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小学校社会科における教育技術の学習方法論的考察 : 「教育技術の法則化」の事例を手がかりにして

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(1)研 究 題 目. 小学校社会科教育における教育技術の学習方法論的考察.  一「教育技術の法則化」の事例を手がかりにして一. 兵庫教育大学大学院. 学校教育研究科. 教科・領域教育専攻. 社会系コース. 学籍番号M87271H. 吉 村 純 三.

(2) 第3節 応答的学習基礎行為に関する教育技術の形態 ……一一一一   55. 目次一.  1.応答的学習基礎行為に関する教育技術の形態的手法例一一一一一  55.  2・応答的学習基礎行為に関する教育技術の学習方法論的特性   62 はじめに  問題意識・先行研究の分析・研究目的・研究方法一…一一一一一 1.  第2節 「教育技術の法則化」における教育技術の類型 一一. 9乱∩∠4.  第1節  「教育技術の法則化」における教育技術の類型視点. 1 11 ﹂■暫. 第1章小学校社会科における教育技術の類型化……一一一一一一. 第4節 「教育技術の法則化」における          学習基礎行為に関する教育技術の検討 一一一  65. 第IV章小学校社会科における学習過程行為に関する教育技術一一……一一・・72.  第1節 「教育技衛の法則化」における学習過程行為の形態…一一一・72 第2節 学習課題設定行為に関する教育技術の形態一一一一・一一一一一一一一・一一一一 75. 第R章小学校社会科における学習動作に関する教育技術…・・.   1.学習課題設定行為に関する教育技術の形態守手法例 ……一一…・一… 75.  第1節 「教育技術の法則化」における学習動作の形態 一一一.  2.学習課題設定行為に関する教育技術の学習方法論的特性 一…・一・・85.  第2節 受動的学習動作に関する教育技術の形態 一・r一・……一. 第3節 学習課題追究・整理行為に関する教育技術の形態 ………一一・・…・88.   1.受動的学習動作に関する教育技術の形態点手法例 …一一.  1.学習課題追究・整理行為に関する教育技術の形態平手法例 ……・88.   2.受動的学習動作に関する教育技術の学習方法論的特性.  2.学習課題追究・整理行為に関する教育技術の学習方法論的特性・93.  第3節 能動的学習動作に関する教育技術の形態 一一一. 第4節 「教育技術の法則化」における.   1.能動的学習動作に関する教育技術の形態的手法例 …一・一一.          学習過程行為に関する教育技術の検討…一一一一 94.   2.能動的学習動作に関する教育技術の学習方法論的特性  第4節 「教育技術の法則化」における.            学習動作に関する教育技術の検討. おわりに  研究成果、今後の課題 32. 第皿章小学校社会科における学習基礎行為に関する教育技術一一一一一… 38  第1節  「教育技術の法則化」における学習基礎行為の形態一一一一・… 38.  第2節受容的学習基礎行為に関する教育技術の形態 ・一一一…一・一・42   1、受容的学習基礎行為に関する教育技術の形態的手法例一一・一一 42   2.受容的学習基礎行為に関する教育技術の学習方法論的特性 一一 52. ・ 100.

(3) 承・普及せねばならないという問題意識がこの運動を成立させている。. はじめに.  それはまた、今日までの教育研究の方向性に対する教育現場からの同 題提起でもある。つまり、教員養成大学においてさえ教育に関する理念 や内容は詳細に講じられるが、授業実践段階での教材設定や教授・学習. (1澗臆識. 過程における児童生徒に対する具体的対応が研究として軽視されている のではないか、と言う問いかけである。このような問題提起に対しては、.  「社会科ぎちい」の児童・生徒が多いと指摘される中で、社会科教育. 教授学とりわけ教科教育学の立場から真摯な対応研究がなされる必要性. における今日的課題の一つとして、いかにすれば「楽しい社会科学習」. があろう。何故なちば、いかなる教育理念や教育内容も、授業実践レベ. を組織し、指導できるかがあげられよう。このような課題を解決してい. ルの事象により実現されていくものであるかちである。. くためには、教師自身の教育的力量、特に「教育技術」の獲得の有無が.  「教育技術の法剣舞」運動に対しては、研究団体としての運動論や教. 重要であると考えられる。例えば、社会科における教育技術としては、. 授・学習論そして教科内容論など、様々な立場かち多様な評価・批判が. 社会的事象に対する驚きにより興味・関心をもって追究させること、仮. なされている。《註2》そして、これちの批判は「教育技術のレベル」や. 説を立て検証することにより理解を深めさせること、また教材・教具の. 「法則化」などの用語の内容の不明確さに因るものが多い。また、シリ. 工夫かち具体的な発問・指示・説明等を設計することがあげられる。こ. ーズ『教育技術の法則化』などに掲載されている授業実践事例の「論文」. れちの教育技術を教師が十分に習得し、活用できるかどうかによって、. の内容や記述文体のレベルが問題とされているものもある。. 児童の学習は大きく異なったものとなるであろう。.  しかし、より本質的な幾つかの問題点があげちれる。例えば、有効で.  近年、授業での具体的な教育技術に視点をあてて、授業実践の改善を. あるとされる教育技術の根拠性が明確でないこと、「法則化」について. 志向しているのが「教育技術法則化運動」である。この運動の目的は、. は「発掘・追試・修正すると言う運動自体が法則化である」とする域を. ①全国の埋もれた教育技術を発掘する、②追試・修正を通して教育技術. 越えられないこと、さちに、教育技術が授業者側の立場かち論じちれる. を法則化する、③法則化した教育技術を広め、共有財産化する、〈a1》こ. ことが多く、児童の学習活動に対する考察・説明が十分野なされていな. とである。このように「教育技術を共有財産化する」ことを明確に意図. いことなどである。これらの問題の基本的要因は、共有財産として集め. し、全国の教師から多くの実践報告を集めた運動は未曾有のものであっ. られた教育技術に対し、理論的枠組みを持って考察していないことが考. たと言えよう。この運動の提唱者である向山洋一氏は「跳び箱を全員跳. えられる。. ばせられることが教師の常識とならなかったのはなぜか?」と問う。す なわち、教育現場では有効な教育技術を教師の共有財産として蓄積し継.               一1一. 一2一.

