• 検索結果がありません。

水門扉の大型化と高圧化に関する研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "水門扉の大型化と高圧化に関する研究"

Copied!
149
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

水門扉の大型化と高圧化に関する研究

著者 寺田 溥

学位授与大学 東洋大学

取得学位 博士

学位の分野 工学

報告番号 乙第99号

学位授与年月日 1997‑03‑10

URL http://id.nii.ac.jp/1060/00004053/

Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja

(2)

1 −1 −3 )扉体及びゴムの固 有周波 数

振 動体が起振力 にどの様に応答し てい るかを調べる有力な手 がかりの一つ が振動体の固 有周波数 であ る。固有周波 数は境 界条件と 付加質 量 'が適切な 精度 で把握でき てい れば比 較的に良 い 精度 で算出でき る。境 界条件 は弾性計 算によ り算出すること ができる が、本研 究では高い精度は必ずしも必 要としない ので、境 界条件 が簡単に定ま らない 場合は、境界 条件 をカ バーする複数個の条件 を設定 し て、周波数を算 出する。付加質 量は振 動体の質量 に乗じる付 加質 量係数とし て計算 にとり 入れること ができる。こ の係数は水理的 条件と構 造的条件 で変化する が、作業 の簡略化 を目的として、一律に付加質量 係数=5 とし て計算 を行う。これ は大きめ の値 であ り、従っ て低め の周波数が算出される。イ寸加質量 係数が変 わる場合は、次の算式 で、新し い付加質量 に対す る周波 数を近似的に算 出す ること が可能

修 正 周 波 数=  周 波 数X    (5 ÷ 修 正 付 加 質 量 係 数 )'.' … ・(31)

である。周波数は全体振動と局部振動について算出する。振動モードは無数あるが、500Hz'' 以上の周波数は対象外とした。以下に計算結果を示す。500Hz以下の値を網掛けで示し た。

' ' 拓動 体が 流 水 に 接し て い る 場 合 、 流^. が 一 司:こ■iカす るの て,   結 異 的 にIS iカ休の 慣 畦 力 か 噌 加し た と 樋 な3'− が 出 る 。 付 加'i;量''i'<*

曼の 見 かけ の 増 加 量 て

あ る 。

1  2冥 機 試 恥 に お:ずる ス■' ‑"^ '^ラ ム 昭 穴 こ=丿 心 , こ れ以 上 の 周 波 数 のSji にlj と 考 え ら れ る。2.

(3)

A 。扉 体

剛 全体の上 下振 動

図2.    1 −55 は全体振動 の固有周波数の算 出結果を開 度に対して示したもの である。

図2 . 1 −54 は振動モ ード を示す。即ち、扉 体を支持す るシリン ダー内の作動油又は シ リンダーの支持梁 の弾性を 復原力 とし、 扉体を慣性力とするト ラニ オンピン回り の振動 で ある。シリン ダ内の空気混入率 はO 及び0.04% の2 ケー スを比 較し た。作動油の振動では ピストンの質量の みを慣性力 に算入し、 支持台の場合はピ ストンと シリン ダの両方を含め た、付加質 量はない。

25

μ

20

15

10

5

0

シ リ ン ダ / 支 持台 を 支点 とし た 全体 振重カ

( ρは 作1が 由の 空 気 混 入叩 )

− ‑

・こ

心 心 心匹心

心ぺ心

|  1  1  1  1  1  1  1  6     IB    14    IB ふ   |  1  1‑2    2 

− シリ ン ダ( ρ= ぷ )

扉 休 同 厦(cm )

‥ ・ ・ シ リ ン ダ( ρ司.04 ≒)‑ 一 支th 台

図2  .   1 −54 図2  .   1 −55

(2)横桁の攬み振動

表2.    1−10 は扉板を支える横桁の挑み振動の固有周波数である。横桁B が倣下段桁、A が中段の7 本の桁に対応する。支持条件を正確に把握する代わりに図2  .   1−56 に示 す4 種類の条件で周波数を3 次モード迄算出し。その比率を計算した。但し、自由支持の 場合は2 次モード以上で振動の節が支持点からずれるので、計算を省略した。付加貿量を 考慮している(横桁の断面積はA 桁が206.45、B 桁が186.85cがである)。

2.卜 115

(4)

固 定 支 持

単 純 支 持

自由 支 持

片 側 固 定

'//.

。、。ヽ・‑・・・・…

…、 ミI

………

ン フ] ………

………

ごJL. ………

り*・'*'・・

り M ●・11・・●S・a●ss四sal ●・Ujl

りjsjj s6 ・●ss戸・●4・・1・s・ ニニ ぷ ン `¬''i*iUt',',

\\  ぶ; `■^"?**^ J i /VjV  こ こ

≫ 千 ・

図2  .   1 −56

・−■ a■・¶■ ‑ ‑・・・・¶¶¶㎜■■● 7 ‑ ¶ a− a

適    用 固定支持 単純支持 自由支持 片側支持

横 桁 A

周 波 数

一次振動 叙^ 槌^ 且5 3 拐

二次振動1029 659 1995 三次振動2020 1483 5587 比

一次振動 1.0 1.0 1.0 1.0

二次振動2.8 4.0 6.3

三次振動5.4 9.0 17.6

横 桁 B

周 波 数

一次振動 部^ 1 弱 i 拐 認6

二次振動

1053 675 2042

三次振動2068 1518 5719

一次振動 1.0 1.0 1.0 1.0

二次振動2.8 4.0 6.3

三次振動5.4 9.0 17.6

表2  .   1 − エ02.1‑

116

(5)

(3)扉板 の振動

表2.    1 −1 工は扉板が 横桁と縦方 向の防挑 材で支持さ れた単独の板であ るとし た場 合 の固有周波数 である。 固定支 持及び単純支持に対し て算出し たが、実態は固定 に近いもの と考えられる。扉体の 中央部と 端部及び 最下段と中段の4 種類 の異なっ た寸法につき算出 した。イ寸加質 量を考慮してい る( 扉板 の板厚は2.8cniであ る)。

位  置 固 定 支 持 単 純 支 持

中 央 中 段

M

下段 799

端 部 中 段

鸚 聯

下段 948 515

表2  .   1 −11

(4) 横桁フ ラン ジの挑 み振動

表2 .1 −12 は(2 )のフ ラン ジ部分の固有周波数であ る。支持条件は図5  6 に示さ れ る4 種類であ る。周波数を3 次モ ード 迄計算し、 その比率 を算出し た。付加質量は ない。

