

A l

gaespec

i

es Ve40ccelllomsc/ml ci/t1y Ve1e0cllloscm/iml cty Ⅵ∋el0clloscm/imlt/y1

Cyanophyceae

M)'crocyst1'SeI.uBTDOSa

'

2300 1900 2200

Phoz.m)'d1'umSP" 9000 6100 6000 Bacillariophyceae

*Thecolonynumber

**Thefilamentnumber

Table5AlgaespeciesbeforeRUN2

Algaespecies Number(cells/ml) Cyanophyceae

M1'CrOCyStJ'SaeI.ugTnOSa

'

3400

. ' *

MJ'CTOCyStJ'SWeSenbeTgl l 180 1%oz.m1'dL'um sp'' 590 Bacillariophyceae

Aulacoselzlasp 16000 Chlorophyceae

OocystJ'SSP 180 Ped1'aatTum boz,yaum 920 CTosmaz.Ium sp 520 SceDedesmusquadn'cauda 920

★Thecolonynumber

★★Tbe丘lamentnumber

Table6Algaespeciesa氏erRUN2

Sample

Algaespecies Ⅵ∋loclty Velocity Velocity 40cm/I 10cm/1 Ocmn (cells/ml) (cells/ml) (cells/ml) Cyanophyceae

MLaeZ'c'urg7ocysnOStJa's 3000 2800 5100 1%wmL'dI'um

S P ' '

2200 1300 1400

Bacillariophyceae

AulacoseJ'rBSP 110000 74000 110000 Nlltzsch1'aPalea 58000 29000 62000

★Thecolonynumber

**The丘lamentnumber

実験RUN lとRUN2においては,開始前には様 々な 藻類種が存在 したが,実験後 においては,流速がない水槽

と流速 がある水槽 の どち らにおいて も同 じ種 が卓越 し,倭 先種 は,藍 藻類 の M)'crocystl'saez・ug7'nosa (群体数) と 1%oymL'dL'um sp (糸状 体数 ) お よび珪 藻類 の N)'tzschJ'a paleaであった.流速がない水槽 と比べて流動のある水槽

での優先種 として藻類 量が明 らかに少 な く,クロロフィル ーa濃度 も,流動がある二つの水槽 の濃度 が低 い.流速が あ る水槽 で藻類 増殖 が抑 制 され る こ とが明 らかだ と判 定 で きる.しか し,藻類数の計測結果 に よれ ば,流速10cm /Sの水槽 にお ける藻類 の群体数 もしくは糸状体数が少 ない この よ うなクロロフィルta濃度 と藻類数 との矛盾 は,そ の群体及 び糸状体 の大 き さに関係 してい る と考 え られ る.

00000000005432・「‑(lJ叫TT)e‑1r^LldoLOILIO

Velocity40cm / S

+

VeFoc 10c m / S

̲

4

1 ‑ ・ ● 一 ・ ● ‑ ‑ ● ・ ‑ ●

‑ ‑ ‑ ●

‑ ‑VelockyO

c

0m / S

0

1 2 3 4

Period斤omstart(day) Fig.llChangeofchloropllyll‑ainRUNl

00000000000000000

87654321

(LJ

TT)eI^tJdoLO0

壬 VeJocky40cm/S

‑‑1ト ーVelocky10cm/S

一 ・ ‑ ● ‑

IVelockyOcm/S

5 6

● ■ ・ ・ ●

/ ‑ I + I

2 3 4

Periodfromstart(day) Fig.12Changeofchlorophyll・ainRUN2

5 6

4.2緑藻類を用いた室 内実験 の轄 果

藻類 の混合培養 系 を用 いて流動 の影響 を検討 した結果 では,藻類増殖 が流動 によって抑制 され る とい う結果が得 られ たが,混合培養系の場合 には藻類種 を一定にす ること が困難 であ り,実験 ごとに藻類種が変化す るので,時期 の 異 なる実験結果 には藻類種の影響が含 まれ る.そ こで,秦 類 の純培養系 を用いて流動実験 を行 った.今回は河川水 に 含 まれ る藻類 を培養 し,卓越 した (訪lolella (単細胞緑藻 類)を用いて,流動の増殖 に与 える影響 を検討 した.今後 の実験 として予定 している藍藻類 MICTOCyStlS純培養 実 験 と比較す るため,藍藻類 と緑藻類 の両方に適 した培地で あ る MA 培 地 を用 いた .藻類 の純培 養 系 を用 いた実験 RUN3,RUN4は,Table7とTable8に示す よ うな実験

(7)

条件で行 った.本室内実験 では四つの水槽 を用いた.各水 槽 の流速はTable7に示す よ うにそれぞれ は0,5,10, 20cm/Sに設定 した,各実験ではクロロフィルーaの経時 変化 と栄養塩濃度 の変化 について分析 を行 った.

