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学位論文題名Reproduction of Primate Model of Chronic Cadmium Toxicosis and la, 25 (OH)2VitamlnD3Therapy OnBOneLeSionSintheRatMOde1

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Academic year: 2021

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博 士 ( 獣 医 学 ) 倉 田 祥 正

     学位論文題名

Reproduction of Primate Model of Chronic Cadmium   Toxicosis and la, 25 (OH)2VitamlnD3Therapy     OnBOneLeSionSintheRatMOde1

     ( サ ル に お け る 慢 性 カ ド ミ ウ ム 中 毒 症 モ デ ル の 作 製 お よ び ラットモデルを用いたla ,25 (OH)2Vitamin D3 の治療効果に関する検討)

学位論文内容の要旨

  カドミウム(Cd)は普遍的に存在する環境汚染物質であり,腎あるいは骨に対する毒性 作用が問題となる,近年世界各地で行われた疫学調査の結果,食物や喫煙等を介した人 体へのCd暴 露状況が 明らかと なり,Cdの 体内蓄積と腎尿細管障害や骨萎縮との関連性 が指摘されている.すなわち,これらの影響は,本金属を取り扱う職業従事者や本金属に 重 度 に 汚 染 さ れ た 地 域 の 住 民 の み な ら ず , 一 般 住 民 に お い て も 認 め ら れ る .   1968年に我が国最初の公害病として政府から認定を受けたイタイイタイ病(IID)は,最 も重篤な慢性カドミウム中毒症とされる.IIDの場合は,岐阜県神岡鉱山(亜鉛,鉛鉱)か ら流出したCdを含む残土が神通川を汚染したことが原因とされる,今までに富山県の下流 域において計183名がIID患者として認定されているが,本病の特徴もやはり尿細管腎症 と 骨 軟 化 症 を 伴 う 骨 萎 縮 で あ り , 大 多 数 の 患 者 は 閉 経 後 の 女 性 で あ る .   IIDとCd長期暴 露との因 果関係やCdの腎ある いは骨へ の毒性作 用を明らかにするた めに,多くの研究者が動物実験を試みた.しかしながら,これらを証明できたものは極めて 少なく,特に骨病変に関しては実験的に再現されたことがなかった,ー方,このために,ビタ ミンD欠乏,栄養障害あるい|よ多産がIIDの主原因と考えられ,このことが本病の発症機 序 の 解 明 や 治 療 法 の 開 発 に お い て 大 き な 障 害 と な っ た も の と 推 察 さ れ る ,   最近我々は,卵巣摘出したラットに塩化Cdを反復静脈内投与することにより,IIDに類 似した腎あるいは骨病変を示す慢性Cd中毒症モデルを作出することに成功した.前述の     ―1317ー

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通りIID患者が閉経後の女性に多い事から,骨形成あるいは骨量維持に促進的なエストロ ゲンの欠乏が本病の骨障害の進展に相乗的に働くと考え,動物には卵巣摘出を施した,ま た ,Cdの 消 化 管 か ら の 吸 収 率 が 著 し く 低 い こ と か ら , 静 脈 内 投 与 を 試 み た ,   本研究第1および2章では,カニクイザルにおいて,ラットの場合と同様の方法で慢性 Cd中毒症の作出を試みた.特に骨代謝に対するCdの影響を論ずる場合,ラットがモデリ ング動物であるのに対しヒトを含む霊長類はりモデリング動物であることから,霊長類の病 体モデル は極めて 有意義なも のとなり 得る, 13−15ケ月に亘 るCdCI2(1.0および2.5 mg/kg/day)の反復投 与の結果,IIDに極めて類似した腎性貧血,問質の繊維化を伴った 尿細管腎症ならびに類骨の著しい増加を伴った骨粗しょう症を有する慢性Cd中毒症モデ ルの作出に成功した.骨病変の発症には,腎尿細管障害に起因すると考えられる血中無 機リンと活性型ビタミンD3の低下,破骨細胞の増加と尿中デオキシピリジノリン(dPYR) の増加に示される骨吸収の活性化ならびに石灰化前線への鉄の沈着に示される骨形成に 対する直 接的阻害 作用の関与 が示唆さ れた.本 霊長類モデルは,Cd慢性中毒における 腎あるいは骨障害発現の機序解明あるいはその治療法の開発に極めて有用であると考え られる.また,本霊長類モデルでは,膵島,殊にB細胞の変性性変化が観察され,膵臓も Cdの―次的標的器官である可能性が示唆された,

  本研究第3章では,ラットの慢性Cd中毒症モデルを用いて,ビタミンD3活性型誘導体 の骨病変に対する治療効果を検証した.IIDの骨障害の治療には,ビタミンD2やビタミン D3活性型誘導体が用いられた.しかし,その治療効果に関する疫学的調査報告は少なく,

