博 士 ( 医 学 ) 沼 田 昭 彦
学 位 論 文 題 名
ヒ ト 大 腸 癌 腫 瘍 内 浸 潤 単 核 球 に 於 け る 内 在 性 IFN‑ ア 及 び TNF ー 口 の 検 出
学 位 論 文 内 容 の 要 旨
I研 究 目 的
ヒトの癌に対するbiological response modifier (BRM)や腫瘍内浸潤リンパ球等を利用した 免疫療法の開発が試みられ,またりコンビナントサイトカインが普及し癌免疫療法にも臨床応用 されてきている,ヒトの癌においても,サイトカインが腫瘍内浸潤単核球の働きと密接な関連を 持ち腫瘍細胞にも影響を及ぼしている可能性が推察されるが,実際にこれらをin vivoで検討 した報告はほとんどない.そこでヒト大腸癌組織内におけるinterferonーgamma(IFNー7)と tumor necrosis factor−alpha(TNFーa)を定量的あるいは免疫組織化学的に検出し,腫瘍組 織内IFNーア ,TNFーaと大腸癌の病理組織学的所見との関係を検討することを目的とした.
H実 験 材料 お よ び方 法 1.実験材料
北海道大学医学部附属病院第二外科および関連施設で切除手術を受けた大腸癌患者43例の切除 材料より,腫瘍組織,正常大腸組織および肉眼的腫瘍境界領域の各部分より約lgの組織片をニヵ 所ずつ採取し試料とした,使用した大腸癌は肉眼的形態分類がいずれもn,m型のもので組織学 的 進行程度 はI期3例 ,I期17例,1II期10例,IV期5例,V期8例 であっ た,病理組織分類で は 高 分 化 腺 癌14例 , 中 分 化 腺 癌25例 , 低 分 化 腺 癌2例 , 粘 液 癌2例 で あ っ た . 2.実験方法
1)組織抽出液の作成
採取された組織片をそれぞれ凍結,細切したのちヒト加熱血清を加えhomogenizeし,3回の凍 結(‑80℃)融解(4℃)を繰り返し,5000rpm 30分間遠心分離した上清を組織抽出液として測定 に使用した.
2)IFNー7の測定
Centocor社 製rad101m田unoaSSay(RIA) 測 定キ ッ ト を用 い た . 測定値は組織lg当りの濃度に換算し,2つの試料の平均を組織濃度とした.
3)TNFーaの 測定
¥1edgenix社製RIA測定 キットを用いた.IFN‑7同様に組織濃度を算出した.
4)免疫組織化学的検索 a)ABC染色法
採取された組織をTissuetecknで包埋,凍結後クリオスタットで4皿mの凍結切片を作成し,
冷ア セトン(‑20℃)で5分間固定した,一次抗体として抗I FN‑ア,抗TNFーaマウスモノク
一 246ー
口― ナ ル抗 体をf吏 用し ,二 次抗 体 には ビオチン化ウマ抗 マウスIgG抗体を使用してr¥BC染色法で IFN‑7. TN F‑aの 免 疫 組 織 化 学 的 検 出 を 行 っ た , 組 織 中 のIFN←7,TNF‑a陽 性 細 胞 数は 倍 率200倍 で無 作為 に選 んだ5視 野の 細 胞数 を計 測し ,そ の 平均を1視野当りの陽 性細胞数と した .
b)二 重染 色 法
ABC染 色 法 と 同 様 の 切 片 を 使 用 し , 抗IFN‑7あ る い は 抗TNF‑aウ サ ギ ポ リ ク ロ ー ナ ル 抗 体と , 抗CD4, 抗CD8また は 抗CDllcマウ スモ ノク ロー ナ ル抗 体を 同時に反応させ,ペ ルオキシダ ーゼ 標 識ウ マ抗 マウ スIgG抗 体と ビ オチ ン化ヤギ抗ウサギIgG抗体を二次抗体として二 重染色法に より 産 生細 胞の 検索 を行 っ た.
