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日本語音声教育の新展開 戸 田 貴 子

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Academic year: 2022

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日本語音声教育の新展開

戸 田 貴 子

1

.特集の趣旨

従来の日本語音声教育においては、教室内で教師が学習者に対し、対面で発音指導をす るという印象が持たれている。また、その指導法も教師がモデル音声を与え、学習者がリ ピートするという方法が一般的であるように思われる。日本語教育の現場では、現職の日 本語教師から「発音指導を行いたいが、方法がわからない」「音声教育を行う時間の余裕 がない」というような声を聞くことが多い。一方、学習者の方からも、母語の影響で日本 語の発音が不自然であり、発音の問題のために言いたいことが伝わらないという声が聞か れる。また、なめらかで言いたいことがきちんと伝わる発音で日本語が話せるようになり たいが、発音練習の機会が少なく、自分の発音に自信が持てないという学習者の声も聞か れる。教師と学習者の一対一の対面授業による丁寧な発音指導は理想ではあっても、実際 は教員数、教室数等の物理的制約、授業時間の時間的制約があり、常に一対一の対面授業 による発音指導を実践することは難しい。

早稲田大学の留学生数は全国一で、海外からの留学生は3,713人(2011年度)であり、

言語文化背景は多様である。海外協定校数は657校(大学間協定校数418、箇所間協定

校数239)である(2013年2月現在)。平成21年度「国際化拠点整備事業(グローバル

30)」により、2015年には留学生数が8,000人に増加することが見込まれている。また、

平成24年度「大学の世界展開力強化事業〜ASEAN諸国等との大学間交流形成支援〜」(略 称:SENDプログラム)に採択され、5年間にわたりASEAN諸国の高等教育機関で日本 語教育実践を行う海外実習科目を設置し、受講生を海外に派遣し、海外からの留学生を受 け入れている。学部・大学院生の双方向的な交流をとおして、人材育成を行い、増加す る海外からの留学生に質の高い日本語教育を提供するために、様々な工夫が求められて いる。

早稲田大学日本語教育研究センターでは、発音に特化した日本語学習者対象クラスを 2000年度に開設し、現在に至るまで「コミュニケーションのための日本語音声教育」を キーワードに、新しいコンセプトに基づいた音声教育を展開している。近年、本学独自の 学習支援システム(Learning Management System: LMS)であるCourseN@viを用いた音 声教育オンデマンドコンテンツの開発に力を注ぎ、国内外の日本語学習者に発音学習機会 を提供している。また、情報通信技術(Information and Communication Technology: ICT)

活用教育という観点から展開していくことにより、従来の日本語音声教育に見られる課題 の解決を試みている。

本特集では、まず、本学の特色ある日本語音声教育の実践について紹介し、近年の日本 語音声教育の新展開について述べる。そして、韓国・中国・タイにおける日本語音声教育

【特集緒言】

(2)

の精力的な取り組みを紹介し、海外の日本語音声教育の現状とニーズについて情報を共有 することにより、海外の日本語教育現場との連携を図っていきたい。

2.寄稿論文の紹介

本特集は「日本語音声教育の新展開」と題し、国内から4本、海外から寄稿された3本 の論文が掲載されている。

戸田・大久保論文は、近年の早稲田大学における発音学習教材の開発と音声教育の取り 組みを紹介し、教室内外で学習者がいつでも発音練習できる学習機会を提供し、自律学習 を促すという新しい音声教育の考え方について述べている。日本語教育研究センターで は、2000年度から留学生対象の発音関連科目が数多く開設されてきた。その中でも、新 たな取り組みであるオンデマンド併用授業「なめらか! 発音3–4」を2012年度秋学期に 開設した。1学期15週のうち、最初の5週は対面式にて教室で行われ、あとの10週はオ ンデマンド授業が行われるため、教室での授業がなくなるという、今までにない画期的な 授業形態である。現在、日本語教育研究センター設置の科目の中で、オンデマンド授業を 取り入れている科目は「なめらか! 発音3–4」だけである。

