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博 士 ( 医 学 ) 折 舘 伸 彦

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Academic year: 2021

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(1)

博 士 ( 医 学 ) 折 舘 伸 彦

学 位 論 文 題 名

Jun and Fos related gene products bind to and modulate the GPE I,  a strong enhancer element of the rat glutathione transferase P gene.

(Jun/Fos関連遺伝子産物はラットグルタチオントランスフェラーゼ遺伝子の強カな     エ ン ハ ン サ ーGPEI配 列 に 結 合 し そ の 転 写 調 節 活性 を変 化さ せる 。)

学 位 論 文 内 容 の 要 旨

    緒  言

ラッ トグ ルタ チオ ント ラン スフ ェラ ーゼP (GST‑P: glutathione transferase,EC 2.5.1.18)遺伝子 は 肝 化 学 発 癌 の 初 期 か ら 特 異 的 に 発 現 さ れ る 腫 瘍 マ ー カ ー で あ り 、 こ の 遺 伝 子 発 現 の 機 構 を 解 明 す る こ と は 肝 化 学 発 癌 過 程 の 遺 伝 子 発 現 変 化 を知 る一 助と なる 。GST‑P遺 伝子 はそ の5 ,上 流 に 位 置 す る 強 カ な エ ン ハ ン サ ー(GPEI配 列 ) に よ り 発 現 が 調 節 さ れ る こ と が 知 ら れ て い る が 、 こ のGPEI配 列 はphorbol 12‑O‑tetradecanoate 13‑acetate (TPA)応 答 配 列(TPA responsive element: TRE)様 配 列 が 逆 向 き に2個 並 ん だ 構 造 で 、TRE配 列 に 結 合 す る 転 写 因 子AP‑1の 関 与 が 示 唆 さ れ る 。AP‑1はJun/Fosフ ん ミ リ ー に 属 す る 構 造 が 類 似 し た 複 数 の タ ン パ ク 質 の 二 量 体 でTPAの 核 内 シ グ ナ ル 伝 達 を 担 う 因 子 と し て 同 定 さ れ た 。Jun/Fosフ ん ミ リ ー は3個 のjun遺 伝 子: c‑jun,junB,junDおよび5個のfos遺伝子:c‑fos,fosB,△fosB,fral,fra2からなるoC‑Jun/c‑Fos 二 量 体 がGPEI配 列 に 結 合 し 転 写 調 節 を 行 う 可 能 性 は す で に 示 さ れ て い た が 、 こ の 二 量 体 を 持 た な い マ ウ ス 未 分 化F9細 胞 に お い て もGPEI配 列 が 高 い 活 性 を 示 す こ と か ら 、 こ の 高 活 性 は c‑Jun/c‑Fos=量 体 で は 説 明 さ れ ず 、 他 の 転 写 因 子 の 関 与 が 示 唆 さ れ る 。 そ こ で 我 々 は 、Jun/

Fos関 連 遺 伝 子 産 物 の GPEI配 列 に 対 す る 結 合 親 和 性 と 転 写 調 節 能 を 検 討 し た 。     材  料  と  方  法