(4)  後者の論文では、生徒個人を技術の対象としたり集団をまとめて扱う. (2)先行研究の分析. ための技術的方法の存在を確認した上で、それらが教師の教育実践とし て技術化されることに対し、次のような指摘をしている。.  教育技術の法則化運動に関する先行研究は、大別すると次の3つの観.  「目的達成が確実化するということだから、教師の価値観の押しつけ. 点からの硫究文献に分類することができる。第1は、「教育技術」を中.  が確実に定着するということである。いやでもおうでも生徒は教師の. 心とした運動に対する教育思想や教育的価値に関しての教育学的観点か.  思うようにさせられてしまうということなのである。生徒に拒否する. ら考察した研究論文である。第2は、「教育技術」の必要性に対する教.  余地も選択する余地もないということである。」くft7》. 授行為や教育方法に関しての教育方法学的観点から考察した研究論文で. さらに「教育の技術化」が「躾」のような分野におよんだ場合を仮定し、. ある。第3は、「教育技術」の有効性に対する教材内容や教科指導に関. それちが権力によって標準化されることは、一種のファシズムになりか. しての教科教育学的観点から具体的に考察した研究論文である。. ねないとしている。このように岩城氏は、「教える方法としての技術」.  第1の教育学的観点から考察した代表的な論文としては、教育科学研. =教育技術として、その危険性を考察していると言えよう。. 究会機関誌『教育sの「特集/誰もが使える教育技術とは」《註3》に掲載.  以上のような教育学的観点かちの考察は、教育技術を教育思想という. された①志摩陽伍「教育技術をとちえる視点」、②岩城正夫「人間を対. 一側面かちとちえ、論者自身の教育価値観を論じることにとどまってい. 象とした技術は成立するか」があげられる。例えば、前者では、戦前の. るものであると言えよう。. 海後勝雄著『教育技術論』《註4》を取り上げ、次のように述べている。.  第2の教育方法学的観点から考察した代表的な論文としては、①藤岡.  「その構成は教材論教育内容論を中心に、教育技術の歴史的、社会的. 信勝「教育技術をどう研究するか(上)一『技術』と『技能』を区別し.  分析や、その担い手の教師論、実現形態としての教育制度論をふくむ. よう一」、く註8》②佐々木勝男「他者に分かちあえてこそ『教育技術』」.  ものであった」《註5》. 《註9》があげられる。例えば、前者の論文では、教育技術伝達の一般形式. さちに戦後の教育技術研究史の中から城丸章夫を中心とする『新しい教 育技術』《註6》を紹介した上で、教育技術が子ども観や教育の内容や思想. として、次のような定式をしている。 r. についての豊かな見識のもとに、文化と深く結びついて唱えられねばな. 〈1> 教師T、は、効果Xを実現する手順Mを発見する. らないとしている。これは、教師の教育観、指導観を前提とした教育技. 〈2> 教師T、は、「手順M、効果X」を言語的に定式化して. 術の考察の重要性を主張していると言えよう。そこからは、目指すべき.   記述する. 人悶観に支えられた教育技術論が認められよ:う。. 〈3> 教師T2は、〈2>の記述を読み、手順Mを実行し、効.   果Xを得る 一3一. 一4一.

(5)  『効果X』とは、たとえば『跳び箱が跳べなかった子が跳べるように.  以上のような教育方法学的観点からの考察は、教育技術を授業実践改.  なること』である。手順Mとは、たとえば『向山A式・B式』である。. 善の方法として、積極的な評価をするものであるが学習者の側に立った.   右の〈1>かちく3>を貫く『効果X一手順M』のセットが『教育. 理論的枠組みを持ったものとはなっていないと言えよう。.  技術』である。」〈註10》.  第3の教科教育学的観点から考察した社会科に関する代表的な論文と. そして、教育技術法則化運動の成果を「教育技術の言語的定式化と記述. しては、①宇佐美寛「再び『定石化』を疑う」、《註13》②谷本美彦「社. の革新」と位置づけている。これは、教育技術法則化運動をめぐる論争. 会科の特性に即した法則化運動を」、《a14>③岩田一・彦「中核的内容と. を整理する手がかりとなるものであると言えよう。. 教育技術の結合を」《註15》があげられる。例えば、①宇佐美寛「再び.  後者の論文では、歴史教育者協議会における「教育技術」研究の経過. 『定石化』を疑う」では、有田和正氏の授業実践の「バスのうんてんし. と課題を明らかにしている。佐々木氏は、1970年代における歴与奪. ゅさん」が取り上げられる。そこでは、発問の「定石」の根拠が考察さ. の授業重視運動の成果として『たのしくわかる社会科の授業』(小・中. れる。. 学校シリーズ全9巻・あゆみ出版)をあげている。しかし、その授業書 が活用されることに対する編集上の配慮については否定的な評価を示し.  「バスの運転手さんは、どんな仕事をしていますか?」. ている。そこで発刊かち10年を経た今日までの実践・研究の進展を踏. と問いかけても、子どもは動かない。手をあげる子どもは、. まえ「授業技術シリーズ」などの新しい授業書の編集企画を願っている. 一∼. としている。《a11>このような志向の背景を次のように述べている。.  「バスの運転手さんは、どこを見て運転していますか?」.  「技巧に頼り中味のない授業が子どもの能力を育てないと同様に、技. と問いかけると、「そんなこと、わかりきっているじゃない.  術を軽視した素材重視の授業もまた子どもの力にはならない。そうし. か」という顔で、元気いっぱい手をあげる。 (略・引用者).  た意味でも、いま歴教皇はひとつの転換を迫られているように思えて.  ある学校では、「最初に、運転手さんは、どんな仕事をし.  なちない。過去に蓄積された教育技術も、それが他者に分かち与えち. ていますか?」と偉いかけてみますから、その時の子どもの.  れる形式に一般化され、それが創造的に活用されるものとして整理し、. 動きと、後から「運転手さんは、どこを見て運転しています.  提示されなくては、宝のもちぐされとなる。これでは、あまりに無駄. か?」と問いかけたときの子どもの動きを、よく比べてみて.  が多すぎ、非合理であり、教育の科学性まで失われてしまう。いや、. いてください、と話して授業をした。.  現実にはその危機をはらんでいるのかも知れない。」信12》.  授業をやってみると、ほぼ同じような結果が得られた。学. このように佐々木氏は、藤岡氏が論考したところの「言語的定式化と記. 校も、子どもも異なるのに一。. 名。ところが、. <註16>. 述の革新」により課題克服をなそうとしていると言えよう。.               一5一. 一6一.

(6) この事例における2つの発問、すなわち「どんな仕事を」と同うか「ど こを見て」と同うか。その発問による児童の反応の違いを考察している。. 宇佐美氏は、「仕事(をする)」を「知覚できる言動を指し示す語では なく、個々の状況を超えたある身分を示す語」(身分語)であるとする。. それに対し「見る」は(知覚語)であり、より経験に近いレベルの言葉 であるがゆえに反応の差異が生じたと説明する。そして、「発同の定石」. に対して根拠を与えることにより「定石」と呼ぶ必要がない安定した明 確な「理論」となったとしている.このように宇佐美氏の論考は、社会 科実践における発問理論の可能性を示すものであると言えよう。.  ②谷本美彦「社会科の特性に即した法則化運動を」では、教育技術の 法則化運動における追試の有効性を取り上げている。特に、ねらいや教 材に対する理解が追試実践者にとって重要であることを指摘している。. それは、社会科の特性として相対立する教科観の存在や複雑な授業過程 を有することに因るものであるとしている。すなわち、ねらいや教材と 切り離れた発問・指示等の有効性を明確に否定しているのである。そこ で谷本氏は、具体的に有効な追試事例をあげている。それは、「奈良の. 都」(6時間)の第5時、「大仏づくりを調べ政治のしくみを考える」 に「大仏の大きさをとちえさせる方法(1)」《註17》を教育実習生の授 業で追試することを推奨した事例である。推奨理由を次のようにあげる。  「(1)大仏の手形をつくることで、子どもは大仏の巨大さに驚き、.    学習への興味をかきたてられるであろう。   (2)実習生は学級担任ほど子どもを知らない。したがって子ども.    の情報構造を考慮にいれなくてよい手形を実際につくらせる活    動例の方が適している。.   (3)実際に手形をつくる学習であるから、いずれの社会科観の授.               一7一.    業にもスンナリ取り入れることができる。」《註18>. そして、大仏の大きさを実感としてとらえさせた上で、めあてに即した 学習課題設定ができたと述べている。このように、本論文は、社会科教 科観の多様性に対応するため、技量の未熟な若い教師や教育実習生にと っては、「教:育技術の法則化」社会科事例論文の一部しか活用できない. という問題点を指摘している。それは1自盛の記述が少ないことに対す る批判であるとも言えよう。.  ③岩田一彦「中核的内容と教育技術の結合を」では、社会認識形成と. の関わりかち教育技術を考察している。『教育技術の法則化』第1期 (全12冊)における社会科論文を、社会認識内容、社会認識方法、そ して教育技術の3視点からの分析し、結果を次のように述べている。  「本シリーズで提案している認識内容は、社会事象を情報として提示  したものが中心となっているのである。社会事象の機能・構造・目的  といった事象周の関係を認識内容としたものが、一部含まれているに  すぎない。そして、社会認識形成の中核を構成する社会事象聞の因果  関係を認識内容としたものは、ほとんど含まれていない。」くitl 9》. このように社会認識内容の脆弱さを指摘している。また社会認識方法の 分析を通して、分類結果の活用と説得性を増す手法としての比較の重要 性を述べている。さらに教育技術の有効性に関する論証と共に、内容と 教育技術の結合の必然性に関する論証の欠如を課題としている。このよ うに本論文は、『教育技術の法則化』の実践事例論文に対して、科学的 な社会認識の形成を検討視点とした考察となっている。.  以上のような教科教育学的観点からの考察も教育技術を、共有化する ための学習活動と関わった理論的枠組みを提示したものとはなっていな いと言えよう。.               一8一.