オンデマンド授業は、講師の説明(Power Point: PPT)の資料、サンプル音声の視聴、「発 音練習ボタン」による発音練習という独創的な構成により運用されている。また、学習者 の日本語レベルや聴解力に配慮し、動画には日本語もしくは英語の字幕が出るような仕掛 けもあり、よりよい音声教育を行うために、創意工夫を施したものである。

オンデマンドによる講義以外にも、様々な工夫が施されている。「早稲田大学日本語教 育研究センター重点プロジェクト」(代表者:戸田貴子)によって制作されたシャドーイ ング教材(45種類の音声ファイルおよびテキストファイル、日本語および英語・中国語・

韓国語訳文)をLMS上で履修者全員にアクセスできるようにした。「なめらか! 発音 3–4」では、これらを課題の一部としている。このシャドーイング教材もオンデマンド授 業同様に、何度でも自分のペースで聞いて、1学期をとおして継続的に練習することがで きるようになっている。その上、「メンター」がサポートする「BBS(電子掲示板)」およ び「発音チェック」機能を搭載することにより、一方向的な講義形式ではないオンデマン ド授業を展開することが可能となった。「BBS」については本誌所収の千・小針・古賀論 文、「発音チェック」については大久保・張・趙論文を参照されたい。

戸田・大久保論文において学習者のレポートを調査・分析した結果、オンデマンドを利 用した発音学習は可能であり、さらには学習者の自律学習を促すことが示唆された。学習 者がオンデマンド講義によって得た知識について自ら考えることにより学びを得て、主体 的に発音学習に取り組むことにより、その長所を最大限に生かした発音学習を進めていく ことができた。また、対面式授業とオンデマンド授業との相乗効果が学習者の学びを促し、

自律学習に繋がっていったと考えられる。

千・小針・古賀論文では、CourseN@viのオンデマンド授業における「BBS」を活用し た音声学習支援の実際とその意義について述べられている。この活動にボランティア参加 者として関わり、BBSに書き込みを行った「メンター」は、(1)当該週のテーマに対す

(3)

る理解、(2)学習者の母語と日本語の発音の比較、(3)日常生活をとおした発音の意識化、

(4)学習管理や学習方法に関する支援を行った。

本論考では、「メンター」の創意工夫により、これらの支援が機能し、達成されていく 様子が描写されている。(1)では、「メタ的説明」を誘導し、各テーマに合った「例示」

がなされていた。(2)では、日本語学習者の言語背景が多様である現場において、「母語」

と「日本語」の音韻体系の比較が行われ、学習者にとって様々な気づきが得られる学習環 境がBBSによって提供されていた。(3)の「経験の共有」や「他領域との関連づけ」に よって、学習者の日常生活と音声学習とを結びつける働きかけがなされていた。BBS上 で、学習者にとって身近な経験を共有することで、音声項目の理論的な説明に留まらず、

実際に日常生活で使用される発音の特徴について考察することができた。(4)の「学習管 理支援」や「学習方法支援」が行われ、オンデマンド併用授業における学習動機の維持・

向上に働きかけたことが、学習者の音声学習の継続を促し、自律学習を支えていくことが 示唆された。

従来の教室における対面でのディスカッションという形式でなくとも、「メンター」の 働きかけにより、教室の壁を越えてBBS上で学習者の意見交換が活性化されている様子 が見て取れる。その上、BBS上で単に活発な意見交流を行うだけではなく、普段意識し て話し合うことの少ない「音声」に特化されたディスカッションが行われ、学習者の学び を促す支援ができたことが、到達目標の達成につながっており、今後の音声教育の展開に 大きな意味を持つと言えよう。

一方、大久保・張・趙論文では、CourseN@viのオンデマンド授業における発音支援の 一環として導入された「発音チェック」機能の紹介とその意義について述べられている。