(1) Jun/Fos関 連 遺 伝 子 産 物 の 合 成 と ゲ ル シ フ ト ア ッ セ イ

c‑jun cDNAは ラ ッ ト 肝cDNAラ イ ブ ラ リ ー よ ル クロ ーン した 。fosB,△ 、fosB,fral,fra2のcDNA は ラ ッ ト 線 維 芽 細 胞 株3Y1のRNAか ら 逆 転 写 後polymerase chain reactionで 増 幅 し た 。junB, junDのcDNAはD.Nathans博 士 か ら 、c‑fos cDNAはN.Nomura博 士 か ら そ れ ぞ れ 供 与 を 受 け た 。 各cDNAをpBluescriptII (Stratagene,CA,USA)に 挿 入 し 、T3あ る い はT7 RNA合 成 酵 素 を 用 い て 試 験 管 内 でcap類 似 体 存 在 下 に 転 写 反 応 を 行 いRNAを 合 成 し 、 こ れ ら のRNAか ら ウ サ ギ 網 状 赤 血 球 ラ イ セ ー ト(Promega,WI,USA)を 用 い て 各 遺 伝 子 産 物 を 合 成 し た 。 下 記 の オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド をKlenow酵 素 を 用 い て[oc‑32Pl‑dCTPで 標 識 し 、 遺 伝 子 産 物 と と も に2ygの ポリ(dI‑dC). ポ リ(dI‑dC)存 在 下 で37℃ で30分 間 結 合 反 応 を 行 っ た 。 反 応 物 は4%ポ リ ア ク リ ル ア ミ ド ゲ ル 内 で 電 気 泳 動 し た 。

    ′ 工RE:  5′ ― く;ATCCATGAGTCAGACAくXユXTCー3′

    く ヨ ; Eエ :5′ ― く 薯 ¥ [ くcGrAGTCAGTCAGIATGATTCAGCAAC£ Eぬ ユ C− 3′ (2) jun/fos関 連 遺 伝 子 の 導 入 と ク ロ ラ ム フ ェ ニ コ ー ル ア セ チ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ

266 ‑

(2)

(Chloramphenicol acetylransferase: CAT)アッセイ

3‑actin promoter (c‑jun),RSV‑LTR(j unB,junD),SRa promoter (c‑fos,fosB,△fosB,fral,fra2)を そ れぞ れ プ ロ モー タ ー とし て 持 つjun/fos関連 遺 伝 子の 発 現プ ラスミ・ ドを作 製し、こ れを2Ligと TRE配 列 あ る い はGPEI配 列 の 下 流 にCAT遺 伝 子 を 持 つ レ ポ ー タ ー 遺 伝 子2Lrgを り ン 酸 カ ル シ ウ ム 共 枕 法 に て 未 分 化 マ ウ スF9細 胞 に 導 入 し た 。CAT活 性 を 導 入48時 間 後 に 測 定 し 、 デ ン シ トメーター(Molecular Dynamics,CA,USA)にて相対的CAT活性を評価した。

    結  果

(1) Jun/Fos関 連 遺 伝 子 産 物 のGPEI配 列 に 対 す る 結 合 親 和 性

標 識 し たTRE配 列 お よ びGPEI配 列 を プ ロ ー ブ と し て 用 い た ゲ ル シ フ ト ア ッ セ イ の 結 果 、Jun/

Fos関 連 遺 伝 子 産 物 の 様 々 な 組 合 せ か ら な る 二 量 体 は す ぺ て 特 異 的 にGPEI配 列 に 結 合 す る こ と が 示 さ れ た 。GPEI配 列 に 対 す る 結 合 はc‑Jun/FosBお よ ぴc‑Jun/ △FosBの 組 合 せ が 同 程 度 で 他 の 組 合 せ よ り 強 か っ た 。GPEI配 列 へ の 結 合 は 、 い ず れ の 組 合 せ の 場 合 もTRE配 列 に 対 し て よ り 低 か っ た 。 さ ら に こ の こ と は 、 大 量 未 標 識TRE配 列 あ る ぃ はGPEI配 列 オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド を 用 い た 競 合 的 結 合 阻 害 実 験 に よ っ て 確 認 さ れ た 。

(2) Jun/Fos関 連 遺 伝 子 導 入 のGPEI配 列 に 対 す る 転 写 調 節 、

Jun/Fos関 連 遺 伝 子 産 物 のGPEI配 列 に 対 す る 転 写 調 節 能 を 検 討 す る た め に 、 未 分 化F9細 胞 に お い てTRE配 列 あ る ぃ はGPEI配 列 を 持 つ レ ポ ー タ ー 遺 伝 子 を 用 い たCATア ッ セ イ を 行 っ た 。 c‑junあ る い はjunDをc‑fosと の 組 合 せ で 導 入 し た 場 合 、GPEI配 列 を 介 し た 転 写 が 増 加 し た 。 fosBあ る ぃ はLxfosBは 、 単 独 あ る い はc‑junと の 組 合 せ で 導 入 し た 場 合 、GPEI配 列 の 活 性 を 部 分 抑 制 し た 。 一 方TRE配 列 に 対 し てfosB、 △fosBと も にc‑junに よ る 転 写 活 性 増強 を 抑 制し た が