皿 結 果
1. 腫 瘍組 織お よび 正常 組 織に おけ るIFN‑7およ びTNF‑a
ヒ ト大 腸癌 腫瘍 組 織内 に検 出さ れ たIFNーア お よびTNFーaは,それ ぞれO.26士O.24 IU/g, 52.8土42.9 pg/gで, 正常 大 腸組 織に 対し 有意 に 上昇 して いた .
2. 腫 瘍 組 織 に お け るI FN‑7お よ ぴTNF‑aの 関 係
各 症 例 で の 腫 瘍 組 織 内 のIFN‑ア とTNF‑aの 関 係 を み る と , 両 者 の 間 に は 有 意 な 負 の 相 関 が 認 め ら れ た .
3.腫 瘍 組織 内IFN‑7およ びTNFーaと 病理 組織 学的 各因 子 との 関係 1)腫 瘍 径と の関 係
IFNー7は 腫 瘍 径 と の 相 関 が 認 め ら れ な か っ た の に 対 し ,TNF‑aは 腫 瘍 径 と 有 意 な 相 関 が 認 めら れた .゛
2)病 理 組織 分類 との 関係
IFN ‑ッ お よ びTNF‑aと も に 各 組 織 分 類 に お け る 有 意 な 差 は 認 め ら れ な か っ た , 3)組 織 学的 進行 程度 (stage), と の関 係
TNFーaと の 相 関 は 認 め ら れ な か っ た が ,IFNー7と 組 織 学 的 進 行 程 度 と の 間 に は 有 意 な 負 の 相関 が認 めら れた .
4)他 の 組織 学的 因子 との 関 係
組織 学的 壁深 達度 と の比 較で は, 癌 が固 有筋 層内 にと ど まっ てい る(pm)症 例 が他 の固有筋 眉 を 越 え る 症 例 (ss以 上 ,al以 上 ) に 比 較 し てIFN‑7が 有 意 に 高 く ,TNF‑aが 有 意 に 低 か っ た .リ ンパ 節転 移と の 比較 では 有意 な 相関 は認 めら れな か った .
4. IFN‑7お よびTNFーaの 組 織内 分布
腫 瘍 組 織 , 境 界 領 域 , 正 常 組 織 に お け る そ れ ぞ れ のTNF‑aの 検 出 値 は, 腫 瘍組 織で 有意 に 高 い も の の 境 界 領 域 と 正 常 組 織 で の 差 は 認 め られ なか っ た. 一方 各組 織で のIFN‑アの 検出 値 は, 腫瘍 組織 が 境界 領域 ,正 常 組織 に比較し有 意に高く,また境界領域も正 常組織に対し有意に 高 か っ た こ れ ら 各 組 織 のIFN‑7の 分 布 に よ り3型 に 分 類 (Typel: 腫 瘍 優 位 型 ,Type2: 境 界 優位 型,Type3: 低反 応 型) し, 病理 組織 所 見と 比較 検討 し た.
1)腫 瘍径 との 関係
腫 瘍径 との 比 較で は有 意な 差 は認 めら れな かっ た . 2)組 織学 的進 行程 度 (stage)との 関係
Typelに 比 較 し て Type3が stageの 進 ん だ 症 例 が 多 く 有 意 差 を 認 め た . 3)病 理組 織分 類と の 関係
分 化度 の高 い 症例 にType1の分 布の 頻度 が 多く みら れた , 5.腫 瘍内I FN‑7.TNF‑a産 生 細胞
腫 瘍 内 に お け るIFN‑7産 生 細 胞 は , 主 にCD4゛CD8−CDllc一 細 胞 で あ り ,TNF‑a産 生 細 胞はCD4−CD8←CDllc゛ 細胞 であ った .
抽 出 液 中 の IFN‑7,TN F‑aの 検 出 値 と , 腫 瘍 内 浸 潤 IFN‑7, TNF‑a陽 性 細 胞 数 と
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相関が認められた.