(7) (4)研究方法. (3>研究目的..  先行研究の分析で見たように、教育技術の法則化運動に関する研究は、.  本研究では、収集した『教育技術の法則化』第1期∼第6期目明治図. 大部分が個別的な教育技術の法則化運動に関する分析・批判である。社. 書,1985年7月∼1988年5月)に掲載された社会科授業実践事. 会科教育の立場から社会認識の検討がなされたものもあるが、その研究. 例183事例を以下の方法にしたがって検討し、小学校社会科教育にお. も対象を『教育技術の法則化』第1期12冊の社会科論文26事例とし、. ける教育技術の考察を試みる。. 科学的社会認識形成を検討の中心としたものであった。.  ①記述されている児童の学習活動を全て抽出し、類型化する。.  すなわち、『教育技術の法則化s第1期から第6期までの社会科論文.  ②学習活動を引き出すものとしての観点から教育技術を類型化する。. 183事例を考察した研究はなされていない。特に、教育技術の法則化.  ③類型化した教育技術を学習方法論的に考察する。. 運動が児童・生徒の学習活動の活性化に主眼をおいた教育研究運動であ ることを考えた場合、学習者の享場に立った観点からの考察がなされて いないことが明らかになった。.  児童にとって楽しい社会科学習ができるように、教師の学習指導技術. 註釈及び引用・参考文献. として出された教育技術を、学習者の立場に立って再評価するという教 育技術の理論的考察が必要であると言えよう。. 〈註1>教育技術法則化運動事務局編『教育技術の法則化』Nα 1,明治図.  そこで本研究は、「教育技術法則化運動」授業実践事例を手がかりと.    書,1985年の投稿論文募集要項記事中に明記されている。. して、小学校社会科における教育技術を学習方法論的に考察することを. 〈註2>例えば、『現代教育科学』Nα353,明治図書,1986年には、. 目的とする。.     「教育技術法則化運動への注文・批判」と題して特集が組まれ.    ている。 〈註3>『教育』麗α463,国土社,1986年..    この特集に対する教育技術法則化運動からの意見・反論は、     『授業研究』Nα 300,明治図書,1986年、に「誰もがプロになれ.    る“教育技術”を求めて一『教育』(教育科学研究会機関誌)    誌への意見特集一」が組まれている。. 一9一.              一10一.

(8) 〈註4>復刻版として、海後勝雄教育著作選集2『教育技術論』日本書    籍,1978年.が発行されている。 〈註5>志摩陽伍「教育技術をとちえる視点」『教育SNa 463,国土社,    1986年,p.10.. 第1章 小学校社会科における. 〈註6>城丸章夫他『新しい教育技術』全7巻,日本標準,1976∼77年. 教育技術の類型化. 〈註7>岩城正夫「人間を対象とした技術は成立するか」『教育』閥α463,.    国土社,1986年,p.27. 〈註8>『教育』NQ 480,国土社,1987年, pp.18−26..  本章では、『教育技術の法則化』小学校社会科論文を手がかりにして、. 〈註9>同 書pp.49−51.. 教育技術の類型化を行う。. 〈註10>同 書p.20. 〈註11>この研究成果は、佐々木勝男他著『社会科授業づくりの技術と.  シリーズ『教育技術の法則化』は、教育技術法則化運動事務局(代表.    実践・小学1年∼小学6年』全6冊,あゆみ出版,1988年.と. ・向山洋一氏)が編集し、第1期(1985年7月)かち第6期(19.     して、刊行されている。. 88年5月現在》まで、53巻が刊行されている。これちには小学校か. 〈註12>『教育』NQ 480,国土社,1987年, p.51.. ち中学校に至る各教科・領域・特別活動などに関する投稿論文が掲載さ. 〈註13>『現代教育科学』NQ 341,明治図書,1985年, pp.10−14.. れている.そのうち小学校社会科に関する論文は、183事例である。. 〈註14>『教育科学社会科教育』Nα 297,明治図書,1987年,pp.21−24..                               《註1》. 〈註15>「特集/教育技術法則化運動への注文・批判」『現代教育科学』     NQ 353,明治図書,1986年. pp.56−58.. 〈註16>有田和正「社会科における発問の定石化」『授業研究』Nα274. 第1節 「教育技術の法則化」における教育技術の類型視点.     明治図書,1985年,pp.125−127.. 〈註17>向山洋一編『教育技術の法則化7S明治図書,1985年,  教育技術を解明するためには、ビデオテープ録画や逐語記録の活用な.     pp. 46−48.. 〈註18>『教育科学社会科教育』no 297,明治図書,1987年, p.24.. どによって教師の「働きかけ」と児童の「反応」を全て明ちかにする方. 〈註19>『現代教育科学』Nα353,明治図書,1986年,p.57.. 法がある。しかし、「教育技術の法則化」論文では、授業記録の側面よ りも追試可能な情報を提供することを意図している。それゆえ、教師が. 一11一.               一12一.