Table7CurrentvelocitylnpureCultureexperiment Period No.1 No.2 No.3 No.4 (day) Velocity Velocity Velocity Veloclty

(cm/S) (cm/S) (cm/S) (cm/S) RUN3 6.5 5 10 20 0

Table8Otherconditionsinpurecultureexperiment Sampling Measured temperature

time (℃)

No.1 No.2 No.3 No.4

RUN3 nidaytEndofghtanditmeime 24 24 24 24

RUN4 nidaytEndofghtanditmeime 24 24 24 24

2500 = Velocky5cm/S

(一\TT)eI^LldoJO0

2000

‑ ム Velocky10cm/s X Verocky20cm/S

I = ● ‑

・VelockyOcm/S ●・

0

1 2 3 4 5 6 7

penod斤omstart(day) Fig.13Changeofchlorophyll‑ainRUN3

2000 ‑ veloc辻y5cm/S

(一叫TJ)eI^LIdoLOLLJU

600284 000000

0

1 2 3 4 5 6 7

perl0d斤omstart(day) Fig・14Changeofchlorophyll‑alnRUN4

Fig.13とFig.14に,各水槽 にお けるクロロフィル・aの 増殖変化 を示 した.流速の違 いに よ り,藻類増殖速度 に違 いが生 じた.流速のない水槽 では藻類増殖 大 き く,流速の ある水槽 では藻類増殖速度 が抑制 され ていた.実験RUN 3とRUN4の場合,流速の変化 に よる藻類増殖 の差は さ ほ ど大 きくないが,流速20cm/Sの場合 に最 も増殖速度が 遅 くな り,流速がない場合 に増殖速度 が大 きくなった.こ れ らよ り,流動が藻類 の増殖速度 に影響 してい ることが明 らかである. グラフを詳細 に見 る と, どち らの実験で も, 培養 の前半 と後半 とで増殖 の傾 向が異 な り,後半部分では, 流速が小 さくなるほ ど増殖速度 が大 き くなってい るが,詳 細 な検討 は,今後の検討課題 である.

4.3増殖速度の検討

混合培養 系 にお け る藻類 の増殖 速度 と流動 との関係 を を定量的 に検討す るために,植 物 プ ランク トンの増殖速度 式 を用いて, クロロフィル の経 日変化 を回帰 し,得 られた パ ラメー タに基づいて検討 を加 えた.

植 物 プ ランク トンの増殖速度GMは様 々な環境 要因 に よ り左右 され るが,本実験 にお いては照度 を 20001uxに 一定 としたため,ここでは藻類 の増殖速度 は,栄養塩濃度, スペー ス効果及 び水温の影響 を受 ける と考 え,藻類 の増殖 速度GMとして次の よ うな式 を用 いた.

GMp

a x ( 品 , ( 品 , (

e

x

p

( 1 ‑台 , { β

(1)

ここで, FLmaxは最大比増殖速度

(1/ d) ,K

mNは窒素の 半飽和定数(mg/1),Kmpは リンの半飽和定数(m g/1), DNは溶存態窒素濃度 (m g/1),DPは溶存態 リン濃度 (mg/1),Tは水温 (℃),Tptは最適水温 (℃), ∈は 定数,βはスペー ス効果の影響係数 で,β=exp(‑ oCchla)

とした.(cr:定数,Cchla:クロロフィル ーa濃度).

また,植物 プ ランク トンの死滅速度K・dに よ り,被捕食, 呼吸 による 自己分解 ,自然死等 を総合的 に表 し,次の式 に よ り藻類 の死滅速度 を表 した.

=‑K

d

C

ch/a (2) dt

植物 プ ランク トンの増殖 と死滅 を考慮す る と,クロロフ ィルの濃度変化は,次の式の よ うにな る.なお,増殖 は昼 間だけ生 じ,死滅 は昼間 も夜 間 も生 じる と仮 定 している.