「発音チェック」は、学習者が自らの発音を録音した音声ファイルを「課題提出機能」を 利用して提出し、「メンター」からフィードバックをもらうことができるという独自の仕 組みである。「課題提出機能」は、従来レポート等の文書を提出するためのものであり、

音声ファイルを提出するというのは学内でも例を見ない新たな試みである。本論文の「メ ンター」は、学習者から提出された音声ファイルを聴き、フィードバックをするボラン ティア参加者のことを指している。

学習者を対象にアンケート調査およびフォローアップ・アンケート調査、さらに提出録 音音声の分析調査を実施した結果、次の3点が明らかになっている。(1)アンケート調査 の結果から、学習者は「メンター」からのフィードバックを効果的に活用し、発音能力の 向上を自己認識していた。(2)フォローアップ・アンケート調査の結果から、発音チェッ クの利用をとおして練習以外の場面においても発音が意識化され、発音練習の継続が促さ れていた。(3)提出録音音声の分析調査の結果から、「メンター」のコメントを正しく理 解するだけでなく、指摘箇所を実際に修正できることが示された。

オンデマンド授業では、文書の提出物のやり取りは簡単である。しかし、発音の授業に おいては、文字を媒材としたコミュニケーションだけでは限界があり、音声ファイルを活 用する必要がある。その上、モデル音声を聞いて行う「音の聞き分け」練習は、比較的簡 単にシステム化できるが、自身の発音が聞き手にきちんと伝わるかどうかを見極め、問題 がある場合には自己修正していくことができるシステムの構築は課題であった。本論文

(4)

は、「発音チェック」機能という工夫により、対面指導ではなくとも発音能力の向上を促 すことができるということを示唆しており、今後の音声教育の在り方を検討する上で、ひ とつのモデルを提案するものであると言えよう。

稲葉論文は、本学におけるICT活用教育について概説し、その実態と今後の方向性に ついて論じたものである。日本語音声教育において活用されているオンデマンドコンテン ツやLMSの活用法について非常に詳しく説明されている。オンデマンド授業とは、収録 した講義の動画をインターネット配信して実施する授業形態である。本学ではフルオンデ マンド授業と、対面式とオンデマンド授業を組み合わせて行うオンデマンド併用授業が行 われている。

オンデマンド授業は、講義の映像・音声を学内のスタジオで収録したものや、実際の教 室での授業を録画して配信するものがある。また、講義の映像・音声とPPTのスライド を組み合わせたものもある。担当教員の一方向的な講義形式は、語学教育である日本語教 育、しかも練習型科目である発音クラスの授業には適していない。学習者が教員の説明を 聞くだけではなく、実際発音練習をすることができるよう、工夫しなければならないので ある。

稲葉論文では、2008年に開発されたオンデマンドコンテンツ(全10回)および母語別 発音レッスン(英語・中国語・韓国語の中からひとつ選択)から、4回の授業を追加し、

全15回のコンテンツの制作に至った経緯と仕組みが紹介されている。本論考では「早稲 田大学における英語や中国語など語学の授業において、模範音声や映像を履修者に対して 配信している事例は他にも存在する。しかし、この日本語発音レッスン用のオンデマンド コンテンツのように、視聴者のレベルや習熟度合いに関わらず利用できるよう配慮した設 計で開発し、提供している事例は珍しい」と説明されている。様々な機能を活用した音声 学習支援システムの全容を把握するためにも、是非参照されたい論考である。

最後に、Waseda-net Commonsの提供、優れたICT活用教育事例の顕在化と普及、

Waseda Vision 150の核心戦略という3つの視点から、稲葉論文はICT活用教育の今後の 方向性について示唆を与えてくれる。教室内で教師が学習者に対して対面式授業を行うと いう従来の授業形態の概念にとらわれず、日本語教育も今後あらゆる可能性を模索してい く必要があろう。