実験的にもそれを確認した例はない.本研究で用いた1a,25(OH)2 D3 (Calcitriol)は,本 来腎において活性化される1a位が水酸化された活性型であり,重篤な腎障害を有するIID 患者や本動物モデルでの有効性が期待された.  Calcitriol (0.02 yg/kg/day)の8週間に亘 る間 歇 静脈 内 投 与に よ り ,非 卵 巣摘 出 動 物で 血 中PTHお よび尿中dPYRの低下, 皮質 骨の類骨量ならびに海綿骨石灰化前線へのFe沈着面積の減少が認められた,しかし,こ れらの改善効果は,卵巣摘出動物では認められなかったことから,慢性Cd中毒の骨障害 に対するCalcitriolの治療効果は,エストロジェンとの併用によりさらに増強されると考えら れた.

    ―1318−

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学 位 論 文 審 査 の 要 旨 主査   教授   梅村孝司

副査   教授   岩永敏幸(医学研究科)

副査   助教授    数坂昭夫

副査    教授    土井邦雄(東京大学)

     学位 論文 題名

Reproduction of Primate IVIodel of Chronic Cadmium   Toxicosis andl ぱ , 25 (OH)2Vitamin D3 Therapy     on Bone LesionslntheRatMOdel

     ( サ ル に お け る 慢 性 カ ド ミ ウ ム 中 毒 症 モ デ ル の 作 製 お よ ぴ ラットモデルを用いた1 ぱ, 25 (OH)2Vitamin D3 の治療効果に関する検討)

  近 年 の 疫 学 調 査 で 食 物 や 喫 煙 等 によ る 人体 への カド ミウ ム (Cd)暴 露状 況が 明ら かと な り、Cd の 体内 蓄積 と腎 や骨 障 害と の関 連が 指 摘さ れる 。我 国初 の 公害病として認定されたイ タイイタイ病

IID)は最 も重 篤な 慢 性Cd中毒 症と さ れ, 尿細 管腎 症と 骨 軟化を伴う骨萎縮を主病変 とする。しか し 、Cd長 期 暴 露 と 腎 あ る い は 骨 障 害 と の 因 果 関 係 を 実 験 的 に 証 明 で き た も の は 少 な い 。   12章 で は 、 卵 巣 摘 出 カ ニ ク イ ザ ル にCdCI2を 反 復 静 脈 内 投 与 し 、 慢 性Cd中 毒 症 モ デル の 作 出を 試み た。 その 結 果、IID様の 腎性 貧血 、問 質 の線 維化 を伴 う 尿細 管腎 症、 類骨 増加を伴う骨 粗 鬆 症 が 発 現 した 。骨 病変 の発 症 には 、尿 細管 障害 に よる 血中 無機 リ ンと 活性 型ビ タミ ンD3の 低 下 、 破 骨 細 胞 増 加 と 尿 中 デ オ キ シ ピ リ ジ ノ リ ン(dPYR)増 加 に 示さ れ る骨 吸収 の活 性化 、 石灰 化 前 線 へ の 鉄 沈 着に 示さ れる 骨形 成 阻害 作用 の関 与が 示 唆さ れた 。骨 代 謝が ヒト と近 似し た 霊長 類 モ デ ル は 、 骨 障 害 の 機 序 解 明 や 治 療法 開 発に 有用 であ ると 結 論し た。 その 他、 膵B細胞 の 変性 性 変 化 が 観 察 さ れ 、 膵 臓 も Cdの ― 次 標 的 器 官 で あ る 可 能 性 が 示 唆 さ れ た 。   3章 で は 、 ラ ッ ト 慢 性Cd中 毒 症 モ デル を用 い、 骨 病変 に対 する1a,25(OH)2 vitamin D3聞 歇 静 脈 内 投 与 の 治 療 効 果 を 検 証 し た 。 そ の 結 果 、 血 中PTH、 尿 中dPYR、 類 骨 量 、 石 灰 化 前 線へ の 鉄 沈着 に改 善効果を認めた。し かし、これらは卵巣摘出動物 では顕著でなく、治療には エストロジェ

ンとの併用がより有効であると結論した。

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  霊長類のCd中毒症モデルの作出および 病態解析、ならびにラットモデルを用いた骨病変の治 療に関する本研究は、本症の機序解明、治療に貢献するものと判断された。よって審査員一同は、

上記 博士 論文 提出 者倉 田 祥正 氏の 博士 論文 は、 北海 道大 学大 学院 獣医 学研 究科 規 程第6条 の規定による本研究科の行う博士論文の審査等に合格と認めた。

参照

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