△fosBの 方 がfosBよ り も そ の 効 果 は 大 で あ っ た 。     考  察

(1) Jun/Fos関 連 遺 伝 子 産 物 の GPEI配 列 に 対 す る 結 合 親 和 性 に 関 し て Jun/Fos関 連 遺 伝 子 産 物 は 二 量 体 の 組 合 せ に よ りTRE配 列 に 対 し て 異 な る 結 合 親 和 性 を 持 っ こ と が 報 告 さ れ て い た が 、GPEI配 列 に 対 し て の 体 系 的 報 告 は こ れ ま で な か っ た 。c‑Jun/FosBお よ びc‑Jun/ △FosBの 組 合 せ がGPEI配 列 に 対 す る 高 親 和 性 を 示 し た が 、Jun/Fos=量 体 のTRE配 列 に 対 す る 解 離 定 数 がnMオ ー ダ ー で あ る の に 対 し 、 こ の 二 量 体 形 成 の 解 離 定 数 がmMオ ー ダ ー で あ る と の 報 告 を 考 え る と 、 こ の 実 験 で み ら れ たJun/Fos関 連 遺 伝 子 産 物 のTRE配 列 あ る い は GPEI配 列 に 対 す る 様 々 な 二 量 体 の 結 合 親 和 性 の 違 い を 規 定 し て い る の は 、 二 量 体 と し て の DNA結 合 能 よ り む し ろ 二 量 体 形 成 の 段 階 の 方 か も 知 れ な い 。 ま た こ れ ら 二 量 体 のGPEI配 列 に 対 す る 結 合 親 和 性 はTRE配 列 に 対 す る よ り 低 い こ と を 示 し た が 、 こ れ はGPEI配 列 のTRE様 配 列 が 完 全 なTRE配 列 で は な い た め と 思 わ れ た 。

(2) Jun/Fos関 連 遺 伝 子 産 物 のGPEI配 列 に 対 す る 転 写 調 節 に 関 し て

線 維 芽 細 胞 で はTRE配 列 を 介 し た 転 写 をFosBは 活 性 化 し 、 一 方 △FosBは 抑 制 す る こ と が 報 告 さ れ て い る が 、 我 々 の 用 い た 系 で はTRE配 列 に 対 し て はFosBと △FosBの 効 果 の 差 が み ら れ た が 、GPEI配 列 に 対 し て は 認 め ら れ な か っ た 。GPEI配 列 結 合 能 に 関 し てc‑junと の 組 合 せ で FosBと △FosBの 間 で 差 は み ら れ な か っ た の で 、Jun/Fos関 連 遺 伝 子 産 物 の 間 のGPEI配 列 を 介 し た 転 写 調 節 能 の 違 い よ り 、 む し ろJun/Fos関 連 遺 伝 子 産 物 以 外 のGPEI配 列 結 合 因 子 の 関 与 を 考 慮 す ぺ き で あ ろ う 。 肝 化 学 発 癌 過 程 に お ぃ てGPEI配 列 の 高 活 性 の 責 任 因 子 は 同 定 さ れ て い な い が 、 こ れ を 発 見 す る こ と がGST‑P遺 伝 子 の 転 写 活 性 化 の 機 構 を 明 か に す る う え で 重 要 で あ る こ と は 言 う ま で も な い 。 し か しGPEI配 列 に 対 し て 高 親 和 性 を 持 つc‑Jun/FosBあ る い はc・ Jun/ △FosBの 二 量 体 が こ の 因 子 のGPEI配 列 へ の 結 合 を 抑 制 す る 、 ま た は 、FosBあ る い は △ FosBが こ の 因 子 と 結 合 し て 、GPEI配 列 を 介 し た こ の 因 子 の 転 写 活 性 化 を 抑 制 す る 可 能 性 は 否 定 で き な い 。