IV考 察
ヒト固 形癌に おいて は,そ の予後 を推測 するた めに病理 組織学 的所見 による 各癌取扱い規約あ る いはTNM分 類 が広 く 利 用 され る . し かし , こ れ らは 何 れ も 腫瘍 そのも のの性 格や広 がりを 捉 えるこ とに主 眼が置 かれて おり, 宿主反応 にはほ とんど 触れら れてい ない. 腫瘍内 浸潤単核球に 対する 病理組 織学的 ,免疫 学的検 討や抗サ イトカ イン抗 体投与 実験で ,一部 のサイ トカインが腫 瘍の増 殖,進 展等と 関連し ている 事が示唆 されて おり, 宿主の 抗腫瘍 反応の 評価が 予後を推測す る材料 となる 可能性 がある ,しか し、ヒト の腫瘍 内のサ イトカ インを 定量的 に評価 した報告は未 だ 無く , そ の 生体内で の役割 も明ら かにさ れてし 、ない .本研 究では ,内在性IF NT̲7の低 下と 腫 瘍 の 進 展 , 内 在 性TNF‑aの増 加 と 腫 瘍の 増 大 と が関 連 し て いる こ と が 示唆 さ れ た .マ ウ ス の実験 系では ,腫瘍 の増大 にっれ て腫瘍内 浸潤細 胞がT′ リンパ球からマクロファージヘ経時的に 変 化す る こ と が示 唆 さ れ てい る も の の,個 体差の 多いヒ .卜の 大腸癌 では内 在性I FN‑7と 腫瘍 径 との 相 関 は 無く,内 在性I FN‑アの低 下した 症例ほ ど病期の 進んだ ものが 多く認 められ ,.各 個 体 の 反 応 の 違 い と も 考 え られ る . ま た, 内 在 性IFN‑7は , マウ ス の 系 にお い て も 腫瘍 の 抗 原に反 応し産 生され る報告 がある ことから ,個々 の腫瘍 細胞へ の反応 性を表 してい る可能性も考 え ら れ る . 一 方 , 内 在 性TNF‑a6よ 腫 瘍 径 と 相 関 し 、TNF‑a自 体 が 腫 瘍 の 血 管増 生 作 用 を持 つこと が報告 されて いるこ とから ,腫瘍の増大を助長してしヽる可能性も否定できない.ヒトの大 腸 癌 の 原 発 巣 で は , 腫 瘍 の 増大 と と も に内 在 性TNFーnの 増加 が 生 じ るが , 内 在 性IFNー フ の 低 下 し た 症 例 ほ ど 癌 が 広 く 進 展 し て い る 症 例 が 多 く ,TNF‑a産 生 マク 口 フ ァ ージ よ りIFN― 7産 生 Tリ ン パ 球 が よ り 重 要 な 抗 腫 瘍 的 な 役 割 を 担 っ て い る と 考 え ら れ た , 本 研 究 で は 内 在 性I FN‑ア とTNF‑aを 検 出 す る こ と に よ り , 腫 瘍 内 のIFN‑7産 生CD4゛ リ ン パ 球 とTNF‑a産 生CDllc゛ 単 核 球 の間 接 的 な 評価 が で き ,サ イ ト カ イン のin vivoで の 役 割を倹 討する 上でも 有用で あると 考えられ た.
V結 諭
1) ヒ 卜 大 腸 癌 腫 瘍 組 織 に お い て 内 在 性IFNー7お よ びTNF‑aの 上昇 が 認 め られ , こ れ ら両 者 の 間に は 負 の 相関 が 認 め られ た .
2) 内 在 性IFN‑7は 組 織 学 的 進 行 程 度 と 負 の 相 関 を 示 し , 内 在 性TNF‑aは 腫瘍 最 大 径 と正 の 相 関を 示 し た ,
3) 内在 性IFNー7の 分 布に よ り 腫 瘍優 位型, 境界優 位型, 低反応 型の3型 に分類さ れ腫瘍 優位 型 の 症例 に 早 期 のも の が 多 かっ た .
4) 大 腸 癌 に お け る 腫 瘍 内IFN‑7産 生 細 胞 はCD4゛Tリン パ 球 で あり ,TI¥ F‑ロ産 生 細 胞 は 主 にCDllc゛ マ ク口 フ ァ ー ジで あ っ た .
