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博 士 ( 獣 医 学 )菱 沼 貢

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Academic year: 2021

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博 士 ( 獣 医 学 )菱 沼    貢

学 位 論 文 題 名

Peri ‑ and Post ‑ implantation Development of IVIouse       Half Embryos In Vi び o and lrn Vitro

(In VivoおよびIn Vitro.におけるマウス2分離胚の着床期     とその後の発育に関する研究)

学 位 論 文 内 容 の要 旨

  本研究では、マウス桑実胚における細胞数の減少がその後の発育と形態形成に及ぼす影 響を調べる目的で、2分離胚の着床期以後の発育をir7 vivoおよびir7レitroで調べた。

  第1章では、収縮桑実胚を切断2分離し、受胚雌マウスヘ移植後、/冂vivoにおける胚 の発育 と子 宮の脱落膜反応を観察した。収縮桑実胚はdecompaction処理後に、ガラス 微細針 を用 いて 切断 した。2分離胚 はBMOC‑3培地で36時間培養後に、明瞭な内細胞塊 と栄養 膜を 有するeu‑blastocyst(eu‑blast),内細胞塊が不明瞭なpseudo‑blastocyst

(pseudo‑blast)|内細胞塊を有しないtrophectodermal vesicle (TV)および不規貝1 な細胞 塊で あるnonintegrated form (NIF)の4種 類に分 類し た。 偽妊 娠3.5日目の雌 マウスの片方の子宮角に2分離胚を移植し、反対角には切断していない対照胚を移植した。

Eu‑ blastの細胞数は、対照胚の51%であった。Eu‑ blast移植後の脱落膜形成率は69.6

‑ 80.4%であり、対照胚の脱落膜形成率(77.3〜81.5%)との間に有意差は認められな かった。しかし、妊娠5.5日目におけるeu‑biast移植後の脱落膜組織は、対照胚に比べて 有意に小さかった(Pく0.0 01)。6.5日目における卵円筒期以後へのeu‑ blastの発育率 は47.3%であり、対照胚の発育率(76.5%)よりも有意に低かった(Pく0.05)。Eu ‑ bl astでは、7.5日目から9.5日目にかけて発育率カヾ44.6%から27.6%に有意に減少し   (Pく0 .05)、胚の消失が認められたが、対照胚ではこの期間に発育率の有意な低下はみ られなかった。Eu‑bIastでは、5.5日目から9.5日目の間に対照胚に比べて発育の遅延が 認められたが、10.5日目には対照胚と同じ発育ステージに到達した。5.5日目における

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eu‑ bl ast由来の卵円筒の長さは対照胚の68%であったが、10.5日目の胎子の頭尾長は対 照胚の90%であった。Ps eudo‑ blastの細胞数は、対照胚の25%であった。Ps eudo‑

bl ast移植後の脱落膜形成率は50.0〜62.5%と低く、卵円筒への発育率は10%以下であ った。Pseudo‑ blast由来の卵円筒には、原始線条や中胚葉の形成は認められなかった。

TVとNIFの細胞数は、対照胚の18%以下であった。TVとNIFの移植による脱落膜形成率 は25.0〜50.0%と低く、卵円筒は形成されなかった。

  第2章では、収縮桑実胚を切断2分離レ、/冖レitroの着床モデルを作成レて胚の付着、

栄養 膜細 胞のout growthと侵入および卵円筒の形成を観察レた。2分離胚は、BMOC‑3 培地で36時間培養し、さらに第1章と同様に形態別に4種類に分けて20%ウシ胎子血清 添加CMRL‑1066培地で培養を行った。2分離胚をプラスチック上および単層を形成した マウス子宮内膜上皮細胞上で72時間培養した結果、eu‑ bl astとpseudo‑ bl astにおける 胚の付着率および栄養膜細胞のout growth率は、対照胚の値と比べて差は認められなか っ た 。 し か し 、TVとNIFのoutgrowth率 は 対照 胚 に 比 べ て 有 意 に 低 い 値を 示 レ た

(F く0.01)。2分離胚をI型コラーゲン・ゲル上で培養した結果、eu‑ bl astでは、培養 36時間後における原始内胚葉形成率(89.7%)は対照胚との間に差は認められなかった が、72時間後における卵円筒の形成率は有意に低下レた(90.0 vs. 98.8%、Pく0.05)。