    ‑ 267−

(3)

     結    語

(1) Jun/Fos 関連遺伝子産物の二量体はすぺて特異的にGPEI 配列に結合するがその親和性は TRE 配列に対すてより低かった。GPEI 配列に対する結合親和性はc‑Jun/FosB およぴc‑Jun/ △ FosB の組合せが同程度で他の組合せより高かった。

(2) 未分化F9 細胞においてfosB あるいは△fosB の導入は、単独あるいはc‑jun 導入との組合せで

GPEI 配列を介した転写活性を部分抑制した。

(4)

学位論文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

Jun and Fos related gene products bind to and modulate the GPE I,  a strong enhancer element of the rat glutathione transferase P gene.

(Jun/Fos関連遺伝子産物はラットグルタチオントランスフェラーゼ遺伝子の強カな     エ ン ハ ン サ ーGPEI配 列 に 結 合 し そ の 転 写 調 節活 性を 変化 させ る 。)

  ラ ッ ト 胎 盤 型 グ ル タ チ オ ン ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ(GST‑P)遺 伝 子 は 肝 化 学 発 癌 の 初 期 か ら 特 異 的 に 発 現 さ れ 、 そ の5 ・ 上 流 に 位 置す る強 カな エン ハン サー(GPEI配列 )に よ り 発 現 調 節 さ れ る こ と が 知 ら れ てVゝ る 。GPEI配 列 は12‑O‑tetradecanoyl‑phorbol 13‑

acetate (TPA)応 答 配 列(TRE)様 配 列 が 逆 向 き に2個 並 ん だ 構 造 で くTRE配 列 に 結 合 す る 転 写 因 子AP‑1の 関 与 が 示 唆 さ れ る 。AP‑1はJun/Fosフ ん ミ リ ー に 属 す る 構 造 が 類 似 し た 複 数 の タ ン パ ク 質 の 二 量 体 でTPAの 核 内 シ グ ナ ル 伝 達 を 担 う 因 子 で あ り 、 こ の ファミリーはc‑jun,junB,junDのjun遺伝子とc‑fos,fosB,△fosB,fral,fra2のfos遺伝子 か ら な る 。c‑Jun/c‑Fos二 量 体 がGPEI配 列 に 結 合 し 転 写 調 節 を 行 う 可 能 性 は す で に 示 さ れ て い た が 、 こ の 二 量 体 を 持 た な い マ ウ ス 未 分 化F9細 胞 に お い て もGPEI配 列 が 高 い 活 性 を 示 す こ と か ら 、 こ の 高 活 性 はc‑Jun/c‑Fos二 量 体 で は 説 明 さ れず 、他 の転 写 因 子 の 関 与 が 示 唆 さ れ る た め 、Jun/Fos関 連 遺 伝 子 産 物 のGPEI配 列 に 対 す る 結 合 親 和性と転写調節能を 検討した。

  合 成Jun/Fos関 連 遺 伝 子 産 物 とTRE配 列 お よ びGPEI配 列 を 用 い た ゲ ル シ フ ト ア ッ セ イ の 結 果 か ら 、 こ れ ら 遺 伝 子 産 物 の 二 量 体 は す べ て 特 異 的 にGPEI配 列 に 結 合 す る が そ の 親 和 性 はTRE配 列 に 対 し て よ り 低 く 、GPEI配 列 に 対 す る 結 合 親 和 性 はc‑Jun/