(9) 意図した「働きかけ」や意味を持っている児童の「反応」が簡潔に記述. されている。また、それらは、原則的に1時圃の授業実践が1論文とし. 第2節  「教育技術の法則化」における教育技術の類型. てまとめられ、追試が可能なように具体的な指示・発問などを中心に書 かれている。したがって、「教師の働きかけ」と「児童の学習活動」を.  前節で取り上げた「児童の学習活動」が引き出される契機となる教師. 手がかりにすることにより教育技術を考察できよう。そこで基本的には. の「教師の働きかけ」としては、f指示」・「発問」・「説明」などが. 「教師の働きかけ」に応じて、どのように「児童の学習活動」が引き出. みち乳為。これちの教師の働きかけによって引き出される学習動作とし. されているのかという視点から教育技術の類型化とそれちの検討を行い. ては、教師の指示に従う「受動的動作」と児童の自発的な「能動的動作」. たい。「教師の働きかけ」としては、「指示」・「発問」・「説明」な. に関する教育技術に類型される。(図表1−1). どがみられ「児童の学習活動」としては、学習目標との関連性において 次のようにとらえることができる。. (1)学習動作…「起立する」・「挙手する」・「指差する」. 図表1−1 学習動作に関する教育技術・1. t!i2gsi{nie:ee’a’一 6XfiKdi 〈II[[(1.          などであり、それちは学習目標の達成や学習. 受動的学習動作を.    生起させる教育技術.          内容の理解と直接的な関係を持たない動作的          な学習活動である。. 能動的学習動作を.    生起させる教育技術 (2>学習基礎行為…「聴聞する」・「読本する」・「記述する」           ・「会話する」などであり、それちは学習目.          標の達成や学習内容の理解と直接的な関係を          持つ基礎的・技能的な学習活動である。.  学習基礎行為としては、教師からの働きかけを受容する「受容的学習 基礎行為」と教師かちの働きかけに応答する「応答的学習行為」に関す. (3)学習過程行為…「学習課題を設定する」・「学習課題を解決. る教育技術に類型される。(図表1−2).          する」などであり、それらは学習目標の達成          や学習課題の解決に直接的に結び付いた過程          的・経過的な学習活動である。.             一13一. 一14一.

(10) 図表1−2 学習基礎行為に関する教育技術・1 註釈及び引用・参考文献 受容的学習基礎行為を    生起させる教育技術. 〈註1>シリーズ『教育技術の法財化』教育技術法則化運動事務局編集 応答的学習基礎行為を.    (代表・向山洋一氏)第1期(198547n)∼第6期(1988年5版在).    生起させる教育技術.    小学校社会科論文183事例は、資料1「掲載論文一覧表」を    参照されたし。.  学習過程行為としては、学習課題を設定する「学習課題設定行為にお ける動機づけ」と学習課題を解決していく「学習課題追究・整理行為に. おける学習吟味」に関する教育技術に類型される。 (図表1−3). 図表1−3 学習過程行為に関する教育技術・1. 学習課題設定行為における.    動機づけがなされる教育技術. 学習課題追究・整理行為における.    学習吟味がなされる教育技術. 一16一 一15一.

(11) 対し、「教育技術の法則化」小学校社会科論文(以後、「法則化論文」. 第II章. と略す)の記述の中では、学習動作に関するものが多数認められる。具. 体的には、183事例中33事例において、学習動作生起の様相が記述. 小学校社会科における. されている。このように学習動作に関しての記述が多いことは、「教育. 技術の法則化」運動が授業活性化の1つとして、学習動作への「働きか. 学習動作に関する教育技術. け方」に対する志向が表現されていると考えることができる。この学習 動作への働きかけは、「社会科」などの1教科のみならず、他の教科の.  本章では、「教育技術の法則化」小学校社会科授業実践事例を 手がかりにして、小学校社会科における学習動作に関する教育技術 について考察する。. 学習指導においても活用することが可能な側面を持つものである。.  法則化論文に記述されている学習動作としては「起立する」・「挙手 する」・「指差する」があげられる。また、これちの学習動作は、全て 教師の「指示」もしくは「発問」によって生起したことが記述されてい る。この関係は、次のように示される。. 第1節  「教育技術の法則化1における学習動作の形態. 図表9−1 学習動作の生起関係  本節では、「教育技術の法則化」小学校社会科授業実践事例に記述さ 教 師    児 童. れている学習動作の形態を解明する。. 指 示.  授業実践を改善していくための基本的な第1の視点は、授業の中で生. 起 立. 刀@手. 起している数多くの学習動作に対するものがあげちれる.これは、自標. ュ 同. の達成や内容の理解に結び付いた学習行為に対し、その準備となる前段. w 差. 階的な動作のことである。一般的に、このような学習動作は授業記録な どには、余り詳しく記述されていないことが多い。これは、授業実践段 階における研究が、主として教材内容や児童の思考過程を明らかにする.  この図表のように学習動作生起の契機は、全て教師からの指示・発. ことなどを中心に進められてきたことによるものと考えられる。これに. 問である。.              一17一.              T18一.

(12)  一般的な授業の場合は、児童相互における質問や意見発表等が契機と.  第1の受動的学習動作は、教師の指示に従った形で生起された学習動. なり、児童の学習動作が生起されることも考えちれるが、法則化論文の. 作である。例えば、列指名されたことによって起立をさせちれたり、意. 記述の中では、そのような事例は認められない。これは、そのような事. 思表明するために挙手をさせられたりしていることなど、児童の主体的. 象がなかったか、あるいは投稿者がそのことに対して意味を見出さなか. な意思がほとんど反映されていないことがあげちれる。法則化論文では、. った場合が考えちれよう・いずれにせみタ思車の学習動作が全て教師の. このような受動的学習動作の事例は、24事例33箇所に記述されてい. 指示・発同が契機となって生起していることは、法則化論文の特色であ. る。(1論文を1事例とし、その中に記述されている一つの学習動作を. ると言えよう。. 1箇所とする。したがって、1事例の中に複数の学習動作箇所が取り上.  「教育技術の法則化」小学校社会科論文に記述されている「起立する」. げられている事例もある。以後同じ). ・「挙手する」・「指差する」の学習動作は、次のように大別できる。.  詳しくは、次の通りであった。.  第1は、教師の指示により、児童が従った形で生起した受動的学習動.   A.受動的起立動作…5事例8箇所. 作である。.   B.受動的挙手動作…7事例10箇所.  第2は、教師の指示・発問が契機となり、児童が選択する形で生起し.   O.受動的指差動作…12事例15箇所. た能動的学習動作である。.  第2の能動的学習動作は、教師の指示や発問が、児童の多様な思考を.  以上のことは、次のように示すことができる。. 促す契機となり、自由な意思に基づいて生起した学習動作である。例え ば、挙手をさせる指示においても、必ずしも挙手をしなくてもよいもの であったり、思考に沿った指差動作などがあげられる。法則化論文では、. 図表ll−2 学習動作の形態. このような能動的学習動作の事例は、9事例13箇所に記述されている。. (1)受動的学習動作. 《.受動的起立動作.  詳しくは、次の通りであった。. 3.受動的挙手動作、.   A.能動的挙手動作…7事例10箇所. C.受動的指差動作.   B.能動的指差動作…2事例3箇所. 学習動作 (2)能動的学習動作. A.能動的挙手動作 3.能動的指差動作. (注・「数育捷術の薦化1小学捜二会科論文の中で億、能醐起立動作の事鵬髭ら愚なかった).      一19一. 一20一.