適  用 固定支持 単純支持 自由支持 片側支持

一次振動 摺s 勁 m 1

二次振動 4 邱 謳 879

三次振動 889 653 2461

一次振動 1.0 1.0 1.0 1.0

二次振動 2.8 4.0 6.3

三次振動 5.4 9.0 17.6

表2  .   1

2. 卜 117 1  2

(6)

B 。 止 水 ゴ ム

(1 )m 断振動

表2.    1 −13 は止 水ゴ ムの剪断振動の固有振動数 であ る。 振動モ ードを図2.    1‑57 に示す。熱 劣化 がゴ ムの 中心から始まっ たいる事実は その原 因がこ の振動モ ード である こと を示 唆し てい る。ゴム の高さ が固有周波数に大きく影 響する。ゴ ムの支持条件 は図の よ うに固定とし たが、これに 合っ たゴムの高さ を見いだす代 わりに、2 〜5cDlの聞で計算を 行っ た。実機試験にお けるゴム の突出量 は25nm前 後であ る。3 次モ ード 迄周波数 を求め、

比率を計算し た。イ寸加質 量ばない。

廿 ん 断 振I 力

図2  .   1 −57

固有周波数 比 率

ゴ ム 高 さ 一 次 振 動 二 次 振 動 三 次 振 動 一 次 振 動 二 次 振 動 三 次 振 動

2cn

貨2

515 859 1 3 5

3cn

% 始 572 1 3

「D

4cn

卵 "m 尨9

1

3 1  5

⌒ocn フ卵

2 卵 VM \J.

1 3 「D

表2  .   1 1  3

(7)

(2)曲げ振動

表2.    1‑14 は止水ゴムの曲げ振動の固有振動数である。振動モードを図2.1 −57 に示す。 ゴムの高さ が固有 周波数に大きく影響する。ゴムの支持 条件は図 のように固定 としたが、こ れに合っ たゴ ムの高さを見いだす代 わりに、2 〜5cn の 間で計算 を行っ た。実 機試験にお けるゴムの突出量 は25min前 後である。3 次モ ード迄周波数を求め 、比 率を計算 した。付加質量ばない。このモ ードは熱劣 化に関与していないと考え られる が参考とし て 示した。

固有周波数 比率

ゴム高さ 一次振動 二次振動 三次振動 一次振動 二次振動 三次振動 2cra 聯 2873 8044 1.0 6.3 17.6

3cm 糾 1277 3575 1.0 6.3 17.6

4cin

i 狐 718 2011 1.0 6.3 17.6

5cm 勾 I ㈲ 1287 1.0 6.3 17.6

表2  .   1 −14

(3)粗密波振動

ゴム材内の粗密波(縦波)振動はゴムの長さ方向( 側部ゴム聞)及びそれと直角方向

(ゴム押さえ間)で周波数が異なる。表2  .   1−15 は周波数とその比率の算出結果であ る。付加質量はない。この振動モードは熱劣化には関与していないと考えられる。

次数 長さ方向 巾方向 倍率 1 4 搬 mm 1.0

2 mi 2訂詞 2.0

3 mm mm. 3.0

4 誹遥 絡糾 4.0

5 mm 603.7 5.0

6 mm: 724.4 6.0 7 mm 845.2 7.0

表2  .   1 −152.

卜119

(8)

以上の計算結果から判ったことを以下に要約する。

①扉体の全体振動: シリンダーを支点とした振動の固有周波数は12Hz前後であり、支持台 を支点とした場合は23Hz前後である。このモードでは付加質量は無く、境界条件は比較 的に明瞭であるので、計算結果は実機の周波数を良い精度で予測しているものと考えら れる。実機試験の卓越周波数(V2 及びV3 )の中にはこの値が含まれていない。従って、

扉体の全体振動が、自励振動や連成振動の形で、振動の全体機構に関わっているとは考 えられない。

②扉体の局部振動:

a . 横桁、扉板、横桁フランジの低次周波数の多くが500Hzより小さい。実機で計測された 多様な卓越周波数は誘起された局部振動の固有周波数である可能性が高い。

b . 周波数の比率が一連の整数となる振動は見当たらない。実機試験で計測された連続し た整数倍の周波数は水圧変動の周波数であると考えられる。

③ゴムの振動:

a 。剪断振動の低次周波数 は観察された水流波動 の周波 数と 同じ 程度である。周波 数比率 は連続し た整数ではない。

b . 粗密波 振動の周波数比率 は一 連の整数であ る。し かし 、実 機試 験でゴムから計測され た整 数倍の周 波数は水圧変動 の周波 数であ り、粗密波 振動とは関 係ないと 考えられる、c  . 固有 周波 数の幾つかは500Hz の範囲 内にあ る。実機試 験では整数 倍の周波 数が計測さ

れたが、 扉体に見られた様に、それ以 外の卓 越した周波 数は計測さ れなかっ た。その 原 因とし てはゴムの減衰力が弾性率 に比較し て大きいこ と及びゴム振動が加速 度を積 分し た量とし て捉えられたこと(扉体 振動 は加速度で捉 えられた)が挙げら れる。

1 −2 )不安定現象 によるゴムの振動

前項において実機の振動データを飛翔流の不安定現象に焦点を合わせて再解析し、叉。

扉体及びゴムの固有周波数を算出したが、本項では、この結果を参考にして、振動機構の 全体像、及び、不安定現象によるゴムの振動の具体的姿につき考察した結果を要約して示 す。

①飛翔流はコンジットリップとゲートリップの聞から射出される流れである。流れは扉体2.