FosBお よ ぴc‑Jun/ △FosBの 組 合 せ が 同 程 度 で 他 の 組 合 せ よ り 高 い こ と が示 され た。 次 にGPEI配 列 の 下 流 に ク ロ ラ ム フ ェ ニ コ ー ル ア セ チ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ 遺 伝 子 を 持 つ レ ポ ー タ ー 遺 伝 子 を 用 い て 未 分 化F9細 胞 に お け るGPEI配 列 を 介 し た 転 写 調 節 に 対 す るjun/fos関 連 遺 伝 子 導 入 の 効 果 を 検 討 し た と こ ろ 、fosBあ る い は △fosBの 導 入 が 、 単 独 あ る い はc‑jun導 入 と の 組 合 せ でGPEI配 列 を 介 し た 転 写 を 部 分 抑 制 し た こ と か ら 、Jun/Fos関 連 遺 伝 子 産 物 がGPEI配 列 を 介 し てGST‑Pの 発 現 調 節 を 行 う こ と が 示

夫 三

征 信

橋 山

石 犬

西

授 授

教 教

査 査

主 副

(5)

唆された。また、肝化学発癌過程におけるGPEI 配列の高活性の責任因子はJun/Fos 関連遺伝子産物であるとぃう可能性は少なく、この因子を明らかにすることが今後重 要であるとの考察を加えた。

   口頭発表に当たり、副査の犬山教授より1 )ヒトホモローグの発現調節について、

2 )腫 瘍マーカー としてのラットGST‑P 発現に関する最近の研究について、 3 )GPE I 配列の高活性の責任因子の同定について、質問がなされた。申請者は1 )ヒトホモ ローグである GST‑ だの発現調節領域に GPEI 配列が存在するとぃう報告はなく、ヒト においてはGST‑ 汀は腫瘍マーカーとは考えられていないこと、2 )埼玉医科大学生 化学教室の村松教授らのグループが、 GST‑P の発現調節領域の下流に CAT 遺伝子をも つコンストラクトを組み込んだトランスジェニックラットを作製し、in vivo において も実際にGST‑P が肝化学発癌の腫瘍マーカーであり、この発現に GPEI 配列が必要で あったことを証明したこと、3 )未発表の実験結果として HeLa 細胞の核抽出液内で GPEI 配列に特異的に結合する因子の部分精製を試みたこと、を回答した。ついで副 査の西教授より1 )試験管内でのタンパク合成、遺伝子導入の際の発現レベルの検討 について 、 2 )肝 化学発癌過程における AP‑1 の発現様式と TRE 配列を持った遺伝子 とGST‑P 遺伝子の発現差異について、質問がなされた。申請者は1 )すべての関連遺 伝子産物のin vitro transcription/translation 実験に同じシステムを用いているため GPEI 配列に対する結合親和性の違いはタンパク合成量の違いによるものとは考えに くいこと、fos 関連遺伝子の導入に同じプロモーターを用いて異なる効果を認めたこ とから発現レベルの違いでは実験結果の説明が難しいこと、2 )肝化学発癌過程にお けるAP .1 の発現は高くなり、コラゲナーゼ等の TRE 配列を持つ遺伝子の発現も増加す ると考えられるが、その発現パターンの特異性ではGST‑P 遺伝子の発現ほど特異的で はないこと、を回答した。最後に主査の石橋教授より 1 )GPEI 活性のfosB ,△fosB に よる抑制と腫瘍マーカーとしてのGST‑P 発現の関係について、2 )結合能の違うタン パクを遺伝子導入実験で用いる場合の問題点について、質問がなされた。申請者は1 ) fosB ,△fosB は肝化学発癌過程におけるGST‑P 発現の主因子ではなく未知なる責任因子 の同定が必要であること、2 )結合能の強弱もそれぞれのJun/Fos 関連遺伝子産物の 性質のひとつであると考えられること、を回答した。

   審査員一同は、本研究カ ijun/Fos 関連遺伝子産物のGPEI 配列に対する結合親和性

と転写調節能を検討した体系的報告であり独創性を有していることを高く評価し、ま

た申請者が研究者として誠実かつ熱心であり、大学院課程における研鑚や単位取得な

ども併せ、博士(医学)の学位を受けるのに充分な資格を有するものと判定した。

参照

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