(13)   室の中で工場でっくられたもの前かち1人1つ言いなさい」② 第2節.受動的学習動作に関する教育技術の形態.   「指示2.H子さんの列立ちなさい。前から1人1っ教室の中で、   工場で作ったものでないものを言いなさい」③.  本節では、「教育技術の法則化」小学校社会科授業実践事例に記述さ.   「指示6.全部のマスの中に書き込めた人立ちなさい」④. れている受動的学習動作を取り上げることにより、教育技術としての.   「指示9.工場でつくらないもの、全部マスに書き入れた人、立ち. 「教師の指示」の形態を解明する。.   なさい」⑨(ビンゴゲームの準備作業として)  (3)墾削25では、く註3》次のような教師の指示により起立をしている。.   (板書された『善人なほもて往生をとぐ、いわんや悪人をや』を). 1.受動的学習動作に関する教育技術の形態聞手法例.   「指示2.その場に立って2回読みなさい」⑥  (4)S4h132では、儘4》次のような教師の指示により起立をしている。.  本項では、「教育技術の法則化」小学校社会科授業実践事例に記述さ.   (徴兵令の条件に当てはまる人は)「指示3.全員立ちなさい」⑦. れている受動的学習動作に関する教育技術の形態的手法を取り上げる。.  (5)整馳157では、《註5》次のような教師の指示により起立をしている。. それは、(1)受動的起立動作、(2)受動的挙手動作、(3)受動的.   「指示1.百姓一揆がふえたり米の値段が上がっているときは、ど. 指差動作の3類型に関する教育技術が認められる。以下に、その形態二.   んな時か教科書を使って調飛なさい。見つけた人は立ちなさい」⑧. 手法例をあげる。.  以上のように、受動的起立動作の具体的事例は、5事例8箇所あり、 これちは全て「教師の指示」に従ったものとして生起している事例であ る。. (1)受動的起立動作に関する教育技術の形態的手法例. 受動的起立動作の具体的事例は、次の5事例8箇所があげられる。. (2)受動的挙手動作に関する教:育技術の形態的手法例.                く注・0の設継事闘、0の数健盲斎の番号を表す.以下同じ》. (1)整馳33では、《詫1》次のような教師の指示により起立をしている。. 受動的挙手動作の具体的事例は、次の7事例10箇所があげられる。.  (郵便を集める時刻が決まっているわけについて)「指示1.3列. (1)整恥28では、《註‘》次のような教師の指示により挙手をしている。.  の人起立 指示2.前から順番に意見を言ってもちいます」①.  (公園の立て札を)「公園でみたという人は手を上げなさい」①. (2門門89では、《註2》次のような教師の指示により起立をしている。. (2)S4h30では、《註7》次のような教師の指示により挙手をしている。.  (5年生の工業単元の導入で)「指示1.Y君の列立ちなさい。教.  (11箇所の公園名をあげながち)「よく行くところに手を挙げまし.              一21一.              一22一.

(14)  よう」② (3)整馳45では、《as》次のような教師の指示により挙手をしている。. (3)受動的指差動作に関する教育技術の形態的弓法例.   (4年単元「下水道」の学習の導入として)「指示1.朝から、前. 受動的指差動作の具体的事例は、次の12事例15箇所があげられる。.  の放課までに、便所へ一度でも行った子は手を挙げなさい」③. (1)整馳4、〈註13》次のような教師の指示により指差をしている。.   「指示2.朝かち今までに便所へ行った回数を答えなさい。 「梱」.  (教科書の)「37ページの上の写真を指で差しなさい」①.   「2回」…と順に教師が回数を聞き、児童に挙手させる」④「朝かち今. (2)整恥17では《註14》次のような教師の指示により指差をしている。.  までに、べんじょでおしっこをした子は手を挙げなさい」⑤「では、.  (教科書のグラフ『四大工業地帯の工業生産額のわりあい』の).   うんこをした子は手を挙げなさい」⑥.  「指示2.京浜工業地帯の繧生産額を、指で押さえなさい」②. (4)墾h66では、〈R9》次のような教師の指示により挙手をしている。.  「北九州工業地帯の総生産額を、指で押さえなさい」③.   (教師が提示したものがパンか、そうではないかについて)「挙手. (3)Sgh38では、《誕5》次のような教師の指示により指差をしている。.  によりOと×の人数を確かめていく」⑦.  (3年生の地図学習の導入として)「指示1.地図記号には、⑭. (5)整恥87では、《註10》次のように挙手について記述している。.   (新しい工業地帯の出荷額は、北九州のそれより多いか同じか少な   いかについて)「人数だけを挙手によって確認する。理由は聞かな.  (黒板に書く)があります。教科書の地図のなかにあるからさがし  なさい。見つけたら、指で押さえてごらん」④ (4)整馳52では、信■6>次のような教師の指示により指差をしている。.   い」⑧.  (配布プリントのグラフ『専業・兼業農家数及び経営耕地面積s).  (6痙馳101ではく註ll>次のような教師の指示により挙手をしている。.  「指示1.資料には必ず『この資料には何を表しているのか』が書.   (鳴かぬなら…の句が誰によって詠まれたものか)「でたらめでも.  かれています。それを表題といいますが、この資料の表題を指でお.   いいから、とにかく予想させる。1分後、予想を挙手できいた」⑨.  さえなさい」⑤.  (7)整馳124では《註12》次のような教師の指示により挙手をしている。.  「指示2.『この資料はどの本からとったのか』ということも書い.   (小刀の用途について、かたい物を食べるためか、自分を守るため.  てあります。それを出典といいます。この資料の出典を指でおさえ.   か、はしを削るためかのいずれかを)「挙手によって、学級全体の.  なさい」⑥.   傾向をみた」⑩. (5)整恥53では、《註17》次のような教師の指示により指差をしている。.  以上のように、受動的挙手動作の具体的事例は、7事例10箇所あり、.   (配布プリントのグラフ『経営規模別農家数』の). これらは全て「教師の指示」に従ったものとして生起している事例であ.   「指示1.表題を指でおさえなさい」⑦. る。.   「指示2.出典を指でおさえなさい」⑧.               一23一.              一24一.

(15) (6三三54では、《註18》次のような教師の指示により指差をしている。.   (配布プリントのグラフ『みかんとりんごの生産高と栽培面積』). 2.受動的学習動作に関する教育技術の学習方法論的特性.   「指示1.資料1の表題を指で押さえなさい」⑨  (7)整馳74では、〈註19》次のような教師の指示により指差をしている。.  本項では、前項の具体的事例をもとにして、児童に受動的学習動作を.   「指示2.これかち、パン工場のスライドを見せます。今、発表し. 生起せしめた「教師の指示」についての教育技術を考察する。特に、教.  たものが出てきたら、指で差しなさい」(ノートの答えを)⑩. 育技術としての「教師の指示」が、いかなる特性を有しているのかを明.  (8)整馳83では、〈註20》次のような教師の指示により指差をしている。. らかにしたい。.   (資料グラフの表題・出典など)「えんぴつで、おさえなさい」⑪  (9)整恥90では、<it21>次のような教師の指示により指差をしている。.  受動的学習動作に関する教育技術は、教師主導型運営重視の教育技術.   「指示3.説明を聞いているみなさんは、その伝統工芸品がどこで. であり、これは児童の行動制限を意図した側面と、児童の実態把握を意.   作られているか、地図帳で捜しなさい。捜せたち指でその場所をお. 図した側面と、児童の学習準備を意図した側面を持つものである。.   さえなさい」⑫.  第1に児童の行動制限を意図した側面の強い指示は、児童にとって少.  (10)製麺91では、《註22》次のような教師の指示により指差をしている。. なからぬ緊張感を与え、他の動作・思考・作業などを制限することとな.   「指示2.今から黒板にかく地名を地図帳で探しなさい。探したな. り、教師とっては予定している授業の進行を容易にする手法として用い.   ちぱ、指さしなさい」⑮. られる。したがって、指示内容としては、立ったり、手を挙げたりなど.  (11)整恥116では《s23》次のような教師の指示により指差をしている。. の大きな動作を要求するところがみられる。例えば、列指名をして起立.   (『邪馬台国』の位置を捜すために). させてかち順番に意見を発表させたり、《a25》次々挙げちれる公園名に.   「指示6.地図帳で『ソウル』を探しなさい。みつかったら人指し. 対して、自分がよく行くところに手を挙げたりさせている。《註2ωまた、.   ゆびで押さえなさい」⑭. このような聞きながち反応をさせる指示は、児童に対して注意しながら.  (12)S4k148では《■24》次のような教師の指示により指差をしている。.   (地図帳の)「指示2.余目に人さし指を置きなさい。置いたち隣. 聞くことを要求し、思考の集中化を促していると考えられる。.  第2に児童の実態把握を意図した側面の強い指示は、教師にとって必.   の人と同じか確かめなさい」⑮. 要な情報収集の手法として用いられている。授業の展開を考えた上で、.  以上のように、受動的指差動作の具体的事例は、12事例15箇所あ. 児童の思考実態や傾向を把握したり、個別的な作業進展状況を確認する. り、これらは全て「教師の指示」に従ったものとして生起している事例. ことは重要であろう。したがって、指示内容としては、思考実態などの. である。.               一25一.               一26一.