5) 以 上 よ ル ヒ ト の 大腸 癌 に お いて は , 腫 瘍組 織 内IFN ‑7と 腫 瘍 の 進展 と ,TNFーnと 腫瘍 の 増 大 と の 密 接 な 関 連 が あ り ,I FN‑7産 生CD4゛Tリ ン パ球 が 抗 腫 瘍反 応 に お いて 重 要 な 役 割 を 担っ て い る と考 え ら れ た.
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学 位論文審査の要旨
学 位 論 文 題 名
ヒト大腸癌腫瘍内浸潤単核球に於ける 内 在 性 IFN ― ア 及 び TNF ー d の 検 出
I研 究 目 的
ヒ ト の 癌 に 対 す るbiological response modifier(BRM)や 腫 瘍 内 浸 潤 リ ン パ 球 等 を 利 用 し た 免 疫 療 法 の 開 発 が 試 み ら れ , ま た り コ ン ビ ナ ン ト サ イ ト カ イ ン が 普 及 し 癌 治 療 に も 臨 床応 用さ れ て き て い る . ヒ ト の 癌 に お い て も , 内 在 性 サ イ ト カ イ ン が 腫 瘍 内 浸 潤 単 核 球 と 密 接 な 関連 を持 ち , 腫 瘍 細 胞 に も 影 響 を 及 ぼ し て し ヽ る 可 能 性 が 推 察 さ れ る が , 実 際 に こ れ ら をin vivoで 検 討 し た 報 告 は ほ と ん ど 無 し 、 . そ こ で ヒ ト 大 腸 癌 腫 瘍 組 織 内 に おけ るinterferonーgamma(IFNー7) とtumor necrosis factor―alpha(TNFー 口 ) を 定 量 的 ま た は 免 疫 組 織 化 学 的 に 検 出 し , 内 在 性IFNー ア ,TN F‑aと 大 腸 癌 の 病 理 組 織 学 的 所 見 と の 関 係 を 検 討 す る こ と を 目 的 と し た ,
II材 料 お よ び 方 法
1) 症 例 : 大 腸 癌 患 者43例 の 新 鮮 切 除 材 料 よ り , 腫 瘍 組 織 , 正 常 大 腸 組 織 及 び 肉 眼 的 腫 瘍 境界 部 分 の 各 部 分 よ り 約lgの 組 織 片 を ニ ヵ 所 ず つ 採 取 し た . 検 討 レ た大 腸癌 は肉 眼的 形 態分 類が いず れ もn,m型 で , 組 織 学 的 進 行 程 度 はI期3例 ,I期17例 , m期10例 ,IV期5例 ,V期8例 で あ り , 病 理 組 織 分 類 で は 高 分 化 腺 癌14例 , 中 分 化 腺 癌25例 , 低 分 化 腺 癌2例 , 粘 液 癌2例 で あ っ た .
2) 組 織 抽 出 液 の 作 成 : 採 取 さ れ た 組 織 片 に ヒ ト 加 熱 血 清 を 加 えhomogenizeし ,3回 の 凍 結 融 解 を 繰 り 返 し ,5000rpm 30分 間 遠 心 分 離 し た 上 清 を 組 織 抽 出 液 と し て 測 定 に 使 用 し た . 3)IFNー7の 測 定 :Centocor社 製radioimmunoassay(RIA) 測 定 キ ッ ト を 用 い た . 測 定 値 は 組 織 lg当 り の 濃 度 に 換 算 し , 2っ の 試 料 の 平 均 を 組 織 濃 度 と し た . 4)TNFーnの 測 定 :¥1edgenix社 製RIA測 定 キ ッ ト を 用 い た . IFNー7同 様jこ 組 織 濃 度 を 算 出 し た .