筈 ‑GMC'h/El‑KJC'h/a ̀3' スペー ス効果並びに死滅速度 は,いずれ もクロロフィル

(8)

52 岡山大学環境理工学部研究報告, 7(1)2002

濃度の増加 を低減す るよ うに働 き,両者 を機械的な回帰で 同時に求 めることは,大 きな誤差 を生む可能性 があるので, 実験結果 よ り,スペース効果並びに死滅速度 の概略値 を次 の よ うに求 めた.スペー ス効果 を表す定数の平均値 c〜 にT ついては,クロロフィル濃度が高 くなって増殖速度が減衰 した時期 にお ける増殖速度 GT とこの時期 の クロロフ ィル の平均濃度∈ 仙 ,及び,初期 のスペー ス効果が無視で きる

段 階の増殖速度GMとを用いて

,J 〜

l

n(吉 )′cp' によ り求めた.

また,総括的な死滅速度Kdについては,藻類 の増殖 は 昼間に生 じ夜間は死滅が卓越す ることか ら,正味の死滅速 度 を夜間の ク ロロフィル濃度 の減少 の観 測 か ら次 の よ う な式 を用いて求 めた.K。‑ln旦 /i

C

o

〃max,KmN,Kmp,Tpt及びEについては,従来の研 究か ら概略値 が知 られ てい る (岩佐, 1990).これ ら の概略値 を初期のパ ラメー タ推定値 として用いて,回帰 に よ り各パ ラメー タを推 定 した.回帰 に用いたデー タは実験 RUNlの結果 である.得 られたパ ラメー タをTable9に示 す.これ らのパ ラメー タを式 (1), (3)に代入 して,経 時変化の適合性 を示す と,Fig.15‑Fig.17の よ うである.

良好に経時変化が再現 され てい る様子が うかがえよ う.パ ラメメー タの値 と流速の大小 との関係 を検討す ると,流速 がある水槽 では,藻類の最大増殖速度 が低 く,死滅速度 が 大 きい とい う結果であった.

5

轄論

現地の池での実験 と室内実験 によ り,藻類 の増殖 と流動 との関係 について考察 した.得 られ た主要な結論 は次の よ うである.

現地実験 よ り,以下の結論が得 られた.

(1)流動によって各池の藻類増殖 に違いがあることが分 った.流速が速い と緑藻類 の増殖が抑制 され ると考 え られ た.他の藻類 については,影響 が明確 ではなかった.

(2)藻類 の増殖 はDN,DPと関与 し,藻類が大発生す る場合は,溶存態栄養塩 の濃度 が高い場合であった.現地 観測 によれ ば,藍藻類が大発生す る場合は,DN2.0mg/

1 ,

DPO.1mg/1以上の条件であった・また,池でのDN/DPの 比 よ り, リン制限が生 じていた と考 え られ る.

室内実験 よ り,次の結論が得 られた.

(3)流動 によ り藻類増殖が抑制 され ることが判明 した.

( 4)

藻類増殖式

些 = GMC

ch

/ a‑K

J

C

ch/Oを用 いて藻類

dt

増殖実験 の解析 を行 ない,流動がない場合 と流動がある場 合 と比較す る と,流動がある場合 に増殖速度が小 さく,死 滅速度 が大 き くな るとい う結果が得 られた.

Table9Estimatedparametersfol・RUN2

Jlmax KmN Kmp Topt CT Kd (1/d) (mg/1) (mg/1)

( ℃)

(1/mgM) (1/a)

Veloclty

40cm/S 1.305 0.01 0.001 28.9 0.0043 0.323

Ⅵ∋10clocm/itSy 1.462 0.01 0.001 30 0.0038 0.343

(IJTJ)Er^LJdoJOILIO

0 05555 1 15 2 25 3 35 一4一4 ⁝5 Period舟・omstart(day)

Fig.15Slmulatedchloropbyll・afわrcaseofcurrent velocity40cm/S

350 ‑ Calculation

000000005050532211

(一\BTT)CIll^LJdoLOILIO

0

0bservatl0n

0 0.5 1 1.5 2 25 3 35 4 45 5 55 Period斤omstart(day)

Fig.16Simulatedchlorophyll・afわrcaseofcurrent velocitylOcm/S

00000000000

54321

(一\TT)e^LJdoJOILJU

0 05 1 15 2 25 3 35 4 4.5 5 55 Period斤omstart(day)

Fig.17Simulatedchlorophyll‑afb∫caseofcurrent velocityOcm/S

(9)

謝辞 :本研 究の遂行 に 当た り,現地実験 に際 して,アイサ ワ工業 (樵),岡 山空港 開発 (樵),エ コテ ックマル ソル (樵 ) の関係 各位 に協力 をいただ きま した. また, 当時の院生 , 学生諸氏 には試料採 取等 で協力 をいただいた.ここに記 し て謝意 を表 します .なお,本研 究の一部 は,科学研 究費補 助金基盤研 究 (C)に よる助成 を受 けて行 った もので あ る.

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