(16) 把握に対しては挙手をさせたり、作業進展状況の確認では起立をさせた りしている。傍えば、思考傾向を把握するために、新しい工業地帯の出. 第3節 能動的学習動作に関する教育技術の形態. 荷額と北九州の出荷額の比較予想を挙手させたり、《ft27》教師が提示し. たものをパンと考えるか否かについて、挙手で人数の分布を確認したり.  本節では、「教育技術の法則化」小学校社会科授業実践事例に記述さ. している。く註28》また、作業進展状況の確認では、工業学習のビンゴゲ. れている能動的学習動作を取り上げることにより、教育技術としての. ーム用紙を作成する作業の途中で、手順に従って進んでいる人を確認す. 「教師の指示・発問」の形態を解明する。. るために起立をさせたり、く註29》百姓一・揆と米価の相関関係について調 べ終わった人から立たせたりしている。〈230>.  第3に児童の学習準備を意図した側面の強い指示は、児童にとって学. 1.能動的学習動作に関する教育技術の形態網手法例. 習準備の初期的な認識に対して、教師による注意喚起の手法として用い られる。したがって、指示内容としては、児童の思考を中断しないよう に、出来るだけ小さな動作として指による指差確認をさせたりしている。 例えば、資料の表題や出典を指で押さえたり、《X31>ソウルや余目とい う地名を地図帳かち捜して人指し指で押さえたりしている。《tt32》また、.  本項では、「教育技術の法則化」小学校社会科授業実践事例に記述さ れている能動的学習動作に関する教育技術の形態的手法を取り上げる。. それは、(1)能動的挙手動作、(2》能動的指差動作の2類型に関す る教育技術が認められる。以下に、その形態野手法例をあげる。. 指の代わりに鉛筆で資料グラフの表題などを押さえたりしているものも ある。《註33》.  このように受動的学習動作に関する教育技術は、主として教師主導型 の授業運営を重視したところの教育技術である。これは児童の行動制限、. 思考実態・傾向の把握、学習行為準備としての注意喚起などの特性を持 つ教育技術として位置づけちれる。. (1}能動的挙手動作に関する教育技術の形態的手法例. 能動的挙手動作の具体的事例は、次の7事例10箇所があげられる。 (11鍵h30では、くft34》次のような教師の発同により挙手をしている。.  「発問1.みんながよく行く公園の名前を教えて下さい」(元気よ  く2/3の子の手が挙がった)①.  (板書を見ながら)「発問3.この中で、公園の入り口やどこかに  きちんと名前が書いてあるものは、どれですか」(これにも元気よ  く手が挙がった)②. 一27一. (2)整馳131では、く註35》次のような教師の発問により挙手をしている。.              一28一.

(17)   「発周1.『おせち』の中には、どんな料理が入っていますか」   (子どもたちは一斉に挙手をした)③. (2)能動的指差動作に関する教育技術の形態的手法例.  (3)難囲39では、く詔6》次のような教師の指示により挙手をしている。.  能動的指差動作の具体的事例は、次の2事例3箇所があげられる。.   (グループで勉強するとすごい力になるんだねと、ほめたあと).  (1)Sgh59では、儘41》次のような教師の指示により指差をしている。.   「指示4.他に、グループで、さがしに行った子はいませんか」.    「指示4.馬越長火塚古墳の位置を指で押さえなさい」①.   (挙手一12名)④   H一.    「指示5.断面図は、どこからどこまでの断面図か、指と指では.  (4)整9h161では、く註37》次のような教師の指示により挙手をしている。.    さみなさい」②.   (『一切衆生・平等往生』と書いたカードを張り)「指示1.自分.  (2)S1hl 48ではくit4 2》次のような教師の指示により指差をしている。.   の予想を言いたい人は、手を挙げなさい」(8人が挙手した)⑤.    「指示6.座っている人は、同じコースを指でなぞりなさい」③.   (辞典で読み方を調べ)「指示4.それでは、調べたことを発表し.  以上のように、能動的指差動作の具体的事例は、2事例3箇所有り、.   てください(挙手させる)」⑥. これちは全て「教師の指示・発問」が契機となって生起している事例で.  (5)難M71では、儘38》次のような教師の発問により挙手をしている。. ある。.   (バスのバックミラーの裏側を見せながち)「発同1.これは、何   でしょう」(クラス31名筆の10名前後が手を挙げた)⑦  (6)難囲72では、《註39》次のような教師の発問により挙手をしている。. 2.能動的学習動作に関する教育技術の学習方法論的特性.   (巨大パンを模造紙で三重に巻いておき、黒板につるしてかち).   「これは、何だと思いますか」(『ワーAと手が挙がった)⑧.  本項では、前項の具体的事例をもとにして、児童に能動的学習動作を.   (全員にさわらせたあと何かをノートに書かせ)「はい、やめ。. 生起せしめた「教師の指示・発問」についての教育技術を考察する。特.   これは、何なのでしょうか」(いっぱい手が挙がった)⑨. に、教育技術としての「教師の指示・発問」が、いかなる特性を有して.  (7)整商183では、《註40》次のような教師の指示により挙手をしている。. いるのかを明ちかにしたい。.   「指示1.今から外国の地図記号を1枚ずつ見せていきます。分か   つたところで手を挙げてください」⑩.  能動的学習動作に関する教育技術は、児童主体型思考重視の教育技術.  以上のように、能動的挙手動作の具体的事例は、7事例10箇所あり、. であり、これは児童の自由な思考や発言を意図した側面と、児童の学習. これらは全て「教師の指示・発問」が契機となって生起している事例で. 準備の深まりを意図した側面を持つものである。. ある。.  前者における児童の自由な思考や発言を意図した側面の強い指示・発.               一29一.               一30一.