Pseudo‑ blastでは、36時間後における原始内胚葉形成率は75.0%であり、72時間後に おける卵円筒形成率は61.1%であった。TVとNIFでは、out growth率が低く、原始内胚 葉と卵円筒の形成はみられなかった。細胞質突起による栄養膜細胞のコラーゲン・ゲル内 へ の 侵 入 は、 胚 の 発 育 ス テ ー ジに 関わ らず、4種類全 ての2分離胚 で観 察さ れた。

  本研究では、in vivoにおけるマウス2分離胚の消失、発育の遅延および大きさの減少 が明らかになった。Eu‑ bl astでは、妊娠7.5日目から915日目で発育率が著しく低下する が、10.5日目には正常な発育ステージに到達し、90%まで大きさの調節が行われた。し かし、桑実胚における細胞数の著しい滅少は、胚の代償的な発育を調節する能カだけでな く、子宮の脱落膜反応やinレitroにおける原始内胚葉と卵円筒の形成に影響を及ぼすこ とが明らかになった。

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学位論文審査の要旨 主 査    教 授    金 川 弘 司 副 査    教 授    板 倉 智 敏 副 査    教 授    岩 永 敏 彦 副 査    助教 授    高橋芳 幸      学 位 ゛ 論 文 題 名

Peri ‑ and Post ‑ implantation Development of IVIouse          Half Embryos In Vi ぴ o and In Vitro

(In VivoおよびIn Vitroにおけるマウス2分離胚の着床期     とその後の発育に関する研究)

    申請者は、マウス桑実胚における細胞数の減少が発育と形態形成 に 及 ぼ す 影 響 を 調 べる 目 的 で 、2分 離 胚 の 着 床 期以 後 の 発 育 をir7 vivoお よ び inレ itroで 検 討 し 、 以 下 の 所 見 を 得 た 。

  1. 桑 実 胚 を 切 断2分 離 し 、 培 養 後 に 受 胚 雌 マ ウ ス ヘ 移 植 し てir7 vivoに お け る 観 察 を 行 った 。 内 細 胞 塊 が 明瞭 で 、 切 断 し て い ない 対 照 胚 の51% の 細 胞 数 を 有す る 胚 盤 胞 を 移 植し た 場 合 に は 、 脱 落膜 形 成 率 は 対 照 胚 と 同程 度 であっ たが 、脱落 膜組 織は小 さか った。 また 、 卵 円 筒 期 以 後 へ の 発 育 率は 対 照 胚 よ り も 低く 、 妊 娠7.5日 目 か ら9.5 日 目 に か け て 著 しく 滅 少した 。内 細胞塊 が明 瞭な胚 盤胞 を移植 して 得 ら れ た 胚 お よ び 胎子 は 対照胚 に比 べて小 さく 、発育 ステ ージが 遅延 し て い た が 、10,5日 目にtま正 常な 発育ス テー ジに到 達し 、大き さも 対 照 胚 の90% ま で 増 加 し た。 内 細 胞 塊 が 不 明瞭 で 対 照 胚 の25% の細 胞 数 を 有 す る 胚 盤 胞を 移 植した 場合 には、 脱落 膜形成 率は 低く、 卵円 筒 へ の発 育率は10% 以下で あっ た。

  2. 桑 実胚 を 切 断2分 離し、inレitroの 着床 モデル にお ける観 察を 行 っ た。2分離 胚をプ ラス チック 上お よび単 層を 形成し たマウス子宮内膜 上 皮細 胞上で 培養 した結果、内細胞塊が明瞭な胚盤胞と不明瞭な胚盤胞 は 、対 照胚と 同程 度の付着率および栄養膜細胞の伸展率を示した。しか

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し、

2

分離胚をI 型コラーゲン・ゲル上で培養した結果、内細胞塊が明 瞭な胚盤胞における卵円筒の形成率は対照胚に比べて低下した。内細胞 塊 が 不 明 瞭 な 胚 盤 胞 で は 、 原 始 内 胚 葉 の 形 成 率 も 低 下 レ た 。

  

本研究では、マウス2 分離胚のir7 vivo における胚の消失、発育ステ

ージの遅延、大きさの減少および発育ステージと大きさの調節を証明し

た。また、桑実胚における細胞数の著しい減少は、胚の発育や大きさを

調節する能カだけでなく、子宮の脱落膜反応やir7 レitro における原始内

胚葉と卵円筒の形成に影響を及ぼすことを新たに証明した。よって、審

査員一同は、菱沼貢氏が博士(獣医学)の学位を受けるに十分な資格

を有するものと認めた。

参照

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