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為替:マーケット・フォーカス

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Academic year: 2022

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(1)

リラは米追加制裁懸念で下落、格下げ相次ぐ

トルコリラは8/17、対ドルで1ドル=6.01リラと前日比▲3.1%の下落、対円では、1リ ラ=18.3円と同▲3.4%の下落となった。リラ円は17日には一時、17.3円と前日比▲

8.6%まで下落する場面があった。

8/17のリラ安の背景には、①8/17にトルコの裁判所が自宅軟禁状態にあるアンド ルー・ブランソン米牧師の釈放請求を再び却下した。これを受けてトランプ米大統領 は米牧師を巡るトルコの対応を批判、この事態を甘んじて受け入れるつもりはないと 発言、米国の追加制裁懸念がくすぶった、②後述するソブリンの格下げ懸念、③ト

リラは米牧師問題や

ソブリン格下げ懸念 により下落

 トルコリラは8/17、対ドルで1ドル=6.01リラと前日比▲3.1%の下落、対円では、1リラ=18.3円と同

▲3.4%の下落となった

 8/17にトルコの裁判所がアンドルー・ブランソン米牧師の釈放請求を再び却下した。これを受け てトランプ米大統領は米牧師を巡るトルコの対応を批判、この事態を甘んじて受け入れるつもり はないと発言したことや、ソブリンの格下げ懸念により、リラ円は17日には一時、17.3円と前日 比▲8.6%まで下落する場面があった

 8/17、Moody’sはトルコのソブリン格付け(外貨建て長期債)を1段階引き下げ、Ba3とした。見 通しはネガティブ。また、S&Pも1段階引き下げB+(外貨建て長期債)とした。見通しは安定的

 トルコ銀行規制監督庁(BDDK)は8/17、8/15に発表した通貨スワップに関する規制について、

オプションなどその他のデリバティブを含めると発表、内容を一部強化した

 当局のスワップ規制の強化や海外投資家の国債の売り等により、金融市場では中短期金利が 急上昇、直近利上げは行っていないものの、実質的に金融引き締め効果をもたらしている

 今後のリラは、米国のトルコに対する追加制裁や、エルドアン大統領の報復制裁等、両国関係 の悪化懸念が重荷となろう。また、リラ安によってトルコの民間対外債務の負担が増加している ことも留意したい。トルコは中東諸国や欧州からの支援を期待しているようだが、直近、ドイツ 財務相がトルコはIMFからの金融支援を受けるべきとアルバイラク財務相に促したとの報道も

 エルドアン大統領が利下げ圧力をかけ続けるなかで、大幅利上げや財政引き締めを行うことが できるか、リラをみるうえで米牧師問題と合わせて注目したい

マーケット・フォーカス

為替:トルコリラ(速報)

投資情報部 シニアエコノミスト 折原 豊水

8/20

(2)

ルコは8/21~8/24、イスラム教の犠牲祭のため祝日となっており、債券や株式市場 が休場となることでポジション調整の売りが債券市場で出た、等が考えられる。

8/17、大手格付け会社のMoody’sはトルコのソブリン格付け(外貨建て長期債)を 1段階引き下げ、Ba3とした。見通しはネガティブ。格下げの理由として、公的機関の 弱体化や政策の予見可能性の低下を挙げ、中銀の政府からの独立性に対する懸 念やインフレの更なる悪化などを指摘した。また、S&Pも1段階引き下げB+(外貨建 て長期債)とした。見通しは安定的。格下げの理由として、リラの非常に大きな変動 や、それを受けてかなりの支払い調整が予想されることで、トルコ経済が弱体化する 可能性を挙げた。インフレ率は今後4ヵ月間で前年比+22%まで上昇し、リラ安が対外 債務を抱える企業の負担増加につながるとし、19年は景気後退に陥ると指摘した。

一方、フィッチは当局の通貨安抑制への対応は不十分であり、通貨や経済の持続 的安定につながる可能性は低いとコメントした。

トルコ銀行規制監督庁(BDDK)は8/17、トルコの銀行は海外の取引相手との通 貨スワップ等の金額が、銀行の法定自己資本の25%を上回ってはならないとする 8/15に発表した規制について、オプションなどその他のデリバティブを含めると発 表、内容を一部強化した。

金融市場では、政策金利は1週間レポレートで17.75%であるが、翌日物銀行間金 利は、8/17に18.7%程度と8月初めの18.1%からやや上昇している。また、3年物国債 利回りは28.5%と、8月初めの20.1%から急上昇している(ブルームバーグの終値ベー ス)。中銀が利上げを行っていないにもかかわらず、スワップ規制や債券安により、

金融市場に実質的な引き締め効果をもたらしていると言えよう。

大手2社がトルコのソ ブリンを格下げ

当局はスワップ規制 を再強化、短期市場 金利は上昇

Moody's S&P フィッチ

中国 A1 A+ A+

メキシコ A3 BBB+ BBB+

インドネシア Baa2 BBB- BBB

インド Baa2 BBB- BBB-

ロシア Ba1 BBB- BBB-

南アフリカ Baa3 BB BB+

ブラジル Ba2 BB- BB-

トルコ Ba3 B+ BB

(注)2018/8/19時点、外貨建て長期債格付け 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成

主要新興国のソブリン格付け

15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28

18/08/17 18/07/27

18/07/05 18/06/14

18/05/24 18/05/03

18/04/12

(1リラ=円)

トルコリラ円

(年/月/日) 出所:各種資料よりみずほ証券作成

(日次:2018/4/2~2018/8/17) 0.75%利上げ

(4/25)

預金準備 ドル上限 55%→45%

(5/7)

大統領・議会選挙、

与党勝利

(6/24)