(18) 問は、1つの動作を強要しないものとなっており、児童にとっては自由 な考えができ、挙手による発言も強要されないような手法となっている。 したがって、指示・発問内容としては、必ず応答しなくてもよいものと. なっている。例えば、よく行く公園の名前を発表したり、儘43》御節料 理の中に入っている料理を答えたりする場合くx44》、児童は、いくつか. の公園名や料理名を思い浮かべ、自由に選択し、かつ、挙手をするかど うかも自分で決められるのである。こ乳らは、発問としての「名前を教 えて下さい」や「どんな料理が入っていますか」という言葉の中に、 「知っている人は、出来るだけ挙手をして答えればよろしい」という挙. 手に対する「指示」が内在されていると考えちれる。このような顕在化 していない指示は、「隠れ指示」とも言えよう。この「隠れ指示」のも とでは、児童は自由な思考や発言が保障されたものとなっている。また、 「自分の予想を言いたい人は、手を挙げなさい」と言う指示も、「言い. れていることが児童にも理解されていると言えよう。それだけ児童は学 習への準備が保障されたものとなっている。また、断面図かち古墳の位 置を指と指で工むと言う学習動作は、くft4 7》地図上の古墳の形状を理解. した上で断面図との比較思考がなされなければ出来ないものである。す なわち、比較思考を経過した後の理解内容の表現形懸として指差動作が 要求されていると言えよう。さちに、他の児童が発表する駅名を地図上 でなぞっていくという指差動作は、《it48》反応の早さより聞くことに集. 中しながら学習準備を深めていくものとなっている。.  このように能動的学習動作に関する教育技術は、主として児童主体型 の自由な思考を重視したところの教育技術である。これは児童の行動制 限を強要しないものであり、各個人の自由な思考や発言を促したり、学 習準備の深まりをなさせる特性を持つ教育技術として位置づけられる。. たくない人は、言わないでも構わない」と言う内容を含意しており、こ のことが児童に自由な学習動作を生起させることが可能となっている要 因であろう。さちに、巨大パンに対する発同などは、「これは何だと思. 第4節 「教育技術の三思化」における. いますか」儘45》という短い発周形態を採っていることにより、児童の 考え方をあまり拘束しないものとなっていると言えよう。. 学習動作に関する教育技術の検討.  後者における児童の学習準備の深まりを意図した側面の強い指示・発 問は、指示に対し、少し時間をかけて思考した後でなければ学習動作を 生起できないものとなっており、児童にとっては、学習準備への深まり がなされるような手法として用いちれる。したがって、指示内容として.  本節では、「教育技術の法則化」小学校社会科授業実践事例に記述さ れていた学習動作に関する教育技術の検討を行う。. は、必ずしも早い反応を示さなくても良いものとなっている。例えば、. 教師が提示する外国の地図記号に対し、「分かったところで手を挙げて 下さい」と言う指示は、《駐46》分かるまで時間的余裕がある程度与えら.               一31一.  「教育技術の法則化」小学校社会科授業実践事例論文に記述されてい たところの学習動作に関する教育技術を整理すると、次のように示すこ とができる。.               一32一.

(19) 図表[一3 学習動作に関する教育技術.2. それちの情報把握により、授業展開の計画を修正したりすることができ るのである。. (1)受動的学習動作場面. A.受動的起立動作を生起させる教育技術.  第2に、学習理解の補助的機能としての有効性があげちれよう。身体. B.受動的挙手動作を生起させる教育技術. 的動作は、意識的な行動であり、不明確な認識では正確に行動できない. C.受動的指差動作を生起させる教育技術. ものである。例えば、指差動作を指示することにより、児童にとっては、. 指示された内容に対する理解がなされていなければ、反応を示すことが (2)能動的学習動作場面. D.能動的挙手動作を生起させる教育技術. できない。この場合、児童は正しい指差ができるよう思考することにな. [.能動的指差動作を生起させる教育技術. る。また、身体的動作を生起させることによって理解対象が明確になり、. 記憶として保持される可能性が少しでも高くなると考えられる。これら のことかち学習動作は、学習理解推進の補助的機能を果たすことになる.  前節までにおいて、学習動作を生起させた要因としての教師の働きか. とも言えよう。. けを考察することにより、それぞれの指示・発周が果たした機能を明ち.  このように学習動作に関する教育技術の有効性を、児童の実態把握と、. かにしてきたが、ここでは総括的な観点かち、検討していきたい。. 学習理解の補助的機能と言う2つの観点かち評価することができる。.  学習動作に関する教育技術を検討していくには、その有効性と課題が.  学習動作に関する教育技術の課題を考察するとき、第1に、学習動作. 考察される必要があろう。. を強制することによる問題を指摘せねばならない。例えば、受動的起立.  学習動作に関する教育技術の有効性を考察するとき、第1に、児童の. 動作を生起させる教育技術としての、指名による起立の指示がある。こ. 実態把握の有効性が挙げちれる、授業を展開していく場合、教師が児童. れは、教師から提示された「指示」によって、児童を服従せしめるもの. の思考傾向や作業の進捗状況などの実態を把握しておくことは重要なこ. である。起立させられることは、児童に強い緊張感を与えることになる.. とである。児童が自ちの意思を動作によって表現させることは、教師に. また列指名による起立の場合では、児童に起立した時点かち意見発表や. とって、一度に多くの情報を把握できることになる。これはまた、児童. 本読みの準備を促すことになる。このような列指名がされる背景には、. 相互間の意志伝達の機能をも果たしていると言えよう。例えば、受動的. 発言機会の均等化や意見表明が不活発であるという学級の課題が存在し. 挙手動作を生起させる教育技術として、意見を挙手によって確認する指. ていることが推測できよう。しかし、より自由な意見発表がなされると. 示がある。この指示に従うことによって、児童は自分の意見を表明する. ころに本来の授業の活性化が可能なのである。度重なる一方的な指名は、. ことになり、同時に他の児童の意見を確認できることになる。教師は、. 児童に「指示待ち」の学習習慣を形成する恐れがある。これは、主体的.               一33一.               一34一.

(20) 受動的起立動作を主に記述していることから「教育技術の法則化」運動 が「いかに子どもを動かすか」ということに関心が向けちれ、そのこと による問題点に対する配慮がなされていないと言えよう。.  第2の問題は、教師による授業進行の手馴として、学習動作生起の教 育技術が多用されることへの懸念である。特に、一斉に行われる学習動 作の生起は、児童一入ひとりが、個性的な意見を出すことよりも数量的 に幾つかの意見に限定された選択肢の中で意思表示を行わせることが多 く見ちれる。このような少ない選択肢によって組まれる授業は、教師に とって展開予想の容易なものとなるが、平坦なものとなってしまう。  このように学習動作に関する教育技術の課題を、学習動作の強制と、. 学習内容の低下と言う2っの観点から指摘することができる。. 註釈及び引用・参考文献. 〈註 1>囎簾二巴遡鶉賄『教育技術の法則化』NQ 15,明治図書,.     p.45.(以後、同誌からの引用及び註は、Nαのみ示す。) 〈註. 2>. 層α28. pp. 83−85.. く弾. 3>. 閥α39. p. 70.. く註. 4>. 掴α39. p. 11 5.. 5>. 配α45. p. 7L. く註.     −35一. 削謝諺慧鷺謡謡睨麗隠脳眠三吟謡. た場面が投稿者の授業には存在していたであろう。しかし、それよりも. >>>>>>>>>>>>>>>>>>> >>>>>> 6 7 8 9 3 4 5 6 0 1 2        10 11 12 11 1 1 1 17 .8 19 22 2 2. ことになるとも考えられよう。これに対し、能動的起立動作が認められ. 三三儘儘儘儘晶晶儘三三三三三三三三三三温温儘儘品品. な学習活動には発展し得ないものとなる。また、思考活動を低減させる. p. Z5. p. 41.. pp. 58−59.. p.19. p. 76. p. i2 5.. p. 68− p. 40. p. 56. p. 53.. pp. 35−36. P一 38’ p. 41.. P一 38a p. 61− p. 90. p. 91− p. 36. p. 41. p. 45− p. 41− p. 76− p. 19・. pp. 83’85. p. 71.. 一36一.