海外からは韓国、中国、タイの日本語音声教育の現状を報告し、各地域における独自の 取り組みを報告した貴重な論考が掲載されている。

趙論文では、学習者が自らの発音上の問題を発見し、解決していく問題解決型学習

(Project Based Learning: PBL)を基盤に行った授業実践の成果が報告されている。授業は

学内のe-Classやインターネット・コミュニティーサイトを活用し、ICTを活用したオン

ラインプロジェクトとして行われた。学習者が受動的に知識を得るだけではなく、能動的 かつ自律的に学習する学習者主体としてプロジェクトに関わったことにより、音声が重要 であることを認識することができたと報告されている。また、このことが学習者の動機付 けに寄与し、学習効果を挙げることができた。最終的には、学習に対して自信を持つこと にもつながっている。

韓国人日本語学習者の発音上の問題点として度々指摘されるザ行音とジャ行音の混同に

(5)

ついて、Aチームは「ぞ」と「じょ」を例に挙げてプロジェクトを行った。この問題意識 は、チームのメンバーが交換留学生として来日したときの経験に基づいているという。こ のチームでは、調音法を意識した発音学習を行い、その学習効果について検証した。検証 の方法は、観光地(明洞)の日本人に発音を聞かせ、「ぞ」と「じょ」のどちらに聞こえ たかを確認するというユニークなものである。その結果、学習前の「ぞ」の発音は日本人 には「じょ」に聞こえたが、学習後は意図したとおりに「ぞ」と聞こえ、学習効果があっ たということが明らかになった。一方、Bチームは清濁の弁別ができているかどうかを調 査するため、「金メダル」と「銀メダル」の発音を日本人に聞いてもらっている。清濁の 弁別も、韓国人日本語学習者には発音が難しいと度々指摘されるものである。調査の結果、

やはり誤聴が多いということがわかった。ほかに、アクセントを調査対象としたチームも あり、アクセントの誤用が聞き手を混乱させることを体験するなど、様々な気づきを得る ことができた。

こうした経験をとおして、学習者が音声の重要性に気付き、発音学習に対して積極的に なり、プロジェクトの成果が学習動機の維持・向上に寄与するのではないかと思われる。

これは、PBLを基盤とした学習だからこそ達成できたことで、教師主導の一方向的な知 識導入型の授業では成し得なかったことであろう。趙論文は、発音学習においても、学習 者が主体的に学習に関わることがいかに大事であるかということを示唆している。

メーターピスィット論文は、タイにおける日本語音声教育の現状を踏まえた上で、教師 による教育方法と学習者による学習の実態について明らかにすることを試みたものであ る。以前から、「音声教育は体系的な指導が行われず、非母語話者教師であるタイ人教師 にとって発音指導は困難である」と言われていたが、近年「学習者の発音は以前よりよく なっている」と述べられており、大変興味深い。タイ語の音韻体系がここ数年で変化した わけではないため、母語干渉という側面からは、このような変化は説明できない。メー ターピスィット論文は、音声教育用教材の拡充、学習者および教師の意識の変化、シャ ドーイングなどの学習方法の導入が、近年のタイ人学習者の発音に変化をもたらしている のではないかという示唆を与えてくれる。また、インターネットやCDの普及によるイン プットの量の変化などの要因も関与しているのではないかと思われる。

本論考では、タマサート大学で行われている発音指導に関する質問紙調査の結果を報告 し、学習者の発音能力の自己評価、学習方法と意識、教師による教育方法と意識について 詳細な分析が行われている。調査の結果、7割以上の学習者が自分の発音に自信がなく、

特に学習者にとって聞き取りも発音も難しいのは、「摩擦音/破擦音」および「清音/濁音」

であることが明らかになっている。これらはタイ語にはない音であり、母語の影響が窺え る。また、学習方法としては、シャドーイングが活用されており、アニメやドラマなども 発音練習に利用されている。「コミュニケーション能力を高めるには、発音の正確さが重 要だ」と認識している学習者が多く、「ネイティブの発音をめざす必要はなく、伝えたい 内容が通じればいい」と考えている学生は少ないことがわかっている。教師の発音指導に ついては、教材を使用してアクセント指導を行ったり、意識化を促したりする取り組みが なされている。最後に、メーターピスィット論文では、カリキュラム全体における到達目 標の明確化など、今後の課題が示されている。

