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地下貯留管整備事業水理模型実験結果の評価に関する研究

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Academic year: 2021

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地下貯留管整備事業水理模型実験結果の評価に関する研究

中川 一

* 1. 研 究 の 目 的 都市化が進展した T 川の治水対策施設は、基本方針レベル(1/100 年確率対応)では最上流か ら海域に直接放流することを目的とした地下トンネル河川(延長約 3.8km)が計画され、当面の 整備目標とする整備計画レベル(1/20 年確率対応)では、早期の洪水緩和を目的として上流部の 一部完成区間(約 1.7km)を暫定供用の貯留施設(地下貯留管)として利用する計画である。こ のため地下調節池の流入部構造・立坑構造を確定するための水理模型実験を行う必要が生じた。 本研究では,複雑な流況下において、所定の洪水調節機能を確保する横越流堰の規模と3連立 坑から地下貯留管へと接続する流れの安全性について、水理実験の結果をもとに評価した。 2. 研究の方法 (1)地下貯留管整備事業の概要 地下貯留管整備事業(整備計画)では、 T 川と雨水幹線が合流した後に、T 川左岸 側に横越流堰を設けて分水する施設を計 画している。基本方針では、90%程度を分 水するため、横越流堰直下の河道内に直立 壁を設けるとともに横越流堰高を切下げ、 流路を切り替える構造とする。なお、当該 位置では N 市により都市計画道路が計画 中であり、T 川の一部を暗渠化する計画で ある。 (2)模型実験の実施条件 模型実験の製作範囲を表 1 に示す。 ①模型範囲:分派量を適切に評価できる ように、上下流端水位の影響が分派地点に 影響を及ぼさない十分な距離を確保する 必要があるため,不等流計算により影響 範囲を把握し、その結果を水理模型実験の 範囲設定に反映した。 ②縮尺:模型の縮尺は、以下の理由から 1/10 を使用した。 ・フルードの相似則より水理量等の妥当 性を確認した結果 1/10 が適合する。 ・模型製作のコスト縮減を考えると 1/10 の模型が有利。 ③模型の種類:模型実験は、横越流堰から 立坑・地下貯留管に流下する状況を一連で 観測するため、地上部と地下部を接続した 一体模型を製作し実験を行った。 *京都大学・防災研究所流域災害研究センター・教授 図 1 検討対象範囲 模型の製作範囲 現地の写真 (出典 国土地理院) T 川 雨水幹線 M橋地点 M橋地点 表 1 模型製作範囲 T川 M橋地点~現況暗渠流出地点+50m程度 (約220m) 雨水函渠 T川合流点より20m区間 越流堰・側水路 全区間 地下貯留施設流入部 全区間 地下貯留管 流入部下流端から約90m区間 図 2 整備計画流量時の模型模式図 ←16m3/s ←16~23m3/s ←19m3/s 4m3/s ↓ 7m3/s 流入坑 越流堰 側水路 津門川 A’ A-A’ 津 門 川 雨水幹線 A 越流堰 H=1.15m ( 実スケール) T川 雨水幹線 最大 7 m3/sカ ッ ト

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3. 得られた成果 (1)模型実験結果の概要 ①横越流堰周辺河道の水理的挙動 通水させる流量を越流開始から整備計 画流量まで数ケース設定し、流況をビデオ に撮影した。また、PIV 計測を用いて横越 流堰周辺河道の流速ベクトルを把握した。 その結果、下水道雨水幹線合流後から横 越流堰区間に掛けて、波状跳水が発生する 複雑な流況になることが確認された。 ②地下貯留管を有効に活用するための最 適な堰の高さ 本研究では、所定の洪水調節量を確保す るための横越流堰の高さの設定が求めら れていたが、複雑な流況下において実現象 と理論式に乖離が生じる可能性が高く、水 理実験により堰高の最終決定を行った。 その結果、整備計画流量流下時に T 川 16m3/s、分水施設 7m3/s に配分可能な堰高 (実測値 1.15m)を設定した。(図 4) ③3連立坑構造における洪水流下特性 分水施設は,落水容量の大きいドロップ シャフトを2基、落水容量は小さいが、「管 理用らせん階段」を備えた落差マンホール を1基の合計3基で構成されており、洪水 流を螺旋流で地下貯留管へ落とす複雑な 構造となっている。(図 5)本研究では、 この複雑な構造でも、確実に地下貯留管に 分水できる事を模型実験より確認した。 ④地下貯留管洪水調節機能の確認 ②決定した横越流堰の条件で、越流実験 を行い横越流堰の分派特性(分派式)を把 握した。この分派式より、地下貯留管整備 事業で定めた洪水調節計算を行った。その 結果、計算で求めた計画貯留量は最大貯留 量内に収まることなり、所定の洪水調節機 能が確保できている事を確認した。(図 6) (2)まとめ 地下貯留管を有効に活用するための最 適な横越流堰の高さを決定し、3連立坑構 造となる複雑な施設条件下で洪水を安全 に流下できる事を確認した。また、施工後 のモニタリング計画の留意点を提案した。 4. 謝 辞 本研究は、(株)東京建設コンサルタントより委託されたものであり、関係各位に謝意を表す。 y = -0.0012x3+ 0.0585x2- 0.4322x 0 1 2 3 4 5 6 7 8 5 10 15 20 25 分水量( m3 /s ) 分派前流量(m3/s) 系列1 系列3 多項式 (系列1) :A-①計測値 :A-②計測値 :近似曲線 整備計画流量 Q = 23m 3/s 雨水幹線:流量大 T川本川:流量小 波状跳水の発生 水面が波立って流れている。 図 3 河川の水理的挙動 波状跳水:波状水面を呈した流況.洪水時の河川などで見られる現象 水面が波状を呈する。 図 4 地下貯留管を有効に活用するための最適な堰の高さ 越流堰の敷高は模型実験より,整備計画流量 23m3/s を分水施設側に 7m3/s を分流させる越流堤の堰高(実スケール 1.15m)とした. T川 分水施設 1.15m (実スケール) 越流堰 T川 分水施設 越流堰 1.15m (実スケール) 図 5 3連立坑構造における洪水流下特性 越流堤への流入状況 上流側 中流側 下流側 ドロップシャフトへの流入状況 分水開始流量 9m3/s 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 0:00 3:00 6:00 9:00 12:00 流量( m 3/ s ) 分水前流量 津門川分水後流量 分水量 分水前流量(模型計測値) 津門川分水後流量(模型計測値) 分水量(模型計測値) 最大貯留量 36,000m3 0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 0:00 3:00 6:00 9:00 12:00 貯留量( m3 ) 貯留管総貯留量 計画貯留量30,900m3 貯留 T川分水後流量 T川分水後流量(模型計測値) 分水開始流量 9m3/s 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 0:00 3:00 6:00 9:00 12:00 流量( m 3/ s ) 分水前流量 津門川分水後流量 分水量 分水前流量(模型計測値) 津門川分水後流量(模型計測値) 分水量(模型計測値) 最大貯留量 36,000m3 0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 0:00 3:00 6:00 9:00 12:00 貯留量( m3 ) 貯留管総貯留量 計画貯留量30,900m3 貯留 T川分水後流量 T川分水後流量(模型計測値) 図 6 地下貯留管洪水調節機能の確認

参照

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