(21) 〈註32> 〈註33> 〈註34> 〈註35> 〈註36> 〈註37> 〈註38> 〈註39> 〈註40> 〈註41> 〈註42> 〈註43> 〈註44> 〈註45> 〈註46> 〈註47> 〈註48>. 三三三三甑惚三三撫順甑三三ぬぬ㎞三三. 〈註31>. p. 38.. p. 36. NQ 43 p. 4 1.. 第三章. p. 61. p. 41..   小学校社会科における. p. 10 5. p. 16’..    学習基礎行為に関する教育技術. p. 85.. p. 113. p. 121. p. 58..  本章では、「教育技術の法則化」小学校社会科授業実践事例を 手がかりにして、小学校社会科における学習基礎行為に関する教育 技術について考察する。. p. 52. p. 4 3.. p. 41.. p. 105.. 第1節 「教育技術の法則化」における学習基礎行為の形態. p. 121. p. 58. p. 52..  本節では、「教育技術の法則化」小学校社会科授業実践事例に記述さ れている学習基礎行為の形態を解明する。. p. 43..  授業実践を改善していくための基本的な第2の視点は、授業の中で生 起している数多くの学習基礎行為に対するものがあげちれる。例えば、 教師の説明を周くこと、教科書を読むこと、考えをノートに書くこと、. 発表したり、討論をすることなどがあげられる。これは、目標の達成や 内容の理解に旧び付いた学習行為であり、学習の基礎となるものである。. 一37一. 一38一.

(22)  法則化論文においては、全ての事例に、学習i基礎行為に関する記述が なされている。これは、学習動作に関する記述が多いことと同様に、 「教育技術の法則化」運動が授業活性化の一つとして、学習基礎行為へ の「働きかけ方」に対する志向が表現されていると考えることができる。. 特に、社会科における社会事象の認識形成の上では、多様な学習活動を 支える学習基礎行為が重要な役割を果たしているものと考えられる。  各論文に記述された具体的な学習基礎行為としては、「聴聞する」・ 「読本する」・「記述する」・「会話する」という四つの学習行為があ げられる。また、これらの学習基礎行為は、教師の「指示」・「発問」 ・「説明」によって生起したことが記されている。この関係は、次のよ.  聴聞行為は、本来、教師の説明のみでなく、指示・三三や児童間の意 見発表などに対しても向けられているものであるが、本稿においては、. 教師の教育技術を解明する観点として、「教師の説明」に対しての考察 を中心とする。また、「見る」という視覚に関する学習方法を取り上げ ることが可能であるが、各論文の記述内容としては、明確なものがなか ったので考察対象とはしない。.  法則化論文に記述されている「聴聞する」・「読本する」・「記述す る」・「会話する」という学習基礎行為は、次のように大別できる。.  第1は、その行為が児童にとって、学習内容理解のため、社会事象に 関しての情報を受容する機能を果たしていると考えちれる受容的学習i基 礎行為である。. うに示される。.  第2は、その行為が児童にとって、理解内容表現のため、社会事象に. 図表皿一1 学習基礎行為の生起関係. 関しての情報に応答する機能を果たしていると考えちれる応答的学習基 礎行為である。. 児 旧. 教 三.  以上のことは、次のように示すことができる。. 聞本三三 聴旧記三. 三三明 三三説. 図表皿一一 2 学習基礎行為の形態. (1)受容的学習基礎行為. A.受容的聴聞行為 a.受容的読本行為. 学習基礎行為 (2)応答的学習基礎行為. R.応答的会話行為.  この図のように、学習基礎行為生起の契機は、聴聞が説明により、 読本が指示により、記述と会話が指示・発問によるものとなっている。. 一39一. A.応答的記述行為. 一40一.

(23)  第1の受容的学習基礎行為は、教師の指示・説明に従った形で生起さ れたものであって、表面的には児童の主体的な意思があまり反映されて. 第2節 受容的学習基礎行為に関する教育技術の形態. いない学習行為となっている。例えば、指示されたことによって教科書 を読んだり、説明を聞いたりしていることがあげちれる。しかし、これ.  本節では、「教育技術の法則化」小学校社会科授業実践事例に記述さ. ちは、児童にとって学習内容を理解していく手がかりとなる行為であり、. れている受容的学習基礎行為を取り上げることにより、教育技術として. 内面的には強い意思に支えられた学習行為となっている。このような受. の「教師の指示・説明」の形態を解明する。. 容的学習基礎行為の事例は、法則化論文では、98事例135箇所に記 述されている。(1論文を1事例とし、その中に記述されている一つの 学習基礎行為を1箇所とする。したがって、1事例の中に複数の学習基. 1.受容的学習基礎行為に関する教育技術の形態的手法例. 礎行為箇所が取り上げちれている事例もある。以下同じ)  詳しくは、次の通りであった。.  本項では、「教育技術の法則化」小学校社会科授業実践事例に記述さ.   A.受容的聴聞行為…88事例125箇所. れている受容的学習基礎行為に関する教育技術の形態的手法を取り上げ.   B.受容的読本行為…10事例 10箇所. る。それは、(1》受容的聴聞行為、(2)受容的読本行為の2類型に.  第2の応答的学習行為は、教師の指示や発問が契機となり生起したも. 関する教育技術が認められる。以下に、その形態的手法例をあげる。. のであり、児童に多様な思考を促し、その結果を表現させたものである。 例えば、様々な情報の中から重要なものを選択して、それを記述したり、. 自分の考えや意見を文章化したり、発表したりしている学習行為があげ. (1)受容的聴聞行為に関する教育技術の形態的弓法例. ちれる。このような応答的学習基礎行為の事例は、法則化論文では、.  受容的聴聞行為の具体的事例は、88事例125箇所あり、教師の行う説. 127事例153箇所に記述されている。. 明内容により、次の3つに分類できる。それは、ア.解答説明聴聞行為、.  詳しくは、次の通りであった。. イ.補足説明聴聞行為、ウ.概括説明聴聞行為である。.   A.応答的記述行為…108事例129箇所   B.応答的会話行為… 19事例 24箇所.  ア.解答説明聴聞行為の具体的事例は、35事例62箇所あり、このうち 代表的なもの10事例をここにあげる。《注・0の難事鳳0の韻爾鰭号敵す.肝阿じ》.  (1)整恥25では、〈a1》次のような教師の説明を聴聞している。.   「説明 当時のアメリカは北太平洋での捕鯨に力を入れ、さらに中. 一41一.               一42一.

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