卜 120

(9)

振動の影響をゲート リップ を通して受けるが、 ゴム振動 の影響を直接受け るこ とはない。

水流がゴムに接す ること はない*1からである。

②飛翔流 の水圧力は周波数が73 〜78 の範囲を1 次波とし、整数 倍の周波数の波が重 なっ た 波形で変 動し ている。

⑤扉体には無数の振動モードがあ る。こ の中で全体振動 だけ が、 ゲート リップ の運動を通 して、飛翔流に影響を与え得ると考 えられる。全体振動 の固 有周波 数は12Hz 及び23Hz 付 近であ るが、圧力 変動、扉体振動、及びゴム振動 の計測値の 中に該当する周波数 は見当 たらない。即ち、 扉体は圧力変動に対して影響力を及ぼす状態になかったと考え られる。

この考え方 は圧力変動と扉 体振動の卓越周波数が全く異なっ てい る事実及び 固有周波数 の中に圧 力変動 の様な整数 倍の比率 の周波数が無 い事実 によっ ても 裏付け られている。

扉体の実 測値に みられた多 様な周波 数は圧力変動に含 まれる卓越周波 数を始めと する無 数の周波 数に対する扉体の全 体的及び局部的な応答の結果 であり、扉 体振動の卓 越周波 数の乱れは局部振動の一 部が共振に近い状態にあった結果と理解できる。要す れば、扉

④ゴムは圧力変動 に対し 、周波 数及び卓越順序共に。扉体より忠実に応答している。低次 の剪断振動の周波 数は圧力変 動の一 次周波数と同じレベルであり、これが空気を媒体と ゴ ム の 熱 劣 化 を 促 進 し た 可 能 性 が あ る 。 ゴ ム に も 無 数 の 振 動 モ ー ドがあ るこ とは扉 体と一緒 であ るが、扉 体の様に卓越 周波 数の多 様性や共振状態が見ら れなかっ た原因の一つはゴムの 減衰力が弾性率に比較し て大きかっ たことにあ ると考え られる。ゴ ムの曲げ振動の固有周波数は剪断振動の値に接近 てい るが、発熱がゴム頭の 中心か ら始 まっ ていのでm 断振動が主役であると考えられ る。

⑤圧力変動に見られた整数倍の周波数は不安定現象のメカニ ズムか ら生 まれるこ とは考 え られず、扉体でもなくゴムでもないとすると、水流の周りには他に空気しか存 在しない。

図2.    1 − エ8 に示す飛 翔主流の振動波の影像は空気 振動の可能性を示唆し ている。振 動波は流れ方向の山谷で構成さ れ、そ の周波数は78Hz 前後であっ た。 この山谷には流れ 方向と直角方向に波状の位 相差が存在し ていて、 その 周波数は振動波とほぼ 一致し てい る。もし節点 を共 有する波長 が半分の小波がこ の横波に重 なっ てい ると、その 周波数は2

倍となり、3 分の1 な らば3 倍となる。横波が飛翔流 の下の閉ざさ れた空気の 中を飛

n

ぶ小節の(2) の1 ) の{ 飛翔 流の形扶 }を呑照。

2.1‑ 121

(10)

翔流と直角方向に行き来する空気の粗密波と因果関係があると考えるならば、整数倍の 周波数が存在する可能性は一層具体的になる。この様な振動はナッブの振動で観測され ている゛。粗密波の固有周波数は波が反響し合う壁間隔の関数である。コンジットリッ ブの下流は整流板であるが、これが反響板として振動モードを形成しているとは考えら れない。図2  .   1−58 は粗密波が反響する壁間隔を横軸として粗密波の固有周期の計 算値を一次から六次モード迄示している。コンジット下流の整流板間隔は3.6nである、

気温は実測時に合わせて10度と仮定している。同図にはコンジットリッブ中央における 水圧変動周波数の実測値(P2 )をグラフに合った位置にプロットした。これから逆に

700 600

W 皿 J

100 g

飛m 下 空 間 阻 密 波 の 周 波 数

( 試 肺 埓気 温 はI  0  C と 仮 定 )

反 響壁 面隔・ m.

一計算値+  mm  泳 圧/?) 図2  .   1 −58

実測周波数 に対する反響壁 間隔の概略値 を求め ると開度6cn に対 し て2.26ni. 開度7c口に対 して2.16n となる。こ れらの間 隔は図2,    1 −31 に示したG  1 断面の間隔にだい たい一 致する。即ち、 遷移流が反 響板とし て機能し てい るこ とを示 唆し ている。以上の 振動モ ード は仮説 であ り、 その検証には新たな情報の 収集が必要 である。

①以 上の考察の出発点 となっ た飛翔流の不安定現 象の機構は図 一2  4 に示す ものである。

こ の機構は模型実 験及び 実機実験の観察結果に 基づい て設定さ れたものであ り、この考 元方による水理解 析結果 は昇温や撒傷の 実測 条件 を概ね良く 説明し ている。しかし、こ

4・

■,SI  ‑?  に こ. '.  * ■     勺!うx

    ■ こつ‥ ` い て に ニ ミ ト じ  て 遜 丿 り 二 ,べ 。 ≪ 言 こにレ7 7.ヽら;, ・; .l フ トi フ ごTp 対 ・   i  ■  . り5  を ユ:尨 て遜U 牡'

■ Σ べ づ2

(11)

の検証結果はクレ ストゲ ートや 河川 ゲートに 見られる ナッブの振動:・:  'が高圧 ゲートの飛 翔流に現われていた可能性を 否定す るも のではない。不安定 現象の発生がコン ジット リ ッブの形状と明 確に対応してい る事 実からすれば、その可能性 は薄 いと考えられるが、

完全に否定する 前にこのモ ード の不安定現象の高圧領域に於ける性 格を吟味す る必要 が あると考 えられる。

口以上の考察 に従っ て不安定 現象とゴム振動と の関 係を 仮説としてまとめる。

ゴ ム 振 動 は 飛 翔 す る 流 れ の 不 安 定 現 象 で 生 じ る 空 気 圧 力 波 に よ る 剪 断 振 動 で あ り 、

i

共 振 状 態 で 熱 劣 化 が 加 速 さ れ て い る 可 能 性 が あ る 。 不 安 定 現 象 は 飛 翔 流 下 側 の 遷 移Ji

臨 に 挟 ま れ る 空 間 に 粗 密 波 振 動 を 誘 起 し 、 自 ら も そ の 周 波 数 で 振 動 す る 自 励 振 動 的1

宍則面 を 持 つ 。

一 一 一 一 一 一一

2 )キャビテ ーショ ン 流によ るゴムの振動

キャビテ ーショ ンが発生し ている流 れがゴムに接触す るとゴムが中心 から急 激に発熱す る現象が現地 試験‑3 及び模型実 験‑3 で確認されている。キャビテ ーショ ンが発生しても水 流がゴムと接 触し なければ発熱 は起こ らない。実機試験 では キャビテ ーショ ンによる白濁 がゴムに到達した瞬間から発熱 が始まっ た。白濁の先端 部で気泡が消 滅し 。こ の時の衝撃 波でキャビテ ーショ ンエロー ジョンが起こることが知られ ているが、 ゴム振動もこ の衝撃 波で誘発さ れたも のと考えられる。発熱位 置がゴムの中心 であ ることは ゴムの 剪m 振動 で ある可能性が高い。 衝撃波に対するゴムの応答、及び、発熱 条件をもっと詳しく 調べる為