(6)

タマサート大学では、「本学では2011年度より早稲田大学戸田貴子教授監修のオンデマ ンド日本語発音講座を「日本語学概論」の授業で活用している。利用した学生は、具体例 が豊富で図、音声、ビデオ、そして場面の説明などもあり、わかりやすく学習できたと述 べている」と説明されているように、海外との連携も積極的に行われている。さらに今後 国境を越えてどのような連携が可能であるか、検討していくためにも参考にしたい論考で ある。

劉論文では、中国における日本語音声教育の現状とニーズに関して述べた上で、復旦大 学日本語学科における精力的な音声教育の取り組みについて報告されている。文法や語彙 と比べて遅れてはいるが、近年日本語音声教育は重視されるようになっているということ である。

本論考では、「学習者からは「発音を教えてほしい」、「先生に発音を指摘してほしい」、

「日本人と同じような発音で話したい」といったコメントが多く、学習ニーズの高さが窺 える」と述べられている。また、「特に新出単語リストに書かれている動詞終止形のアク セントと、文章中の活用形のアクセントとの違いを疑問に思い、苦手意識を持っている学 習者が多い」という指摘は、大変興味深い。中国で広く使用されている日本語教科書には 新出単語のアクセントが0(平板型)、1(頭高型)、2(中高型)というように数字で記載 されており、声調言語を母語とする中国人日本語学習者は日本語学習においても声の高さ の変動に敏感であるという傾向が見られる。しかし、ただ単語レベルのアクセントを示す だけでは、不十分であり、学習者からは「教師に指導してほしい」、「文章中のアクセント の変化も説明してほしい」というコメントがあった。一方、「教師からは「教材が少ない」、

「指導方法がよくわからない」、「発音を教える自信がない」などの声が多い」と指摘され ている。しかし、「音声教育が必要か」という質問に対して、協力者全員が「必要である」

と答えているということである。

また、1)母語との差異の理解、2)発音の学習方法の指導、3)発音のモニター力の育 成の3点を考慮して丁寧にデザインされたコースの到達目標、内容、方法、教材開発につ いて詳しく述べられており、コース終了時に行われたアンケート調査の結果も報告されて いる。学習者の母語と母方言の音韻体系を考慮した音声教育が提案されており、中国人日 本語学習者の発音上の問題点として度々指摘される「清濁の混同」の指導例が挙げられて いる。また、シャドーイング練習方法を取り入れ、メディア教室でシャドーイング時の音 声を録音し、学習者にモデル音声と比較してもらい、発音のモニター力を育成している。

加えて、音響分析ソフトを活用し、持続時間およびピッチ曲線を示すことにより、音声を 可視化した韻律指導が行われている。また、『日語語音学教程』という独自の教材開発も 行われた。このような精力的な音声教育実践をとおして、コース終了時のアンケート結果 に示されているように音声学習ニーズの高さに応えていくことができるのであろう。

以上、すべての論文に共通しているのは、各地において音声教育の必要性が認識されて おり、それぞれ現場で創意工夫がなされて、学習者のために精力的に音声教育が行われて いるということである。冒頭で述べたような教師が対面で学習者にモデル音声を与え、た だリピートさせるという従来の音声教育のイメージは、もはや過去のものになりつつある のではないだろうか。

(7)

本特集が、今まであまり語られることのなかった国内外の音声教育の現状を把握し、情 報を共有しつつ、連携を図っていくための第一歩になれば幸いである。本特集企画は、特 集編集委員の方々のご協力なしには実現し得なかった。また、本特集の趣旨に賛同し、寄 稿をご快諾してくださり、特集編集委員会とのやり取りにも時間と労力を惜しまず協力し てくださった趙大夏先生、タサニー・メーターピスィット先生、劉佳琦先生にもこの場を お借りして心より御礼を申し上げたい。

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