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博士(獣医学)野村直樹 学位論文題名

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Academic year: 2021

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(1)

     博士(獣医学)野村直樹 学位論文題名

  Characterization of influenza vlruSeSiSOlatedfrom     domeStiCduCkSinVietnamandeValuationofH9

    innuenZaVlruSVaCClne

(ベトナムのアヒルから分離されたインフルエンザウイルスの性状および

    H9

インフルエンザウイルスワクチンの評価)

学位論文内容の要旨

    2009

4

月 お よ ぴ

2010

5

月 に べ 卜 ナ ム で 収 集 され た600 羽 のア ヒル の 気 管お よび 総排泄 腔の スワ ブサ ンプル から

40

株 のイン フル エンザA ウイルス が 分離された。ウイルスのへマグルチニン(HA) およびノイラミニダーゼ(NA) の 亜型 をそ れぞれ

HI

お よび

NI

試 験により同定した。ウイルス亜型の内訳は、

H9N2

(26 株)、H9N6 (1 株)、H3N2 (1 株)、H3N8 (1 株)、H4N6 (7 株)、H11N3

3

株)お よび

H11N9

1

株 )で あっ た。 次に、

40

株 全て のウ イルス遺伝子の 塩 基配 列を 決定し た。

H9N2

ウイ ルスが特に多く分離されたことから、27 株の

H9

ウイ ルス につい て系 統解 析し た。その結果、これらは韓国およびGl 亜系統 に区分された。また、1 株のH9N2 ウイルスは、PB2 遺伝子が韓国亜系統に属し、

他 の7 分節 の遺 伝子 がGl 亜 系統 に属 する 遺伝子 再集 合体 であ ることがわかっ た 。H9N2 ウ イルス

3

株を選 抜し 、カ モ、 ニワト リ、 ブタ 、お よびマウスに対 す る病原性を感染実験により調べた。3 株をそれぞれ接種した全てのカモの気 管または総排泄腔からウイルスが回収された。ウイルスを接種したニワトりの 脳、気管、肺および結腸からウイルスは回収されなかったが、抗体が検出され た ことから、感染したものと判断された。また、3 株のウイルスをそれぞれ接 種 したブタの鼻腔スワブからウイルスが回収された。そのうち2 株を接種した マ ウスの肺からウイルスが回収され、1 株はマウスの体重を減少させた。ブタ に おけ る増 殖が確 認さ れた

H9N2

ウイルスは、ブタの間で受け継がれるとヒト への伝播能を獲得するものと推定されたことから、ブタインフルエンザの疫学 調査を継続することが重要である。

    

次 に、

H9

ウイ ルス がヒ トに 伝播、流行する可能性が考えられるので、不 活 化H9 ウイ ルスワ クチ ンを 試製 し、効果を評価した。当教室のインフルエン ザ ウイ ルス ライブ ラリ ーに 保存 されているH9N2 ウイルスから22 株選抜し、抗 原 性と 遺伝 子を解 析し た。 その 結果、 これ ら22 株のHA 遺伝 子は3 つの亜系統 に 分類 され た。HI 試験 の結 果か ら、韓国亜系統に属するウイルスは、どの系

‑ 663

(2)

統のウイルスに対する抗血清とも広く反応することがわかった。そこで、韓国 亜系統に属するDk/Hok/49/98 (H9N2) 株をワクチン株として選抜し、不活化全 粒子ワクチンを試製した。マウスを用いてワクチンの効果を評価したところ、

中和抗体が検出され、異なる亜系統に属するHK/1073/99 (H9N2) 株の攻撃に対 して、体重減少および肺におけるウイルス増殖を抑制することがわかった。

    

以上の結果から、インフルエンザウイルスライブラリーから試製した不活 化全粒子ワクチンは、H9N2 ウイルスによるパンデミックの初期段階における 緊急用ワクチンとして有用であることが示唆された。

664

(3)

学位論文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

Characterization of influenza viruses isolated from domestic ducks in Vietnam and evaluation of H9

infiuenza virus vacclne

(ベトナムのアヒルから分離されたインフルエンザウイルスの性状および

    H9

インフルエンザウイルスワクチンの評価)