には新たな研究が必 要であ ると考えられる。

− i

K ;・■, ;.ぷ ―  な ・ド ミ:

モ フ  耳;: ゛ ミ!v:. ・i  ー フ;

" .   ・  *r に 二 ご ン プ.:  いAv.  る 。・ ぷ ぶこ こ モ ー 一 … …≪ ;‑.  ・;. うi']を ■:;  !尚゛ 、 。9

卜 123

三l ・7 L 二 べ3:Xi ぞi‑:て よ ・

,こ こ・支べ, 。

− 一

(12)

2 。1  .   5  超 高 圧 ゲ ー ト の 水 密 機 構

ダブルケーソン止水方式は100m の水密機能を目標に開発された超高圧ゲート用止水 方式であるが、その寿命は環境条件により大きく左右される。本研究で対象とし た熱劣化 と疲労亀裂は止水ゴムの寿命を著しく損なうが、これらをもたらす大きな環境条件的要因 はコンジット底面と扉板の交差角度( θ)、操作条件、及び、上喪水璽 である。交差角度 は大きい方が有利であり、減少するに従って飛翔角度が減少して流れがゴムに接近するの で、熱劣化現象の起こる可能性が高くなる。操作条件は操作頻度が低く、操作開度が全開 又は全閉であることが理想的である。操作頻度が上がれば疲労が加速され、小開度での放 流が増えれば熱劣化現象の起こる可能性が高くなる。上流水頭が増加すると交差角度及び 操作条件の悪い影響が著しくなる。その度合いは直線的よりも級数的である様に考えられ る。それぞれの要因は必要条件である。

三つの要因はダムの計画面から定まる性格のもので、水密機構の計画に当たっ てはほと んど選択の余地が無い。従って、新たなニ ーズに対して長期的視野での対応策を見いだし て置くことが必要である。対応方向の鍵を握るのがゴムの突出量である。突出量はゴムの 疲労強度を左右する歪量と深い関係があり、又、熱劣化の原因であるゴム振動に直接影響 を及ぼすからである。突出量がゴムの疲労寿命に与える度合いは添付資料2.1 −1 の(24)

疲労試験‑2の図18  3 に示した。図2  .   1−59 は実機試験‑3の計測結果の一部で、突 出解除により温度が急激に下がる様子及び突出量の差により昇温速度が異なる様子を示し ている。従って、ゴムの突出量を、止水性能を損なうことなく、減らす方向が長期的対応 策の一つとなる可能性を持っていることが判る。

突出量を削減する方法を二つに分ける。即ち、操作頻度が高く、且つ、熱劣化現象の原 因となる小開度放流の影響範囲に限っ て突出量を減らす部分削減、及び、全面的に突出量 を減らす全面削減である。図2  .   1 一6  0 は部分削減案の具体例で、二重シール案及び分 割チューブ案である。二重シール案は全閉時の止水を内側の環状シールで行い。部分開度 での止水を外側のシールで行う。大きな技術的問題は無いが初期コストが若干増加する。

分割チュ―ブ案はシールの実線部分と点線部分を独立したチューブとし、全閉時の止水は 両方のチュ ―ブで行い、部分開度での止水は実線部分のチューブだけで行う。チューブ端2.

卜124

(13)

温 度

C

2 4 6 9

19 18 u 18 18 29 22 a 28 28 3a 32 3< 36 38 43 42  刹 40 48 5J 52 5< 58 68 83BJ 叫屈( 荊

図2  .   1 −59

● 1

シ ー ル

〉イ

二 堕 シ ールミ

分 割 チ ュ ー フ ー

図2 .1 −60

末の処理にかなりの技術的困難を伴う。実施は可能であ るが、 適用 でき る条 件範囲が制約 される*≒ 全面削減案の具体例は機械的 に突出量を制限 する方 法であ る。 2.1.3 小 節 で述べた疲労強度を増す為のステムを繊維で補強する方 法も突 出量の 減少効果 があ るが、

ステムの剛性が増すので、止水性能の低下が避け られな い。機械的制限案は限 界値以上の 突出を機械的に抑 え込む方 法であ るので、それ迄 のゴム の柔軟性は維持される。限 界値は なるべく小さ くあ るべき であ るが、現 在程度のゲート寸 法に対してlOnn 程度は必要 であ る。

多くの実施案があ り。応力 集中部分の歪を減らすことも可 能である*侃

*1

*2

丞 考文 献(40 ) 及び(' JI ) 唇考 文 献(58 )

2.卜 125

(14)

2.1.6  まとめ

○ 止水の基本的事項を 止水 の力学、止水 ゴム、及び、水止め詳 細の3 項 目に まとめ た。止 水力は一定外力型、定量変 形型、混合型 に分類できる。止水 線は一対 存在し、 ル ープを 形成する か、流 体の境界迄 達し ている。 ゴム の重要な性質は 摩擦 係数と残留 歪率である、

老化抵抗、 引っ張り強度、 引き裂き 強度、 硬度 、吸水率、 体膨張 係数、柔軟性 などは止 水 機能に 直接影響しない 。○リングを頂点とし たゴム形状の 分類 で機能的流 れが明確に なる。止水 機構に何処ま でお 金を掛け る かはこ ーズ次第である 。

⑤筆者等は高圧ゲ ート の止水 機構を摺動式と圧着式 に分類し、更に、 圧着式 をゴ ム圧着と 扉体圧着に分類する方法を提 唱し てい る。本論文 の研 究対象はゴム 圧着方 式であ る。

⑤解決し た技術的 問題の原因所 在はa 定 量変位型止 水力 、b 残留歪、c ゴム摩擦、d ゴム 周りの水流、e ゴム歪に分類さ れる。

⑤疲労亀裂はゴム頭の根元 に発生する 。原因は圧着 操作 の繰り返しにあ り。過大なゴム歪 が背景 にあ る。ステム部 の補強による 歪量の逓減 で寿 命が著しく改善さ れる。

⑤熱劣化 は憤破、 空洞、発 泡、 変形、及 び、軟化の形 で現 れる。原因は ゴム 振動 で。エネ ル ギーは流れの不安定現 象。 キ ャビテ ー ショ ン及び直撃 流の形で供給され る。安定し た 流れが ゴムを直撃し ても 発熱 しない。 キャビテ ーショ ン 流がゴムに接 すると 発熱が始ま る。ゴ ムの剪断振動 では 中心から発熱し 、直撃流による局 部加振では表層 で発熱する、