金利据え置き

(7/24)

3.0%利上げ

(5/23) 金融政策枠 組み簡素化

(5/28)

1.25%利上げ

(6/7)

大統領娘婿 が財務相に

(7/9)

米のトルコ制裁

(8/1)

トルコの米制裁

(8/4)

預金準備 ドル上限 45%→40%

(8/6)

選挙前倒し表明

(4/18)

S&Pがソブリン格下げ

(5/1)

大統領の金融政策へ 関与強化発言

(5/15)

ドル高・原油高

ECB発言報道 米追加関税

(8/10)

スワップ規制 預金準備率下げ

(8/13)

スワップ規制強化

(8/15)

(3)

こうしたことを受けトルコ財務省は8/17、企業のキャッシュフローを支援するため、

借り入れの期間や条件に柔軟性を持たせるほか、企業が借り入れをするうえでの障 害を取り除く追加的な措置を講じると表明した。詳細は明らかにされていないが、貸 し倒れが増えれば、信用不安に加えて、中期的に財政負担の増加につながるおそ れもあるだろう。

今後のリラは、米国のトルコに対する追加制裁や、エルドアン大統領の報復制裁 等、両国関係の悪化懸念が重荷となろう。また、リラ安によってトルコの民間対外債 務の負担が増加していることも、貸し倒れの増加や景気の悪化懸念等によりリラに マイナスに働こう。

こうしたなか、トルコは中東産油国からの投資誘致を目指しており、先週には、カ タールがトルコに150億ドルの直接投資を行うと表明した。加えて、8/19にはカター ル中央銀行がトルコと通貨スワップ協定を8/17に締結したと表明した。

欧州連合(EU)に対しては、エルドアン大統領が、ドイツのメルケル首相やフラン スのマクロン大統領と、先週相次いで電話会談を行っている。欧州サイドからすれ ば、シリア問題等の懸案に加えて、リラ急落にともない欧州系銀行のトルコに対する 与信等への悪影響に留意が必要になっており、悪化している外交関係の改善をま ず目指すことでトルコと一致した。実際、トルコは8/15、16年のクーデター未遂事件 に関与した疑いで17年以降拘束されていた国際人権団体アムネスティ・インターナ ショナルのトルコ支部の理事長や、スパイ容疑で3月から拘束されていたギリシャ兵2 名を釈放している。

また、8/16のアルバイラク財務相とドイツのシュルツ財務相の電話会談では、シュ ルツ財務相が、トルコは国際通貨基金(IMF)からの金融支援プログラム受け入れに 抵抗することを止めるよう要請したと一部ドイツメディアが報じた。IMFは利上げや緊 縮財政を条件に300億~700億ドルの資金提供の用意があると報じている。

今後のリラは米追加 制裁懸念や 民間対 外債務問題が重荷

6 8 10 12 14 16 18 20

16 17 18

トルコの主要金利の推移

(週次:2016/1/2~2018/8/17)

短期金利誘導レンジ 後期流動性貸出金利 短期市場金利 政策金利(1週間レポ)

(年)

(%)

(注)2017年初め以降、1週間レポを通じた短期金融市場への資金供給を抑制、最後の 貸し手機能である後期流動性貸出金利を通じた調節を行い、実質的に金融引 き締めを強化。18/6/1以降は1週間レポを政策金利として復活、後期流動性は最 後の貸し手機能に戻す、短期市場金利は翌日物銀行間金利

出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成

後期流動性貸出金利:20.75 短期金利上限:19.25 短期市場金利:18.68 政策金利(1週間レポ):17.75 短期金利下限:16.25

(4)

8/16にはアルバイラク財務相が投資家向けの大規模な電話会議を開催、インフ レ抑制と経常赤字の縮小が政策の最優先事項であり、財政の引き締めなくして物 価を安定させることは難しいほか、資本規制を導入する考えはないといったことを表 明し、投資家から一定の評価を得たもよう。

もっとも、エルドアン大統領が利下げ圧力をかけ続けるなかで、トルコ中銀が大幅 利上げや財政引き締め等、市場に対してリラ安抑制のため、明確な姿勢を示すこと ができるのか、米牧師問題と合わせて注目したい(次回中銀会合は9/13)。

0 100 200 300 400 500 600 700 800 900

08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18

トルコのソブリンCDS

(日次:2008/1/2~2018/8/17)

(bp)

(注)クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は米ドル5年物、100bp=1%

出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成

(年)

↑カントリーリスク上昇 0

50 100 150 200 250 300 350 400 450 500

98 00 02 04 06 08 10 12 14 16 18

トルコの対外債務

(四半期:1998/3~2018/3)

非金融機関長期債務 金融機関長期債務 公的長期債務 非金融機関短期債務 金融機関短期債務 公的短期債務 外貨準備(金除く)

(10億ドル)

(年)

出所:トルコ財務省、CEICデータよりみずほ証券作成

(5)

金融商品取引法に係る重要事項

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94

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参照

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詳細は当社の担当者までお問い合わせください。国内取次手数料は、約定代金 30 万円超の場合、約定代金 に対して最大 1.08%+2,700 円(税込み)、約定代金55,000

詳細は当社の担当者までお問い合わせください。国内取次手数料は、約定代金 30 万円超の場合、約定代金 に対して最大 1.08%+2,700 円(税込み)、約定代金 55,000

商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号 加入協会

<ご参考> ファンドマネージャーコメント 出所:Bloomberg 出所:投資信託協会 円/リラ 2018年10月31日 20.70 2018年11月30日 21.97

楽天 FX 取引に関する用語」(P13)をご参照ください。以下同じ。 アラーム

この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 商 号 等