5)ABC(avidinーbiotin−peroxidase complex) 染 色 法 : 採 取 さ れ た 組 織 よ り4umの 凍 結 切 片 を 作 成 し 冷 ア セ ト ン で 固 定 し た . 一 次 抗 体 と し て 抗IFNー7, 抗TNFーnマ ウ ス モ ノ ク 口 ― ナ ル 抗 体 を , 二 次 抗 体 に は ビ オ チ ン 化 抗 マ ウ スIgG抗 体 を 使 用 し てABC染 色 法 でIFN‑ア 及 び T¥T F‑aの 免 疫 組 織 化 学 的 検 出 を 行 っ た . 組 織 中 のIFN‑ア ,TNF‑a陽 性 細 胞 数 は 倍 率200 倍 で 無 作 為 に 選 ん だ5視 野 の 細 胞 数 を 計 測 し , そ の 平 均 を1視 野 当 り の 陽 性 細 胞 数 と し た . 6) 二 重 染 色 法 :ABC染 色 法 と 同 じ 切 片 を 使 用 し , 二 種 類 の 抗IF丶 ー7, 抗TN F‑aウ サ
紀 郎
光
知 和
利
川 嶋
出
皆 長
上
授 授
授
教 教
教
査 査
査
主 副
副
ギ ポ リ ク 口 ー ナ ル 抗 体 と , 三 種 類 の 抗CD4, 抗CD8, 抗CDllcマ ウ ス モ ノ ク 口 ー ナ ル 抗 体を 組み 合 わ せ て 同 時 に 反 応 さ せ , ペ ル オ キ シ ダ ー ゼ 標 識 抗 マ ウ スIgG抗 体 とdiaminobentidineで 表 面 マ ー カ ー を 褐 色 に , ビ オ チ ン 化 抗 ウ サ ギIgG抗 体 と ア ル カ リ フ ォ ス フ ァ タ ー ゼ 標 識 ス ト レプ トア ビ ジ ン 及 びHistomark Blueに よ りIFN‑7,T¥F‑aを 青 色 に 染 色 し 産 生 細 胞 の 検 索 を 行 っ た
m結 果
1) 腫 瘍 組 織 , 正 常 組 織 に お け る 内 在 性I FN‑ア ,TNF‑a: ヒ ト 大 腸 癌 腫 瘍 組 織 内 に 検 出 さ れ たIFNー7及 びTNFーaは , そ れ ぞ れO.26土0.24 IU/g,52.8土42.9 pg/gで , 正 常 大 腸 組 織 に 対 し 有 意 に 上 昇 し て い た .
2) 腫 瘍 組 織 に お け る IFN‑7, TNF‑aの 関 係 : 腫 瘍 組 織 内 の IFN‑ア と TN F‑aの 関 係 を み る と , 両 者 の 間 に は 有 意 な 負 の 相 関 が 認 め ら れ た .
3) 腫 瘍 組 織 内I FN‑ア ,TNF‑aと 腫 瘍 最 大 径 と の 関 係 :IFN‑7は 腫 瘍 径 と の 相 関 が 認 め ら れ な か っ た の に 対 し , TNF‑aは 腫 瘍 径 と 有 意 ナ ょ 相 関 が 認 め ら れ た . 4) 病 理 組 織 分 類 と の 関 係 :IFN‑7及 びTNF‑aと も に 各 組 織 分 類 に お け る 有 意 な 差 は 認 め ら れ な か っ た .