①ゴ ム周り の流れは飛翔流、 遷移流、及び、 下降流 に区分 でき る。コ ーナ部 の流れは下降 流と三次元 流か らなる。三 次元 流は遷 移流の一 部 であ る。飛 翔流の不安定現 象サ イクルは 空気連行 ―>ゴム押さ えへの 衝突 ⇒姿勢 復元と 考えられる。飛 翔角度は式(14) 、安 定領域 は式(15) で算出 できる。三次元 流と下降 流の流線は式(29) 、境界は式(30) で算出できる、

⑦越 流ゲート に見 られるナップ の振動が飛 翔流の不安定 現象とし て現れ た可能性 は薄いが、

結 論を出 す前に、こ の振動モ ード の高圧 領域に於ける性格を吟 味する必要があ る。

⑤コン ジット リッブ の研究対 象は切り上げ リップ。 角型リップ、 及び。充填リ ップ である、

不安定現 象は切り上 げ、 キャビテー ショ ン は角 型、直撃流は 全者 に現れる。中央 部熱劣 化 は切り 上げに現れ飛翔 流が関わっ てい る。コ ーナ部の熱劣化 は全者に現れ、 遷移流が 関わっ てい る。良い リップ の小開度にお け る水理的粂件はa 飛翔 角度が大、b  流れが薄 い、c キャビテ ーションフ リ ーであ り、 評価の順位は充填> 角型> 切り上げの順 である。

○飛翔流の不安定現 象で生じ るゴム振勁 は空気 圧力波による剪断振動 であり、共 振状態で 熱劣化が加速され ている 可能性があ る。 不安定 現象は 飛翔流下側の 遷移流で挟 まれる空 問内に粗密波振動を 誘起し、 白らもその 周波数で振動し てい る可能 性が高い。 キャビテ ーショ ンに 伴うゴム振動も 気泡の消滅による 衝撃波で誘発さ れる剪m 振動と考 えられる、

○熱劣化 及び 疲労亀裂は高圧 止水ゴムの寿 命を著し く岨な う。その環 境要因はコン ジット 底 面と扉板の シャ ープな交差 及び頻繁な小開度放 流であり 、高圧化 か要因の影響力を著 し くし てい る。新 たなニ ーズに対し てはゴム突出 量の 削減策 で寿 命の長期化が計れる。2

ト126

(15)

添 付 資 料1.2‑1  損 傷 原 因 の 調 査 研 究

2 。1  .   3 の(2 )の2 )項においてゴム の発熱現象と疲労 に関す る損 傷状況を 説明し、

その原因を明かにする為に実施し た総ての調査項目につき、内容を簡単に示したが、本添 付資料で各項目の結果を詳細に示す。調査項目につけ られた番号は、上述の項の 損傷原 因の調査項目(1 /4 〜4 /4 ) で示した調 査項目の番号( 剛 〜(24 ))である。

剛 顕微鏡調査゛

実施内容: ゴム の損傷が熱 による劣化 である証拠を入手する為に損傷部の断面を、顕 微 鏡で拡大し、 観察し た。

結   果: 図2.    1 一10  1 は図2. エー1  3 、 及び 、図2.    1 −10  2 は図2.1 −14 の顕微鏡拡大写真 であ る。 バルブ 内の空洞の長さは最大20cni程度、 径は3 en 程度以下 である。空洞内壁は溶解ゴムが流れ出し 粘着性を帯びている。 空洞 の周囲は発泡が 見ら れ るが、空洞内壁に近い程密度が高くなっ ている。こ れらは熱 の影響 を受 けた様に見 える が、

決め手と なる情報は得られなかっ た。

さ考又球 ツ ジ 及ひ(u)

2.卜 127

(16)

土y 忿

図2.1 −エ○工(憤破し た例)2.

卜128

渥23

(17)

/■/o.  ダみ 町 励

図2. エ ー1  0  2    (憤 破 し な い 例 )2.

卜129

万 言3

(18)

(2 ) 赤 外 線 分 析 ゛

実施内容: ゴムの損傷が熱による劣化である証拠を入手する為に、損傷部及び新品の乾 留液に赤外線を透過し、吸収スペクトルの測定結果を比較した。

結  果:図2.    1 −10  3 は損傷品及び新品についての測定結果の例である。

からは熱の影響を読み取ることができなかった。

こ れ ら

参 考文 似11 い 及ひ(  lJ

(19)

2.1‑  131 j

へ 4

ミr

− ・ ‑=

− ・

乱X

−−

●−

− − 一 ‑

− ■ ふ

,‑‑一一V

I  ,‥ ..

− ゛ 「`1 卜 二 ご

●一

手Λ 一 卜ミ 一ミ ●

=−−

ゝ.jy

¨

lFl1111ljIIIrIi. 一J4︱ −d1 一4

     

  ︷

'.. j'.^: . ・2jI4 `Ii. ;HI

1Lljrl141Ajlj

L4L. ・ilIij

・ い. .

  .i

  .

jtr

¨・I

ΦIII4rI1

‑‥ t ̲   J

↓ .・ . 千 ト 叶 ミ:

二lr で.十i 三 回 玉l 丿 才 ト 五

i・こ';L

●= J Ly︲ y11IL L I711

1

;・こ こ 1 7 ̲ y

.1 i

_

■〃ふ=? 1

●−● I'

⌒ ' ・I

.ふ・パ ーバ  ̄1'

にI  :.: ご

f

11I

Σ

jjIII

÷

` 9 丿

I1

   

   1

i・lJ4I

ミ ●‑it‑ ・4]

1 lt41111

i

III1

7..I

f

11111

一 

∩リ

丿jj ". i

万 :

 

ダ1じ

レノL

☆ 乱 回

一一,‑‑・‑・. ●‑‑,.,(   一.

士 ニ プ 言 ゾ

辻 に卜I サ ヅ い ノ

"‑―j= . ..