  20094月 お よ び20105月 に べ ト ナ ム で 収 集 さ れ た600羽 の ア ヒ ル の 気 管 お よ び 総 排 泄腔 の スワ ブ サン プル か ら40株の イ ンフ ルエ ン ザAウイルス が分離された。ウ イルスのへマグルチ ニン

HA)お よび ノ イラ ミニ ダ― ゼ(NA)の 亜型をそれぞれHIおよびNI試験によ り同定した。ウイル スの 亜 型 は 、H9N2H9N6H3N2H3N8H4N6H11N3お よ びH11N9が そ れ ぞ れ261117、3 お よび1株で あ った 。次 に 、こ れら40株の ウイ ル ス遺 伝子 の 全塩 基配 列 を決 定し た 。H9N2ウ イル ス が特 に 多く 分離 さ れた ことから、27株のH9ウイルスに ついて系統解析し た。その結果、これ らは 韓 国 お よ びG1亜 系 統 に 区 分 さ れ た 。1株 のH9N2ウ イ ル ス は 、P82遺 伝子 が 韓国 亜系 統 に属 し、

他 の7分 節 の 遺 伝 子 がG1亜 系 統 に 属 す る 遺伝 子再 集 合体 であ る こと がわ か った 。H9N2ウイ ルス 3株を選抜し、 カモ、ニワトリ、 ブタ、およびマウスに対する病原性を感染実験により調ぺた。3株をそ れ ぞれ 接 種し た全 て のカ モの気管また は総排泄腔からウ イルスが回収され た。ウイルスを接種 した ニワ トりの脳、気管、肺 および結腸からウイルスは回収されなかったが、抗体が検出されたことから、

感染 したものと判定した 。3株の ウイルスをそれぞれ 接種したマウスの うち、2株 を接種したマウスの 肺 から ウ イル スが 回 収さ れ、1株はマウスの体 重を減少させた。3株のウイ ルスをそれぞれ接種 した ブ タ前 頭 の鼻 腔ス ワ ブか らウ イ ルス が回 収 され た。 ブ タに おけ る 増殖が 確認されたH9N2ウイ ルス は、 ブタの聞で受け継が れると、ヒ卜への伝播能を獲得するものと想定されるので、ブタインフルエン ザの 疫学調査を継続する ことは重要である 。

  H9ウ イ ルス がヒ ト に伝 播、流行して 、パンデミックを 起こす可能性が考 えられるので、不活 化H9 ウイ ルスワクチンを試製 し、効果を評価した。当教室のインフルエンザウイルスライブラリーに保存さ れ て い るH9N2ウ イ ルス から22株選 抜し 、 抗原 性と 遺 伝子 を解 析 した 。そ の 結果 、こ れ ら22株の HA遺 伝 子 は3つ の 亜系 統 に分 類さ れ た。H|試 験の 結 果か ら、 韓 国亜 系統 に 属す るウ イ ルス に対 する 抗血清は、どの系統 のウイルスとも広 く反応することが わかった。そこで、 韓国亜系統に属する Dk/Hok/49/98(H9N2)株をワクチン株と して選抜し、不活 化全粒子ワクチン を試製した。このワ クチ ン を接 種 した マウ ス は、 中和抗体を産 生し、異なる亜系 統に属するH K/107 3/99(H9N2)株の 攻撃 によ る体童減少および肺 におけるウイルス 増殖を抑制するこ とがわかった。以上 の結果は、インフル エ ンザ ウ イル スラ イ ブラ リーから選抜 したウイルス株で 試製した不活化全 粒子ワクチンは、H9N2ウ イル スによるパンデミッ クの初期段階にお ける緊急用ワクチ ンとして有用である ことを示している。

  審 査貝ー同は、野村直 樹氏の上記論文を 慎重に審査した結 果、北海道大学大学 院獣医学研究科規程 第6条の規定に よる本研究科の行 う博士論文の審査に 合格と認めた。

665

宏 彦

人 博

  

和 礼

田 橋

田 田

喜 大

高 迫

授 授

授 授

     

教 教

教 准

査 査

査 査

主 副

副 副

参照

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