5) 組 織 学 的 進 行 程 度 (s tage) と の 関 係 :TNF‑aと の 相 関 は 認 め ら れ な か っ た が ,IFN
−7と 組 織 学 的 進 行 程 度 と の 間 に は 有 意 な 負 の 相 関 が 認 め ら れ た . 特 に 肝 , 肺 等 の 遠 隔 転移 を有 す る 症 例 で は , 内 在 性IFN‑7が 有 意 に 低 下 し て い た ,
6) 他 の 組 織 学 的 因 子 と の 関 係 : 組 織 学 的 壁 深 達 度 と の 比 較 で は , 癌 が 固 有 筋 層 内 に とど まっ て い る (pm) 症 例 が 他 の 固 有 筋 層 を 越 え る 症 例 (SS以 上 ,al以 上 ) に 比 較 し てTN F‑aが 有 意 に 低 か っ た . リ ン パ 節 転 移 と の 比 較 で は 有 意 な 相 関 は 認 め ら れ な か っ た . 7)I FN‑ア お よ びTNF‑aの 組 織 内 分 布 : 腫 瘍 組 織 , 境 界 部 分 , 正 常 組 織 で の そ れ ぞ れ の TNF‑aの 検 出 値 は , 腫 瘍 組 織 で 有 意 に 高 い も の の 境 界 領 域 と 正 常 組 織 で の 差 は 認 め ら れ な か っ た . 一 方 各 組 織 で の IFN‑ア の 検 出 値 は , 3群 問 で 有 意 差 が 認 め ら れ た . こ れ ら 各 組 織 のIFN ‑7の 分 布 に よ り3型 に 分 類 (Typel: 腫 瘍 優 位 型 ,Type2: 境 界 優 位 型 Type3: 低 反 応 型 ) さ れ た . 腫 瘍 最 大 径 , 病 理 組 織 分 類 と の 関 係 で は 有 意 な 差 は 認 め ら れな かっ た . 組 織 学 的 進 行 程 度 (stage) と の 関 係Typelに 比 較 し てType3がstageの 進 ん だ 症 例 が 多 く 有 意 差 を 認 め た .
8) 腫 瘍 内IFNー ア ,TNF‑a産 生 細 胞 : 腫 瘍 内 に お け るIFN‑7産 生 細 胞 は , 主 にCD4゛ CD8−CDllc一 細 胞 で あ り ,TNF‑a産 生 細 胞 は 主 にCD4―CD8−CDllc゛ 細 胞 で あ っ た , 抽 出 液 中 のI FN‑7,TNF‑aの 検 出 値 と , 腫 瘍 内 浸 潤IFN‑7, TNF‑a陽 性 細 胞 数 と 相 関 が 認 め ら れ た ,
IV考 察 及 び 結 語
1) ヒ ト 大 腸 癌 腫 瘍 組 織 に お い て 内 在 性IFN‑ア お よ びTNF‑aの 上 昇 が 認 め ら れ , こ れ ら 両 者 の 間 に は 負 の 相 関 が 認 め ら れ た .
2) 内 在 性IFN‑ア は 組 織 学 的 進 行 程 度 と 負 の 相 関 を 示 し 癌 の 進 展 と 関 連 し , 内 在 性TNFーa は 腫 瘍 最 大 径 と 正 の 相 関 を 示 し 腫 瘍 の 増 大 と の 関 連 が 考 え ら れ た . 3) 遠 隔 転 移 を 有 す る 症 例 で 内 在 性 IFN‑ア が 優 位 に 低 下 レ て い た . 4) 内 在 性IFN‑ア の 分 布 に よ り 腫 瘍 優 位 型 , 境 界 優 位 型 , 低 反 応 型 の3型 に 分 類 さ れ 腫 瘍 優 位 型 の 症 例 に 早 期 の も の が 多 く , 腫 瘍 内 に よ り 多 く のIFN―7産 生 細 胞 が 浸 潤 し て い る 症 例 が 予 後 の 良 好 な 症 例 と 考 え ら れ た .
5) 大 腸 癌 に お け る 腫 瘍 内I FN‑7産 生 細 胞 はCD4゛Tリ ン パ 球 で あ り ,TNF‑口 産 生 細 胞 は 主 にCDllc゛ マ ク ロ フ ァ ー ジ で あ っ た .
以上の結果より,ヒト大腸癌では,内在性IFN‑7 の滅少が腫瘍の進展と,内在性 TNF‑ ロ の増加が腫瘍の増大と関連している可能性が示唆され,腫瘍内浸潤I FN‑ ア産生CD4 ゛T リンパ 球 が 抗 腫 瘍 反 応 に お い て 重 要 ナ ょ 役 割 を 担 っ て い る こ と が 示 唆 さ れ た . 以 上 よ り, 本 研 究 は 博 士 ( 医 学 ) の ‐学 位 論 文 とし て妥 当な ものと 判断 され る,
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