二 心 ¶

こ レ ニ 図

‑■j:i:̲.;.‑

∧F ;フ ド ヅニ1:

し;` レ バ 乙こ ;=:iy

に ≒

‥::

 ■ 1.;  う'I

●「 ・ tl

二 ブ ☆ 士 乱‑I

 :‑‑

ニ:寸]1j

シブ ………1 プ ☆ 二 言 首 皿 三 寸 言 言 匹 ツ ム:

■  11 

゛ '‑" − ‥‥゛‑ ` ‑"‥‥ ‥‥・・● ●‑・ ・ 

↓`・" 「  ゛"¨ ・^ ・"' ゛・  ' ̄"I・^' ゛ 十‑ ●・‑ 一mm ・ −  ‥ 一一}  ←匹LT 卜■‑J :i‑・‑・,一 二‑.:y, ・ ・‥ ダ:‑ ンtご.べ ご:・.:.こ;こ:..;:! ・‑:‑:     i. :≒.,マ:j ・にr‑しいI ド ド ゴ:.ノ し・:コ.:‑■ .  に ょi  ',".: ; ;万に コて;.:こ・.!, ‥ ヒに ょI ' リ 1 ; " r.!パり こj゛ ‑コ ー‥づ│m ・,:・1.;・ ごl』

○ 二 回

二 士 几 土 止 上 士 ∠ 二 > 喜 回 七 几 圭 見 犬 垂 七

。i'l '

・7 1‑7一一  ; 1‑‑1 ‑・‑‑,‑l一一1‑ふ・‑・・ 一一 ●一 ●‑・‑‑‑・‑‑ ,‑●‑1 ・‑● ・‑l.・1'゛‑ ゛ ●゛`‥゛・'‑・"`'1。,‑..‑.,. 1 1 リ;.

●  ■ I 一一一‥‑ ●‑●●‑・4‑ ・・ ‑・4 .・,● ● ;● ―I  ・ 一・ ●

・‑‑4‑1...‑

●‑●‑・・‑f‑ ぺ‥・‑'一一1 ふ‑4→1 .  ‑i ‑‑  I  ● ‑‑●‑T/‑‑●・‑ ‑・;i‑1 ‑ ・ 一一‑・ 一‑● ・ 4‑1 j‑● j ‥●●●● に・‑‑‑一‑ふI J  '"i.一一卜 ・‥T・‑‑ト ー‥‑:‑;  ;‑J.j‑ ( こ ●・‑‑

●  ,'・‑ ' ・ , |

ヰ ザ ナ 回 で 万 丿) 球 寸 三 千

仁 子 二 千 士 丿 千 ご

丿 考 ご!^ でr.

\‑s.     ■ とjEyl

, |

…・‑… … ・‑'一一 ・‑‑ ‥ ‑ … … −一 一 …… ‥・^ ・・ ‑ ・4‥ 一 一…… ヤ … …… ●‑… … … 卜‑ ・ ‥= ;   ,卜‑ ‥   |    ‥'

丿 白 ド レ ミ ⊇ ご し ご し 二 回 千 千 二 回 三 十 二 寸 童] 二 三 ≠ ≒ づ 毒 斗 言 外 伴 将 士T 伴 且 士 り り

千 几 犬 琵 牛 ブ ∧ ヰ ヰ ヅ ロ ユサ≒ レ ∧ ゾ 士 寸 り ☆│ づ 〕丿=1

∧j) デ  汁 丿二j 4::    i :] 士 上 士 ∧

… 輿 二

八 十t w 

し=l^iM‑iin^=]

竃 工 レド 匹 に 言 下 ニ 戸 匹 万 弓 言 し こ し こ 寸 春 ] ⊇ 百 二 万 乱 言 爪 工 ト万

輔 言

万 巾 且 輿 士

汗 且 ザ 耳 三 三 つ 目 万 万ylヅ ミサニF≒.IL

・ '‑]│こ≒^ ⊃;‑i万7.'1≒jyl.・.]J.1万1...1j .i・;芒 手百 万.'

■j I':‑'"

・mi m

\i・‑.

ビサ!:!・‑"ij:万7・,!‑i; i万万│・, .ムL.yl 万4U

二Lj l・1・il

⑤ 三 円 岳 白 白 言 二 斗 ∠ 赳 二 谷 ] 丿 土 乱 汁 二 尚 占 白 七 千 言 立 川 長 じ 匹 砲 回1 匹 二 回 辻 呂 託 言 球

し ご し ニ  ̄  ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄▽ 二 二 万 万 ニ ニ ニ ⊇ バ  ̄ ̄ 二万  ̄ ゛,i,.二 万シ ̄ニ  ̄  ̄  ̄ ̄▽ ̄T  ̄ ニ

■    o 云 二

こi

|      .I' み一一 ̄ ̄ ・ ̄一 一1    −   ̄"  ̄‑,    '  ̄ ̄  ̄  ̄ ̄' ̄'       I DME     ‑   ^  ` /^',‑^ ゛ ド ヽ……?IH レ ヅ

白     トOIVT 心

一一

一 一  た ペ シ( に ノ う が ト 

゛      ' ・  ニ 二  ̄7  ̄7A

レART

 IヽlO,70 \‑77 砲

○ 八 士 二 子

_̲. _ __

二C ご 三ご 汗 ザ ヤ

ユTy ご 丿 丿 ド

_ …̲ _̲̲. _

丿 ブ 二 竺 ブサ ヤ ク ル

トrIm 乙' ロ ソ ヅw

− ←‑‑w‑ ‑ Jzr ‑ ・y ‑‑ ー‑ ㎜J¶‑J〃・'― に ー ‑.̲‑ ‑‑‑  ‑̲..‑  一 一 一. 一一‑ ,一一.一.‑‑. 一 一 ‥‑.‑..̲  一.‑ ̲.̲.̲‑...̲̲.. −...‑̲  |l‑

_     h        バ       ド       幻‑

一 一 一 ― ― ―‑J

図2  ,      1  ‑  1  0  3  ( 赤 外 線 吸 収 ス ペ ク ト ル)

(20)

(3 ) 示 差 熱 試 験 ゛

実施内容:損傷部が受けた加熱温度を知るのが目的である。損傷品及び健全品を熱天秤 に載せ、加熱して、加熱温度、重量変化、示差熱変化を記録する。この試験をバルブの半 径方向と長手方向の各層について連続的に行い、結果をグラフに整理して健全品と損傷品 を比較する。

結   果: 図2.    1 ー104 及び−105 は試 験結果の 例で。図10  4 が損 傷品、図105 が健全 品(未 使用品) であ る。横軸が加熱温度、 縦軸 が熱電対か ら電流( μV )の形 で取り出し た示差熱を重量 で割っ た量であり、各層 のグラフ が重ねて描かれ てい る。図2.1

−10  6 は図104 及び図10  5 から描いた グラフ で、横 軸が供試体を切り出し た位置 を示し 縦軸は両 図の第一 のピ ー ク値(P1 )で第2 のピ ー ク値(P2 ) を割っ た値(P2 /P1

) であ る。P2 /P1 値は熱を受け ると小さ くなる傾向 があ るの で、こ の グラフ から、損所品 及び 未使 用品の曲線 を 比較し て、 損傷品が受け た加熱状況 を、叉、最 初のグラフ から加熱 温度 のあ らまし を読み取ること ができ る。 即ち、 ①損傷 品は中心部より 強く加熱された。

②発熱は25O °C以上 で、300 ゛C 程度の可 能性があ る。こ の温度 はゴム 材を憤破さ せるのに 充分 であ ると 考えられる。

゛ ・ 考 文 献 い3  )   反い(I  'I)示 麦 舛試 験 : 物 律 に;μ を受1ブ ると 力 ぷ し た り 燃 焼し 、吸t*. φ 尭P, とlぶ れこsa 菜 化 を 起 こ す 。こ の 原If'i 札 用 し て 熱r^ 歴 を 謡 豆 す る 方 言 で 、熱 の 彰^ を 受 け な い フ 八に 宍とト ヱ:‑;汀をJf,天 俘 に 駁 さ,

   と く 等しにフd >'・し μ 温 臼*? sa 二化 臼iS 及び ア ワミ プ と 洪衣 物 汪 の 温.‑A

 差(示 号 熱 )白 球 を・窟 か ご.  熱l ご を 受 け な い 輿 七 と受 け た 凋 言 ゐヨ パご・昭 違か らF・1 歴 を 謡 み印

・ 。    1

(21)

事 故品・損 傷部{NO.3)

ツこ 内itl鑓4  Z 4袁

ノ ノ ソ]]] ⊇ 言 言 ニ ニ ム(

外)

外)

O.u 7.0

6.0

5、04.03.020

ト 仏

S 5

ずI

一 一

l lo  トA n

、秤 準型U

iiPダ

し   り

1

1

ハ (UI,!!"

J j

O 似

マ…51 1

∩抑

\ /I' ■*

、 碑 器 差 動熱 ご標

A ,

    

よ'    U

\\T TG・

烈W DS

/ →

ド伺 心

−−

a.. y 沁

ヽ、d

メ〆 K

X

多勺

こ,d

づぎ 1

/

μ・ Z

忿ン

a''

a . ¶〃

im   ?m    ■^m   4m   503 、。。.。

I  

12

秤 10

温度(c)

図2.1 − エ04

図2.    1−10  6

― ・‑ロー・‑  中*> 部( 表葺 より2 か26mm)

£>・‑‑■4'!SiSC(涙 盾 より1Z ・lAmm)‑

・一 尺聡・( 沢葺 より○‑2  mm)

1   1    .   ̲,i         −‑ 一に

十十

J\

li

一一 ‑一

−ミ

|・

♂J 一 一

‑ ‑ ‑

一 一 一一一

1

1|

j

j

U

一一

ダス

一一

一丿& 一一 ‑‑‑j、 一一 一一

−a

一s^‑

〃‑ りジ.

〃 ″ ヴ

ン≪

〜 メ ー

一=

‑ ‑

≒̲C

一一

V

・一一一

一 一

1

im   ?cn  300  400  5CD     ぐn , 図2.    1 −10  5

未使川 試料採取 部位

o一lii瓜品

− 。一 刺妙 川

4

3

2

T 一

‑Pi E.1J

一 一一○ニ こ7

・夥 ぶ

−−

−・‑‑‑

一 W

−〃 J

. ‑

一 一 ‑ ‑一一 ‑‑‑y一 一1一一

一 一

一 一一 一

一一

一一

一−

=W■

二 ‑

㎜r

一 一

l

J

・− 一

=W

//

一 一 W W 〃S

■J7

/〃

・心‑

‑ W

〃 ○ ミ ‑ ‑

=−

〃 −

− − へ

べ /

−〃

斗 べ吟 ‑‑

一 一

べ^

一一

洞9

1i

)‑‑一一 −−

0 唾 而 )

5

2 1

0 133

5CD 温度白

(22)

(4 ) 加 熱 試 験‑1 ゛

実施内容: 熱劣化 現象を再現す ること が目的 であ る 。恒温乾燥機 で未使用ゴムを加熱す る。15O °Cで4 時間、 及び、250 °Cで30 分保持し の2 ケー ス行い、熱劣化 の状態 を損傷品と 比 較する。劣化 品つ いては示 差熱試験を 行い、(3 )で述べ た2 種類の グラフ を作る。

結  果: 図2.    1‑ 工0 7 は供試体の断面写真である。図2.    1−108 〜110 は 示差熱試験の結果で、図1  0 8 口50 °C で4 時間、及び、図10  9 は250 *Cで30 の結果であ り。図110 は両図から作られたP2/P1曲線で前項で得られた未使用品の結果も示されて いる。以上の情報から次の結果が得られた。①発泡はloO°Cでは起こらず。250°Cで起こ った。しかし、損傷品の様な空洞迄には至らず、叉ゴムの溶解による粘着性も示さなかっ た。雲P2/P1曲線は熱気に接した表面よりも数ミリ内側がより小さい値を示した。窓前項(3)

で作成した損傷品のP2/P1曲線との比較からは、損傷品の発熱が25ドC より高かった ことになる。

X      1

参 考又 玖 ∩3)    及び ∩ ご)

(23)

Z I 6

CO   

II

nI

.

− − , ムー .−

;  ̄I9  乙l i

14−−3

9 g

I I : Iト : I

6

4

2

i       ! 。 │。 I

5I 6

j・・ |p:I 丿 ・:

C ト;

│ 7㎜ J Z

1 :' 10 9

・●・■・〃 ¶㎜ 1 1

図2.    1 −10  7

書斎 より0  2mm 表 麗 より2 〜

■4 mm

q‑‑一 表庸より13 〜15mm

`− ■ j■     ‑ ■・ !

. ' ■ :

・ ‑ ‑ I

| l

y

V

1ji 1

− −

A

卒 〆*^ /*0 'ij

−− − 一 一一一・

‑−

レ乙 l/

X 入1

峨pノ    .0

● 〃

− − l lf

1l

1   1

1

〔l〕  2C0   3a〕  司⊃   5CD 温皮(O

図2  .   1 −10  9

6

4

2

2. レ 135

4

3

nL

図2 .1 −108

5

〔刀 温度(O

i

一一

一一

・皿 = ‑

| 寸 前

‑ 一二F

−^

)1

゛ F

皿j

/ 犬

− 一

べ 〜 ム。 轟‑‑

一 入

心A 〃 ‑

−k

≪‑<f4

−‑ ‑

へ ‑ k

≪ ‑ n

へ −〜〜

一 一 一

/

50

−ex

で )

■■−4h

−0

・.''4 二 りt:

〃 〃ミ ノ 〃‑*

− ‑−−

/

ミ ミ〃

 ̄‑1

al

/ 5 0

[ih「

d

− ・ 允 泡 ,

−一 一 ‑−

R    □   │ ら   20   ?s

図2.1‑ 1 1 0

(24)

(5) 加 熱 試 験‑2 1

実施内容: 熱劣化現象を再 現することが 目的 であ る。電 子レン ジで未使用ゴムを加熱し、

憤破直後のバルブ の中心 温度 を計測する。(4)と の相違 は加熱 の中心 がバルブ 中心付近で あ ること である。試験は継ぎ手 の無いも のと有るも の。 及び、 健全 品と 継ぎ 手周辺し大、

中、 小のブ ローホルなどの欠 陥が存在するものについ て行 う。内部欠 陥の振 り分けはx 線 透過撮影 写真で行っ た。

結   果: 図2.    1 一Ill 図は温度 測定の熱電対の装着 状況を示 す5 熱電対 は、レン ジ加熱 による焼損を避ける為に、供試 体をレン ジか ら出し た直後に挿 入して計測を 行った、2

 .   1 − エ12 は電 子レンジによる憤破 の様子、 図2.    1 − 1 1 3 は継ぎ目の無い 健全品 の昇 温状況、 図2  .   1 −114 は欠陥 品を含めた昇温状況、図2.    1 − 1 1 5 は 欠陥の大 きさ の判定 結果を示す 。欠陥部を含めた試 験では加熱はは2 分 で打 ち切り、その後 供試体 を3 分間レ ンジ内に置いた。内部温度の計 測は レンジ内で2 分 経過後 及びそれか ら3 分後 の2 回だけ行っ た。表2. エー5 工は欠陥 部を 含めた試験のゴム硬度 及び損傷迄の時間を 示す。結果は 次の様に 要約さ れる。①継ぎ手の無 い場合は加熱を開始し てか ら140 秒で憤 破レ270 °C の内部 温度が 計測さ れた。言継ぎ手 がある 場合は 加熱開始後90 〜115 秒で総 て破裂レ220 〜25O ゛Cの 内部温度 が計測され た。⑤欠陥継ぎ 手は総 て継ぎ 手で破裂した。

④ゴムの硬度は加熱により低下 する傾 向にある。 ⑤損傷状 況は実物に良く似 ているが、損 傷部内面は 乾燥し てい て、実物 に見られる様な溶 解ゴム の流出によるべと付き が見られな かっ た。

^  ) 参 考 文 献 ∩ 引

(25)

無駄│

lihlレ・ (  ロl ・ 卵り卜七

ソ 他 丿 耶 俯 爪

図2.    1 − エ11

300

00

30

一 得

裂‑

S

m UJλf

‑‑

一 一

−‑ / ふ←

一−

‑ /

/

/

‑‑・ /

/‑‑

ヽ−

/

1    2    3 砲子 レン ジ中 の ㈲ 利 々間(出n)

図2.1 −1 工3

300

冷 〕

m

0

j

印り 郎

図2  .   1 −112

nu 鮒 封   1

(fi/ ク).

―‑ 楼 興a なし   ■― −o

。べH めに 僻目 あり ー0' ,.' −^ 掃 輿郎 欠i;( 人 ) ―    A   1 一 一‑ 掃興 価xis( 小)‑A ;,

・‑一一‑掃 輿部 欠S(中)   ‑A

4‑  − '' 接輿部欠S(中)  ‑A

 ;)

 ;)

−‑

Z ‑‑ − ‑

− ‑ − ‑ 一 ‑ − ‑

一‑冊 に

一 一

− −

ヅ 丿

一 一

ぐ ]

一 一 ・

ミ  ̄ /

−−一 之‑‑^

一‑

〃 ミ 一一 ‑

一−←一 一 一 一−・−/

−一一

=‑

一 一− 〃 〃 、‑‑

− 一 一

‑ ‑

一 ‑ ‑ −

一 一

一一 一

一 /

/

一一

一 一 ‑ ‑j j

←− 一

2 4    5

2.ト 137

‑寓r・レ ン ジ中 のfVIHt 爾(min ) 冪f‑レ ン ジ()rrii<nlIiHMflIKmiii)

図2  .   1 −114

(26)

図2.    1 − 1 1 5

丿  ̄l (■< rいト  ペ )

A‑:   白 山「 丿.,  ン

A‑ワ げ白「 づ ノφ

供 試 体 2

分 経 過 後 の 硬 度Hs

損 傷 時 間 と 状 況 八部 B 部 C 部

継 ぎ 手 無 し(

健 全 品)

テ ス ト 前 〜6058 58〜60 62〜63

テスト後 56 54〜56 30〜40 120 秒 で フ ク レ だ け

継 ぎ 手 有 り(

テ スト 後)

健 全 品 56〜58 56〜58 30〜40 90 秒 で 破 裂 ・ 白 煙 欠陥小 62〜64 62〜63 35〜45 115 秒 で 破 裂 ・ 白 煙 欠陥中 60〜61 45〜50 25〜45 105 秒 で 破 裂 ・ 白 煙 欠陥大 58〜61 56〜60 30〜40 115 秒 で 破 裂 ・ 白 煙

"B 牢位s

二 三

□ 二 □

表2  .1 −512.1‑ 138

参照

関連したドキュメント

評価 ○当該機器の機能が求められる際の区画の浸水深は,同じ区 画内に設置されているホウ酸水注入系設備の最も低い機能

フロートの中に電極 と水銀が納められてい る。通常時(上記イメー ジ図の上側のように垂 直に近い状態)では、水

評価 ○当該機器の機能が求められる際の区画の浸水深は,同じ区 画内に設置されているホウ酸水注入系設備の最も低い機能

○当該機器の機能が求められる際の区画の浸水深は,同じ区 画内に設置されているホウ酸水注入系設備の最も低い機能

 福島第一廃炉推進カンパニーのもと,汚 染水対策における最重要課題である高濃度

ⅱろ過池流入水濁度:10 度以下(緩速ろ過の粒子除去率 99~99.9%を考 慮すると、ろ過水濁度の目標値を満たすためには流入水濁度は 10

第1条

発するか,あるいは金属が残存しても酸性あるいは塩